HALO:Clear Blue World 作:Caltac
2年前にあまねく奇跡の始発点編をリアルタイムで見終わってこの話を書きたい!と思っていたものをようやく形したものです。文章などは改善の余地があると思いますが温かい目で見守ってくださると幸いです。
Overture
2552年8月30日 時刻不明 惑星リーチ
プラズマ兵器による軌道爆撃によって荒れ果て、クレーターと瓦礫が乱雑しプラズマの熱でガラス化しつつある大地に1人とそれに群がるように突撃し続ける無数の軍勢が居た。
1人はスパルタンと呼ばれる強化兵士、無数の軍勢はコヴナントと呼ばれる様々な種族からなる、軍団だ。
(友軍は全員死んだか、良くて瀕死だろう。)
そう思いながらもコールサイン:ノーブルシックス......スパルタンB312は戦い続けた。
弾が尽きれば敵や味方の亡骸から武器を拾いまた敵を撃ち仕留める。
だが、敵は減るばかりか次々と増援が送られこちらへ襲い掛かる。
投げられたプラズマグレネードの爆発に巻き込まれシールドモジュールが破損し吹き飛ばされると、
好機と見た複数のエリートがエナジーソードを片手にこちらへ突撃しB312もバイザーが割れたヘルメットを外し迎え撃った。
突撃してきた内の4体は射殺したものの、先の爆発のダメージや数には勝てず一体に接近を許し体勢を崩されそれでも抵抗したもののエナジーソードで身体を貫かれる。
(......ここまでか)
そう思いながら、意識が消えゆくのを感じ自身の感覚が消えていった。
しかし、何時までも薄くはなりながらも意識だけが消えないのを不思議に思っているとガタン...ガタン...と耳を澄ますと線路を走る音が聞こえる
死んだ事も忘れて不思議に思い目を開けると、リーチの大地で倒れていた筈なのに何時の間にか列車の客室のような場所で座っていて、対面には長い水色の髪をした女性、いや10代後半ごろの少女が座っていた。
逆光が激しく、彼女の顔をはっきりと見る事は出来ないが奇妙な点が幾つかあった
頭には輪のような物が浮いていて白色の服が半分赤く染まり腹部には銃創のような跡がある。常人なら耐えられないであろう外傷の状態であるのに、何故か落ち着いた表情をしているのだ。
"何があった?"と声を掛け立ちあろうとしたが、声帯の感覚が無く手足も動かないため目の前の少女から喋り始めたため聞いていることにした。
「私のミスでした」
「私の選択、そしてそれによって招かれたこのすべての状況。」
「結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて...。」
「......今更図々しいですが、お願いします。」
「先生」
「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。」
「何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから....。」
「ですから...大事なのは経験ではなく、選択」
「あなたにしかできない選択の数々」
「責任を負う者について、話したことがありましたね。」
「あの時の私には分かりませんでしたが...今なら理解できます」
「大人としての責任と義務。そしてその延長線上にあった、あなたの選択。」
「それが意味する心延えも」
「ですから、先生。」
「私が信じられる大人である、あなたになら」
「この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を...」
「そこへ繋がる選択肢は...きっと見つかるはずです。」
「だから先生、どうか...」
喋り終わると視界が暗くなり、列車の音も遠くなっていく......
