へっぽこ占い師の日常   作:TKF

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2011年4~5月ごろの実話です。


シャボン玉飛んだ その③――子供の除霊に成功した話

 そろそろ地震・災害研究の中間報告をしようかと思ったが、その前に今回は前回の話の後日譚を紹介しておこうと思う。

 

 前回で紹介した「シャボン玉の大量襲来」の後、なんか家の中がおかしくなった。 

 どのようにおかしくなったのかというと、深夜にどうも家の中が落ち着かないというか、ざわざわするのである。具体的に言うと、三輪車についているブザー(ボク、アンパンマン!、アーンパンチ!!とか叫ぶやつ)が夜中に何度も鳴るとか、玄関の中につけておいたセンサーライトが誰も通ってないのにしょっちゅう光るとか、あと、はっきりした足音は聞こえないのだが、何かが、子供のような軽くてパタパタする足音で歩き回っているような感じがするとか。

 

 もっとも私の住むところはいつもそんな感じだったので(少なくとも大学時代からはずっとそう)、そういうものだ(おもちゃは勝手に鳴りだすものだろう、センサーライトはよく誤作動するものなんだろう)と思っていて、あまり気にもしていなかったのだが、以前は昼間とか食事中とか起きているときに鳴ることが多かったのが、あれ以降は深夜に鳴ることも多くなった。家内にも聞いてみたが、家内も同じ感覚だった。

 

 思い当たる節としては、この前の大量のシャボン玉のことである。長男はいなくなったと言っていたが、1体か2体ぐらい残ってしまって、それが深夜にも見境なく遊んでいるのではないだろうか。現象から推測するに幼い子供の霊魂であろう。

おそらくは行き場がないか、あるいはどこへ行ったらいいのかわからないのかで、そのままここに居ついてしまったのだろう。かわいそうだとは思うが、私としてもどうしようもない。

 それよりも私の方が眠りが浅くなって疲労がたまってきた。(おもちゃのチャチャチャという童謡があるが、あの内容を実際に毎晩やられると、やられたほうはたまったものではない。もう二度とあの童謡は聞きたくない。NHKか何かで流れていたときは、「それ、何がおもしろいの?、やられた側の気持ちを考えた事があるの?」とブチ切れて、クレームの電話を入れようかと思った)。そのため家内と相談してアンパンマンのおもちゃの電池を抜いておくことにした。

 

 これで今晩はよく寝られるだろう、と思ったが、その晩もやっぱり「ボク、アンパンマン!、アーーンパンチ!!」と叫び声が聞こえた。眠かったので、もういいや、と思ってそのまま無視して寝た。朝になって、ひょっとして自分が寝ぼけていたのかも、と思い、家内にも確認したが、家内もやはり聞いたという。

 おっかしいなー、と思って、玄関に行って三輪車のボタンを押したらいつものように叫び始めた。びっくりして、ふたを開けて確認するが、やはり電池は抜いてあった・・・・。信じられずに何度も押したが、何度でもアンパンマンのうるさい声が響いた。

 このおもちゃ、まさか充電式なのだろうか?、乾電池を使っているのにそんなバカな、と思ったが、これ以上対処を考えるのもめんどくさくなったのと、気味が悪くなったのもあって、その朝はたまたまゴミの日であったので、そのままゴミ袋に入れて捨てた。

(今から考えればもったいないことをした。ヤフオクなどに出したら高値がついたかも)

 

 それでアンパンマンの襲来に悩まされることはなくなったのだが、勝手に音が鳴るおもちゃは他にもあって(プラレールの駅舎など)、そういうのを全部捨てるのも嫌だし、センサーライトがつくとか、夜中にざわざわするとかは続いていたので、根本的な解決にはなっていなかった。

 

 そこでTKFは、例によっておもちゃの付近にお札を置いたり盛り塩を置いたりしたが、いつものように何の効果もなかった。

 困り果てたTKFは、近所の神社(そのころは名古屋の上野天満宮の近くに住んでいた)に行って、「どうか静寂な夜を取り戻させてください」と必死にお願いした。

 

 その夜のこと、寝室で寝ていたら、窓を外からコンコン、とノックするような音が聞こえた。つづいて「ごめんください」という女性の声が聞こえた。

 ここは2階の窓なのだが・・・おかしいな、なんだろう?、と思いつつ、窓を開け雨戸を開けたら、幼稚園の送迎バスみたいなものが止まっていて、その前に保母さんらしき女性が立っていた。

 TKFはポカンとした。その女性は「お迎えに上がりました」と言ってきた。

 「えっ?、何のこと?」とTKFがますます戸惑っていたら、家の中から見知らぬ幼稚園ぐらいの子供が7~8人ぐらい、わーっとはしゃぎながら走ってきて、バスに向かっていった。

 TKFがはっと気づく。そうか、このバスと女性は神様からの使いか・・・っていうか、こんなにいたんだ。道理で空気がざわざわするわけだ・・・

 

 子供たちがバスに乗り込み終わると、女性が「それでは、ごきげんよう」と言ってお辞儀をした。

「あ・・・は、はい・・」とTKFも慌ててお辞儀を返す。女性はバスに乗ると扉を閉めた。バスはそのまま走り去り、薄くなってみえなくなった。

 

 というところで目が覚めた。

 TKFは慌てて雨戸を開ける。外には何もなく、見慣れた2階からの風景だった。朝日がまぶしかった。

 

 昨日にお参りしたのは夕方だったのだが、ずいぶんと早く動いてくれたのだ・・・自分で何とかしようなんて思わずに、最初からこうすればよかったんだ・・とTKFは感謝と後悔をした。もちろんその日にまたお参りして丁重にお礼を述べておいた。

 

 その日以降は静かになったのは言うまでもない。

 ただ、あの子供たちはあの後、どうなったのであろうか。まあ神様にお任せしたことだから、きっと成仏できていなかった子供たちを、無事に天国に連れて行ってもらえたのだ、と信じることにしたい。

 




「除霊成功」とタイトルに書いておきながら、実際は神社にお参りしただけじゃん、とつっこまれそうなので、いちおう言い訳しておきたい。

 除霊と聞いて、指から火炎や稲妻を出したり、空を飛びながら悪霊と戦ったりするようなシーンを期待していたとしたら、映画やゲームの見すぎであろう。

 もし神主さんを呼んでお祓いしてもらったところで(後日に本当にそうすることになったが、、、その話もいつか紹介したい)、結局は「神様、どうかお清めください」とお願いするので、除霊とはまあそういうものだと思っていただきたい。
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