Re:黒い球と共に   作:八雲ネム

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第1話 原作開始

 GANTZの世界に飛ばされ、早3年。

 

 数多くの星人との戦いで、強大な星人の攻撃で共に戦ってきた仲間が倒れ、或いは戦いに疲弊して100点メニューにあるガンツからの解放を選択して戦線を離脱していった。

 その為、一旦は最高のチームメイトだと思っても彼らの精神が磨耗してガンツからの解放を選んでしまう事が多かった為、玄野達が来ないとダメかと思いながら星人との戦いがない時間は普通の大学生として生活しながら、裏では人に言えない様な方法で日銭を稼いでいる。

 グレーゾーンでは、株やFXと言った少しのミスで破産まっしぐらな危ない物から、黒寄りの物では法律に抵触するレベルの物まで色々とやっているのだが、神様と自称する上位存在によって与えられたチートの1つにハッキング能力がある。

 

 原作の終盤において、巨人族側がハッキングによってガンツ部屋や財団チーム側の一室に生物兵器を転送させ、自爆させた描写があったので彼らに対抗できる様にと身に付けさせてくれたので、転生されてから早い段階で使ってみたのだがある事が分かった。

 

 それは、日本のハッキング対策がかなりザルだと言う事だった。

 

 いやまぁ、アメリカなどの政府が率先してITに関する技術者を高額な報酬で囲って構築しているセキュリティでも、俺の手に掛かれば突破は可能だが彼らと比べるのも烏滸がましいぐらいにザルで、大人が障子を破るぐらいに突破できるぐらいだ。

 一応、ガンツ由来のプロテクトはあるのだがそれを少し弄って構築している程度なので、アメリカなどの物よりも遥かにハッキングしやすい事から色々と探ってみると世界各国にいる財団チームがガンツメンバーを使って見世物としている事が分かった。

 いつの時代も、権力者や経済に於ける上位層は大半の事柄を金で解決できる為、暇を持て余した結果としてここまで悪辣な賭け事に興じているのだが今はまだ何もしない。

 

 圧倒的なハッキング技術により、彼らを観戦者から最前線の兵士にして星人との戦闘に送り込む事も可能だが、それをやった所で他の誰かが空いた席に座って観戦者として賭け事に興じるだろう。

 それに、余裕のある現状でそれをやると誰がやったかの犯人探しになってこちらの身元がバレて色んな手段で暗殺される可能性が上がる為、やるとするならカタストロフィの混乱時にやるのが良いので今はまだ様子見に徹している。

 

(ふむ、そろそろだな)

 

 とは言え、原作の物語が終わるまで星人との戦いで生き残るには1人で生きるのは悪くはないがかなり虚しい。

 岸本やレイカ、と言った原作キャラを待つのも悪くはないがだからと言って原作開始から3年前に飛ばされた挙句に孤児院、現代日本では児童養護施設と呼ばれる施設で育ったので高校を卒業するのと同時に施設を出て一人暮らしをする事にした。

 施設の規約で18歳までしか居れなかったし、施設育ちの偏見なんかもあるのでそこから抜け出したかったのもあるのだが、星人との戦いでどうしても夜中に抜け出すので毎回、取り繕う必要があったのも大きい。

 

 その結果、独り身で生きる事に半ば諦めの境地でいたのだが星人との戦いは思わぬ副次効果をもたらしてくれた。

 

「お待たせ、待った?」

「いいや、今来た所さ」

「そう。じゃあ、行こ?」

「おう」

 

 それは、星人との戦いを通して恋人ができた事だ。

 

 始まりは今から2年前、星人との戦いに慣れ始めて2〜3回100点クリアをした頃に初参加した恋人になる少女を助けたのがきっかけであり、そこからちょくちょく話す様になった。

 そして、話を聞いている彼女の家庭はかなり壊滅的で両親は共に浮気癖に日頃の暴力、子供に対しての無関心なクソ野郎共との事で話を聞いていた俺は行動には移さなかったがムカっ腹が立ってきてすぐに殺したくなった物だ。

 それは兎も角、彼女はそれらのストレスによって自殺しようと考えて東京の観光地巡りをしてから偶然にも死んだ日は、ガンツのミッションがあった夜だったので生きている事に絶望してしまった。

 

 しかし、人間を簡単に殺せる星人相手に無双しまくっていた俺との会話や戦う姿を見て、自殺するのはミッションが終わってからでも良いかなと思ったらしく、色々と話して俺と一緒にいる事になった。

 幸いな事に後日、彼女の死体が発見されたとの報道があった為に意図した結果ではないが、あのクソ野郎共から解放されたので暫くは彼女の療養に専念する事になった。

 治療するにしても、社会的に死人になってしまった彼女を受け入れる病院はないし、急患として受け入れたとしても俺に疑いの目が向けられるので当時は民間療法に頼るしかなかった。

