とある竜の恋の詩   作:桜寝子

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第14話 理解者

 ちょっとだけ人目を気にしながら賞金を受け取りに行ったが、だいぶ邪魔なので一旦宿へ戻る事にした。

 まさか500万コールもなんて……こんなに多いとは思わなかった。大会の詳細なんて見てもいなかったな。

 

 人を集める為に釣り上げたのか知らんが、賞金は昔より多くなってるようだ。どっからこんな金が出て来るやら。

 しかもアリーシャが準優勝だから追加で250万、合計で750万コール。かなりの額だ。

 

 そんな大量のお金を担いでのんびり歩く。

 子供がこんな大金持って1人で歩いてたら即狙われるだろうが、流石に私の事は知られているからか誰も狙ってこない。

 

 この大量の賞金をどう使うか……どうせこんなに持っていけないし、相当な贅沢が出来る。

 

 

「そういえば、エルヴァンの遺産を私が受け継いでたかもしれないと考えると……ちょっとは残しておけば良かったかもな。こんな未来は想像もしなかったから仕方ないけど」

 

 莫大な資産は旅に出ると決めた際に全て処分した。

 国中の孤児院に贈り付けてやったのだ。

 

 本当はギルドとか騎士団とかにもくれてやりたかったが……いくら莫大と言っても結局は個人の資産。

 その全てに漏れなく贈っては雀の涙で殆ど無意味だ。差があったら後が面倒だろうし。

 

 そんな理由と、私自身が家族を失っているから……というのもあって孤児院に絞らせてもらった。

 だから多分、アリーシャは私の金で育ったとも言えるだろう。面白い縁だ。

 

 

 

 ちなみに、通貨は世界共通だ。他国に持って行ってもそのまま使える。

 昔は国で違ったらしいから大変だったんだろうな……今は今で管理が大変なんだろうけど。

 

 通貨が共通になったのはもう300年以上も前の話だ。

 このセルフィアス王国が先頭に立ち世界を平定させ、その後に普及させた。

 世界征服でも目指したのかね?

 

 この共通の通貨こそ、国同士が繋がり平和を維持している証とも言える。

 

 各国がどれだけ腹黒い事を隠していようと、表向きはずっと平和なのだ。

 少なくとも国と国の戦争はこの300年以上起きていないし、最早戦争がどういう物か誰も詳しくは知らない。私も知らない。

 

 建国された約500年前は逆に戦争が多く、魔物等の敵もあって世界全体が厳しい状態だったらしい。

 更にそれ以上昔になると、厳しいなんてものじゃない荒廃した世界だったんだとか。

 

 

 約千年前、数多のドラゴンによって人類は壊滅、文明は崩壊。そうして立て直してきたのが今だ。

 そんな事が御伽噺として伝わっている程度で、当時の技術や思想なんかは殆ど残っていない。精々が遺跡から発掘される程度だ。

 

 そのドラゴン達はきっと私の同類なのだろう。そこらに居る普通のドラゴンじゃそんな事にはならない。

 まだ世界の何処かに居るのかね……もしかして私を殺したアイツがその内の1体だったりして。

 

 

 

 ……遺産の話をしていたのに、随分と逸れたな。ここまで逸れる事があるか?

 

 なんて、取り留めのない事を考えながら歩いていれば宿に到着。

 まだアリーシャは起きられないだろうから、お金を置いてまたすぐに出ようかな。

 

「って、起きてるじゃないか」

 

「あ……おはよ」

 

 部屋に入ると、まだ疲れていそうなアリーシャが迎えてくれた。

 念の為に置いといた朝食も食べてくれたらしい。

 充分でなくとも回復出来たなら良かった。

 

「もう歩けるのか?」

 

「うん、それくらいはね。ていうか何それ?」

 

 ふむ、本当にその程度ならって感じだな。

 笑顔を見せてくれたが、やはり疲労は隠し切れていない。

 

