へっぽこ占い師の日常   作:TKF

4 / 41
2014年ごろに実際にあった事象をベースにしていますが、お客さんのプライバシーとかいろいろあるので、一部変えたりしてありますので、そこはご容赦ください。


【ポイント】
そのお客さんの交際相手がホストであることを、言われてもいないのにどうしてわかったのか?



鑑定でホストとのつきあいをやめるように勧めた件

 前に触れたかどうか忘れたが、私の家内も占い師である。

 いや“家内も”と書いたが、私の方は知り合いや紹介された人などを月2~3件タダで見るだけで、お客さんをとって料金をとるような活動は(今は)していないし、他の先生とのつきあいとか流派としての活動とかもほとんどしてないので、自称のなんちゃって占い師にすぎない。

 だが家内の方は(副業としてだが)そういう活動をちゃんとやっているので、”家内は“と書くのが正しいのだろう。

 

 また占い師としての能力も家内の方が上である。どのように上かと言うと、私の鑑定と家内の鑑定は方向性としてはだいたい一致するのだが、家内の方は20~30秒ぐらいでなんかの直感を得ているのに対して、私は30分とか1時間ぐらいかけて半分ウトウトしながら直感を得る(だから商売向きではない)。

 

 なので私が短時間で数をこなさないといけない時には、あまり直感には頼らず、もっぱら自作の予測モデルを使用して鑑定している。どういう予測モデルかというと、例えば夫婦の誕生日を入れるだけで、〇〇年ごろに離婚しやすいとか、〇〇年は子供ができにくいとか、そういうことが20秒ぐらいで計算できて数値やグラフとして表されるようにしたものである。

 この予測モデルはもちろん家内にも渡していて、「これ使ってたくさん稼いでくれ」と言ってあるのだが、家内が言うには、そんな予測モデルを使うよりもタロットと直感で考えた方が早い、ということらしい(注:いちおう予測モデルも動かして数値も確認することもあるが、あくまで参考値扱い)。一体そういう人の頭の中はどうなっているのか私も知りたいものである。

 

 さて、ある晩のこと、家内がチャット占いをしていて、同じ部屋で私は予測モデルの改良をしていたところ、いきなり照明が切れて部屋が暗くなった。

「停電か?」と思ったが、見回すとWiFiのルーターとか電子レンジの表示とか他の電化製品はちゃんとついていたので、照明だけ切られたらしい。

 ということは、、、、誰かが来ているのか?、前にも経験したことがあるのだが、照明がいきなり切れるのは、誰かが自分の存在に気づいてほしい、というアクションのようなのである。

 それで何の用事だ?、と思ったが、瞬時に、ああ、と気づく。おそらく家内の今のチャット相手の指導霊(守護霊みたいなもの)であろう。

 すかさず家内に、「おい、切れたぞ。」と照明を指さしながら声かける。家内の方もわかっていたらしく、チャット相手に「ちょっと気がかりなことが見つかりましたので、詳しく調べますので、少々お待ち下さい」と送信した。

 

 照明をつけながら、いったいどのような鑑定をしていたのか家内に聞いてみると、若い女性からの依頼で、「ある男性との相性を見てくれ。」というものであった。家内の直感でその男性と女性が仲良さそうに話が盛り上がるシーンが浮かび、予測モデルでも相性値がかなりよかったので、「非常にいい相性です」と送信したところだったらしい。

 でも、それで照明消されたということは、何かが違う、そうではない、という指導霊からの警告であろう。ひょっとして予測モデルのエラー?、と思って、私のパソコンの方でも同じ誕生日を入れて計算してみたが、まったく同じ相性値であった。

 

 これのいったい何が違うのだろうか、しかたなく私の直感みたいなものをフルスロットル(全開)にしてみる。が、何もインスピレーションみたいなものは来ない、そういつも使えるような便利なものではないのだ。これ以上、私ではどうしようもない。家内に再び尋ねた。

「タロットでもちゃんと見たのか?」、

「見ていない。」

「横着せずにちゃんと見ろよ!(注:当時、家内は調子がいい時はタロットすら不要!、と豪語していた)」

で、家内が引いたタロットはこちらであった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「!!、(ああそういうことね。納得)」

 私が何も言わなくとも家内もすぐにわかった様であり、すでにチャット入力を再開していた。

「失礼かもしれませんがお聞きしますが、あなたとその男性とはあまりよくない出会いとか関係とかではなのではないですか?、例えばホストとか。」

「はい、そうなのです。」

(やっぱりそうか・・・)

 

 このカードには「GUIDANCE(導き)」という名前が付けられている。

 天使がある女性を暗い所から明るい所に連れていこう、つまりは助け出そうとしている。

 ただ、天使が前向きに明るい方向を見ているのに対し、女性の方は暗い表情で後ろを振り返ったりしている。そこがこのカードのポイントである。正しい方向とはわかっていても、そちらに(半強制的に)連れていかれることへの不安・とまどい・反発、それに今までのところへの未練や執着みたいなものを感じている、そのような状況を表しているのである。

 

 照明を消したのがこの天使みたいな存在(私は指導霊と呼んでいる。まあ一般に言う守護霊みたいなものと思っていただければよい)だとして、暗いところとは何か、女性が感じている未練とは何かは容易に想像できる。まあ要するに、「よくないつきあい」ということである。

 

 家内がチャットを続ける。

「あなたとその男性が相性がいいのは間違いないです。ただ、ホストという職業は、その相性のよさをベースに貴方との信頼関係を築くのではなく、むしろその相性の良さをお金に変えようとします。貴方を一方的に利用してお金を巻き上げる事しか考えていません。

 ホストにつけこまれるのは、相性が悪いからではなくて相性がよいからです。そのお相手とは相性がよいので、どんどん貴方を利用しようとしてくるでしょう。早く関係を切った方がいいです。」

そのようなことを書いた。

 

 女性からは、「よくわかりました。関係を断つことにします。ありがとうございました。」と短く返事が来て、鑑定が終わった。

 あまりの素直さに拍子抜けしたが、ひょっとしたらその女性もわかっていて、ただ自分の決断に裏付けけとか、背中を押してほしかっただけなのかもしれない。

あるいは他の占い師にも同様のことを言われて(=指導霊が言わせて)、セカンドオピニオンを求めてこちらに来たのかもしれない。

 

 その後どうなったかは、まったくわからない。うまく関係を切る事ができていればいいが・・・

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。