魔王を倒した勇者、家に帰る 作:かりんとう
僕は勇者。魔王を倒した。
思い返すと、旅の間、色々あった。毒のブレスを吐くドラゴンに苦戦したり、仲間不在の中で死霊使いの操る大量のアンデットを僕1人で1匹残らず倒して腐った死体の平原を作ってしまい後処理が大問題になったり、折角龍人と人間との和解の筋道が見えたところをすれ違いにより龍人の部族間で戦いが始まったり、魔人の少女があんまりにも可哀想だったから見逃してあげた次の日に街で晒し首になってたり、時折ちょっかいを出してくる魔王軍四天王の1人があんまりにも美人で惚れそうになってたら何があったんだか仲間の一人にその四天王の1人が惚れて寝取られた気分になったり、気づいたら僕を置いて知り合い全員誰かとくっついてたり……。
なんか、悲しくなってきた。やめよう。
今日は、国王陛下謁見の儀。要は魔王倒してくれてありがとうパーティみたいなもん。そこで僕はついに王女と結ばれる。旅立ちの日に約束された。「魔王を倒した暁には、王権と我が娘ローラをお前に授ける」と。
僕は仲間達と共に勇み足で王城へと向かった。
いやぁ、ローラ様美人だし、優しいからなぁ。いやぁ、旅を始めて苦節6年、やっと幸せに——
「あー……その、約束の件なんじゃがな。なかったことにしてくれんか」
「え??????????????」
ややこしい社交辞令やらを終えて、さぁ祝宴の始まりという時にささっと王に近づかれて言われた。意味わからん。
「どっどうして!?」
「しっ!あまり大きな声を出すでない。いや最初はローラも乗り気ではあったんだがの、前に魔王軍王都侵攻があったじゃろ?その時に、その……王立騎士団の団長とデキてしまったらしくて……はは」
「デキてってまさか、こ……」
「うむ。娘が子を宿してしまった」
いやそこまで言ってねぇよクソジジイ!!「恋仲なんですか」ってことだよ!なんだよクソ!死ね!あぁもう聞きたくなかった!
「いっ、一応お聞きしますが王権の方は……」
「娘が子を宿したことが分かった時に、騎士団団長のクロードの武勲を讃えてだな」
「あっ。それもなくなったんですね」
「……うむ。まぁそういうことだ。連絡が遅れてしまった。すまぬ。だが、代わりと言ってはなんだが宝物庫にある宝をたんまりくれてやろう。一生、いや、何代遊んでも無くならん程な。後、王都にお前の屋敷も建ててやろう。それで手打ちにしてくれんか」
「結婚相手が……」
「それならきっと大丈夫じゃろう?お前は勇者、きっと引く手数多だ。それに仲間の聖女アレクシアに剣士のミアも……」
「2人とも結婚しました。2人とも仲間のルークとです」
「えっ。それはなんというか……すまぬ」
「は、はは」
ははは。笑えねぇよ。え?どうすんの。え?魔王倒して、貰えるの宝物だけ?え?
宝物なら魔王倒した時に魔王城からいっぱいかっさらって、仲間で分け合ったけど(実質2分の1)それでもいらないくらいだけど?え?