 そしてやはり気になるのか、私が担いでいる大きな袋を指差して訊ねてくる。

 ふふふ……驚くぞ。

 

「お金」

 

 ドガチャンと重い音を立てて袋を降ろし、中を見せてやる。

 眩い山盛りの金貨だ。

 

「うひゃあ!? 何この大金、エルちゃん何してきたの!?」

 

「おい……大会の賞金だよ。私とお前の2人分」

 

 想像通りの良い反応をしてくれたが、何か余計な言葉が付いてきたな。

 私を何だと思ってるんだか。

 

「あぁ、そっか。そういえば賞金があったんだっけ」

 

 アリーシャも賞金の存在を忘れていたらしい。

 無理矢理参加させられて気にするどころじゃなかったのかもしれないが。

 

「はぁー……こんなに沢山……どうしよう?」

 

「持っていける分を残して豪遊しようじゃないか」

 

 しゃがんで袋を覗き込み悩んでいる。

 見た事も無いだろう大金を目の前にして、思ったより冷静だ。

 割とこういう所はしっかりしてるんだよな……コイツ。

 

 使う以外に無いのだから、手当たり次第に欲を満たせばいい。

 だけど多分、そういうのも苦手なんだろうな。

 

「悩むならまず装備の新調で良いんじゃないか?」

 

 とりあえずパッと思い付くのはそれだ。

 旅に出るに当たって、アリーシャは貯金を使ってそこそこ良い剣を買っている。

 しかし王都でこれだけの金があるなら、更に良い物が手に入るだろう。

 

 そして彼女のいつもの服は、厳しい試合を繰り返した所為でだいぶ痛んでしまった。

 少なくともこちらは確実に買い替えなければならない。

 

「そうだね。これから行く?」

 

「は? 休んでなくて良いのか?」

 

「別に買い物くらいは大丈夫だよ」

 

 提案したものの、すぐに出かけるつもりになるとは思わなかった。

 まぁ本人が言うなら構わないか。1人より2人だ。

 

「そうか、じゃあせっかくだし行くか。先にちょっと私の用を済ませるけど」

 

「何するの?」

 

 私の用事に思い当たらないのか、アリーシャは首を傾げた。

 まぁ、用と言う程の事でも無いんだけど。

 

「騎士団にとっ捕まったルークを殴りに」

 

「あぁ……うん」

 

 納得した様な呆れた様な声が返ってきた。

 

 と言っても彼がまだ捕まっているのかは知らない。

 たかが虚偽で調子に乗ってただけの小物だ、取り調べにそう長く時間は掛けないだろうしな。

 

 ひとまず騎士団に向かって、団長なりに直接聞いてみよう。

 

 

 

 

 

 

 そうしてやたらと目を引く豪華な建物……騎士団本部へ到着。

 彼らの仕事は治安維持。見た目で権威を示せなければ話にならないのだから、まぁそんなもんである。

 

 入口で、団長は居るかー! と叫んでやればゾロゾロと騎士達が現れる。

 あれよあれよと中へ進むと、その団長が出迎えてくれた。

 

「その訪ね方はどうかと思うぞ……」

 

 ただし苦笑と共に、だったが。

 良いじゃないか、手っ取り早いだろう。

 

 仕事中だったのだから当然だが、今日のレイナードは鎧を着ていた。

 

 騎士には騎士の恰好がある。制服を着て、その上に軽そうな鎧を纏っているのだ。

 立場があるから彼は周囲の者より多少派手だが。

 

 大概の国や街では、意匠の差はあれどこれが騎士の姿。

 建物と同じく見た目で分かりやすく示している訳だな。

 

 

 ちなみに、鎧を着るのは基本的に騎士だけだ。

 ハンターや旅人は精々が籠手だとか極一部分になる。

 

 鎧なんてのは最早過去の産物。魔力障壁というもっと優秀な防御があるのだからな。

 そもそも鎧ごと潰したり引き裂く様な敵も珍しくない。結局上から障壁を纏うなら最初から要らないのだ。

 

