これはいつかの物語
まだ少しだけ未来のお話
使徒は倒した。ゼーレも倒した。残るは神様だけ
青い空
白い雲
「月落下速度、依然変わりありません。地球衝突まで残り6時間」
「正に、世界の終わりね」
間近に迫り、
クレーターまで肉眼で見える様になった月
もう半日も経たないうちに月が地球へ落下して、
世界は
──補完を
それが神さまの望み
◇
「地球一武闘会の優勝者は人類さんに決まりました。
優勝した種族には「地球で繁栄する権利」を授与する『予定でしたが』
人類さんは禁止カードの『知恵の実』を所持しているので大会結果は無効。
大会をやり直します」
要約するとそんなニュアンスを含んだ
神による人類への抹殺宣言だった。
『神の子は知恵の実を持たず、生命の実だけを持つ生物でなければならない』
それが
ほどなくして訪れた『月落下』という究極の人類存亡の危機。
月の衝突から始まった歴史を、
月の衝突によって終わらせて、また1からやり直す。
創世記に綴られた大洪水
『ネオン・ファーストインパクト』
人類に対する神の身勝手な鉄槌。
人類が今更、神の望むまま滅びを受け入れるはずもなく、
人類は神へ反旗を翻した。
◇
刻一刻と近づいてくる月。
その姿は報道規制によって何も知らされてはいない一般の人々にも「世界の終わり」を予感させている。
世界中の人々の混乱が増している頃。
国際連合直属非公開組織
特務機関NERV
彼らは月が衝突する日──
「世界最後の日」である今日。
放たれた『人類最後の希望』の行末を固唾を飲んで見守っていた。
「ガフの扉──
「人間には魂がヒトの器に宿る転生の他に『
「
「神は
「神さまというのは随分と心が狭いのですね」
「私も同意見だよ。だからこそ、我々はこの大洪水を耐え忍ぶのではなく、打ち勝たねばならない。人類の……これから続く子供たちの未来のために」
ネルフの職員たちが見上げる先、
澄んだどこまでも続くように見える青空の向こう。
白い飛行機雲を天まで届く槍のようにたなびかせた空中戦艦が、地球を飛び立って行った。
◇
地球
上空800km
NERV所属
空中戦艦ヴンダー
フォ────ン
クジラの鳴き声のような、どこかもの悲しい駆動音を響かせながら、ヴンダーが地球の大気圏を抜けた。
クジラの骨格標本の左右に戦艦と鳥の翼を付けたような姿のヴンダーの上部甲板中央。
印象的な一本角に、
緑と赤に輝く2対の瞳。
紫と赤のツートンカラーの装甲。
4本の腕で2重の腕組みをして仁王立ちする一機の人型ロボット
最新・最大・最強
『エヴァンゲリオン新・初号機』
人々の夢と希望とありったけの技術を詰め込んで大型化したエヴァンゲリオンは、増幅された物理法則改変能力を利用して重力の方向を操り、戦艦の背中に佇んでいる。
人類の希望を乗せて、空中戦艦は
◇
ヴンダーの艦内に警報が鳴り響く。
レーダーの端に月の地表が捉えたのだ。
「月、距離1万キロ! マッハ10でなおも接近中! ヴンダーマッハ32! 相対速度マッハ42! 接触まで10分!」
「推力反転。後退速度マッハ9.9を目安に、月進行速度にアジャスト」
赤を基調に金の刺繍の入った軍服に身を包んだ艦長が立体艦橋から指示を飛ばす。
ヴンダーの推力機関である光輪が前方に展開され、制動をかけ始めた。
◇
戦場となる月を目前に、シン初号機を中心に4機のエヴァがヴンダーの上部甲板へ上がる。
白のパーソナルカラーに単眼
右手にロンギヌスの槍
『エヴァンゲリオンMark9』
ピンクのパーソナルカラーに星型の頭部
試作アンチATフィールド弾頭対応
スナイパーライフル装備
『エヴァンゲリオン8号機・狙撃戦仕様』
水色のパーソナルカラーに単眼
N2リアクター搭載背部ブースター+
『エヴァンゲリオン零号機・砲撃戦仕様』
紫のパーソナルカラーに一角双眼
N2リアクター搭載外部ブースター+
カシウスの槍 装備
『エヴァンゲリオン初号機・N2+S装備』
そして中央
紫と赤のツートンカラー
一角四眼
ダブルエントリーシステム
ユニゾンS2機関 搭載
『エヴァンゲリオン新・初号機』
5機のエヴァが甲板に揃う頃には、ヴンダーは月が地面に見えるほどの近距離まで接近していた。
『月重力圏、相対速度安定! 擬似飛行状態に移行!』
『S2機関、N2リアクター共に安定域です』
『全JAコンテナとの通信、問題ありません』
『全兵装オンライン、射撃準備出来てます』
『──艦長。作戦準備、完了しました』
「了解」
戦闘モードに移行し、木の枝のように伸びたヴンダーの立体艦橋の中央で、艦長がそっと腕を上げた。
「偽装コクーン解除」
『偽装コクーン』
忍者の隠れ蓑の術のように、複製した空間で艦体表面を覆う使徒由来の超科学迷彩。
