へっぽこ占い師の日常   作:TKF

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2017年ごろの筆者の実体験です。


秋葉神社とのおつきあい③ 秋葉神社への奉納金が自費負担になった件

 秋葉神社では毎年12月のある日に「火祭り」という祭礼が行われる。 

 2017年当時に私がいた部署では、その日に合わせて誰かが部署を代表して秋葉神社本宮(静岡県浜松市の山奥)まで行って、神棚のお札を新しいものに取り換えることになっていた。

 

 その代表者は、過去に行ったことがない係長以上の管理職(10人近く)の中から指名されることになっていたが、まあ100%自分が選ばれるだろうなー、と思っていた。なにせその年は前回までに紹介した通りでいろいろあったから。

 

 そうしてやっぱり自分が選ばれた。

 

 こういうプロセスって、いったいどんな風になっているのだろうか?、選んだ人の夢の中に神様が侵入して、何か暗示をかけたりしたのだろうか?、興味があったので課長に聞いてみたのだが、周りの人と話しながらなんとなく、ということらしくて、よくわからなかった。

 

 その後、その課長も時間ができたので火祭りに一緒に行くことになった。聞くと4回目らしい。信心深いらしいが、ひょっとしたらこの人も能力者だったのかもしれない。そういう人はだいたい人が良くて、人と無理に争わないところが共通している。そのために自分の評定とか出世競争からも一歩引いてしまい、昼行燈みたいになっている。神の存在を感じられるようになると、他人と張りあったり他人を出し抜いたり陥れたりする生き方ができなくなるからであろうが、まあその方が部下にとっては温和で裏表のない上司で過ごしやすくてよい。

 

 さて、「火祭り」の当日、その日は昼間は名古屋で勤務した後、夕方から新幹線で浜松に移動、課長と合流して、私鉄とタクシーを乗り継いで21時頃に秋葉神社本宮に着いた。

 そこで奉納金1万円を支払いお札を取り換えて、あとは火祭りなるものを見学した。初めて見たが、話に聞く「追儺祭(ついなさい)」みたいなものだった(鬼やらいともいう)。大晦日の夜に豆をまいたり弓を四方に射たりして、その年に住み着いた邪鬼を追い出すというものである。その豆まきの部分が、火の神様らしくたいまつを持って振り回すようなしぐさに変わっていた。

 ふーん、と思ってみていたが、こちらは神主さんらの儀式(1時間半ぐらいかかった)を遠くから見ているだけであり、やや退屈だった。それよりも12月の夜23時頃の山中に立ちっぱなしだったので、やたらと寒かったことが強烈に記憶に残った。行ったことがある人はみんな、「一度行ったらもういい」と言って行きたがらなかった理由がよくわかった。

 なぜにそんなに遅い時間にやるのかが不思議であったが、おそらくは本来は大晦日の晩に年マタギでやるべきものであり、そのため24時をまたぐ習慣が残っているのであろう。

 

 祭礼が終わってタクシーに乗って浜松市街地に戻ったのが26時頃で、その日は市内のビジネスホテルに泊まった。何か変わった夢を見るかと期待したが、不思議なことに何も見なかった(覚えていなかっただけかもしれないが)。

 

 翌朝、まだ疲れていたが、その日は午後から重要な仕事が入っていたので、朝にホテルを出発し、昼には名古屋のオフィスに戻っていた。ちなみに課長はその日は休みにして浜松観光に出かけていった。

 

 変わったことがあったのはその後であった。私が立て替えた奉納金について、さっそく会計伝票を切ろうと思って領収証を机の上に出したのだが、先に新しいお札を神棚に納めようということになって席を外し、10分後ぐらいに戻ってきたら、領収証が消えていた。

 領収証をはさんでいたクリアファイルはそのまま残っているので、風で飛んだということはないだろう。念のため机の周りやカバンの中を探したが見つからず、周りの者に聞いても知らないという。

 

 考えられるのは、私のことを嫌いな誰かが嫌がらせをしてきた、ということであるが、ただこの会社の会計ルールとして、領収書をもらえなかったり紛失したりしたときは、出費の内容を書いて課長に押印してもらえば領収書の代わりにすることができるので、(課長もいっしょだったからすぐに押印してくれるだろう)、嫌がらせとしてはほとんど意味がない。

 

 いろいろ考えて、はっと思いついたのは、今回、職場の代表として奉納金を納めてきたのではあるが、一個人としては一円も奉納してこなかった。それを神様に咎められているのではないか、ということであった。だから会社の負担にするつもりだった奉納金を個人負担にしておけ、という神意ではないかと解釈して、会計伝票を切るのをやめてそのままにしておいた。その解釈が正しかったかどうかは結局よくわからない。

 

 そんなこともありながら、その後も1年ぐらいは神棚のお世話をさせて頂いたのだが、その後、オフィスが引っ越すことになり、新たなオフィスでは技術部ではなくて総務部のフロアに神棚が置かれてそこで管理することになったので、私がお世話をする事もなくなり、神棚とのご縁はいったん終了した。

 

 もっともそのころには、私は住まいの近所の神社にある秋葉神社の祠に頻繁に参拝するようになっていて、そちらはそちらでいろいろ不思議なことがあったのだが、その話はまた長くなるので、別の機会にしたい。

 

 





追伸:
 この神棚シリーズのお話であるが、2週間前に最初の話をアップした日に、実家の母親から連絡があり、「今日、いつのまにか一万円札が冷蔵庫の表面に磁石で留められていた。不思議でしょうがない」、ということであった。

 タイミング的に言って、おそらくこのときの一万円を返していただけたのだろうが、なぜ返していただけたのか、しかもいまになって(しかも実家に)、というところがよくわからない。

 ひょっとしたら、秋葉神社の御力の宣伝をしたので、それによって奉納が免除になったということかもしれない。

 まさに「剣(=神罰)か、or貢納か、orコーラン(=布教活動)か」というところか。






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