僕の6年なんだったの。なんか悪いことしたっけ。他人の家に勝手に入って壺割ったことすらないんだけど。むしろ他人に施しいっぱいしたのに見返りなんもなかったけど。「お前はあの時何もしてくれなかった」とか「流石勇者様。こんな時に美人を侍らして良いご身分ですなぁ」とか毒吐かれたことあるんですけど。何なの。今までの何だったの。
力が抜けていく感じがする。このまま、砂になって消えてかないかな僕の身体。あの時の魔王みたいに——
「おい、どうしたんだ?」
肩をポンと叩かれた。爽やかな声、それこそ僕より勇者が向いている様な雰囲気を纏った奴。誰だかは分かる。ゆっくりと振り向いた。案の定、魔王を共に倒した仲間の1人、現在2人の美女+元魔王軍四天王を侍らせているルークだった。
「お前らしくもない。こんなに盛大な宴だ。気分悪いだろ?笑顔だよ笑顔」
「はは、そう……だね、ごめん」
うるせぇ黙れリア充。そう言いたかった。でもそう言える根性はなかった。ルークにムカついていると、
「ルークさまぁ、こちらに美味しいローストビーフがありますよぉ。『あーん』してあげますぅ」
「む、アレクシア、それは私が先に見つけたのだぞ?ルークに『あーん』する権利は私に……」
「いややわぁミア。わっちの方が、見つけたのは先だったんやなぁい?」
「囀るなよスイレン、貴様は所詮3番手、引き下がることだな」
「2人ともバーカ!先に言ったもん勝ちですよぉーだ!」
「「何だとぉ!?」「何やてぇ!?」」
「あはは、俺の奥さん達は全く困ったもんだよ。じゃ、お前も宴を楽しめよ」
イチャコラを見せつけられた。仲間に何度目かの殺意を抱いた。何だってこんなもんをいつもいつも見せつけられにゃならんのだ。逆にこっちが死んでお前らを困らせてやろうか。
「………はぁ」
こんなこと考えたって、虚しいだけなのは分かってる。
とりあえず、僕の使命は果たしたんだ。もう疲れた。帰ろう、故郷に。家に。そうだ、僕には幼馴染がいたんだ。きっと待ってくれているはずだ。僕は誰にも何も言わずにここから消えよう。僕が居なくたって皆んな幸せそうだ。
華やかな宴に背を向けて僕は歩き出した。
「む、勇者よ、何処へ行くのだ?」
げっ。気づかれた。
「あ……王様、僕は故郷に帰ります。宝物も屋敷も大丈夫です。今までありがとうございました」
「故郷とな?……あっ……待て、長らく伝える機会が無かったのだが」
「大丈夫です。もう大丈夫です。本当に大丈夫ですから。何も言わないでください」
「そ、そうか?なら良いのだが」
「ではお元気で」
荷支度をして王城を後にし、僕は故郷のハヤテ村へと向かう。速馬車を捕まえよう。
あ、丁度一台だけだが停留所に留まっている。
「すみません」
「へい。どちらまで?」
暗い雰囲気を纏った出っ歯の御者だった。外れっぽいが、他にはないようだし、仕方ない。
「ハヤテ……」
そうだ。直接村に行くより、ゆっくり歩いて風景を見たいな。
「デールシャ地方のハヤテ村から、大体300レータ離れた場所で降ろしてくれませんか?」
「へい」
「ありがとうございます」
速馬車の馬はライトニングホースという馬の魔物だ。名前の通り、それはもう速い。こいつの登場で物流は大きく変わったそうだ。その速さに耐えるため、御者は特殊な保護魔法がかけられた玉ねぎみたいな頭巾付きの服を着る。そして荷台はライトニングホースの速さを維持するため、庶民向けには3人乗りが限度の小さな荷台となっている。
速馬車に揺られて数分。どうやら着いたようだ。昔(といっても数年前)はこの距離だと駿馬でも数時間はかかったのに、本当、色んな意味で速いものだ。これも竜人族秘伝の従属魔法を広く伝えられたおかげかな。そのせいで失われた命も……いや、余計なことは考えないようにしよう。これでよかったんだ。きっと。うん。
「この距離だと6銀貨んなります」
「え……えっと、はい、分かりました」
無駄に割高な料金を取られた。速馬車って大体一律銀貨2枚で、高くても4銀貨だったような。ボられた気がするが、全てを終えた晴れやかな気分になってきているんだ。これくらい許そうじゃないか。
故郷だ。辺り一面に広がる美しい草原と山々、そしてその渓流。この風景を見るのは確か10年前に村の教会神託を受けて、王都へ出奔したきりだっけ。久しい。感慨深い。魔王を倒すため旅をしていた折、数年は連絡も取れずにいた。涙が浮かんでくるのを感じる。やっと帰れたんだ。きっと僕はここを目指していたんだ。村を出て、結局目的地が村、というのは変な話だけど。
朧げな記憶を頼りに、村の方へ向かうと、
「えぇ、ここ、どこぉ……?」
デカデカと勇者生誕の地ハヤテ村と書かれた看板と、勇者印のお土産販売中やら書かれた掲示板、村の中心部に無駄に美化された僕の、いや寧ろルークっぽい銅像つきの噴水があって、とても栄えた村、というよりも最早街といった風の、何やら知らない光景があった。何これ。え。本当に知らないんだけど。勇者印とか、許可出した覚えないんだけど。
恐る恐る、僕の知らないハヤテ村に入ってみる。辺りを見回しても全く分からない。実家の位置すら分からない。通りがかった妙齢の男の人に一応訊いてみる。
「あのぉ、すみません」
「どうした?」
「オーラル家は何処でしょうか……」
「あぁ、お客さん観光かい。案内してやるよ」
あれ。僕、勇者なんだけどな。ここ僕の生まれ故郷なんだけどな。何で赤の他人に案内されてるんだろう。
まぁ、いいや。とりあえずこの人について行こう。……そういえばこの人誰だっけ?村にこんな人いたっけ。思い出せないなんて失礼、いや、この人も僕の顔覚えてないな。おあいこってことで手打ちにしようか(?)