年月日:不明 キヴォトス 連邦生徒会ビル 客室
「....い」
「先生、起きてください。」
「先生!」
......教員や教官になった覚えはないが、どうやら自分の事を呼んでいるらしい。
そもそも今のリーチに自分以外に生きている人が居ることと自分が生きている事自体不思議なのだが目を開けると入って来た光景は奇妙としか言えなかった。
「ここは......何処だ?」
コヴナント艦隊に爆撃され荒れ果てた大地に倒れていた筈なのだが見たことのないオフィスに座っていた。
窓から見える空の色は雲一つなく青色に澄んでいて、バイザーが破損し外した筈のMarkV(B)ヘルメットは傷が消え頭に付けたままだ。
恐る恐る、エナジーソードに刺された腹部を触ってみると"傷口が無い"。
「少々待ってくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは。」
「......夢でも見られていたようですね。ちゃんと目を覚まして集中してください」
「もう一度、改めて今の状況をお伝えします」
声の聞こえた方向を見ると、頭の上に光の輪が浮いていて眼鏡をかけている
女性......いや見た目からして10代後半ごろの少女が居た。
何がどうなっているか分からないが、現状について説明してくれるらしい。
聞きたい事はこちらも山のようにあるが状況を把握しなければ取るべき行動も選べない。
今はこちらからアクションをかける必要もないだろうと思い耳を傾けることにした。
「私は七神リン、学園都市「キヴォトス」の連邦生徒会所属の幹部です」
自己紹介から続いた内容をまとめると、どうやら自分はキヴォトスの連邦生徒会会長なる人物に
呼び出されたらしいとのこと。
......少なくとも私が知っている中ではアニメーションやコミックで出てくるようなエルフ耳を持つ人間や光の輪を素の状態で浮かべている人間は見たことはなく疑問が深まるばかりだ。
少々、質問をしてみることにした。
「この星の星系は何処になる?」
「......はい?」
「今は戦時中だ。窓を見てもUNSCのフリゲートもコヴナントの戦闘艦も空に居なければ民間のシャトルすら飛んでいない......どういう事だ?」
目覚めた際に窓を少し見て、空にコヴナントの艦艇はおろかUNSCのフリゲート艦やペリカン兵員輸送機、より小型のファルコンすら見える範囲で飛んでいないのは確認したが、民間の物であろう飛行船や何百年も前の歴史の教科書で出てきそうな形をしたヘリコプターが飛んでいるのが奇妙でならなかった。
UNSCとコヴナント、2つの陣営の名前を出して理解ができるのであれば、どちらかの勢力圏の星系であるのが分かるだろうと思っていたのだが、リンからの答えは予想を裏切るものであった。
「UN...SC...?コヴ...ナント?、何ですか?それは?、......もしかしてお疲れのようでしたし、まだ目が覚めていないのでしょうか?」
"この人で本当に大丈夫なのか"と言う表情を見せられ確信した。どうやら、この場所は私の常識というものが通用しない場所らしい。
ここは惑星リーチやその近辺の星ではない別の場所で、恐らくは宇宙航行技術も殆ど発達していないUNSCもコヴナントも知らない未開の惑星である可能性が高い。
"UNSC"と"コヴナント"、2つの名前を出して分からないと言っている以上このキヴォトスという場所はあの戦争に関わって居ない。
無論リンが嘘を付いている可能性も無い訳ではないが、先ほどの表情を見る限りは本当に知らないのだろう。
「気にしないでいい、昔のことだ。」
関係のない人物に戦争の話はしないでも問題はないだろう、何より話したところで怪しまれるだけだ。
「......そうですか。では、動きながらになりますが話の続きを。どうぞこちらへ」
そう言ってリンが部屋を出たので、ついて行き通路にあるエレベーターに乗り込み下へ降りる。
エレベーター内から見えた景色は、知っている都市の景色のそれではないもののリーチに居たころには見る事が出来なくなった景色だった。
景色を目に焼き付けている行為が滑稽に見えたのかは分からないが少し硬い顔をしていたリンの
表情が少しだけ緩む。
「キヴォトスへようこそ。先生。」
つい最近似たような言葉を何処かでかけられた気がするが、それは置いておき話に注力することにした。
「キヴォトスは数千の学園が集まってできている巨大な学園都市です。先生が働く場所でもあります。きっと先生がいらっしゃったところとは色々な事が違っていて、最初は慣れるのに苦労するかもしれませんが......。でも先生なら、それほど心配しなくてもいいでしょう。あの連邦生徒会長が、お選びになった方ですからね。」
説明が終わり、先ほどから疑問に思っている事を今聞いてみることにした。
「何故、私が先生と呼ばれている?」
「......それについては後でゆっくり説明いたします。」
チン、と音を立ててエレベーターが止まると扉が開きホールに出て中を見ると、
リンと同じ制服を着た学生が慌しく動き、それ以外にも数人違う制服を着た学生が誰かを探している動きをしている。