 

 まぁ、こっちにはハッキングによって社会の裏側で形成したコネクションがあったので、戸籍等は作ってから裏で色々とやっている医者の元で治療を受けさせたので今は問題なく生活を送れている。

 

 

 

 

 

「来たわ」

「おう、じゃあ着替えて待機しよう」

 

 星人との戦い、個人的にミッションと呼んでいる夜には首筋に寒気を感じるので、それを合図にガンツスーツを着てその上に外着を着る形で待機する様にしている。

 これはミッションが終わり、ガンツ部屋から帰宅する際に悪目立ちしない為の方法であり、よっぽどの星人が出ない限りはこれでやり過ごせる上に服が汚れたり、ズタズタにされた際はステルスモードで帰る様にしている。割りかし家が近いしね。

 その為、互いにそれぞれのガンツスーツを着てからもう1人の相棒、ボーダーコリーのジャックにもガンツスーツを着せて待機した。

 

 原作において、ジャックは開始時点から期待されていなかったのでいつから居たのかは分からなかったが、今の世界では1年ぐらい前に呼び出されたので失踪届などが動物愛護団体などに出されていないかを確認した。

 じゃないと、所有権とかで争う羽目になるのでそう言う事は警察組織などの第三者に証明してもらうに限る、との判断で確認すると失踪届は出されていないとの事で色々と準備してから引き取る事になった。

 それ以来、日頃の世話からミッションで必要な事まで色々と躾けた結果として今では頼もしい相棒になった。

 

「おっ、転送が始まった様だな」

「今日はそっちからね」

「んじゃま、先に行ってるわ」

「うん、分かった」

「ワン!」

 

 着替えが終わり、待っているとガンツ部屋への転送が始まったのだが最初に転送された様で、誰も居なかったので壁際に立って他のメンバーを待った。

 他のメンバー、と言っても前回のミッションでメンバーの死亡や離脱によって大分減っている為、俺の他に恋人である美哉(みや)やジャック、後は中坊の西ぐらいしか居ない。

 精々、新規メンバーに期待するしかねぇなと思いながら待っていると次に西が転送されてきた。

 

「よォ」

「おーす」

 

 ミッションを通じてある程度の気心は知れている為、互いに軽い挨拶を交わしてから過度な感情は避けて無言で次のメンバーを待っていると美哉とジャックが転送された。

 既存のメンバーはここまでであり、次から新規メンバーが続々と転送されたのだが、直前まで走っていたであろう2人が転送されてきた事で俺はある事を察した。

 

「………」

「あぁ!?」

 

 それは、原作主人公である玄野 計と加藤 勝の両名が転送された事で原作が開始されたと言う事である。

 

(漸くだ。漸く始まる。こうなったら最後までやってやろうじゃねぇか)

 

 正直、彼らが来るまで原作通りに始まるのかが心配だったのだが、彼らが来たからには大丈夫だろうと思いながらガンツがある部屋とは別の部屋にあるタブレット型の端末を操作して星人の得点がわかるパソコンとZガンを転送してもらった。

 目立つ行為は辞めたかったが、西ほどの薄情さは持ち合わせていないので一発で信じてもらえる様にこう言った目立つ装備は必要なので転送してもらったのだが、その間に最後のメンバーである岸本が全裸で転送されていた。

 

「一応、見せない様に被せた」

「おう、助かるよ」

 

 その為、仰向けで寝ていた岸本に見兼ねた美哉が着ていたコートを被せたのを俺に言ってきたので、認識した事を言いながらこの場に集まったメンバーの気を引くかの様に呟いた。

 

「さて、そろそろかな?」




本編でそうそう触れられないだろうから早めやっとこうかと。
○キャラ紹介
・朝倉 道彦
 本作主人公。神様と自称する上位存在の気まぐれにより、心不全を起こされてGANTZ世界に転生させられた哀れな人間。
 神様から色々とチートをもらっているので、色々とやっているが基本的にその人物がやっても不自然ではない程度に制限が掛けられている模様。(本人に自覚なし)

・守屋 美哉
 原作開始から2年前のミッションで主人公に助けられた女子高生。
 悲惨な家庭環境の為、自殺したものの偶然にもガンツのミッションに呼び出された後で主人公に話しかけられ、彼の強さに惹かれて死ぬのを思い留まった。(本体は死亡済)
 それ以降、ミッション中は彼について回り、戦い方を学んで100点クリアを何回か果たしている。
 主人公とは恋人関係。
 キャラのイメージ図

【挿絵表示】
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