奥山沙織はアイドルになって声を届けたいようです 作:まきにゃん
狸キャラの中の人になっております。
「神楽坂たぬ子、今日はお料理配信頑張ります」
:たぬ蔵おつ
:たぬ蔵なに作るの?
:炭焼き配信回か
「たぬ蔵じゃないたぬ子だ。いいかげんわざと言い間違えて弄るのやめろください。こんな美少女捕まえてオス扱いはないでしょ」
:まんま狸のガワで美少女いうなし
:ケモどころか獣なんだよね
コメントの通りVtuberとしてのアバターは狸である。
しかもケモノ要素のある狸少女ではなく、狸が和服纏っているだけの姿形。メス要素は手に持つ桜の枝。
「いつの日か変化の術を覚えてお前らをギャフンと言わせてやりますから、震えて待ってろください」
:おう、期待してるぞたぬ蔵
煽りを交えたいつもの挨拶をこなし、本題に入る。
宣言したとおり料理配信をしなけばならない。
「それはさておき、今日はお味噌汁を作りますよ」
:ミソスープですか
:我、豆腐とワカメのオーソドックスな味噌汁好き
:赤味噌派
:赤味噌なんて野趣あふれる味食べたことないわ(京都民
:うっせえぶぶ漬け食ってろ
「相変わらず治安の悪いコメントですね。でも大丈夫。私の華麗なる料理姿に見惚れたお前らはすぐに大人しくなりますよ」
食材を紹介していく。
白味噌、赤味噌、ネギ、豆腐。そして顆粒だし。
:おいまて
:白赤の合わせ味噌は百歩譲るとしよう、なんだその顆粒は?
:俺くんが小学校の頃は家庭科の調理実習で煮干しで出汁とってたが
:正解なんだけどコレジャナイ感
:愛を注入しろよたぬ蔵
「現代人は忙しくて朝食もろくにとれないそうですから、簡単にできるレシピにしてみました。合わせ味噌は私の好みです。覚えていてください」
:この狸吐かしよる
小鍋で湯を沸かしながら包丁作業。
ネギは斜め切りにして、豆腐はひと口大に。
具材を入れて沸騰したら火を弱めて味噌を溶かし、最後に顆粒だしを入れる。
:あ”ー!入れやがったよこの畜生
:綺麗なおてて見れておいら幸せ
:(白目
:インスタント味噌汁で済ませてる俺くんより上等な味噌汁作ってやがるぜ。。。
「料理研究家Rさんもお勧めできる時短味噌汁の完成です。ずぼらなお前らでも簡単にできますよ」
そして実食。
お味噌汁、出来立てで温かく、味も程よくいい塩梅だ。
ご飯もよく噛んで食べる。美味しい。
「お前らもポテチやコーラばっかりじゃなくて、たまにはちゃんとしたご飯食べたほうがいいんじゃないですか?」
食レポを交えた雑談を始める。
昨日学校であったこととか、お菓子値上がりしたとか、日常の細々としたこと。
リスナーのコメント読み上げも、最近では友達同士で駄弁る感覚でやりだしてから自分なりのリズムがつかめてきたような気がする。
できればもう少しリスナーは私に優しくしてくれても良いのではないかと思うが。
「では次の配信のお知らせです。なんと、たぬ子初のコラボです。見ろください」
:コラボ童貞卒業かおめでとう
:処◯では?
:生々しいのはやめーや
:いつの間にかたぬ蔵立派になりやがってよお
:で、お相手誰よ?同期の子か?
「驚かないでくださいね、シンデレラガールズの奥山沙織さんです。ぶい」
:確か同じ事務所のアイドルさんやね
:俺達にするような失礼な態度とるなよ?
:対動物特攻スキル持ち疑惑のあるおぐやまさん相手か、これはたぬ蔵理解らされる展開
:事務所のコネとはいえVtuber同士のコラボふっとばしてリアルアイドルコラボかよ
:ドヤ顔しているたぬ蔵を幻視した
神楽坂たぬ子は346プロ配信事業部所属のVtuberである。
登録者数は現在72名。雑談中心の定期配信がメイン活動であり、歌はそこそこ、ゲーム下手でリスナーから指導を受けるレベル。設定が狸(の化け物)でやや辛辣なのは、中の人の素を考慮した担当アシスタントの苦渋の選択であるが、本人は気にしていないというか演技があまり要らないのでやりやすいとすら思っている。
素顔は晒していないが、配信内容で察してしまう義務教育感のある中の人に、リスナーは小生意気な姪を見ているような気分になるとかならないとか。
奥山さんにやらせたいこと
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CMのお仕事
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ライブ出演
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動画配信
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グラビア撮影
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その他