役場のような場所に出たが、この場に居るのは殆どがリンと同じくらいの年齢の少女ばかりだ。
だが何よりも異質なのは、隣のリンも含めて全員が銃火器を携行し武装している点だろう。
オニキスの訓練施設で大半の幼少期・青年期を過ごしたが、それでも訓練で銃火器を触るくらいだったが、任務で立ち寄った惑星の都市部でここまで学生が武装している光景は
リンに連れられていると、菫色の髪をした学生がこちらと言うよりリンを見て顔に青筋を立てて、怒鳴りながらこちらに来た。
「ちょっと待って!代行!見つけた、待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!」
「......うん?、隣の......何これ?オートマトン?」
「期待に沿えれず申し訳ないが、中身は人間だ」
「ご......ごめんなさい!!それでしたら着ているのはパワードスーツですか?ミレニアムの中でもそんな種類の物は見たことないんだけど......」
謝ってくれたあとに疑問じみた事言っている菫髪の学生以外にも、また制服の違う3名がこちらにやってきた。
「主席行政官。お待ちしておりました。」
「連邦生徒会長に会いに来ました。風紀委員長が、今の現状について納得のいく回答を要求されています。」
「あぁ......面倒な人たちに捕まってしまいましたね」
鬱陶しそうな顔少しだけ見せてすぐに仮初の笑みを浮かべながら話す
「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。こんな暇そ......大事な方々がここを訪ねてきた理由はよく分かっています。今、学園都市に起きている混乱の責任を問うために......でしょう?」
「そこまで分かっているなら何とかしなさいよ!連邦生徒会なんでしょ!」
先ほどの菫髪の学生が抗議......と言うよりは文句をぶつけると、その言葉を皮切りに次々と何が起きているかを話し始める。
「数千もの学園自治区が混乱に陥ってるのよ!この前なんか、うちの学校の風力発電所がシャットダウンしたんだから!」
「連邦矯正局で停学中の生徒たちについて、一部が脱走したという情報もありました。」
「スケバンのような不良たちが、登校中のうちの生徒たちを襲う頻度も、最近急激に高くなりました。治安の維持が難しくなっています。」
「戦車やヘリコプターなど出所の分からない武器の不法流通も2000%以上増加しました。これでは正常な学園生活に支障が生じてしまいます。」
彼女たちの話の内容からは学園都市で起きている問題とは思えなかった。どちらかと言えば外縁部入植地で発生していた反乱組織の活動内容だ。
(発電所の機能不全に矯正施設からの囚人の脱走、武器の密輸量の増大......反乱組織の破壊工作か?その人を襲っているスケバンとやらは何だ?そもそも学園都市に何故それだけの武装が存在している?)
色々なことを頭の中で考えながらリンを横目で見ると
「........。」
なにやら考え事をしている。まるで今から話すことを言って良いものなのかどうなのかと自問自答をしているようだった。
「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」
「........。」
詰め寄ってくるユウカを見て諦めか覚悟がついたのか溜息をつき、話し始めた。
「連邦生徒会長は今、席におりません。正直に言いますと、行方不明になりました。」
「......え?!」
「......!?」
「やはりあの噂は......。」
(呼んだ本人が居ないなら推測になるのも止む無しか)
先ほどの説明を思い出しながら話を聞くと興味深い事を言い出した。
「結論から言うとサンクトゥムタワーの最終管理者がいなくなったため、今の連邦生徒会は行政制御権を失った状態です。認証を迂回できる方法を探していましたが......先ほどまでそのような方法は見つかっていませんでした。」
「それでは、今は方法があるということですか、主席行政官?」
「はい」
リンが長身長の黒制服の学生に言葉を返しこちらを見て淡々と説明する。
「この先生こそが、フィクサーになってくれるはずです。」
「!?」
「!」
「この方が?」
「私が?」
思わず声が出た。ここが学園都市キヴォトスであるというと言う情報しか知りえないまま、話が進んでしまっているが先ほどの菫髪の少女が話を遮る形でリンへ質問する。
「ちょっと待って。この先生はいったいどなた?どうしてここにいるの?というかなんで、パワードスーツを着たままここへ?」
「最初に見たときは新型のオートマトンかと思ったのですが......外部から来た先生だったのですね?」
明らかに怪しまれていてどう説明したものかと考えていると、リンが助け舟を出してくれた。
「はい。こちらの先生は、これからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です」
「行方不明になった連邦生徒会長が指名......?ますますこんがらがってきたじゃないの......?」
