伝説が歩むシャングリラ・フロンティア ~伝説のゲーマー、神ゲーに挑む~   作:黎狐

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伝説、出会う

武器屋を後にして宿屋へと戻り、流石に疲れた俺は一度ログアウトしていた。

 

「流石に疲れたな....ユニークモンスター二体同時戦闘に炭鉱喰らい(マインデバウアー)との戦闘...初心者にやらせることじゃないだろ....」

 

そんなことをぼやいていると、家の呼び鈴が鳴った。

 

「....来る奴は大体想像できてるが、何のようだ?」

 

そう言って俺は客を迎え入れる。

 

..........

「....で、何のようだ?()()。」

「.....少し、聞きたいことがあってな。」

「聞きたいこと?」

「単刀直入に聞こう....()()()()()()()()()()()()()と言うのは本当か?」

 

....は?ちょっと待て、何でコイツが知ってる?

 

「....何処で知った?」

「....ネチケットがなってないプレイヤーが、遠目で戦闘中のお前を撮影したらしい....」

「そうか....」

「それで....事実なのか?」

「....結論を言うなら、事実ではある....ただ、普通の戦闘よりも厄介な状況での戦闘だがな....」

「....どう言う意味だ?」

「俺が今日始めたばかりの初心者だって言うのは分かってるよな?」

「それはまぁ...それで?」

「...とあるモンスターに負けてな、ついでに武器屋のクエストで負けた奴をぶっ倒すクエストを

受けて...勝つためにレベル上げとかしてたんだよ。」

「...?それがどう繋がるんだ?」

「...レベルが7になると、辺りはすっかり暗くてな...さっさと宿に戻ろうとしたところで....

()()()()()。」

「...リュカオーンか。」

「あぁ、最悪なことに近くにはNPCまでいてな...目の前で死なれるのは嫌だったから応戦した

んだ....大体2~3時間くらいだったか?

「ちょっと待て!?」

 

ん?何だ?変なこと言ったか?*1

 

「お前....あのリュカオーン相手に2~3時間も応戦したのか...!?あの化け物相手に....!」

「あぁ...攻撃をそらせるスキルを使って隙を作って攻撃を当ててを繰り返してたが...」

「....あれそらせるものなのか?」

「お前目の前に誰がいると思ってる?黒天(ウロボロス)だぞ??」

「...何故か納得してしまうな...」

「だろ?.....斎賀、これは昔からの仲のお前にだからこそ...口外しないことを約束してくれるなら

話す.....約束できるか?」

「....お前がそこまで言うなら、約束しよう。」

「ありがとう....さて、実はこの戦闘には最悪な続きがあってな...」

「....そこまで言うほどなのか?」

「例えるなら()()()現全一(シルヴィア・ゴールドバーグ)と一対一で戦えと言われてるようなもんだな」

「OK、地獄だ。」

 

良かった、理解してくれる奴で....

 

「で、何が起きたかというと....天覇が来た。」

「....は?」

「まさか長時間リュカオーンと戦闘してたら飛んでくるとはな.....」

「....お前の豪運凄まじいな...」「そんなものは要らねぇよ.....」

「....まぁ、ここまで聞いておいて何だが...話して良かったのか?」

「ま、なんだかんだ信頼できるしな。」

「....そうか」

 

.....地雷でも踏んだか?何か雰囲気が変わった気がするんだが.....

 

「....暁、お前に提案がある。」

「....聞くだけ聞かせろ、それからだ。」

「....お前と私、そして愚妹の三人で....()()()()()()()()()()()()?」

「いや黒狼(ヴォルフシュバルツ)どうするんだよ」

 

黒狼(ヴォルフシュバルツ)と言うのは百が率いてる"打倒リュカオーン"を掲げる一大クランの名だ。フレンド登録したときについでに教えられた。

 

「反発等はあるだろうが、どうとでもなる....私は、本気で夜襲を獲りに行く。」

「そこまでしてでも作りたいのかよ...あと妹のこと愚妹って言うなよ潰すぞ???