「あそこが勇者ミルト・オーラルの実家だよ」
指差された場所に目を向けると、確かに僕の、ミルト・オーラルの実家だった。実家だったのだが……、家の敷地周りが柵で囲まれていて、家が建っている、というよりか、保存されているようだった。
「この先には入れたり……」
「いやぁそれはできないね。ここは大切な文化財なんだ」
「あっ、はい」
は?自分の実家に入れない?自分のなのに?
「こ、ここに住んでた人たちは……」
「ん?あぁ、ハヤテ村の人たちかい。えーと確か、王国から土地を貰って勇者特別区っていう王都の北西部だったかな?で暮らしてるよ」
「はぁ!?」
「うぉ!?どうした!?」
「あっ、すみません、なんでも、ないです……」
あ?じゃあ、何か?僕の感慨無駄だったってか?あぁ、頭が痛い。何で知らなかったんだ。なんで教えてくんなかったんだよ王様。そういやなんか言いたげだったけど突っぱねてたわ。あぁもう。
「どうした?頭抱えて?」
「いや、えっと、まぁ大丈夫ですから。あっ、そういえばあなたは……?」
「俺かい?俺はハヤテ村観光委員会の者だよ」
ああ。そりゃ、見覚えがない訳だよ。会ったことないんだから。
「……案内、ありがとうございました。じゃあ、僕は、ここで」
「そうかい?もし腹が空いたらレストランもあるからな、そこで食事をとるといい。勇者が好物だった魔猪のシチュー定食がおすすめだよ」
「どうも」
なんだよそれ。僕の好物は牛肉のステーキだよ。魔猪の入ったシチューなんか食った事ねぇよ。子供の頃はほぼ毎日基本肉無しの母親特製野菜シチュー食ってたけどあれあんま好きじゃなかったよ。それともあれか?たまに猪が獲れた時のご馳走(ハヤテ村基準)シチューが曲解された結果ってか?
「はぁ。王都方面に出戻りか。なんなんだ全く……」
とぼとぼと歩き、村を出る。
入り口の方に振り返る。やはり昔の村ではなかった。もうここ、故郷じゃないんだ。悲しくなった。
通信魔法を使って速馬車を呼び、王都北西部、勇者特別区とやらへと向かう。まさかの同じ馬車だった。まぁまぁ気まずかった。王都内だと速馬車でも通常の速さでの走行を求められる為、ハヤテ村へ向かうよりも長い時間馬車に揺られた。
「着きましたよ。勇者特別区でさぁ」
「どうも」
「10銀貨んなります」
「………」
やはり割高な料金を取られた。この距離でせめて6銀貨くらいじゃないか?でも文句を言ったら逆に何を言い返されるかたまったものじゃないし、払うしかなかった。
しっかし、尻は痛いし財布も痛い。宝は収納魔法の空間に大量にあるけど使える現金自体はあんまり多くないんだよ。金貨とか白金貨だとおつりが多くなりすぎて貴族向け以外はあんまり使えないんだよ。
え?じゃあ貴族向け使うなりお釣りを貰わないなりしろって?一回それやった時に「勇者というのは清貧だって聞きましたけどなぁ」って嫌味言われたんだよ。僕の精神それに耐えられる程強くないんだよ。それに金貨から銀貨の換金も銀行側が面倒くさいの分かってるから良い顔されないんだよ。行きにくいんだよ。ほとんど宝の持ち腐れになってるよこんちくしょう。
……誰にいってるんだこれ。
はぁ、もう疲れた。せめて両親に会おう。とてもただいまって言いたい気分だ。ふかふかでもふにゃふにゃでもいいからベッドで眠りたい。
またとぼとぼ歩き、勇者特別区とやらへ。
そこに待っていたのはやはり故郷、ではなかった。
「いや、何となく予想は着いてたけど……完全に貴族の居住区じゃん……」
ハヤテ村の面影など当然の様に無く、大きな屋敷が何軒か建ち並んでいた。これが勇者の親類の特権とでもいうのか。意外と王国って土地も資源も有り余ってるんだなぁ。何て幸せそうなんだろう。貴族服を着た子供達が遊んでいる。ん?なんかあの子幼馴染に似てるような。いや、気のせい多分。