その連邦生徒会長とやらの思惑が何にせよ、ここで教職をやらされる事自体は確定らしい。
取りあえず挨拶はしておくことにした。
「本日付けで着任しました。認識番号S-B312です。」
自己紹介をしたくてもこのくらいしか話せる情報が無い。スパルタンⅢとしての訓練・強化終了後に
仮にONIで保管されている私のパーソナルファイルを閲覧しても名前などの個人が特定ができる情報は全て黒塗りになっている筈だ。
「こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクールの......い、いや挨拶なんて今はどうでもよくて......!」
「その煩い方は気にしなくていいです。続けますと......」
途中でリンが遮ると大声を上げて自分の名前を名乗りだした。
「誰がうるさいって!?わ、私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」
強引にユウカと名乗った少女を横目に、続けてリンの話が続く。
「......先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。連邦捜査部"シャーレ"。単なる部活動ではなく一種の超法規的機関。連邦組織のためキヴォトスに存在するすべての学園の生徒たちを制限なく加入させることすらも可能で、各学園の自治区で、制約無しに戦闘活動を行うことも可能です。」
連邦捜査部......捜査部の名前の通りならば諜報機関だろう。その割には組織の権限が高すぎるが
ONIもその手の組織だった。ならば手段はどうであれ私がここに連れてこられた理由は理解できる。
教職をやらされると思っていたが、仕事自体はキヴォトスとリーチに来る前と変わりなさそうだ。
「なぜこれだけの権限を持つ機関を、連邦生徒会長が作ったのかは分かりませんが......。シャーレの部室はここから約30km程離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で、そこの地下に「とある物」を持ち込んでいます先生を、そこにお連れしなければなりません。モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど......。」
端末を取り出しモモカと言う名前の人物と連絡取ると桃色髪で角と細長い尻尾が生えている少女がホログラムで端末の画面上に浮かんで表示される。
そのモモカから返ってきた返事は耳を疑うものであった。
「シャーレの部室?......ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?」
「大騒ぎ......?」
「矯正局を脱走した停学中の生徒が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ。」
「......うん?」
話の雲行きが怪しくなり始めた。
「連邦生徒会に恨みを抱いて、地域の不良たちを先頭に、周りを焼け野原にしてるみたいなの。巡航戦車までどっかから手に入れてきたみたいだよ?
それで、どうやら連邦生徒会所有のシャーレの建物を占拠しようとしてるらしいの。まるでそこに何か大事なものでもあるみたいな動きだけど?」
「......。」
「まあでも、もうとっくにめちゃめちゃな場所なんだから、別に大したことな......あっ、先輩、お昼ごはんのデリバリーが来たから、また連絡するね!」//ブツッ
「......。」
通話を切られたリンがプルプルと震え始めた
「......大丈夫か?」
「だ、大丈夫です。......少々問題が発生しましたが、大したことではありません。」
明らかに大丈夫ではなかったがリンが深呼吸をして落ち着き、何かを企んでいる顔しながら周辺の5名をじーっと見た
「......?」
「な、何?どうして私たちを見つめてるの?」
「ちょうどここに各学園を代表する、立派で暇そうな方々がいるので、私は心強いです。」
「え?」
「キヴォトスの正常化のために、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう。」
「ちょ、ちょっと待って!?ど、どこに行くのよ!?」
リンが動き始めたため全員でリンについて行くことになった。
D.U地区外郭 シャーレオフィスまで残り6km地点
用意された車に乗せられ降りた先から少し歩いて行くと、そこは (ドカアアァァァァン!)
......ただの戦場だった。
着弾したロケット弾の破片を避けるべく各々が近くのビルや廃車、瓦礫に隠れる羽目になった。
「な、なに、これ!?」
「なんで私たちが不良たちと戦わなきゃいけないの!!」
瓦礫に隠れながらユウカがごもっともな主張を叫ぶと移動中の車両でリンに指示されたことをチナツが話す。
「サンクトゥムタワーの制御権を取り戻すためには、シャーレの部室の奪還が必要ですから......」
「それは聞いたけど......!私これでも、うちの学校では生徒会に所属していて、それなりの扱いなんだけど!なんで私が......!」ダン!!
