ユメ先輩「ひぃん!!ギルドは狩猟を要請するよ!」 作:まつ毛とパンツ
『出発は1週間後だ。急ですまないが、持っていく装備やアイテムなどの所持品を纏めるように』
キヴォトス調査隊。梔子ユメの漂着より明らかになった、文明力が高いがモンスターに対する力が弱い新大陸。今まで、存在が確認されていなかったが、ユメのこともありギルドが捜索して所在が明らかになった地方…キヴォトスで急激に新たなる生態系を構築したモンスター達の調査を行うため、各地から精鋭中の精鋭達を集め、キヴォトスに派遣されることになった調査隊である。
モンスターのことは勿論であるが、キヴォトスにはユメの家族や後輩を含めた多くのキヴォトス人が暮らしている。人間のような外見をしてるのは、『生徒』と呼ばれるヘイローがある女性限定の人であり…身体の強度はハンター達やライダー達に匹敵する。『生徒』の他には人間大の大きさとなり、犬などの環境生物を擬人化させたような人やアイルーを大きくしたような人々、そしてハンター達が知らぬロボットと呼ばれる人々も暮らしているのだ。そんな人達との交流や政治のこともあり、代表としてファビウスが調査隊を纏める。
ファビウスの下に様々な隊があり、各々が調査や物資調達、拠点管理などの役割を担う。その中でもハンター…レイヴンとユメが所属するのは『鳥の隊』、主に現地の調査やモンスターの狩猟などが主な仕事だ。
「レイヴン!!ユメちゃんってどんな子だったの?同い年だったんでしょ?」
レイヴンが滞在するドンドルマの宿。そこでレイヴンは調査に向けて、荷物を纏めていた。
「さあな…」
アイテムボックスを整理し、持っていく武器や防具、アイテムの選別を行うレイヴンに話しかけるのは、ギルドナイトを辞めてから恩師である『まつ毛とパンツのハンター』から紹介されたオトモアイルーのペコである。真っ白な毛並みで、可愛らしいアイルーだ。ちなみに、男の子。
「だから、僕以外の友達が出来ないんだよ?」
「……何から話せば良いのかわからない」
「ぐいぐい行くべきだよ?」
「そうなのか?」
「そうだよ!」
ペコがレイヴンの肩までよじ登る。
実はというと、レイヴンは一般的にコミュ障と称される人種である。本人としては好きでソロハンティングしているのではなく、本来なら他のハンターさんのようにグループを組んで狩りを楽しみたいところがあるだが、残念なことに、レイヴンは口下手であり…どうやって、誰かに楽しい話を振ったりが苦手なのだ。その事もあり、14歳から基本的にソロハンティングであり、ギルドナイトになってからもソロハンティング+ソロ暗殺、18でパンツとまつ毛のハンターに預けられてからは時々…2人で狩りを行ったが、誘いかたが分からず、7割は1人で狩り続けた。
「だって、君は世間から孤高の鳥なんて言われてるんだよ?名前がレイヴンだし、渡りガラスのように居場所を持たず、1人で狩猟するじゃん」
「……1人じゃない。ギルドナイト時代に、ラオシャンロンやダレン・モーラン、ミラボレアスは複数人で参加したし」
「普通のモンスターは?」
「…1人だった」
頑張れレイヴン!!コミュ力の高いオトモが着いてるから、なんとかなるさ!!
