さっそく月村邸に戻る。
まぁ、この人たちに隠し事なんてできる訳ない。
親友の母が本当に魔法少女だったことに少なからず驚きつつ、
月村邸に帰ってきた。
「お帰りなさいませ、コロナ様。」
「ただいま...でいいのかな。ノエルさん。」
「おかえり~、コロナちゃん。」
「ただいま戻りました。忍さん。恭也さん。」
「おかえり、...で、なのはは?」
「そうでしたね。ブランゼル!」
「おお!さすが未来!」
忍が驚きの声を上げる。
(ごめんなさい、未来でも地球の技術ではないんです...。)
「じゃあ、映像記録を見せますね。」
「ああ、頼む。」
......。
「なんというか...魔法少女ね。」
「...魔法少女だな。」
「うぉー!かわいいぞ!なのは!」
「えっ!」
驚いて振り返るとそこには。
「父さん!」
「恭也!ずるいぞ!」
「...父さん。」
「恭也さんのお父さんてことは...ひょっとして士郎さん...ですか?」
「うん?確かに高町士郎ですが...はじめまして?」
(また、やっちゃった。)
「いえ、はじめまして。コロナ...ウェズリーです。」
「なんで父さんがここに...。」
「ああ、さっきノエルにお願いして呼んでもらったの。
なのはちゃんのことっていったら電話切って飛んできたみたい。」
「んー、だが何故魔法のことを隠しているんだ?」
「隠している?ああ、そうか。」
「どういうこと。」
「実はですね。私もその映像に映っているユーノさんも
元々この世界の人ではないんです。」
「この世界?」
「はい。ええっとこの星...確か地球でしたよね...とは別のところからきているんです。」
「宇宙人ってこと?」
「分かりやすくいえばそうですね。」
「私たちは魔法を技術...こちらの世界でいうプログラムでしたっけ...
と同じように使っています。」
「ああ、技術をみだりに広めると混乱を招くから秘匿しているのね。」
「そうです。未来では一部の人しか魔法の存在を知りません。
それと地球にいる人ってほとんど魔力を持っていないようなんです。」
「知っているのは一部で、魔力がなければそもそも魔法が使えないってこと。」
「はい。なのはさんとその関係者は例外みたいですけどね。」
「...ふむ、そうか。
まぁ、時がきたらその辺はなのはから話してくれるだろう。
それはさておき、コロナちゃん。」
「はい。」
「君には...引き続きなのはの勇姿を記録してほしい。
そして映像記録を見せてほしい。」
「...はい。」
(...昔からこうだったんですね。
ヴィヴィオのときもことあるごとに
お願いしてましたよね。
そして今はなのはさんですか。)
「それと...君は格闘技をやっているのかな。」
「はい!友達と一緒にやっています。」
「そうか。よかったら今度遊びに来るといい。
家に道場があるからここにいる間、稽古をつけてあげよう。」
「父さん!」
「別にいいじゃないか。恭也。
俺たちにできるのは身を守る術を教えることくらいのようだ。」
「それは...たしかにそうだけど...。」
「というわけで、恭也。後は頼む!」
「へ。」
「実は母さんに黙って出てきたんだ!早く戻らないと怒られる!」
いきおいよく窓から飛び出していく。
(...桃子さん、昔から苦労していたんですね。)
「...父さん。まぁ、いいか。コロナ嬢、君はいいのか?」
「ぜひ、よろしくお願いします。」
「ふむ、分かった。その話は追々話すとしよう。」
「分かりました。...今度、翠屋に行きますね。」
「じゃあ、そのときに。さて、今日のところは帰るとしよう。」
「え~、泊まってかないの。」
「いかない。...また今度な。」
「うん。」
(...今も昔も変わらないですね。この二人。)
「ああ、そうだ!コロナ嬢。頼みがあるんだが。」
「はい。何でしょう?」
「さっきの映像を家で見られるようにはできるかな?」
「え?」
「おそらく必要になると思うのでな。
今頃...父さんは高町母への言い訳に失敗しているはずだからな。」
「あはは...、えーと、DVDでよかったですか?」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう。」
「いえいえ。」
「ではまたな。」
翠屋にて。
「士郎さん、今までどこをほっつき歩いていたんですか?」
「いや、これには深いわけが。」
「ふふふ。どんなわけですか?
この忙しい時間帯に私に黙っていなくなる用事ってなんですか?」
「実は、なのはのことで...。」
(はっ!いかん!?証拠にさっきの映像もらってくればよかった。)
「なのはのこと?」
(...ふむ、やはりこうなったか。俺に押し付けていった罰だ!
...といいたいところだが、ここでケンカして今夜の食卓に
あのメガネの料理が並ぶのだけはなんとしても防がねば。
父さんが被害を被るのはかまわんが、俺にまで飛び火するのは...。
うっ!前に食べたあのなんともいえない味を思い出してしまった。
いたしかたないか。)
「ただいま。」
「あら、おかえり恭也。」
「恭也!いいところに来た。母さんに説明してくれ!」
「...まったく、高町母よ。じつは...。」
......。
「んー、恭也が嘘をついているにしては...下手ね。でも。」
「そう思って、映像をDVDにしてもらってきた。」
「...わかった。後で見せてもらうわ。けれど。」
「けれど?」
「士郎さんは結局、仕事をサボってなのはの活躍している映像を見てただけよね。」
「んな!」
「まったくもってそのとおりだ!高町母よ。」
「恭也!裏切ったか!」
「事実を正直に嘘偽りなく話しただけだが。」
「...士郎さん。」
「はい!」
「今日の夕食...士郎さんの分は美由希にお願いするわね。」
「それだけは!」
「だめ。ちょうどよかったわ。あの子には少しでも料理を上達してもらわないと。」
「ぐっ!だ、だがそれだと俺が仕事できなく...。」
「大丈夫よ。忍ちゃんにお願いするから。」
「くっ!」
「娘の料理よ。感謝して食べなさい。」
「父さん。」
「なんだ恭也。」
「幸運を祈る。」
「...それよりも胃薬を頼む。」
その夜、桃子がDVDを見て大興奮だったのはいうまでもない...。