デュエル・マスターズOver(オーバー)   作:シグレサメ

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俺、黒井夕哉(くろいゆうや)はある日謎のデッキケースを拾い、ジャシンという謎のクリーチャーと出会った。友人の光屋御白(ひかるやみしろ)がクリーチャーの力で暴走して、どうにかそれを収められた。暴走させられてたドラン・ゴルギーニと契約して、今一度俺と御白は友達になれたんだ。


立ち止まる者、突き進む者

俺と御白は、皇龍市の郊外にある病院に来ていた。

 

「あら、夕哉君。今日はお友達も一緒?夕花ちゃん起きてるから、沢山お話ししてあげてね」

いつもの優しい看護師さんに面会人の札をもらって、御白と一緒に夕花の病室(原因不明の怪我なので、大事を取って1人部屋)へと向かう。

 

「御白、俺たちの関係を話すときにクリーチャーの話はしちゃダメだからね」

「分かってます、最大限気をつけます!」

(まぁどちらかというと大変なのは…)

俺たち2人の秘密、クリーチャーが実際にいることと、そのクリーチャーと契約することができること。あとは竜也さんがクリーチャーのことを知ってるけど、彼については分からないことが多いし…。あの機械を送ったあとは彼の返信を待つのみだ。

 

「夕花、入るよ」

「あ、お兄ちゃん。と、お兄ちゃんのお友達?」

「光屋御白です。よろしくお願いします」

「嘘…お兄ちゃんがお友達を、しかも女の子のお友達を…」

 

「お兄ちゃん!御白さんってお兄ちゃんのカノジョさん!?どこで会ったの!?馴れ初め教えて!!」

そう、夕花は本来こんなにも元気な妹なんだ。本来だったら中学1年生として元気に…

「ちょっと待って夕花、順を追って説明するから…!」

「黒井さん!少し静かにしてください!」

ナースさんから時折怒られるほど、夕花は本当に、下半身付随なのが嘘のように元気だ。

 

「なんだ、彼女さんじゃないんだ。でもさ、家庭教師と生徒から恋に落ちるって王道パターンじゃん!同い年だし!」

本人達の前で言うなよ、御白黙っちゃったじゃん。

「何度も言うけどそういう関係じゃないって…夕花の方は?元気にやれてる?」

「毎日リハビリ続けてるけど、上半身は1年前の事故から動くようになってきたけど、たまにぶり返しがくるかな。下半身は全然」

「そっか、しばらく会いにいけなくてごめん。色々と忙しかったんだ」

「大丈夫だよ、お兄ちゃんとおばあちゃんがちゃんとした生活を出来てるなら私も嬉しいし、励みになるよ。ちょっと喉乾いたかも、飲み物欲しいな」

「分かった、オレンジジュース?」

「流石お兄ちゃん」

 

「ごめんなさい、私何かの役に立てればと思ったのに…何かできればと思って…」

「大丈夫だよ、普段より夕花が笑ってるんだ、御白のおかげ」

「そうなんですかね、夕哉君を忙しくさせちゃってたのは、私のわがままのせいだなって…」

 

「そんなことないよ!」

車椅子に乗った夕花が出てきた。

「お兄ちゃん達遅いなぁって思ってたから来ちゃった!」

「いや、そんなに時間経ってないと思うけど」

「お兄ちゃん、すぐ1人で抱えて、すぐ1人で解決しようとするんです。中学の卒業前とか私の入院費のためにバイト沢山するって言ってて、凄く余裕がなさそうだったんです」

夕花は普段よりも意識して元気に、御白に声をかけている。

「今日のお兄ちゃんこそ、前よりも笑顔が多かったんです。それは多分御白お姉さんのお陰だと思います。だから、そんなに自分を責めないであげて下さい。できれば、お兄ちゃんの余裕がなさそうな時は助けてあげてください」

「はい、頑張ります…。夕花ちゃんは、優しいですね…」

 

「お兄ちゃん、私は絶対この身体を治して、絶対またお兄ちゃんと暮らすから!お兄ちゃんも!私も!自分のことをいっぱい!やろう!」

 

病室に戻った後、御白が口を開いて、

「夕哉くん、どんな人でも、どんな立場でも、一緒の卓を囲めばお互いに楽しむことが、分かりあうことができる最高のゲーム!ですよ!」

「??? どういうこと?」

「上半身が動くなら、夕哉くんと夕花ちゃんで一緒に遊べるんじゃないかって」

御白はデッキケースを取り出して、こう言った。

「遊びって大事なものだと思いますから」

「うん、そう思う」

面会時間いっぱいまで、3人で遊んだ。夕花と一緒にいて怪我のことを忘れられたことなんて、どれだけ久しぶりだろうか。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺、青海飛水(おうみひすい)は、カードショップDM Stationでの罰が解かれ、久しく出ていなかった店舗大会に出場していた。

 

今日の大会はトーナメント戦で俺は準決勝で《禁断竜王 Vol-Val8》使いのトーマスさんに負け。光屋コーポレーションやらウィザーズやらのの努力で海外の人にも広まっているらしい。それにしてもめちゃくちゃ強かった…。折角だし決勝まで見ていくことにした。

 

「トーマス!頑張れー!」

トーマスさんは初めての大会決勝と先ほど教えてもらった。対戦相手は大会優勝常連の…虹村五色(にじむらごしき)だ。

「Vol-Val8で攻撃!山札上5枚から2枚を手札に加えて、パワー6000以下のクリーチャーを敵味方問わず破壊しマス!」

「シールドトリガー、なし」

「ターン終了時、このターン4体以上クリーチャーが破壊されたため追加ターンを獲得しマス」

 

