ユメ先輩「ひぃん!!ギルドは狩猟を要請するよ!」 作:まつ毛とパンツ
トリニティ総合学園。キヴォトス最強と称される学校の1つであり、空高く天空宮殿のような学舎が特徴的だ。一言で言えばお嬢様学校であり、莫大な自治区からエリート育ちのお嬢様が通っている。このトリニティであるが、元々は様々な学校や派閥が合わさって出来た学舎であり、その分…なにかと派閥問題もあるし、色々ある。
そんなトリニティの校舎に調査隊代表であるファビウスは、護衛のハンター兼ボディーガードのレックス、そしてヘリの運転手をかって出てくれたアヤネと共に訪れていた。
「ではファビウス卿、トリニティ自治区にベースキャンプを設置する許可を出します」
「感謝する、ナギサくん」
トリニティの代表としてファビウスとの会談に出てくれたのは、ナギサと名乗る天使を彷彿させる生徒。どうやら、キヴォトス人の生徒の中にはヘイローの有り無しだけでなく、一般的に伝わる天使や悪魔のように翼が生えていたり、角が生えている女の子も居るようだ。
ファビウスがトリニティに訪れた訳だが、トリニティ自治区の郊外に突如として大規模な密林地帯…通称 緋の森が出現。定期的に豊穣期→荒廃期→異常気象としての大規模豪雨→豊穣期と繰り返しており、間違いなく竜灯の影響で現れた自然だろう。幸いにも、人が住んでいる所から離れた所であり、モンスターの被害はまだ出ていない。
後に、ハンマー+ヘビィボウガン使いとなりオリヴィアの再来と呼ばれるミカちゃんが加入するフラグとなるのだった。
アビドス自治区の郊外のオフィスビル。そこのフロアの1室に『便利屋68』と看板が書かれた何でも屋の事務所がある。この便利屋はゲヘナ自治区から出てきた、1人の少女と愉快な仲間達が何でも屋として働いているのだ。
ヂリリとキヴォトス人や日本人からすれば、懐かしい黒電話が鳴り響き、便利屋68の社長を務める少女が電話に出る。
「はい、此方は便利屋68 陸八魔です」
彼女は陸八魔アル。17歳の少女で、いわゆる高校デビューという真面目っ子である。アウトローに憧れ、高校の仲間達と共に便利屋を立ち上げ、家賃のやりくりなどを頑張っているのだ。
「ええ、アビドス砂漠の熱帯苺ですね?その納品と…」
アルちゃんはそう言う、ギルド及びアビドス生徒会から発行された民間向けのアビドス砂漠でのマニュアルを素早く確認する。
原則、アビドス砂漠のモンスターは生態系を守るために、よほどの理由がなかったら、ギルドの許可無く狩猟は出来ない。しかし、マニュアルを確認すれば天然の作物や果物を無断で取ってはいけないと記されていた。
「はい!この便利屋68にお任せください!!」
アルちゃんはマニュアルに記されたルールを確認し、依頼を受けた。熱帯苺の納品なら、危険なモンスターと戦うこともギルドと争うこともない。それに、今は豊穣期で危険なモンスターが少なく、周期の中では一番安全の筈なのだ。
「さあ、行くわよ!!結構なお金が入りそうな依頼が来たの!モンスターと戦う必要もないし、楽しみね!!」
だが、便利屋は知らない。天然物の熱帯苺が採取出来る場所は……砂漠の暴君ディアブロスの縄張りの近くであると。
アビドス砂漠 ベースキャンプ。
「ホシノちゃん、マッピング出来たよ」
「ユメ先輩。ちゃんと、そう言う仕事も出来たんですね」
「出来るよ!!頑張って、国家資格取得したんだから!!」
最高指令官のファビウスが居ないが、それでもアビドス砂漠の調査だったり、情報整理でアビドス高等学校の生徒達や調査隊の面々が頑張っているのだ。