 鎧を着る事で重さを増やす奴も居るが、戦いの基本は回避だ。

 そこを考えると、少しでも動き易い方を選ぶのが圧倒的多数だろう。

 

 まぁそれはさておくとしようか。

 

 

「私もそう思う」

 

 まるで自分は関係無いですとでも言う様に、アリーシャは一歩後ろで呆れ中。

 

 あ、恰好と言えば……私はお馴染みの物だが、今日は彼女も普段着だ。

 この後に服を注文しに行く。既製品を買うのではなく、ボロい服を渡して同じ物をと頼むのだ。

 

 戦いに身を置く者は基本的にこれと決めた格好を続ける。

 着慣れた服というのは感覚に直結するし、微妙な違いでも気になってしまうからな。

 

 まぁこれもさておくとしようか。

 さておいてばかりだな。

 

 

「で……用件は?」

 

 たった二言の間になんだか高速で思考していた気がするが、レイナードの声で戻ってきた。

 よし、話を進めよう。

 

「ルークってまだ捕まってる?」

 

「居るぞ。結局罰金程度で終わりだが、その分たっぷり説教しといた。今は反省中だ」

 

 自業自得だが、1人旅なのに罰金なんて食らったら路銀を稼ぐのが大変だな。

 あんな大勢の前で暴露された訳だから、厄介者扱いで仕事もあまり請けられない可能性もある。

 

「じゃあ会わせてくれない? 1発ぶん殴る」

 

 けどそれはそれ。とにかく私は私でケジメを付けてやる。

 

「……その理由で通ると? まぁいいか」

 

 そう言われると確かに、勾留中の犯罪者に会う理由としてはふざけた理由だな。

 しかしレイナードは一瞬悩んだものの許可してくれた。ありがとさん。

 

「いいんかい」

 

 どうしたアリーシャ。

 あんなに畏まってた相手にそんな雑なツッコミを……成長したな。

 

 

 

 という訳でルークとの面会へ。

 どうやら檻にぶち込まれている訳では無く、ただの個室に押し込めていたらしい。

 つまり檻にも入れん小物か……

 

 で、レイナードに促されるまま入室すると――

 

「すみませんでしたぁあっ!!!」

 

 うるさい土下座で迎えられた。

 なんだコイツ……ていうか誰。

 

「おい、ルークが居ないぞ?」

 

 謎の土下座野郎を指差しながら、横に立つレイナードに聞いてみる。

 

「ソイツだソイツ」

 

 すると苦笑しながらコイツがルーク本人なのだと言われた。

 コレが? いやいや、だって……

 

「髪の色が違うじゃないか」

 

 ルークは私と同じ様な白い髪だった。

 けど目の前には燃える様な真っ赤な髪。全然違うぞ。

 

「わざわざ染めてたんだとよ。ウザいから丸坊主に刈り上げて、一晩掛けて治癒魔法で生やした。ウチの専属の医者がな」

 

「えぇー……」

 

 分かるぞアリーシャ、流石に私も呆れている。

 だったら丸刈りのまま放置すりゃ良いのに……

 

 というかそんな事の為に医者を使うな、特別手当出したんだろうな。

 世の頭髪事情に悩む方がお怒りになりそうだ。高いんだぞ、あの治療。

 

 

 まぁ騎士団の労働環境は置いておくとして。

 ひとまず確認の為に顔を上げさせて覗き込んでみる。

 

「ふむ……こんな顔だっけ?」

 

「顔は変わってねぇよ! あ、いや、変わってないですぅ……」

 

 あぁ、この打てば響くツッコミは本人だ。

 確かにこんな感じだった。一瞬で萎れていったけど。

 

「全く、そこまでしてエルヴァンの息子を騙るとは……呆れるな」

 

