俺の脳内選択肢が全力で修羅道に導いてくる   作:修羅

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第7話 ルテスに鍛えてもらう!

 俺の名はルテス、迷宮都市にて働いている騎士だ。働いていると言っても手を抜いてのらりくらりと活動をしているだけだがな。

 

 

 都市内で巡回をしているととある子供に声をかけられた。黒髪……いや、特に気にすることではないか。

 

 

 迷宮に行きたいという子供、なぜそんなことを聞くのか疑問に思っていたが、ふと思い至った。偶に居る、迷宮に夢を持ってくる馬鹿なのか、どうなのか。

 

 

 だが、俺は話しながらあることに気づいた。こいつは……3年前剣術大会でラシュア家の娘と戦っていたやつであると。

 

 

 

 

 ──あの戦いは鮮烈に俺の記憶に残っている

 

 

 

 絶対に勝ちを譲らないという意思、何度も立ち上がる不屈の闘志。そしてそれをただの少年が持ち合わせているという矛盾。全てが強烈なものだった。

 

 

 あれほどの少年が一体どこから生まれたというのか。そして、なぜそれほどまでに立ち上がるのか。

 

 

 その謎だけが俺の心に大きく、残っていた。

 

 

 

 あの時の少年だ。

 

 

 

 

「よし、ここがいい」

 

 

 

 

 俺は少しだけその少年に興味を持っていた。名は聞くまでもない、俺は彼の名を覚えていたのだから。

 

 

 ライヴァン。彼を迷宮都市の空き地に呼び出した。彼は強くなるためにここに来たと言った。迷宮には入ることは騎士でないとできないが、彼ならば無理に入ろうとしてもおかしくはないだろう。

 

 

 だから、俺が鍛えてやる。

 

 

 普段ならこんなことを引き受けなどしない。だが、俺は自ら剣を抜いていた。

 

 こいつはなぜあれほどの執念を見せるのか。かつての俺も強さを持つことを求めていたが、俺は途中で諦めた。過去の自分もここまでの強靭さと凶暴さを併せ持つことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺に一本を当ててみろ。本気で来い」

「……そのつもりだ」

 

 

 

 

 

 まず動き出したのはライヴァン。まるで猪のようにただ突っ込んできた。そのまま彼は剣を俺に振り落とした。

 

 

 しかし、俺もそこに合わせ剣で防ぐ。信じられないが、俺は一瞬剣が折れてしまうのではないかと心配をした。

 

 

 いや、折れるわけがないのだがだとしてもだ。そう思わせる迫力があったのだろう。

 

 

「……」

「ほう? ガキにしてはやるじゃねぇか。だが軽いぜ」

 

 

 

 そうは言っているが……おいおい、これがただのガキの振るう剣か? こいつ……とんでもない量の【魔素】を持ってやがる。

 

 俺の二分の一は現段階であるようにすら見える。だが、それを体に転化し使いこなすことはできていない。

 

 

 

 だが、魔素がこの時点でここまであるガキなんて見たことねぇぞ……

 

 

 

 魔素とは体に満ちる特異エネルギー、これを扱うことで魔法を使用することができる。または体を強化することだって出来るのだ。

 

 ただ、その魔素は本来そう簡単に増やせない。体に最初にある量は本当に微々たるものなのだ。

 

 

 

 

「お前、普段どんな鍛え方してやがる?」

「さぁな、ただ、大した量ではない」

 

 

 

 大した量ではない……? 笑わせるぜクソガキが。

 

 魔素は体を酷使した時に体の防衛本能で増えることが多いとされている。無論、心身の成長によって増えることもあるがこのガキによってはそれもねぇだろ。

 

 

 なぜなら、僅か8歳で俺の半分だ。剣術大会の時は逆立ちで歩いて帝都まで来たと聞く。本来5歳だった子供が逆立ちで歩けるほど筋力が発達しているはずもない。

 

 つまり、こいつは5歳の時点で魔素によって体を強化するのを無意識のうちに覚えていたということだ。無意識だからこそ、大した精度ではないが、それでも無理矢理に体を酷使した反動

 

 

 

 それが、この魔素の量に直結してるってとこか。

 

 

 

 

「まだだ」

「そうかよ!!」

 

 

 

 

 俺に剣を当てられず、諦めるどころか凄みが増しているようにすら感じられる。剣の振り方ははちゃめちゃだが、それでも思わず大人の俺すらも浮き足立たせる眼光の鋭さ。

 

 

 

 そしてなにより、その執着……普通ガキなら大人に一撃を入れるのをここまで血眼で向かってくるか?

 

 

 

「まだだ」

「……お前ッ」

 

 

 

 

 おいおいおいおい、なんというスタミナだ。こんなに全力で走りながらもまだまだ、向かってくるのが容易に想像できる。

 

 

 ──世界で1番強くなる

 

 

 

 こいつまさか、本当に……世界の頂上を見据えてるというか?