虹村五色が追い詰められている。その情報だけでショップ中の注目を集めるのには十分だった。

「《竜界電融 N・EXT》で攻撃!お互いの手札と墓地を戻してお互いに5枚ドロー!Wブレイクデスヨ!」

「シールドトリガー、《ナウ・オア・ネバー》!《龍風混成 ザーディクリカ》をバトルゾーンに出して、すぐに手札に戻す。その時代わりにEXライフが墓地に落ちるから、その落ちた《ドラゴンズ・サイン》を唱える」

 

トーマス側の攻め立て方も凄いが虹村側もリセットを喰らった直後に最善手を叩き込んでいる。今日イチの白熱が会場を包んだ。

 

「《覚醒連結 XXDDZ》でダイレクトアタック」

「負けマシター、あそこでドラゴンズ・.サインが落ちなければ帰ってたのにー!」

「俺もそう思います」

「何はともあれ、優勝おめでトウ!対戦ありがとうネ!」

「ありがとうございました」

 

いいもの見たな、俺はそんな気分を胸に、自分のもう一つの居場所へと向かっていくことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

最悪だ。シールドトリガーが無ければ、俺は負けていた。しかもザーディクリカのEXライフからドラゴンズ・サインが落ちるという運勝ちだ。今日のプレイに点をつけるなら0点、いやそれ以下だ。

 

「俺は、弱すぎる…」

 

ハンバーガーを持つ手に力が入り、バンズにヒビが入った。俺は弱いやつじゃいけないんだ…。

 

「ねぇ君、虹村五色くんだよね?」

「誰ですかあなた…」

「僕は真沢(まざわ)、君のことを強くしに来たんだ」

「冗談は大概にしたほういいですよ、なんかの詐欺ならとっとと帰ってください」

「僕の考えるきみは、辛勝なんかを許さない、圧倒的な力で君臨して、後に続くもの全てを引っ張るんだ」

 

「…どういうことですか」

「僕はきみをただの大学生から世界の救世主に変えられる。その為に君はクリーチャーの力を手に入れなければならないんだ」

「クリーチャーの…力…?」

「あぁ、普通の人なら出来ない、クリーチャーを使役する力。文字通り駒として扱う力だね、気にならないかい?」

「…それがあれば、二度と俺は負けないのか?」

「…そうだね、君に覚悟があるならば」

「あるさ、やってやる」

「君のそのハングリーさ、大好きだよ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

俺は日課の音楽ショップに立ち寄り、普段通り新しいCDの試聴をしていた。すると突然横から緑髪の同い年?の男が声がかけてきた。

 

「ねぇ、それ楽しいの?」

「何ですか?楽しいから聴くんじゃないのか?多分」

「そっかー。じゃあボクも聴く」

「おっけ、これつけるんだぞ、分かるよな?」

「うん、耳につければ良いんだよねー」

分かってねぇ、頭を沿わせる部分を目につけてモザイクみたいになってる。こんな奴が今時こんなところにいるもんなのか?最近は変なやつに会うことが多くてやだな…。

 

なんとなしに俺が吹き抜けから階下を覗いた時、「アイツ」はいた。

「真沢…なんで…?」

虹村と、あの真沢がそこにはいた。

「ちょっと待て!待ってくれ!」

俺は気付けばエスカレーターを駆け下り、真沢の前に立ち塞がった。

「真沢…なんでここにいるんだよ…!」

「へぇ飛水。『叔父さん』とはもう呼んでくれないのか」

「誰が呼ぶかよ…あんなことしといて…」

「嫌だなぁ。デュエマを教えた時はあんなに懐いてくれたのに。虹村くん。迎えは用意してある。先に行ってて」

 

真沢を取り逃がせないが虹村を見失うのも不味い。そう思って後ろを振り向いた時、上の階から大きな人影が飛び降りてくるのが見えたと思えば、俺の前に立ち塞がった。

「ねぇまざわさん。この子を足止めすればいい?」

「さっきの奴…」

「あぁ、守木緑(もりきみどり)くんだ。優秀なサンプルの1人でね。僕の貴重なボディガードなんだ」

「サンプルって…まだあんなことしてんのかよ…!」

 

真沢が大学教授時代にやったこと。俺の家から勘当された理由。

「この人体実験は必要なんだ。来るべき時に備えてね」

「ふざけんな、真沢ー!」

俺が拳を振り上げた時守木緑がそこに立ち塞がり、俺の腕を掴み上げる。

「ボディガードというのは伊達じゃないってか…」

悪態をつくも、守木は力を緩めない。

「ぐあっ!」

腕をあらぬ方向に曲げられ、俺は地面に崩れ落ちた。

「帰るよ、緑。まだやることが山積みなんだ」

「待て、畜生…!」

 

俺は周りにいた客に介抱され、あいつを見送ることしか出来なかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4がつ25にち

 

にじむらさんがなかまにくわわりました。

まざわさんはいままでみたことないほどよろこんでて…。

きっとまざわさんがよろこんでるってことは、ぼくもよろこぶべきことなんだろうな。

はやく、いえにかえれないかなぁ。




次回予告
今回は!俺、夕哉と、私、御白が担当です!
「どうする、交互に読む?」「それでいきましょう!」(小声)
ついに本格的に動き出した真沢の計画。
その第一の目的は、伝説のクリーチャー、ボルシャックの確保らしいです!
そんな中で異変に気づいた飛水は俺達を訪ねるわけだけど…
残りは次回のお楽しみに!ですね!
「「せーの!」」次回『伝説の勇者・前』お楽しみにー!
ねぇ御白、ボルシャックって何?
ボルシャックっていうのはですね、第一弾から登場した伝説のドラゴンで…(以下省略)
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