へっぽこ占い師の日常   作:TKF

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前回からの続きです。
前回を見ていない人は、(前回は前々回の続きなので)ぜひとも前々回からご覧ください。




おむすびころりんのような夢 その②

 食べ終わって、ふと気づくと、TKFが部屋に一人になっていた。

 あれ、さっきの女性たちはどこに行ったのだろう?、自分はこれからどうしたらいいのだろう?、

 TKFはとまどい、立ち上がって廊下の方に出てみた。そこには誰もいなかったが、少し離れたところから声が聞こえた。そちらに行ってみると、風呂場の方から明るい笑い声がした。3人でシャワーを浴びているらしい。

 

 あれ?、どうして客人である自分を放っておいて、3人でシャワーを浴びているのだろうか・・・

 ひょっとして、あの女性たちは夕方から出かける用事があって、その身支度を始めているのかも。自分はつい長居してしまったか・・・女性たちが部屋を出て行ったところを覚えていないのだが、ついウトウトしていて寝てしまっていたかも、、、どういう事情の家なのかさっぱりわからないが、あちらの予定も聞かずに悪いことをした・・・・そろそろお暇しなければ・・・

 

 風呂の外から話しかけるわけもいかないので、とりあえず先程の部屋に戻り、3人が戻ってくるのを待った。しばらくすると3人が入ってきた。綺麗な服に着替えていた。やはりお出かけするのだろう。

 

 TKFが言った。

「たいへんお世話になりました。あまり長居してお気遣いさせるのも申し訳ないので、そろそろ失礼しようと思います。」

 女性らはびっくりした様子で、もっとゆっくりしていってください、と言ってきたが、あきらかに出かける風であるし、「ぶぶづけいかがです?」的な社交辞令だろうと思った。

 

「いえ、私も少し用事がありますので、、、、ご飯、すごくおいしかったです。もしご迷惑でなければ、また遊びに来てよろしいでしょうか?」とTKFがいう。

 女性らはそれに答えず、困ったように顔を見合わせた。

 あれ?、おかしいな。。。ここは「はい、是非ともまたいらしてください。」と言うところではないのだろうか、、、それとも、そんなにTKFに再訪してほしくないのだろうか。。。やはり早めに帰った方がよいのだろう、、、

 そう考えたTKFは、立ち上がって玄関を目指した。

 

 女性らは玄関の外までTKFを見送りに出てきた。「本当に帰られてしまうのですね・・・お別れですね・・・」と言いながら、涙ぐんでいた。

 あれ、、、この人たちは、本当にTKFにもっといてほしいと思っていたんだ、、、じゃあさっきのは何だったんだろう?、どうも女性の心というのはわかりにくい。

「いえ、そんな。また機会があったら、寄らせてもらいますよ。」とTKFは答えたが、女性らはまた答えず、困ったように顔を見合わせるだけだった。一体何なんだろうか・・・TKFはお辞儀して、そこを後にした。

 

** * ** * *  *  *   *

 道路の上に立っていた、、、ここはどこだ?、、、アパートの近くの坂道だ、、、アパートで寝ていたはずなのに、なんでこんなところにいるんだ?、この坂を上ると家に帰れる、、、はやく帰らなきゃ、、、坂を急ぎ足で上る、、、、

 

** * ** * *  *  *   *

 目を覚ました。アパートの部屋の布団の中だった。

 変な夢だった、くっきりと細部まで覚えている、、、と思って、すぐに気づく。

 ああ、昨夜のナメクジさんたちが、本当に彼女らの家に招待してくれたんだ、、、律儀だなあ、まるで「おむすびころりん」だ、、、、彼女(?)らは本当にTKFを会って話しをしたかったんだな・・・・もっとゆっくりしていけばよかった・・・・

 

 でも、なんでいきなり客人のTKFを放っておいて、3人でシャワーを浴びに行ってしまったんだろう。。。。と考えて、あーあーあーー、そういうことだったのね、と気づいた。

 ああ、なるほどね・・・もし3人と交わっていれば、霊界とのつながりが強くなって、こんなへっぽこな霊能力ではなくて、ちゃんと強力な能力が得られた可能性はある。

 

 まあしかし、その代わりに、現世との結びつきや縁が弱くなって、他人のことを忘れたり忘れられたり、他人との繋がりや信頼関係が切れやすくなったり、ということが生ずるので、一概によいことだらけというわけではない。(実は今でも、上司や部下と1週間合わなかったりすると、名前が思い出せなくなることがよくある。あるいはもっと遠い関係の人だと、久しぶりにあうと、こんな顔だったっけ?、体型や背の高さも記憶と違うのだが、、、みたいな違和感がしょっちゅうある。)

 それに、見た目はきれいめの女性とはいえ、正体はナメクジなので、、、まあ、適度な距離感をとっておいて正解だろう。

 

 ということで、そのことは、すぐに自分のなかで解決してしまったので、もういいのだが、もう一つ心配なことがある。

 というのは、最後の方で2回も、TKFが「また遊びにきたい」というと、女性らが何も答えず困った顔をした、というところだが、あれは、「再訪されると困る」ではなくて、「もう今生のお別れなので、二度と会うことはできませんよ」ということではなかろうか、、、、特に根拠は何もないのだが、いつもの直感でなんとなくそう思えるし、そう考えると彼女らの言動とか最後に涙ぐんでいたのも納得がいく。

 つまりは、彼女らは、この冬を超えられずに3人とも死ぬ、ということなのだが、、、、ついさっきまで楽しくお話して、ご飯もごちそうになり、TKFとの別れを涙ぐんでくれた3人娘がもうすぐ死んでしまう、、、ちょっとそれはやりきれない、、、

 

 その晩も神社に参拝した。ジャンバーと手袋がないと自転車に乗れないぐらいの寒さだった。

 例の木には彼女らの姿はなかった。この寒さでは出てこれないのだろう。ちゃんと冬眠に入っていればいいが。。。裏に回りこんで、例の根元の穴を見ながらTKFはつぶやく。

「昨晩はお世話になりました。おいしかったです。いい思い出です。・・・・

 これでお別れなんてことないですよね、、、春の間まで3ヶ月、しばしのお別れ、という意味ですよね。

 それでは、暖かくなったらまた会いましょう。」

 

 翌日も翌々日も寒かった。TKFは、11月中にいったん暖かくなって、もう一度、彼女たちに会って無事を確認したいし、直にお礼もいいたい、ということを願ったが、その願いはかなわず、暖かくなることはなく、そのまま12月に入った。

 

 しかたない、春を待つことにするか、、、あと3ヶ月半ぐらいか。。。TKFはそう思いながら、毎日の参拝を続けた。

 

 

 

(長くなったので、いったん中断して次回に続く)

 

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