「...すまん。」

 

アッカワイイ....じゃなくて。

 

「メンバーは三人だけか?」

「そうだな...他に誘えそうな奴もいないし....」

()()()()は無理なのか?」

「あいつはPKクランで廃人狩り(ジャイアントキリング)と言われてる。」

「....あいつなら要求を飲んだら来てくれそうだけどな....」

 

永遠というのは腐れ縁の一人、本名天音永遠。現在人気爆発中のモデルである...とあるゲームで

鉛筆戦士を名乗ってゲームを支配したクソな実績を持っている。*2

 

「あいつの素性バレたら炎上ヤバそうだよな。」

「実際そうなったら不味いんだがな...」

「確かにな...ま、シャンフロで会えたら誘ってみるか。」

「だな...じゃ、また今度な。....って、本当に良いのか?」

「ま、黒狼(ヴォルフシュバルツ)がどうなっても俺にはメリットもデメリットも無い。なら

腐れ縁と一緒にやるほうがメリットなんだよ....じゃ、またな。」

「あ、あぁ....またな...」

 

.......

(あぁ~~~!!!もうマジでシャンフロの百も綺麗だけど現実(リアル)の百も綺麗だし可愛いし何?神に二物を与えられたの????)

....相も変わらず幼馴染大好きである。

一方その頃....

(あぁ~~!!やっぱり暁格好いい!!クールな感じも良いしNPCに対しての優しさもまた魅力だし...

何より私と一緒に遊ぶ方がメリットって、さらっと言うのもまた格好いいし!!)

...こっちもこっちだった。

 

百と会話をした翌日、大学をパパッと終わらせてシャンフロへとログインしていた。

 

「おはよう、ビィラック。」

「おぅ...アカツキ、少し会ってもらいたい人がおるんじゃが...えぇか?」

「?別に良いが...誰なんだ?」

「...わちの親父、ヴォーパルバニーの頭じゃ。」

「...何で?」

 

何かしたか....娘さん危険な目に遭わせてるわ....

 

「どうやら、夜襲と天覇に同時に気に入られたアカツキのことが気になってるらしい。」

「...なるほど、わかった。会いに行こう。幸い武器はまだ時間がかかるしな。」

「おし!じゃあ行くけぇ!!」

 

そう言うとビィラックは扉を召喚した。

 

「これを通ればわちらの国ラビッツ、その中でも親父がいる兎御殿にいける。」

「わかった。」

「...そういや、兎御殿に来た人間は、アカツキが初めてやなかったっけのぉ...」

「....そうなのか。」

 

そうして扉を通ろうとしたとき、目の前にウィンドウが現れた。

《ユニークシナリオ:兎の国からの招待》

 

(...またユニークか)

 

そう思いながらも扉をくぐる。すると.....

.....ヴォーパルバニーが大量にいた。

 

「おぉ...ここがビィラック達の国か...」

「そうじゃ。さ、親父...頭はこっちじゃ」

 

言われるがままに俺は道を進む....すると。

 

「頭~、連れてきたけぇの!」

「おぅビィラック。ご苦労だったな」

 

人間と同じくらいの背丈に、極道物の長が着る着物と袴を確り着付け、細い人参を模した如何にも年代物の煙管を蒸かしている。周りには小さな雌兎を従え、此れがハーレムだと言わんばかりに

主張し、白くゴワゴワしながらも艶の有る毛並み。纏う気迫は、幾千の死線を越えてきたであろう、真なる強者の覇気と圧であり、右目は戦いの中で潰れたであろう傷痕が在り、ドスと深みが

聞いた声もラスボスのような最重要ポジションに席を置いた人物の其れで、威圧感と愛嬌が

超高次元で融合したキャラクター。

 

「おぅ、よく来たなぁ…待ってたぜ」

「...あんたが、ビィラックの父親か?」

「おぅよ...俺等(おぃら)ぁ"ヴァイスアッシュ"ってんだ。おめぇさんが、あのワンコロと

ジークヴルムの二体に気に入られたっつう人間か...中々ヴォーパル魂が在るじゃねぇの。」

 

何処かで機嫌を損ねたら殺されかねない....が。

 

「もしおめぇさんが時間を預けるってんなら、俺直々に鍛えてやる事も出来るが………どうだい、やるかい?「断る。」

「....ほぉ?何でだい?」

「俺は強くなるなら人に手はあまり借りたくなくてな...それに。」

「それに?」

「俺はあいつら以外に負けないと言った。ここであんたに鍛えてもらうのは、あんたの方が実力が上だと決めて、あんたに怯えてる...()()()()()()()ことになる。それは、あいつらに

言ったことを破る気がしてな。」

「...フッ、そうかい。中々良い心構えじゃねぇか...気に入ったぜ。」

 

そう言うとヴァイスアッシュは一枚の布を取り出し、宙に投げた。するとその布はまるで命を得たように俺の首に巻き付いた。

 

「おめぇさんにコイツを授ける。強さに至りたくば、尋常成らざる苦難と覚悟が必要だァ。其の身に宿ったヴォーパル魂、決して忘れるべからず。………それとビィラック。コイツとの旅を許可

する...いろんな事を学んできな。」

「!!おぅ、ありがとうなぁ頭!」

 

そう言うとビィラックは俺の袖を引っ張って、揃って部屋を後にした。

 

「そう言えば、この布どんな効果があるんだ?」

 

そうして効果を確認する。そこには....