「結局、持っていく武器は双剣と大剣だけで良いの?」
「使い馴れたヤツだけでいい」
レイヴンは基本的に全ての武器種を扱えるが、その中でもデビュー当時やギルドナイト時代にメインで使っていた双剣、まつ毛のハンターから手解きを受けた大剣を共に使っている。
全ての装備を持っていきたいが、船に積載出来る量には限りがあり、双剣と大剣だけにしたのだ。背中に無属性で砥石不要の便利な汎用大剣 セルレギオスの素材から作られるヴァルレギオンを背負い、他の大剣と双剣はキヴォトス調査隊に預けたレイヴンとペコは港を歩く。港ではキヴォトスへの出発に向けて、空、海、砂漠を走破出来る飛空挺が数隻準備されていた。
「大きいね!!僕達、来週にはこれに乗ってユメちゃんの故郷に向かってるんだよね!?凄いよね!!」
「ああ…」
「ギルドナイトの重ね着…もしかして、君がレイヴン?」
知らない声に話しかけられ、レイヴンとペコは後ろを振り向く。そこには露出が多いヘソだしファッションを決めた美女が立っていた。歳はレイヴンより4つほど歳上だろう。
「そうだ」
「お姉さん誰?僕はオトモアイルーのペコだよ!」
「私はジェマ。キヴォトス調査隊の鳥の隊に配属になった鍛冶職人だ。君のことはハンターさんから聞いたよ…あっ、ハンターさんは君の恩師のまつ毛のハンターね」
女性はジェマと名乗った。なんでもジェマはまつ毛のハンターと同じキャラバンに所属しており、当時は鍛冶見習いとして在籍していたそうだ。今でも当時のキャラバンのメンバーとも親交が有るようで、まつ毛のハンターからレイヴンのことを聞いたようだ。
「ああ、頼りにしてる」
「こっちこそ!やっぱり、良いハンターの装備を作るときは腕がなる!!」
「ジェマさーん!!あっ!!ハンターさんもいた!!」
と、ユメの声が辺りに響き、ユメが此方に向かって走ってきた。
「アルマさんが出発前のミーティングをしたいって言ってます!」
「はじめまして、アルマと申します。鳥の隊の部隊長として、皆さんを統括します」
アルマと名乗ったメガネをかけた若い女性。年齢は恐らくだが、ジェマと同世代位だろうか?
なんでもファビウスの部下とのことで、キヴォトス調査隊の中でも鳥の隊の部隊長として、鳥の隊の統括を行うようだ。元々、優秀なギルド書記隊の職員でもあり、かなりのエリートだろう。
「私達は鳥の隊として、主にキヴォトスにおけるモンスターの生態調査、モンスターによる危害が出るようなら狩猟を主な任務とします。
5人と1匹、1頭の構成では有りますが、皆さん宜しくお願いします」
鳥の隊は全員で5人と1匹と1頭の妙な組み合わせだ。記録係であるアルマがリーダー、なんとか受付嬢の資格をゲットできたユメが現地のガイド兼アルマの補助で既に受理されたクエストの管理の手伝い、ジェマが鳥の隊や他の部隊のハンター達の装備の手入れなどだ。
そして…
「ハンターさんはモンスターの狩猟や現地での調査、有事の際は対人戦闘も有るかも知れません。キヴォトスの治安はユメさん曰く、そこまで良いものではないそうなので」
「拝命した」
「オトモのペコさんはハンターさんの補助を」
「任せてよ!!」
そしてアルマはペコの隣に座る少年を見る。それに釣られて、レイヴンもその少年を見る。別に少年のハンターなんて珍しくない、かつてのレイヴンも14歳でハンターデビューしたし、16歳で殺人童貞も卒業した。
だが、その少年の後ろに佇む…ドンドルマには本来いないオトモを見て、その少年がただ者ではないことを瞬時に理解する。
「リオレウス…恐らく、特殊個体か」
小さな声でそう言うレイヴン。そう、その少年が連れていたオトモはアイルーではなく、背中に跨がる為の鞍が装備された空の王者リオレウスだった。野生のリオレウスと違い、発育途上のこともあり、全長は10メートル程度であるが、それでも迫力がある。
「大きいね!!」
「アギャッス」
「ライダーのリンクスくん、オトモンのレウスくんはフィールドの探索、調査、有事の際は救助や狩猟をお願いします」
「はい!」
「アギャッス」
リンクスと呼ばれた少年は15歳~16歳程であり、白い髪にリオレウス装備をライダー仕様に改良した物を着ていた。
彼のようにアイルー以外のモンスターをオトモとし、そのオトモ…オトモンを手懐けて乗りこなす物をライダーと呼ぶ。近年までは一部の限られた村等にしか居なかったが、最近ではドンドルマなどの都会にも出ており、ドスランポスやドスジャギを連れたライダーを良く見かける。しかし、リンクスのようにリオレウスを連れたライダーは極わずかだ。
そして1週間後、キヴォトス調査隊は3つの飛空挺に別れて乗り込み、キヴォトス目掛けて出発した。
更に1ヶ月後。キヴォトスに到着して暫くし、ようやくアビドス砂漠に到着した。
「帰ってきた…帰ってきたよ!!」
「やったね、ユメちゃん!!」
「アギャッス!」
「ペコちゃん!!レウスくん!!やったよ、私…アビドスに帰ってこれたよ!!」
アビドス砂漠に到着し、ペコとレウスと共に喜ぶユメ。そしてそれを見守るアルマとジェマであった。
(参ったな…俺だけ馴染めてなくないか?)