その力は神の目からヴンダーの存在を完全に隠蔽し、見事、月の目前まで運びきった。
潜水艦が海面に上がるように、ザァザァとその膜を突き破り、ヴンダーが通常空間に現出する。
空間を投影していた無数の六角形のタイルがエネルギーを失い真っ白に変色して脱落していく。
「作戦開始」
ヴンダーの翼部に括り付けられていた12個のコンテナがガコンガコンと音を立てて、次々と切り離されていく。
続いてコンテナの壁面がパージされ、一個につき2機、格納されていた人型ロボットが自前のブースターを吹かして宙を舞った。
N2リアクター搭載・有人式・宇宙戦仕様
アンチATフィールドランス装備
対使徒戦術機動兵器
『
ATフィールドが無い以外、全てのカタログスペックでエヴァンゲリオンを上回るスーパーロボット。
総数24機が
6つの小隊を形成し飛行を開始した。
◇
NERV総司令 碇ゲンドウの不退転の説得によって離反した一部のゼーレ役員から供与された超常技術群。
エヴァンゲリオン戦艦
『NHGシリーズ1番艦ヴンダー』
無限動力炉『S2機関』
ソレらを元手に建造された
エヴァンゲリオン新・初号機。
改修されたエヴァンゲリオン。
世界中で生産されていたエヴァのパーツなど使えるモノを全てかき集めて作ったスーパージェットアローン軍団。
合計
空中戦艦1隻
スーパーロボット24機
エヴァンゲリオン5機
NERVが用意できた全戦力。
人類の神に対抗しうる兵器の全てが、月重力圏に届けられた。
◇
NERV艦隊の出現に合わせて、月から無数のエヴァが放たれる。
月の裏側にあるエヴァの墓場から甦らされた哀れなエヴァの屍体兵たちだ。
使徒モドキと化したエヴァたちは頭部の光輪で浮遊し、ワラワラと群がるようにNERV艦隊へ迫る。
飛行する6つの小隊に、エヴァ4機によって構成される第0小隊が合流することで全ての機体が戦線に揃った。
NERV艦隊と使徒モドキの距離が縮まっていく。
ボゥ!
と、飛来するエヴァの1体が胴体に貼り付けられた赤く光る板を零号機のポジトロンライフルに撃ち抜かれた。
瞬間、そのエヴァの動きは止まり、推力を失った機体は月へ落下していく。
しかし、自我を持たないが故に怯むことも無い100を優に超えるエヴァの軍勢は、そのまま距離を詰めきり、戦闘は混戦へ突入した。
◇
Q.なぜ
一種につき一体の単独種族なのか?
A.その方がS2機関の
『
重力、超光粒子など本来は高次元へ逃げてしまうエネルギーを回収することで、世界が続く限り稼働する限りなく永久に近い半永久機関。
その回収するエネルギーの中には、
事象を観測することで固定し、
物理法則上は奇跡的な確率でしか起きない現象を常態化させるチカラ
ヒトの『意思エネルギー』も含まれる。
S2機関やエヴァのコアは、自己保全において、欠損部位の完全再生や、タイムラグ0の反応速度など、物理法則を無視した挙動を可能としている。
コレらは不都合を打ち消す『意思エネルギー』の持つ世界改変能力の断片である。
使徒はその世界改変能力を意図的に減衰されている。
神が我が子に
生命の実を与えたのは、
が
知恵の実を持たせないのは、
神さまは我が子の自由を許さない。
◇
そんな神の身勝手な呪縛を引き千切り、
人類が造り出した知恵と意志の結晶。
それが
『エヴァンゲリオン新・初号機』
一つの
『無限の立体二重螺旋』
そのスーパータービンは星間航行をも可能とする超出力を生み出す。
単独のS2機関の出力を遥かに凌駕し、物理法則の改竄能力は、2人によって現実が正しく認識される事で、
これこそが神が隠蔽した権能
『
シン初号機はそのチカラを保有する
次世代のアダムとリリスの方舟なのだ。
◇
「エスコートしなさい」
「分かってる」
シン初号機の出力が上がると共に背中から薄羽のような赤い光の翼が展開される。
2枚
4枚
6枚
光の翼が次々と吹き上がる
8枚
10枚
12枚
6対の翼を生やしたシン初号機の全身からエネルギーが迸り、機体色が光に塗りつぶされて白へと変わる。
『シン初号機、出力──測定不能!! 推定出力、地上時の13倍!!』
『
『了解、ヴンダーのメインコントロールをシン初号機へ移管』
艦長が帽子を脱ぎ捨てる。
『──シンジくん、やっちゃいなさい!』
シン初号機へヴンダーのネットワークリンクから大量の情報が流れ込む。
空中戦艦の中枢制御はたった2人に贈られ、
全てを委ねられた。
「アスカ」
「アンタがメインパイロットでしょ、自分でやりなさいよ。アタシはいつでも準備万端だから」
「──分かった」
パイロットの指がピアノを弾くように軽やかにサブコントローラーの上で踊り、パスワードを入力していく。