致命魂(ヴォーパルだましい)の首輪:取得経験値が半分になる代わりにレベルアップの際に獲得するポイントが2.5倍(小数点切り捨て)になる。致命兎(ヴォーパルバニー)王が作り出した戒めの首輪、王の許可なくして外れること

有らず。其れ即ち、弱者が強さを得るためには、尋常ならざる苦難が必要であるが故に。

 

「.....ヤバくね?」

「中々良いだろう?」

「...まだ何か用か?ヴァイスアッシュ。」

「おぅ、おめぇさんがあの二人に傷をつけたって言う打刀を見せちゃくれねぇか?」

「....別に良いが、壊れかけだぞ?」

「ほぅ...?直さねぇのかい?」

「まぁ、戒めみたいなものだ....ほら、これで良いか?」

「おぅ、ありがとうな....はっ、想像以上の"残照(かおり)"が漂ってるなぁ...致命を関して

ないってのに....」

「..."残照(かおり)"?」

「おぅ、悪ぃな...."残照(かおり)"ってのは通常致命の名を冠する武器が強者と殺り合った

『記憶』を宿すんだ...だが、この打刀は普通の武器だってのに、そんじょそこらの致命の武器

より強く"残照(かおり)"が着いてんだ。」

「...なるほど....」

「まぁ今日の用事はこんなもんだ。ありがとうよ、アカツキ。」

「構わない、また話そう。」

 

そう言って、俺達は兎御殿を後にした。

 

「さて、少しモンスターを狩るか。スキルも得たいし」

「わかった...その前に、武器屋には寄っといた方がえぇんやないか?」

「そうだな...そうするか」

 

やることを決めて、俺達は武器屋に向かう。

 

「失礼、叢雨の件なんだが....」

「おぉあんちゃんか!!待ってたぜ!!!」

「...その様子、良いものが出来たな?」

「おぅよ!その目かっぴらいて焼き付けな!これが"黒刃叢雨"の新たな姿、"黒刃斬雨"だ!!!!」

 

そうして、目の前に出された()()()()()()()()()()()()()()をインベントリに入れて

確認する。

 

黒刃斬雨(ユニーク武器):炭鉱喰らい(マインデバウアー)を狩り、その素材を用いて育て上げられたより深い黎に紅蓮の差し色を入れられた打刀。此の刀は、牙である。此の刀は、爪である。未だ覚醒は遙か彼方、

久遠の蒼穹。此の刀は、更に深く、黎く染め上がるのを夢に見る。

戦闘中クリティカルが発生した場合、10秒間ダメージ上昇に補正がかかる。

此の刀を夜に振るった場合、敏捷に補正がかかる。

此の刀で攻撃した対象に"裂傷"を付与する。またこの効果が無効化された場合、一定時間自身に

"紅"を付与する。

→裂傷:状態異常の一つ。この状態が付与された対象は解除されるまで自身の敏捷と同じ数値分のダメージを与える。

→紅:強化状態の一つ。此の状態を付与すると、自身の体力を半分まで削るが敏捷と耐久力を

1.2倍にする。

 

「...また一段と強くなったな.....」

「おぅ!!俺の人生で間違いなく一番の名作だ!!遠慮無く持って行け!」

「あぁ、ありがとう。」

 

そう言って武器屋を後にした。

《特殊クエスト:武器屋の仇敵を達成しました。》

 

「さて...モンスターを狩りながら"セカンディル"まで行くか。」

「お、セカンディルか。なら....貪食の大蛇を倒さんとな。」

 

貪食の大蛇....確かセカンディル前にある橋にいる、いわゆるエリアボスだったか?

 

「あぁ、そのためにもしっかり強くならないと....」

「せやの...だが、致命魂(ヴォーパルだましい)の首輪で強くなりにくいで?」

「まぁ...その分スキルでどうにかするさ。」

 

そう言って俺達はファステイアを出て、セカンディルを目指すのだった。

*1
変なことしか言ってないだろ...

*2
一話の鉛筆野郎




書いてたら結構長めに書いていて疲れたので今回はここまで。次回はセカンディル、そして現れる廃人狩り(ジャイアントキリング)
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