「ミルト?ミルトなの?」
「えっ」
遊んでいた子供達の向こうから声。声の方に向くと、幼馴染、確かにそうだ、貴族のドレスを着て化粧もしているが、幼馴染のアンだ。あの栗毛は間違いなくアンだ。駆け寄ってくる。
「おかえり……!」
アンから抱擁を受ける。子供の頃ぶりだ。懐かしい。あの頃の素朴な石鹸の匂いじゃなくてすんごい香水と化粧品の匂いがするし、何だかこの抱擁も親愛の感じがして、近いのにとても遠い距離を感じるが気のせいだ。うん。
後ろから5、6歳くらいの女の子がアンの方へと駆け寄ってくる。アンと同じ栗毛だった。
「ママぁ、このおじさんだぁれ?」
なんかママぁとか言ってるけど言葉の綾だろうきっと。こういう子供は結構いるよね。おかしくないよね。おかしくないよね?え?そうだよね?心臓がとても痛い。鼓動がとても速い。
「あ、アン……さん?こっ、こここ、この子っはっ?」
「あぁ、この子は……」
妹って言え。親戚の子って言え。隣の家の子って言え。私あなたのママじゃないのよって言え。
「私の娘のアナよ」
「………そっ、そうなんだ。えーそう。けっけけけけけっ結婚してたんだ。だっ誰とぉ?」
「ディンギルよ。ほら、あなたの友達の」
「ディンギル!?へっ、へーお似合いだね。そりゃ、うん、良かったうん」
「そう?ありがとうね」
アンはしあわせそうにわらっていた。
ディンギル。ディンギルって、あれか、神託を受けて僕が勇者に選ばれるまで僕のこと虐めてたディンギルか。馬にちょっかいかけて暴れさせたのも村に来た吟遊詩人の楽器の弦引っ張って楽器壊したのもあいつなのに僕にありとあらゆる罪をなすりつけたディンギル・マクネンか。そのくせして無駄に要領良かったディンギル・マクネンか。アンが恐怖で目を瞑って耳を塞いでいたのをいいことに僕がアンを魔物から助けたのを自分のお陰ってことにしたディンギル・マクネンか。
僕の友達かどうかは知らないけど知り合いにディンギルって名前の奴あいつしかいないもんな。あのディンギルだよな。
涙が出てきた。
「もう、泣き虫なのは変わらないのね。でもありがとう、泣いてまで喜んでくれるなんて」
別に喜んでねぇよ。悲しんでんだよ。何だお前。何子供作ってんだよ。何だお前。僕が命賭けてた時にお前はいじめっ子に愛の言葉かけてたってか。あ?面白くねぇよ。なんなんだよ。お前、あれだからな僕だから赦されてるけどまともな奴だったら衝動に任せてお前の首根っこ掴んで引っこ抜いてるからな?酷いよ。本当に。
「ぐっ……うぅ……本当、し"あ"わ"せ"そ"う"て"……良かった。うん……。ところで……、父さんと母さんは?」
「マールさんとシアさんなら、ここから3軒先の、青い屋根の屋敷よ」
「……そっか。ありがとう」
ディンギル不倫してねぇかな。してろ。
両親の住んでいるであろうその屋敷は、あの頃住んでいた木造の家とは全く似ても似つかなかった。こんな貴族じみた、金持ちだと主張するような家、確か母のシアは嫌いだったような。
屋敷の門の呼び鈴を鳴らすとメイドが出てきた。猫耳の少女、獣人だった。そういえば父のマールは猫の獣人なんぞ毛が周りにいっぱい落ちそうで好きじゃないなぁとか言っていたような。
「どちら様でしょうか?」
ここの家の息子に決まってんだろうが。勇者に決まってんだろうが。
「ミルト・オーラル、マール・オーラルとシア・オーラルの息子です。ただいま帰りました」
「えっ」
メイドは顰めっ面をした。「何を言っているんだコイツは」とでも言いたげだった。おかしぃなぁ僕は真実を言っているだけなんだけどなぁおかしぃなぁ!?