 

 

 

 

「お前、なんで世界で1番強くなりたい? 何か成し遂げたい目的でもあるのか?」

 

 

 

 強さを求めるやつは大体理由があるものだ。こいつは一体何を求めている。復讐を求める者、富や名声を求める者、あまた存在しているが……

 

 

 

 

 

 

 

「何もない。ただ、強くなりたい……」

「理由なき強さへの渇望か」

 

 

 

 

 ただ己を高めたいだけだというのか。それだけだと言うのか、その為のだけに……異常な執着を燃やすと言うのか。

 

 

 

 

「まだだ」

「……お前、どんなスタミナしてるんだよ」

 

 

 

 

 既に只管打ち込みを続け日も暮れようとしている、何時間も動き続け疲労もあるはずだ。だが、そんなことをモノともしないとはな。

 

 

 額に汗が滲んでるぞ……。だが、その瞳の強さは未だ衰えずに俺を見据えている。

 

 

 

「まだだ」

「……マジかよ」

 

 

 

 

 

 俺は……なぜ、この子供を鍛えたいと思ったのがわかった。見てみたくなったのだ。

 

 この若く、青く、可能性に満ち溢れた、狂気の才能を。

 

 

 こいつは一歩間違えばただ強さを求めるだけの獣になる。だがそれでも、見てみたい。

 

 

 

 

 この子供の行く末を……

 

 

 

 

「お前、まだやるか」

「答えを聞く必要があるか」

「当然だったな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が構えるとまた、ライヴァンは構えた。そして、気絶するまで彼は戦い続ける。

 

 

 

 

 

◾️◾️

 

 

 

 

 

 

 ルテスと言うおっさん、彼が俺のことを鍛えてくれるらしい。まぁ、鍛えてくれるなら是非ともお願いしたい。

 

 

 まぁ、騎士なら効率よく強くなる方法を教えてくれるだろう。

 

 

 

 

 

「俺に一本を当ててみろ。本気で来い」

 

 

 

 

 え、いきなり戦うんだ。準備運動とかしないのだろうか。

 

 

──選べ

【勝てんぜ。お前は(ご飯)】

【……そのつもりだ】

 

 

 

 おい、ドラゴンボール好きだね、本当に選択肢は。俺も好きだけどさ。まぁ、ここは下のほうがまだいいだろう。

 

 

「……そのつもりだ」

 

 

 

 そう思って剣を持って突撃した。しかし、あっさりとルテスによって剣は止められてしまった。

 

 

 流石は騎士だな。俺くらい子供の剣など大した脅威とは思ってないらしい。その後も打ち込んだがどうやら勝てそうにない。

 

 

 ふむ、まぁ、結構動いて疲れたし一旦休もう。サボりたいわけではないが、ちょっと疲れた。あんまり疲れることって好きじゃない

 

 

 

──選べ

【まだだ(特攻)】

【まだだ(頑張る)】

 

 

 

 おい、どっちにしろこの訓練終わる感じしないだろ。もう疲れたって言ってるだろ。世界で1番強くなりたいって思ってるから、もうちょっとゆっくりいこうぜ、焦ってもいいことないって!!!

 

 

 

 あ、やべぇ。超きつい。本当は横っ腹痛い

 

 

 

 

──選べ

【まだだ(特攻)】

【まだだ(頑張る)】

 

 

 

 

 横っ腹痛い、そろそろ止めてくれ、もう疲れた!! もう疲れてるんだよ!!

 

 

 

「お前、なんで世界で1番強くなりたい? 何か成し遂げたい目的でもあるのか?」

 

 

 

──選べ

【虚無の悪魔を倒すため(面倒ごとに巻き込まれる)】

【何もない。ただ、強くなりたい……(本音)】

 

 

 

 え、なに上の選択肢……虚無の悪魔ってどういうこと? なんか、訳わからない展開になりそうだし、スルーしておこうか。

 

 絶対余計にややこしい展開なるだろうしな!!

 

 

 

 よし、もうだいぶ疲れたぞ、もう無理だ。だいぶ動いた、そろそろ選択肢終わらせてくれ!! もう頑張ったぞ!!!

 

 

 

「お前、まだやるか」

 

 

【まだだ、まだのだまだ】

【答えを聞く必要があるか?(ルテスの解釈次第)】

 

 

 

 

おおおおおおおおお!!!!! これはルテスが終わりだと思ったら終わりってことだよね!!! そうだよね!! もうきついです!!!! 帰りたいです!! お腹もすいてます!!!

 

 

 

辞めてるように言ってください!!!!

 

 

 

 

 

「答えを聞く必要があるか」

「当然だったな」

 

 

 

 

 ああああああああああ、剣を構えた!!! 続行ダァ!!!!! もう、気絶するまで動くしかないのかよ!!!




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