「コード
その言葉に呼応して、シン初号機とヴンダーの目が輝く。
シン初号機の12枚の翼がヴンダーを包み込んだ。
◇
ヴンダーの翼が背面へ移動する。
両脇の戦艦が中央を境に前後に分割されて腕を形成する。
クジラの尾ビレのような後方の構造体は中心から真っ二つに割れて足を形成する。
最後にヴンダーのクジラの様な艦首が90度曲がり胸部を形成し、
その甲板に乗ったシン初号機の強烈なATフィールドが実体化し、エヴァに酷似した頭部を生成した。
◇
奇跡を
希望を
未来を掴む
魂の器──エヴァパイロットが操縦する
神殺しの器『アークエヴァンゲリオン』
超弩級
『
全長2kmを超える巨人、人類の切り札が月に立つ。
◇
ヒトは
神を知ろうとしてはいけない。
神を疑ってはいけない。
神秘とは、恐怖とは、畏敬とは、
未知に宿るモノだからだ。
そして往々にして、隠そうと躍起になっている事柄ほど動機の底が浅いものだ。
神の領域を暴いた人類の結論。
『神は被造物が自分たちの領域に並び立つ事が気に入らない』
それが真実かどうかは分からない。
だが、露悪的な人間の思考は、ヒトの進化を意図的に封じ込める神のやり口をそう判断した。
大人が自分の理想を子供に押し付け、嫌がられるように、
神の押し付ける世界が、人類は気に入らない。
だから歯向かう、だから戦う。
人類は反抗期なのだ。
◇
『S2高次元センサーに艦影あり! 方向真正面! 体積……ヴンダーと同等!?」
オペレーターの報告にブリッジクルーが息を呑む。
『NHGシリーズは4隻。やっつけた2番艦はヴンダーの
『あくまでも、敵の土俵に上がれただけってわけか』
『敵艦、通常空間へ現出します!!』
『迎撃準備! 号令不要! 見つけ次第撃て!!』
ヴンダー正面の空間が波立ち、白化した六角形のタイルが脱落していく。
ヴンダーの使用していたのと同じ偽装コクーンの中から、敵影が浮かび上がる。
刹那
ヴンダーの全身に搭載された
『ッ!! 高エネルギー反応!!』
『対ショック姿勢! 早く!』
現れた敵艦の
『なんつー威力!!』
胸部を輝かせながら、宇宙の闇に浮かび上がる巨大な影。
「シンジ、見てみなさいよ。大将首のお出ましよ」
「うん、僕にも見えてる」
ソレはヴンダーと瓜二つの人型の巨大戦艦。
『NHGシリーズ3番艦エルブズュンデ……。そりゃあ取られてるよな』
もう1機の超巨大エヴァンゲリオン。
向かい合う2隻。
鮮やかな空色とビビッドな赤色のツートンカラーのヴンダーと、黒一色のエルブズュンデ。
色以外に違う点を挙げるなら、
1番艦ヴンダーはシン初号機が物質化させたATフィールドで頭部を形成しているのに対して、
人型となった3番艦エルブズュンデには頭部が無い。
頭は知恵の象徴。
被造物が知恵を持つことを許さない神の従順な下僕に、あるはずが無かった。
その代わりに頭の位置に立っているのは、
他のエヴァより一回り大きい
一本角の黒いエヴァンゲリオン
オリジナルのロンギヌスの槍を携えたソレこそが
知恵の実を持たない
神に従順で
神の
『アルマロス』
月を墜とし、エヴァの屍体を甦らせた
アルマロスと、シン初号機の視線が交わる。
旧神の下僕と、人類の希望が睨み合う。
──二重螺旋は神の御技──
──ヒトが扱うことは許されぬ──
「だから何?」
「神さまなんて関係ないよ。僕たちの邪魔をするのなら、神さまだってぶっ飛ばす」
ヴンダーの右ストレートがエルブズュンデに放たれる。
エルブズュンデのプロトンビームは、ピンポイントに圧縮されたATフィールドによって鮮やかな七色の帯となって拡散され、そのまま振り抜かれた右ストレートがエルブズュンデを直撃し、月面へと墜落させる。
ソレを追うようにしてヴンダーも月地表へと降り立った。
神の傲慢を打ち砕くため、
汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオンの、
最後の決戦の火蓋が切って落とされた。
あらすじ
1話で分かるエヴァンゲリオンANIMA
技術面はハッタリかましてますが、
シナリオ自体は公式設定(ANIMA込み)そのままです。
ホントだよ?
ちなみにヴンダーのAAAの
(オールマイティ・アサルト・アーク)
汎用人型 決戦 兵器
は嘘です
公式設定は
(オートノマス・アサルト・アーク)
自律型 戦闘用 箱舟
です
エヴァマトリョーシカは公式設定ですよ
(グレンラガンの方が先だけど)
S2機関が「螺旋『の』エネルギー」を使ってるのも公式設定です。
(出典:エヴァンゲリオン2)
*コッチはグレンラガンより先
*ANIMAとは設定が別
今作は両方を混ぜて、イイ感じに捏造しています。