奥山沙織はアイドルになって声を届けたいようです   作:まきにゃん

16 / 31
オーディションで出てきた子。
かわいそうはかわいいっていう栄養は微量でも体に良いとわかっています。



幕間

和泉静香は激怒した。

必ず、かの邪智暴虐な奥山沙織を除かねばならぬと決意した。

 

静香は神奈川県民である。アイドルになると学校で吹きまくり、養成校に通って鍛錬してきた。けれども自分を取り巻く悪意に対しては人一倍敏感だった。

 

オーディションで会ったかっぺの女はシンデレラガールズ4期生となり、私は同じ346プロダクションの配信事業部所属のVtuberとなった。解せない。

義務教育中とはいえシンデレラガールズのオーディションに撥ねられるとは思ってもみなかった静香にとって合否通知で御多幸をお祈り(不合格)されてしまったその時その瞬間から、世界は敵色に染まってしまった。

同じ芸能事務所とはいえ配信事業部から後でオファーがあったときには何の冗談だとキレそうになってスマートフォンを床に叩きつけたい衝動に駆られた。

 

落ち着け、私。

 

かの邪悪なる暴君(奥山沙織)のデビューライブ配信にかぶりついて見る。

 

歌う彼女の手から白鳥が卵から孵り瞬く間に大きく成長すると大きく飛翔して空を登っていく。

見上げればそれは陽光を受けて半身が輝いている。

奥山沙織もまた、そうだ。

 

スマートフォンを持つ手が震えてりきむ。

冷静に考えてみれば、何のことはない単なるファンタジー(映像合成)だ。子供騙しの幻想に惑わされるほど幼くはないし純粋でもない。

 

「あぁ゙ぁ゙あぁ゙あぁ゙!!!」

 

次の雑談配信で話題にしなければ。

私が感じたこの想いをリスナー達に叩きつけなければならない。きっと彼らはコメントするだろう。奥山沙織のライブはエモエモだったと。なんでリアタイ配信しなかったんだと。

 

そんな敗北を認めるようなことするわけないだろ理解れよ。

時間を置いて私そんなに気にしてません、もっと凄いこと目指して頑張ります、みんな応援してね。奥山沙織に負けない素敵なVtuberになるからとアピールすれば、宣戦布告になるだろうか?

 

週1回配信での活動をマネージャーから言われているけれども増やせないか確認してみよう。

おそらくはダメ出しされるだろうが、不定期突発での配信なら抜け道があるかもしれない。露出が足りないのだ、私にもっと光を。

 

早速、マネージャーにメールを送る。

もっと配信回数増やせませんか?と打診してみると、返信はすぐあった。

『ボイスレッスンもう少し頑張るのとソシャゲの遊び方覚えたら考える』だと!?

 

私はその場で地団駄を踏んだ。

ボイスレッスンはともかく、ソシャゲは苦手なんです!

登場させたいアイドル

  • 奥山沙織とユニットを組んだアイドル
  • コミュやデレ劇で接点があったアイドル
  • オリジナルキャラのアイドルや候補生
  • 千川ちひろをアイドルに
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。