「えと……旦那様をお呼びいたしますので少々お待ちを……」
おい、対応の仕方が迷惑客みたいな感じなんだが。対応しかねた文句に対して「店主をお呼びいたします」って感じだ。「旦那さまぁ」と、主人を呼ぶ声が開いた扉から聞こえた。
しばらく経ってズカズカと僕の方へ、ザンバラだった筈の髪を小綺麗に整えて、高い生地で仕立てているのであろう服を着た父らしき人が来た。
「んん?一体誰だぁ。俺の息子を騙る無礼者は。全く……」
門越しに僕の顔をまじまじと見る。
「いやいや、似てな……ん?あれ?………あっ……むっ、息子よぉ……!」
おい。言いきる間に二度見してんじゃねぇよ。一目で分かれや。父親だろうがおめぇ。
「かっ、母さぁん!息子が帰ってきたぁぁ!」
門を開けずに屋敷の方へすっ飛んでいった。いや、まず僕を迎え入れろや。
今度はすぐだった。父は母を連れ立ってこっちに向かってきた。母の姿もすっかりとかわっていて、別人の様だった。髪を螺旋状に上へと巻いて、化粧をして、豪奢なドレスをその身に纏っていた。
「……えぇ?ミルトじゃないわよぉ、あの子勇者なんだからこんな見窄らしい感じじゃ……えっ、あらっ、えっ?みっ、ミルトちゃぁん!おっ、おほほほ、一目で分かったわぁ」
見え透いた嘘つくんじゃねぇよ。三度見してんだろうが。
いや、ほんとに——
「——ほんとに、2人とも、すごいお金持ち、貴族みたいだね。母さんなんか、おほほ、なんて、昔はそんな笑い方じゃなかったのに」
「そ、そうかぁ。株の稼ぎが上手くいっててな、これでも貴族の集まりじゃあ結構モノを言わせてるもんでなぁ」
「おほほほ。そうだったかしらぁ、私もとからこういう笑い方だったわよぉ?おほほほ」
「ははは。2人とも変わったよ。ホント別人みたい。そう、何もかも変わって……あは、ははは……はぁ、すぅぅぅぅ、クソがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおぉぁぁぁぁあぉぁぁぁぉぁぁぉぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおぁぉぁあぁぁぉぁあぉぉぉぁぉぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
僕は叫んだ。
白状かも知れないが、本当に、人生で一番なくらい叫んだ。
沼地の毒気を吸っていることに気づいて、攻略法とも言えない無謀な挑戦で蝕毒竜ロルニスクを倒した時より。
アレクシアとミアからルークと恋仲になったと告げられた時より。
あの馬鹿3人がベットで仲良しこよしで疲れ果て寝てる間に死霊王オイワートの策略を1人で阻止した時より。
あの子の虚な瞳を見た時より。
逆上した赤龍族のアイツの腕があの人の胸を突き破り、美しい翠の鱗が飛び散った時より。
泊まった宿屋の隣部屋からいつもの嬌声に加えてもう1人分女性の声が混じった時より。
魔王を倒した時より。
なんでだろう。
疲れが溜まっていたのかも知れない。
どうなんでしょうか。これ。感想やら評価やら誤字脱字報告やら、是非お願いします。ではまた。一応続く予定……です………。