今は豊穣期ということもあり、ディアブロスのライバルである飛竜種レ・ダウは飛翔しないし、砂嵐も起きない。だからこそ、ヘリコプターでの移動も可能だ。その事もあり、ヘリコプターを使ってミレニアムサイエンススクールから人が来たり、竜都の跡地の監視のためミレニアムに行っていた調査隊の交代だったりと動いている。
そんな中、ユメとホシノはアビドス砂漠の採取マッピングを作っており、その地図には天然の蜂蜜が取れるところ、アロエやサボテンが取れるところ、熱帯苺に鉱石の採掘ポイントなどが記されていたのだ。しかし、上質な熱帯苺が取れるポイントの隣に大きくドクロマークが記されている。それもその筈、このドクロマークは……
「上質な苺、食べたいですけど、これは無理ですね」
「ひぃん!近付いたら死んじゃうよ!!だってディアブロス亜種がいるんだもん!」
豊穣期は豊かで子育てにも向いているシーズン。つまり、繁殖期だ。ディアブロスの雌は産卵し、子供が産まれると興奮状態となり…全身が真っ黒に染まる。この状態の雌をディアブロス亜種と呼んでおり、圧倒的な戦闘力を誇るのだ。
雄のディアブロス…つまり旦那を吹き飛ばし、砂漠のオアシスに涼みにきたレ・ダウを半殺しにし、ティガレックスさえも粉砕する。繁殖期のディアブロス亜種に近付くのは自殺志願者か余程の腕自慢、或いは愚か者のどれかである。
しかし、そんなディアブロスの亜種のことを知らず、近づく愚か者が居た。そう、便利屋68である!!
「なっ…なによあれぇぇぇぇえ!!」
「アル様!!物凄い勢いで…真っ黒のディアブロスが近付いて来ます!」
「アルちゃん!!ヤバイよ!!本当にヤバイよ!!」
「ただの苺採取な訳がないと思ったけど…こういうことね」
全力全身で逃げる便利屋68のメンバー!!そんな便利屋68の愉快な社員を逃走序でに紹介しよう。
「アル様ぁあ!!ディアブロスが真っ黒のディアブロスに吹き飛ばされました!!」
「なんですぅぅって!!」
先ずは平社員のハルカ。爆弾の取り扱いが良く、自分に自信がないが可愛らしい素直な女の子だ。
そして鬼嫁ディアブロス亜種に吹き飛ばされ、旦那のディアブロスは犬神家よろしくと砂漠の地面に顔面から埋まった。
「アルちゃん!!アルちゃん!!今、豊穣期だよね!?なんであのディアブロス…真っ黒で激おこなの!?」
「私にも知らないわよ!!」
彼女はムツキ。アルちゃんの幼馴染みであり、会社では室長を担当している。
「社長…レ・ダウも吹き飛ばされたよ」
「砂漠の二大頂点どっちも逝った!!」
最後は最年長のカヨコ。しっかりもので、オアシスで涼んでいたレ・ダウがディアブロス亜種に吹き飛ばされたのを見て…悟る。
「民間人?アビドスの子達ではありません!」
「厄介なことだ。リンクス、俺が閃光と煙玉でディアブロス亜種を停める。その後、民間人を連れて撤退だ。
アリスはそのサポートだ。出来るな?」
「「はい!」」
「よし、作戦開始」
その後、偶然にも豊穣期の平和な時期を利用してアビドス砂漠で環境生物の調査を行っていた鳥の隊、遊びに来ていたアリスとアルシュベルドに先生の手で、便利屋は救助された。
「グゥゥゴォォォオォ!!」
便利屋が目の前から居なくなり、ディアブロス亜種は咆哮を響かせて、元の場所に戻り…苺を食べるのだった。
アルちゃん「死ぬかと思ったわ…なにあれ!?真っ黒のディアブロス!!」
レイヴン「採取クエストでも、危険なことには変わりはないからな」
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