伝説が歩むシャングリラ・フロンティア ~伝説のゲーマー、神ゲーに挑む~ 作:黎狐
「.....情報量多くないか?」
「あはは....まぁそう言う反応になるよねぇ....」
話し合いを初めて数分、とんでもない情報の暴力が俺達に降り注いでいた。*1
「まさか、ユニークモンスター"墓守のウェザエモン"の情報が出てくるとは....しかもPK集団を
育てる道具扱い....ひっでぇな...」
「あぁ....アカツキ、お前の話もしておいたらどうだ?」
「?何かやらかしたの?」
「私、も気になります...」
「やらかしたわけでは無い....が、確かに話しておいた方が良いな」
そう言って、俺はこれまでの流れを説明した。結果....
「どんな手を使ったの?」
「使ってねぇよ....むしろそういうことが出来るならレベル上げの不正をするっての.....
ただでさえ面倒くさいんだから...」
「....そこまで面倒くさかったか?」
「.....クランメンバーとして黙っててくれるならその概要も話す」
『了解』
「助かる....まぁ結論から言えば、このアクセサリーの効果だな」
「どんな効果なの?」
「取得経験値が半分になる代わりにレベルアップ時に獲得するポイントが2.5倍になる」
『どんなぶっ壊れ装備?』
「ついでにこれもユニーク関連」
『また!?』
そんな反応にもなるか.....さて。
「俺の話はここまで。ここからはそっちの....ウェザエモンに関する話し合いだ」
「うん。まずだけど、あいつには高レベルなんて関係ないよ」
「関係ない?どういうことだ?」
「....」
高レベルなんて関係ない....前にやったゲームの中にそんなボスがいたな...確かあいつの場合は....
「....
『!!』
「流石アカツキ君、鋭いね。その通り、ウェザエモンは戦闘開始と同時にプレイヤーのレベル上限を"強制的に50にする"。だから、求められるのは単純なプレイスキル...何だけど、ウェザエモンはレベル"200"何だよねぇ...」
「....レベル差150を強制される、と?」
「うん」
「馬鹿か????」
運営よ、一体どんなヤケクソ調整をしたんだ?*2
「あとは、使ってくる技についてだね。まずは"断風"、簡単に言うとガード貫通と発生1フレームの神速抜刀居合。予備動作を見切って弾くか、刀身の射程外に回避する以外に方法無し。
ウェザエモン自身が高頻度で使う技、当たれば死ぬ。」
「一つ目からとんでもないなおい」
「中々ぶっ飛んだ性能だな....」
「次に"雷鐘"、これは広範囲への5秒間の連続落雷攻撃で、戦闘参加人数が多く、ヘイトが分散
している程着弾範囲が広くなる。ガード貫通は無いけど、其れでも驚異は変わらないかな。当たれば体力や耐久に余程ステータスやバフを盛ってないと死ぬ。」
「結局、死ぬんですね....」
「これは本当に厄介なのよ....」
「お次に"入道雲"、刀を持っていない手で雲の腕を作って、自身の周りを薙ぎ払う技。背後と腕
より上が安全地帯で、予備動作も大きいから正直言うとデレ行動ではある。ただ雷鐘の後に
合わせられると理不尽窮まり無い技だね。食らえば死ぬ。」
「喰らえば死ぬしか言って無くないか?」
「先に言っておくよ、基本喰らえば即死だから」
やっぱヤケクソ調整では?
「次が..."火砕龍"、ウェザエモンに3人以上のヘイトが向けられている状態でのみ使う技で、刀を突き立ててランダムに1人の居る場所から竜を模した火柱が襲い掛かってくる。回避は出来る
けど、此の技は後の灰吹雪とワンセットでヤバさが増すよ。」
「これだけでもかなりだと思うが....灰吹雪はどんな技なんだ?」
「"灰吹雪"は火砕龍の後に火柱が立った地面目掛けて、上空に留まる雲から灰色の龍が連続で着弾する。此の技は当たると窒息死が適応されて、ある意味滅茶苦茶堪える。」
「あぁうん.....もう色々と馬鹿だな....」
「あとね....戦闘開始から10分経過でウェザエモンが呼び出す『戦術騎馬・麒麟』って言う
馬みたいな見た目で脚が付いたダンプカーの、トンデモ馬力持ちの巨大メカがあるんだよね...」
『......は?』
「コイツは広範囲にミサイルやレーザーを撒き散らしながら暴れ回った挙句、ウェザエモンに合流して『合体』する。万が一にでも其れを許したら、ウェザエモンはケンタウロスみたいな見た目に変化。スーパーアーマーと馬の機動力でゴリ押しされて其の時点で私達は負ける事になる。」
『はぁ!?』
「ウェザエモンはおそらく『時間経過』を勝利条件とする特殊なユニークモンスターと見て間違いない。此の戦いは一発勝負、ウェザエモンと麒麟各々で担当を設けてないと確実に負ける」
「すまんその前に出てきたメカで話の概要全部吹っ飛んだ」
「同じく....」
....吹っ飛んだとは言え、何か聞いてないような...あ。
「クエストは?」
『?』
「鋭いね....満月の日の夜に、サードレマから行ける千紫万紅の樹海窟で月の光が当たらない苔の壁が在るんだ。そこに手を置いて調べると隠し通路が出現する...その先にいるNPC"遠き日の
セツナ"に話しかける事でユニークシナリオEX:此岸彼岸へ愛を込めてが発生するってわけ」
「クソ面倒...マジの運だな」
「正直ランダムエンカウントで二体同時にエンカウントする方が何?って話だけど?」
『それはそう』
それに関しては本当に何も言えない
「で、ウェザエモン討伐に関わらせるのと....メンバーを二人集めれば良いんだね?」
「あぁ。出来るか?」
「うん、元からウェザエモン討伐に関わらせようと思ってたプロゲーマーとクソゲーハンターが
いるから」
「その説明だけで誰なのか分かるな....」
「分かるものなのか?」
「まぁな....カッツォとサンラクだろ?」
「そうそう、二人ともシャンフロ始めたらしいからさ」
「クソゲーハンター神ゲーもやるのかよ.....」
あの二人なら....ん?
