Re:黒い球と共に   作:八雲ネム

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2025/4/2 二次創作の日刊ランキングで75位になりました。本当にありがとうございます。


第5話 必要な物があればアングラな事だって………

「そーいや、朝飯はまだだったよな?」

「うん、昨日の夜から何も食べてない」

「何食べたいとかの要望ってあるか?」

「いえ、特には」

「じゃあ、きつねそばとかにしない? カップ麺の賞味期限が近かったし」

「わかった」

 

 部屋の掃除を済ませた後、美哉達が風呂から出てきたので朝食の話をすると昨日の混乱で何も食べてない事が分かった為、どうしようかと思っていると美哉がそう言ってきたので朝食の献立が決まった。

 実際、共同生活していると恋愛感情は冷めて互いが気楽に住めるかどうかにシフトする為、俺らの場合は適当に決めれる部分は適当に決めてしまっている。

 その為、岸本にきつねそばとたぬきうどんのどっちが食べたいかを選ばせてから朝食を食べ始めた。

 

「………どうした? 口に合わなかったか?」

「あっ、違うんです。ただ、自分が2人居てしかもあたしの方はコピー品」

「………」

「あたし、昔から元気よくって傷を作ってきたの。でも、風呂に入った時に確認したら8針縫った傷も2ヶ月前の傷も全部なかった。だからあたしって何なのかって思っちゃって」

「………そうか」

 

 すると落ち着いたからか、岸本自身の感情が蘇った様で自分のアイデンティティの揺さぶりが来たかのように涙を流し始めた。

 これで、チャラ男の様にギザっぽいセリフを言って慰める事ができれば良かったのだが生憎、今の俺にはそのスキルがないので彼女が泣き止むまで美哉と一緒に何も言わなかった。

 

 

 

「よし、今日は暇だから岸本の家に行ってみない?」

「えっ、えー………」

「大丈夫? 顔見られたりしない?」

「何か目的があるなら兎も角、大抵の場合は相手の顔をじっくり見ないでしょ。それに必要ならガンツスーツでステルスモードにすれば良いしね」

 

 服を始めとした日用品は後で買い出しに行けば良いし、ガンツのミッションは原作が開始する前もだったが開始以降は、特に厳しいものが多々あるので今の内にオリジナルとの踏ん切りを付かせる必要がある。

 その為に一旦、彼女の家に行って本当にオリジナルの本体が生きているかを確認させる必要があると判断した為、彼女達に言うと美哉が心配そうに岸本に話しかけたのだが肝心の岸本は暫く、考え込んでから行く事を決意した。

 

 

☆☆☆☆☆

 

 

「………オリジナルの方、普通に生きてたね」

「実際に見ると双子にしか見えなかった」

 

 岸本の家の近くにあるコインパーキングに車を止め、彼女の家が見える位置まで歩いてから様子を確認すると丁度よくオリジナルの岸本が出てきた為、俺・岸本・美哉の順で並んでコピーの岸本を見え難くして立っていた。

 そして、オリジナルの方が通り過ぎるのを待ってから振り返って彼女を見送ってから俺達は車に戻ると、コピーの方の岸本は清々した様子で話し始めた。

 

「あースッキリした!」

「そうかい?」

「だって今までずぅっとお母さんの為に生きてきたんだもん。勉強ばっかりだったし。もうあの家の、あのお母さんの子じゃないって思ったら急に楽になった気がするし」

「そうか、じゃあ踏ん切りが付いたんだな」

「勿論! これから自分の好きに生きる事にした!」

 

 彼女自身、自分の在り方に悩んでいたがオリジナルとは全く違う存在だと分かった途端、束縛されていた環境から抜け出せた事に実感が持てた様で清々した様子だった。

 岸本のこの反応、前世のなんJとかでは嫌われる要素だったらしいのだが個人的には恋愛脳すぎやしないか?と疑問に思っていた。

 実際、異性が同居するとなればそれ相応の手順が必要になると思うのだが彼女の場合は家に居場所がない上、原作での意中の相手である加藤は弟と一緒に親戚の所へ居候しているし、玄野はガンツを通して知り合った日の浅い知り合い程度の関係でしかない。

 

 しかも、玄野の方は思春期真っ盛りで性欲に忠実って言うか、良くも悪くも年相応な男子高校生なので側から見ればすれ違いコントの様なやり取りでしかないと思っていたな。

 その為、彼女が無事に前へ進める様にこっちでも色々と準備しようと考えながら車を発進させてデパートに向かった。

 

 

 

 

 

「ふーむ、やはりこれぐらいは掛かるか」

 

 必要な日用品を買い揃え、岸本が出ていくまでの生活を送れる様にした日の午後には海外にいるニンベン師   パスポートや身分証などの偽造を行う犯罪組織にコンタクトを取って彼女の偽造書類を作ってもらう事にした。

 通常、犯罪組織と言うのは裏社会に存在して表の社会からは見えない様に立ち振る舞っているし、発達したネット社会でもグーグルなどで検索を掛けてもそう簡単に出てこない様になっている。

 その為、VPNと言う送受信する際に通信を暗号化するツールを使って犯罪組織がネットで取引を行うダークウェブにアクセスして、人1人分の偽造書類を作ってもらう事にしたのだ。

 

 ダークウェブでは、違法薬物などの売買を行なっていたシルクロードと言う闇サイトの様に多種多様な闇サイトがあるのだが、匿名の通信を使っているが故に警察組織が後を追いきれないので、こちらが下手を打たなければそう簡単にバレないだろう。

 その結果、作ってもらうのだが日本で警察にバレない身分証などを作ると100万円ぐらいの金を請求されたので、それぐらいはするよなと思いながら100万円分の暗号資産を購入して向こうに渡した。

 これで、1ヶ月もすれば身分証の書類が送られてくるので次のミッションである田中星人との戦いに生き残れば、晴れて新たな人間として生きていけるだろう。

 

「何してるんですか?」

「内緒」

「何でですか?」

「んー、そう簡単に人には言えない様な内容だからだねぇ」

「えー、犯罪行為に巻き込まれるのは嫌ですよ?」

「あぁ、それは大丈夫。そう簡単に巻き込まれない様に立ち振る舞ってるから」

 

 すると、空いていた部屋に生活する上で必要な自分の荷物を入れて片付いたであろう岸本が話し掛けてきた為、折り畳み式PCを閉じてパスワードを入力しないと中を見れない様にしてから話していると、夕食の準備をするから来てほしいとの事だったので彼女と共に美哉がいるキッチンへと向かった。




今回のはネットで調べられる範囲の内容で書きました。
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