隠れている瓦礫からいきなりユウカが立ち上がり、流れ弾が額に運悪く命中し直撃した弾は貫通せずに茸状に潰れ下へ落ちる。
「いっ、痛っ!!痛いってば!!あいつら違法JHP弾を使ってるじゃない!?」
「伏せてください、ユウカ。それに、HP弾は違法指定されてはいません。」
「うちの学校ではこれから違法になるの!傷跡が残るでしょ!」
額の着弾箇所を赤くしながらユウカが反論を叫び瓦礫に密着するように隠れる。HP弾がそれも生身で額に数発直撃している筈なのに痛いだけで済まないで貰いたいが、キヴォトスの住人は私が知っている人類よりも遥かに頑丈らしい。
ミョルニルを着ているのが馬鹿らしく思える光景を横目に遮蔽から顔を出して偵察する。
袖に"夜露死苦"と書かれた上着と白色の×マークが書かれた黒マスクを身に着けた複数名が止めている車や、脇の建物のガラスなどを破壊し、暴れ続けているのが確認できた。
さらにその場で暴れているグループ以外も居るのか銃撃音もだが砲撃音のような物も微かに聞こえるほどだった。
「今は先生が一緒なので、その点に気を付けましょう。先生を守ることが最優先。建物の奪還はその次です。」
「ハスミさんの言う通りです。先生はキヴォトスではないところから来た方ですので......。私たちとは違って、弾丸一つでも生命の危機にさらされる可能性があります。その点にご注意を!」
「分かってるわ。先生、先生は戦場に出ないでください!私たちが戦っている間は、この安全な場所にいてくださいね!」
気遣ってくれているのか前に出ないよう言ってくれているが、少数で敵地に乗り込んでいる以上
ゆっくりと突破する訳にもいかない。前に出て使える戦力を増やすべきだ。
「気持ちはありがたいが銃弾一発で致命傷にならない為のミョルニルだ。前線で戦闘しながら指揮する。」
右脚に吊り下げてあった唯一の射撃武器、M6G拳銃を引き抜き薬室とマガジンに弾が入ってるかを確認してマガジンを元に戻す。幸いにして向こうで死んだときに持っていた予備弾倉も持っていたようで、拳銃を持つとHUDに16と数字が表示される。
左胸上にもM1コンバットナイフもあるが、これは弾切れ時の最後の武器だ。
「だっ......大丈夫なんですか!?」
「先生が前線に出なくとも、我々だけで制圧は可能だと思いますが......」
「荒事には慣れている、信じてほしい。」
こちらから見えていた敵の動きは統率が取れているものではない。
しかも各所で銃声や爆発音が鳴り響くこれだけの騒ぎならば各個撃破していっても暫くはこちらの存在が発覚するにも時間がかかるはずだ。
「名前は?」
そういいながら、長めの白髪を流している灰色制服の学生の方を向く
「守月スズミです。スズミとお呼びください」
武器のチェックは済んでいるのか閃光手榴弾を何発か取り出し始めていた。
「スズミ、閃光弾は何発ある?」
「オーダーメイド品なので数は少ないですが、6発あります」
辺りから銃声と爆発音が聞こえるこの現状なら、奇襲すればほぼノーリスクで制圧が可能だろう。全員に考えを伝えることにした。
「私とユウカ、スズミの3人でし敵を奇襲し各個撃破、最短距離で目標のビルに向かう、残りの2人はこの場で後方で狙撃支援と警戒を。残りの指示は状況が変わり次第適時伝える。」
そう伝えると、全員準備が終わったのか2人は飛び出す用意を、もう2人は武器のチェックを行い戦闘態勢に入る。
「分かりました。これより先生の指揮に従います。スズミさん。先生のサポートをお願いしても?」
「正義実現委員会の人に指示されるのは少々複雑な気持ちですが......分かりました!」
「生徒が先生の言葉に従うのは自然なこと、ですね。よろしくお願いします。ですが。無理はしないように。」
「よし、じゃあ行ってみましょうか!」
それぞれが指示通りに動き、私、ユウカ、スズミの3人は先ほどの集団の死角.....道に鎮座しているバスの裏へと到着しスズミが閃光弾を裏側へ投げ入れ、通常の代物よりも大きな音と光を出し炸裂すると同時に突入する。
この時からシャーレの顧問......先生としての仕事が始まった。
HALO側の固有名詞がかなり多いので、分からない人の為の解説と話の後編は早いうちに出したいなぁ......