へっぽこ占い師の日常   作:TKF

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2000年3月に作者が実際にみた夢です。


ゼンコウジさんの夢①・「出会い」

 長野市にある善光寺を初めて訪れたのは2000年の3月であった。

 

 大学院を卒業して春休みでやることがなかったので、日本海でも見に行くか、と思い、青春18切符を手に、お茶の水駅に最初に来た快速電車に乗り込んだ。あとは中央線沿線をぶらぶら気ままに観光しながら日本海を目指し、3日目の昼に糸魚川について、日本海と大雪を堪能した。

 

 そこから長野市に戻ってきたのが16時ごろ。時刻表を見ると18時ごろ長野を出れば、その日のうちに東京に戻れそうだったので、「よし、2時間だけ長野観光しよう!」と思い立って、有名な善光寺に行くことにした。だが門前についたのが16時半で、ちょうど目の前で「本日の営業は終了しました」的な看板を立てられてしまった。

 

 どうしようかと迷ったが、ここまで来たら明日にでも出直してお参りしていきたいと思い、予定を変更してその日は駅前のビジネスホテルに宿泊した。

 

 翌朝、深夜に降雪があったらしく雪が3cmぐらい積もっていた。

 開館時間前に善光寺の門前につき、少し待って一番乗りで入場した。境内はほとんど足跡がない一面の新雪で、こんな時に来られてラッキー、出直してよかった、と思った。

 

 本堂に入るが誰もいなくて独り占めであった。お戒壇巡りという地下の真っ暗なところを巡る通路があったのだが、本当に誰もいなくて音もしなかった。視覚情報も聴覚情報もない中を歩くのがこれほど怖いとは思わなかった。「怖いよー」、「誰かいませんかー」、「わー」とか、あえて声を出しながら進んだ。

 

 本堂を出た後、ちょっとした不思議なことが2つ起こった。

 まず一つ目だが、①本堂、②経蔵、③資料館の3か所が回れるセット券を買ったので、②の経堂に向かった。②経堂が見えるところまできたのだが、古臭い建物であまり興味もわかなかったので、②を飛ばして③の資料館に向かった。

 ③資料館についてセット券を出そうとしたら、ポケットに入れておいたはずの券がなかった。

「おかしいな、ひょっとして落としたかな」と思って、来た道を戻ると、ちょうど②経堂に向かう道との分岐点のまんなかに、雪の上に券が落ちていた。

「ここで券を出したわけでもないのに、どうしてここで落としたんだろう」と不思議だったが、これは②経堂も見ていけ、ということかもしれないと思って、仕方なく②経堂も見ていくことにした。だがやはりあまり面白くなかったので、早々に退出して、③資料館に再び向かった。

 

 ③資料館はそこそこ面白かった。「牛に曳かれて善光寺参り」の絵とか、「善光寺参拝の旅路の途中で女房が死んだけど、その後も幽霊みたいなのが善光寺まで一緒についてきた話」とかが紹介されていて、そういうこともあるんだー、と感動したりした。

 

 2つ目だが、そうして1時間弱で善光寺を後にしたのだが、門を出ようとして気づいたのだが、結局チケット切りの女性職員以外は一人も人に出会わなかった。(正確に言うと、門を出ようとするときに入れ替わりに2-3人の男性が入ってきたのだが、それまでは貸し切り状態であった)

 いくら平日の朝とはいえ春休みだし、9:00-10:00がそれほど早い時間とは思えないし、有名な善光寺なら他の参拝客が少しはいてもいいだろうに、、、そういうものなのだろうか。不思議な感じがした。

 

 その後は近くの川中島とか松代とかいうところを観光した後、その日のうちに東京に帰った。

 

 その夜、下宿で寝ていて、ふと起きたら、部屋の中に仏様がいた。顔だけで大きさ60~70cmぐらいで、床から肩の上の部分だけが生えていて、金色に光っていた。

 ぽかんとしてたら、仏様が言った。

「今日はわざわざ来てくれたのは感心である。だが、せっかくはるばる来ておきながら、お前は本当に大事なことを理解できなかったのが残念である。だからもう一度来い」(注:言われたことそのまま、一言一句変えずに記す)

 次の瞬間、その仏様に連れられて空を飛んでいた。

 

 と思ったら、朝だった。東京のアパートの布団の上で目を覚ましていた。

 その話の流れだと、夜中に善光寺に呼び戻されて何かの説教を受けたと思われるが、、、残念ながら何も覚えていなかった。不思議な夢であった。

 

* ** * ***

 後に、そのお言葉は「昼間に実際にもう一度来い」という意味だったかもしれないと思ったので、3年後ぐらいに再び善光寺を参拝したのだが、結局「理解できなかった大事なこと」とは何かわからなかった。(ちなみにその時は週末の午後に行ったせいで大勢の参拝客がいた。)

 ただ、少し不思議だったのは、②経堂や③資料館に行く道が、3年前の記憶とちょっと違っていたのだが、、、チケットを落としたところもこんな道ではなかったのだが、、、、まあ記憶違いかもしれないし何も証明するものはないので、何とも言えない。

 

 ちなみに、その夜の夢にも期待したのだが、なにもなかった。

 

 

 

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