レイヴンは困惑した。この飛空挺には鳥の隊の他に、筆頭ハンターの1人である女傑オリヴィア率いる星の隊、そして総隊長のファビウスが乗っている。
だが、レイヴンはコミュ障であり…1人だけポツンと外を眺めていた。
「見たことないモンスターですね?海竜種ですか?」
「アレはバーラハーラだね。だけど、凄く興奮状態のようだ」
他の鳥の隊は星の隊とも打ち解けており、リンクスなんて星の隊の生物学者であるエリックから勉強を教えてもらったりしている。現に、こうして双眼鏡でアビドス砂漠を進む海竜種のモンスター…バーラハーラの群を眺めている。
ドンドルマの大陸ではボルボロスほどの大きさを持つ、バーラハーラが大きな群を構築して、進む姿は迫力ものだ。しかし、凄く興奮状態になっている。
「まて…バーラハーラの先に、誰かが居ないか?」
金髪の女傑、筆頭ハンターの1人であるオリヴィアが何かに気付き、看板にいた全員がその方向を見る。
そこではメガネをかけた若い少女…頭にヘイローがあり、間違いなくキヴォトスの『生徒』だろう。その少女が羽毛の生えた鳥竜種のモンスターにライドしており、バーラハーラから必死に逃げていた。このままでは不味い、少女と鳥竜種のモンスターはバーラハーラに食べられてしまう。
「近寄れ!!」
「無理だ!!危険すぎる!!」
オリヴィアが操舵担当に告げるが、危険なため断られてしまう。
「あっ!もう1匹いるよ!!」
ペコが何かに気づく。船の近くには、かなりの速度で走る同じような鳥竜種のモンスターが居たのだ。
そのモンスターには鞍と手綱があり、間違いなく乗れる。
「よし、俺がアレで近づこう。リンクス、レウス、空から援護してくれ」
「えっ!?はい!!」
「アギャッス!!」
普段のコミュ障っぷりでは考えられないほどに、流暢に指示を出すレイヴン。
「待って!!僕も行く!!」
レイヴンが船から、件のモンスターに飛び乗り、しっかりと手綱を握る。どうやら、手綱で上手く指示を出せるようだ、しっかりと調教されている。
そのモンスターの尻尾に、ペコが乗ったことを確認して、レイヴンと謎の鳥竜種のモンスターは少女を救うために駆け出した。
「グゥギャァア!!」
「ビャァァエ!!」
横から迫り来るバーラハーラの大群。だが、その大群は
「ギャァァァアス!!」
口から爆炎を解き放ったレウスの空中からの攻撃でダメージを受けて、退けられる。
「ハンターさん!」
「助かる。少女との距離は?」
「軽く見積もって500です」
「よし」
左手のスリンガーに、音爆弾をセット。目の前に件の少女が見えてきた。左手を前に向けて、音爆弾を発射する。地面に着弾した音爆弾は大きな音を響かせて、驚いたバーラハーラは上に飛び上がる。
「えっ!?」
これには少女も驚いたが、レイヴンが追い付く。
「安全な場所に誘導する。着いてこい」
「貴方は?ヘイローがない!?」
メガネの少女を救助し、後方のバーラハーラはレウスの火球で粉砕され、船との合流を目指す。
そして…無事に船と合流することが出来た。
(ペコがぐんぐん行けと言ってたな、よし…)
レイヴンは助けた少女に事情を聞こうとしたが、アルマに手で制止させられ…
「私達はキヴォトスの外にある大陸から来ました、ギルドの者です」
失礼ですが、貴方は?」
「私は奥空アヤネ、アビドス高等学校1年生です…お願いします!!セリカちゃんが…私を逃がして」
どうやら、まだ事件は終わってないようだ。
次回…チャタカブラ…狩猟されるの巻き!!
食べてみたい食事!!
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勿論、こんがり肉!!
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とろっとろに溶けたチーズ
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柴関の竜骨ラーメン
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良質な油たっぷりのチーズ