へっぽこ占い師の日常   作:TKF

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ガラケーのアラームの設定を変えられた件

私は用事がない週末の昼間は競馬を見ていることが多い。

といっても私はギャンブルにはあまり興味はない。昔、先輩につれられてパチンコに行ったことがあるが、ビギナーズラックとかいうやつで何か玉がたくさん出てきたが、玉を送りだすだけの単調作業が苦痛でまったく面白くなくて、あとは先輩に任せて10分ぐらいで帰ってきたことがある。

あとラスベガスにも行ったことはあるが、ルーレットとかスロットとかやっても何も面白くなく、20~30分でやめて、ホテルの自室に帰って本を読んだりして過ごした。

 

 

こんな感じで、ギャンブルなんてまったく興味がない私ではあるが、じゃあなぜ競馬を見るのかというと、予測モデルを作るのが大好きだからである。

詳しく説明すると、占いの技術を応用した予測モデルを使って何かを予測してみて、それが当たったら大喜び、外れたら「なぜ外れたのだろう?」と考えてモデルの改良に取り組む、その繰り返しが限りなく楽しいのである。

 

幸いにして今の会社でやっている仕事は予測モデルを扱うものなので、休日にも仕事を(喜んで)することもあるのだが、残念ながら休日勤務は月4回までと制限されているし、残業時間にも制限があるので、休日にずっと仕事し放題ということはできない。

一方で競馬はすべての土日にやってくれているし、一日30レース近くの予測対象を提供してくれる。なので昼間はそちらを予測し、夜は月4回までは仕事を楽しみ、あとは占いの研究や鑑定、という日常を送っている。

 

ちなみに、その競馬の予測はまったく儲かっていない。結構いい線はいっているのだが、なかなか回収率100%以上にはならず、やはり占いでギャンブルを当てるのは難しそうである。

 

さて、そんなある日の日曜日、あるレースを予測して数百円を投入しおえたのが14:03。レース開始まであと3分、というところで猛烈に眠くなってきた。

うっ、また何かの依頼か、、、次のレースは面白そうなのだが、、、まあ3分あれば依頼は聞けるであろう、と考え、ガラケーのアラームを3分後にセットして布団に入って即落ちした。

 

* * ** *  * *

どこかの神殿らしきところに来ていた。

(うっ、依頼ではなくて、バイト先からの呼び出しであったか・・・)

私はよく、神社か神殿らしきところで働いている夢を見る。

平安時代の小野篁(おののたかむら)という人は、昼は朝廷に仕え、夜は冥府に行って閻魔大王の裁判の補佐をしていたらしいが、私はそんなに高尚なやつではなくて、雑用とか来客(?)の案内とか下っ端的な仕事をすることが多い。私はそれをバイトの夢と呼んでいる。いちおうバイトと呼んでいるが、バイト代をもらったところを覚えておらず、たぶん無償奉仕なのかもしれない。

(バイトすることになった経緯は良く覚えているが、話が長くなるので、また別のところで紹介したい)

 

さて、私を呼び出したのは、目の前に立っている年配の女性であった。年齢はわたしより数歳年上ぐらいにみえて、巫女のような服装をしていて、きれいな人であった。ただその人が神様なのか、私のように奉仕に来ている人間なのかはよくわからない(夢の中ではわかっていたのかもしれない)。

ただ、私とはその世界では相当の階級差があるようで、私はその人(?)を上役と認識していて、かなりかしこまっていた。

 

「あなたっ!」と、その女性が詰問調で話しかけてきた。

「先日、神の悪口を言ったり、神からの使いに対してぞんざいな対応をしたりしたでしょう?」

私はびっくりした。そんなことはありえない。神の存在を信じている私が、神様の悪口を言うなんて恐ろしくてできるわけがない。

「いえ、、そんなことは決して・・・」

「なら、これはなに!?」

と上役は傍らの画面に、チャットみたいなものを映した。

そこには、神の使いらしき人(?)と、まったく知らない人とのやりとりが書かれていた。

(これ誰?、というか、これが何だというだろう?)とぽかんとして見ていたら、上役がはっと気づいたかんじで、傍らに立っていたおつきの人(?)を見た。そのおつきの人(?)は、しまった、という表情をした。どうも呼び出す相手を間違えたらしい。気まずい雰囲気となり数秒後、

「どうも人違いであったようだ。帰っていいぞ」と女性が言った。

(やれやれ、とばっちりを受けないうちに、さっさと帰ろう)と思い、

「はい、それでは、、失礼します。」と言った。

* * ** *  * *

 

自室の布団の中だった。

傍らの携帯で時計をみる。14:10だった。7分が経過していた。

向こうでのやりとりは30秒もなかったから、向こうの世界とは片道3分ぐらいのようだ。行き来の時間を正確に計測したのは人類初ではなかろうか。

 

楽しみにしていたレースは寝過ごしてしまった・・・。(後で確認したら外していた)

そういえば、アラームをかけておいたはずだが、そちらはどうなったのだろう?、と思ってガラケーを確認したら、14:02にセットされていた。

 

そんなバカな・・・たしかに14:06に鳴るようにセットしたはず・・・なんで操作した時刻の1分前になっているのだ!、、、あちらに呼び出されているときにアラームが鳴って目を覚ましてしまってはまずいからだろうか・・・

 

いろいろ腑に落ちなかったが、なんとなく、携帯の時計をいろいろ操作されているというのがわかった気がした。

 

 

 

 

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