「なぁアーサー、カッツォってキャバリークライシスやってなかったか?」
「....あ。」
よし、麒麟の相手はプロゲーマーに任せよう...乗馬の経験はあるが面倒くさいしウェザエモンと
戦いたいしな!!
「よし、じゃあ今度円卓で話してくるよ。期限は一ヶ月!!それまでにレベル50まで上げといてね」
「了解、ユニーク関連で情報が出たら連絡する」
「うん....絶対勝つよ、一回で」
「...あぁ」
こうして、俺達の話し合いは一度終了した....が。
「どうにも引っかかるな.....」
何故ウェザエモンは墓守と呼ばれるんだ?アーサーの話を聞く限り奴は機械、墓守は墓守だろうが、もっと相応しい呼ばれ方があるはずだ。もしかすると何か他の情報があるかも知れないが、こっちには情報を得る手段が....あ。
「一人いるじゃねぇか....!!情報を持ってそうな
やることを決めた俺は、足早にラビッツへと向かった。
「と言う訳で情報を持ってたらくれ」
「おめぇさん中々ぶっ飛んだこと言ってるのは分かってるんだよな?」
「当たり前だ。だがこんなぶっ飛んだ行動しないと情報が少なすぎてな.....」
目の前にいるのはラビッツ頭領ヴァイスアッシュ、リュカオーンやジークヴルムの事を知っていたならウェザエモンの事も知ってるんじゃ無いか?
「....アカツキよぉ。まさかたぁ思うが……おめぇさん、あの『死に損ない』にケンカを売りに
行くつもりかい?」
「(....死に損ない?)あぁ。と言っても主幹は俺の腐れ縁とその友人で俺はあくまで補助だがな...
それがどうかしたか?」
「意気るのは良いがぁよぉ…勝算は在るんかい?俺ァ負けに行くことを、『致命魂』だとは
思わねぇぞ?」
「.....」
確かにヴァイスアッシュが言いたいことは理解出来る、何なら俺だって同じような反応を示すと
思う....が。
「....まぁ、現状じゃ確かに勝てないかもな」
「それじゃぁ「けどな」
「主幹の腐れ縁から聞く限り、ウェザエモンは今。PK...いや、"殺人鬼集団を育てるための道具"
みたいな扱いされてる」
恐らく、ヴァイスアッシュ...と言うよりヴォーパルバニーのクエスト自体、ロールプレイが重要
なんだろう.....まぁこれから話すのは本音であってロールプレイでは無いが....良いだろう。
「主幹たるそいつらも集団の一人ではあるが、二人だけは本気でウェザエモンを倒そうと
してる....それも何回も挑むんじゃなく一回で、だ。普段は腹立つ言動を繰り返す奴が、見たこと無いくらい饒舌に語ったんだ.....ガラにも無いが、それに答えてやりたいと漠然と思うくらい....
あいつの"心意気"が、俺は大好きなんだよ」
どうだ....?何かミスったか....?
「心意気…なぁ.....おめぇさん、致命魂が何たるかってのを、確りと理解出来てる様だなぁ」
「....自分自身じゃ、そこまで分からないんだがな...今のはただ本音をぶちまけただけだしな」
「はっ!ある意味おめぇさんらしいさ....アイツはよぉ…不器用なヤツなのさ」
「....ウェザエモンのことか?」
「あぁ.....糞真面目で加減すら効かねぇアイツは、下手な嘘で女房を失って、死ぬに死ねねぇ身体になっちまった。言うなりゃ………"生ける屍"なんだよぉ....」
(生ける屍...アンデットってことか?)
「俺等ぁはよぉ。アイツ等にゃあ手ぇ出さねぇと決めているんだが、挑もうってなら止めは
しねぇ....だが、アイツに挑むなら先に"実戦訓練を終えてから"だなぁ。其れが"通過儀礼"って
もんさぁ」
.....ん?戦闘あるのか?
次回、戦闘!!へたくそなのは承知で期待しないでいてください....