 なんにせよ本人だと分かったなら良いか。

 そこまでする意味は分からないが……

 

「いや違うんだっ……です。半分くらいは確かにエルヴァンに憧れての真似だけど、もう半分は個人的なもので……」

 

 お前も憧れてるのか。相変わらず人気者だな、エルヴァン。

 

「ふーん……個人的なってどういう理由?」

 

 憧れてるとかはどうでもいいけど、とりあえず理由ってのを聞いてみるか。

 

「その……俺は氷に適性があって、水もそれなりなんだ。なのにこの真っ赤な髪って、なんかちょっと合わない気がして――」

 

「あぁ、思ったよりどうでもいい理由だった。もういいや」

 

「興味無しか! いや無いんですか……」

 

 全く持って面白くも無い話だった。なんだ合わないって。

 分からなくは無いが、そんな人はいくらでも居るだろうが。

 

「ある訳無いだろ。あとその敬語やめてくれ、気持ち悪い」

 

「とにかくヒデェ……」

 

 ついでに無理をした敬語も止めさせると、しょんぼりと項垂れていった。

 

 

「しかしまぁ、あなたもエルヴァンに憧れてたんですね」

 

「俺は小さい頃、あの人に救われたんだ。あの人が居なきゃ死んでた……後からどんな人なのかを知って、それで憧れた」

 

 アリーシャが謎に感心したように呟くと、ルークはまたしても語り始めた。

 こっちは思ったよりちゃんとした理由だ。

 そうか、そんな事があったのか。私は全く覚えてないけど。

 

 だってこれでも救った人数は数えきれない程なのだ。

 具体的な時と場所と状況を聞かなきゃ分からん。

 

「いつか俺もあの人の様に、英雄になりたい……って、必死に鍛えた。ハンターになって経験積んで、そうして旅に出た」

 

 そしてやってる事はアリーシャと似た様なものだった。

 むしろ曖昧だった彼女よりまともだ。結果的に1人で旅をしてるんだからな。

 

「でもまさか、息子だと勘違いされるとは思わなかったんだ。他の街はともかく、王都に来たら皆、本当に息子なんじゃないかとばかりに接してきて……」

 

「エルヴァンは長く王都を中心に活動してたからな。ここは他よりエルヴァンの存在がずっと大きいのさ」

 

 やっぱり勘違いされた事に乗っかった流れだったか。私の適当な予想通りじゃないか。

 そしてレイナードから補足が入った。

 そうか、そういう事情もあるのか。それで何がどう変わるのやら……私には全然分からんが。

 

 

「勝手な理想に憧れるなんて、馬鹿な奴だな。大体、英雄なんてなろうとしてなるモノじゃない。最初から間違ってるんだよ、お前は」

 

 既にお説教済みらしいがこれだけは言わせてもらおう。

 あんなもんは目指す様なモノじゃなく、周りが持ち上げるだけだ。

 

 コイツも今までの有象無象と同じか……と、逆に勝手に失望して辛辣な言葉を吐いてしまった。

 これじゃあ私と奴らの何が違うのやら。どっちもどっちで愚かしい。

 

「勝手な理想、か……そうだよな」

 

 そうして私が勝手にモヤモヤしていると、ルークはなにやら悟った様に呟いた。

 

「息子だと勘違いした人の中には、何故か嫌悪を向けてくる人も居て……思わず聞いちまったんだ」

 

 それはそれで馬鹿な事をしたな。

 息子と思われてる状態でそんな事を聞けば、どんな感情をぶつけられるか……いや、ぶつけられたんだろう。

 それを思い返しているのか、苦い顔をしている。

 

「俺が想像もしてなかった様な物を背負ってて、それでもあの人は……だから……俺はより憧れた。けど、だからこそ勘違いを否定したくなくなった。同じ様な存在になれたら、もっとあの人を理解出来るんじゃないか……って」

 

 いや、違った。この苦い表情は、エルヴァンを想っての……?

 例え同情だったとしても、知った上で理解しようと……してくれてる、のか?

 何処かの騎士団長と同じじゃないか。

 

 どうして今更になってそんな人が続々と……

 

「俺と同じ様な事を言ってたもんだからよ、檻にぶち込まないでちょっと色々話してたのさ。若ぇのに珍しいが、コイツのこれは本心だ」

 

 その何処かの騎士団長がまたしても補足を入れてくる。

 そうか……あんた程の人が本心だと確信したなら、きっとそうなんだろう。

 そう、なのか……

 

 

「なんて顔してやがる。お前さんがどう考えてたのかは知らねぇけどよ……あの人を理解しようとする人が居ねぇ訳無ぇじゃねぇか」

 

 一体私はどんな顔をしていたのか。

 レイナードが優し気な声で諭してくる。

 

 分かってる。分かってるんだよ。

 本当はあんた達みたいな人が居たんだって事は。

 他にも沢山居るんだろうなって事は。

 

 それにようやく気付けたのに、それでも目を逸らしたんだ。

 自分の愚かさを見たくないから。

 

 

「あの人を英雄と呼ぶ人達に向かって直接否定や攻撃をする奴は居ねぇ。下手すりゃその場でぶん殴られるからな。だから大多数は、そんな見えねぇ感情に気付かねぇ」

 

「俺はその感情を向けられたから、団長さんは長く色んな物を見てきたから、って昨日話してた」

 

 彼らは気付いて理解しようとした。

 きっと今までも、そうしてくれていた人が居た。

 

 それを改めて突き付けられて、今更になって喜んでる。

 なんて自分勝手なんだろう。

 

「きっと独りじゃ……目を逸らして我武者羅に走るしかなかったんだよね。だから私は、エルちゃんと往きたいんだ」

 

 アリーシャが何故か私の頭を撫でてくる。

 そうか……だからお前は、目を逸らし続ける私を激励するつもりで……

 本当に、よく見てくれる奴だよ。

 

 

「はぁぁ……なんだかなぁ……そんな話をされたら、ルークを殴る気が失せるじゃないか」

 

 もう分かったから、もう考えるのは止めよう。

 アリーシャと歩いて行くと決めたんだ。もう、前を向いて直視出来る。しなきゃいけないんだ。

 なんにせよ、気付かせてくれてありがとう。

 

「俺を殴る為に来たのかよ……まぁいいさ、罰は受ける」

 

 ルークは唐突に目を瞑って仁王立ち。殴らないっての。

 その代わり、これをくれてやろう。

 

「勝手に覚悟するな。気が失せるって言っただろ」

 

「ぐふぇっ……え、何?」

 

 言いながらルークの腹に袋を投げつける。

 それなりの重さだから痛そうな音がしたが、まぁいいか。殴ってない殴ってない。

 

「1人旅で罰金なんて大変だろ。どうせ有り余ってるからくれてやる」

 

 中身は賞金の一部。この後適当に使うつもりだった物だ。

 彼にとっては充分な額だけど、50万コールじゃ総額の10分の1にもならない。

 

「はぁっ!? ちょっ、こんなの受け取れな――」

 

「いいから。エルヴァンからの礼だと思え」

 

 有無を言わさず押し付ける。

 そしてさっさと退室するべく、私は踵を返した。

 後ろの声は全部無視だ。

 

 これ以上彼らの前に居たら、何か恥ずかしい所を見せてしまいそうだ。

 既にニヤけそうなのを我慢してるからな。

 

 本当に、嬉しいもんだ。理解しようとしてもらえる、ってのは。

 

 

「……なんだその微笑ましい物を見る目は」

 

「なんだかんだ優しいよね、エルちゃん」

 

「勘違いだ、ばか」

 

 そうして2人揃って部屋を後にし、そのまま騎士団本部を出ていく。

 

 しかし何故か大勢の男共に見送られたが……なんだったんだろうか。

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