わりとシリアス?最後はギャグっぽいですが。
主人公のくせにほぼ出番なしかよ!みたいな突っ込みはなしでお願いします。
臓硯は何が起きたのかわからなかった。
屋根を突き破ってきたそれは、間桐の家をぶっ壊すような形で蟲蔵の中に落ちたのだ。
まだそれはいい。
人間なら、即死か生きていても蟲蔵で蟲の床や餌にすればいいのだから。
だが、落ちてきたのは人間ではなく何故かサーヴァント。
何故聖杯戦争でもないこんな時期に…?と思うが、
そのサーヴァントはゴキジェットで丹精込めて育てている蟲達を蹴散らし、
しかも、そのサーヴァントは蟲蔵で桜と契約した…というではないか。
令呪を持たない桜がどうして、と思ったが相手は英雄だ。
その英雄が令呪の代わりになる偽臣の書を持っているのかもしれない。
桜を選んだ理由はわからないが、英雄の思考回路は理解できないものなのだろう。
そこで思考を止め、
臓硯は蟲蔵へ降りていく。
蟲蔵の状況をと、将来聖杯の欠片を埋め込む桜の身体を確認しなければならない。
その途中、サーヴァントと戦う事になるかもしれないが臓硯の本体は桜の中にあり、それ以外にも様々な仕込みがある。
蟲蔵に下りると、桜とそのサーヴァントはすぐに見つかった。
二人は穴から出ており、蟲もゴキジェットの性か数が減っている。
「お爺様……!」
桜が臓硯の姿を見、喉の奥をひきつらせた。
桜にとって臓硯は、蟲蔵の中に叩き落とした恐怖の対象でしかないのだ。
「桜よ……何を勝手に蟲蔵から出ておる?」
「あ………ぅ……」
桜が震え出す。
『何勝手な事言ってるの。僕のマスターをあのキモい蟲達の所に戻すって…』
「桜がマスターじゃと?馬鹿な事を言うでない。令呪もない桜がマスターになるわけなかろうが」
先程の桜が契約した、という噂を確かめる為のカマかけだが、ソラは見事に乗った。
『マスターに令呪はあるよ』
確かに桜の左手には、真ん中に双葉のような模様、回りを月桂樹を思わせる形が取り囲むという何とも不思議な形が浮き上がっている。
「ほぅ……これは確かに令呪じゃ」
『ふふん。だから言ったじゃんか』
ソラは銀の胸当てに包まれた慎ましい胸を張る。
「じゃが、桜にはお前のマスターにはなれんよ」
『何でさ』
fate主人公の台詞をパクったソラ。
「何故なら、お主の身体は儂が貰うからじゃ」
瞬間、臓硯は蟲を放った。
だがソラの周りに殺到した蟲達は、手に持った長剣でいとも簡単に切り裂かれ地面に落ちる。
『ああ、もう』
蟲を放っては切り裂かれ。
それを何回と繰り返した頃、ソラは小さくため息を吐いた。
「む?何………を…」
次の瞬間、ソラの身体は虹色の輝きに包まれる。
暗い蟲蔵の中、その光はやがて臓硯の中にも生まれた。
虹色の、暖かい光。
存在が、戻るような――
「あ………あ…………」
臓硯は何百年も前、理想に生きていた自分を思い出す。
だが、今の自分はどうだ?
孫を自らの欲望の道具とする悪鬼だとしか言い様がない。
自らに絶望しながらその場に膝をつき、今までの所業を悔いた。
「すまなかった……桜、すまなかった………」
桜は、こんな臓硯の姿を初めて見た。
ソラに目を向けると、桜の好きにしたらいいとその瞳は告げている。
「…お爺様」
桜はゆっくり、自らの意思を口にした。
「私は、今までお爺様の事をずっと恨んでました。蟲達の中で毎日犯される…その原因になったお爺様が大嫌いでした」
桜の言葉にしょうがない、と臓硯は思った。
それだけの事を自分はしてきたのだ。
「私は笑って許せるほど心が清くありません………ですから、私はお爺様を恨み続けます。その中で、ゆっくりですが…普通の家族、というものになってくれませんか?」
桜の言葉を、臓硯は信じられなかった。
桜はゆっくり、自分の傷が癒えたら家族になろう、と言ったのだ。
『――いいの?』
「はい。私も、最初は絶対許さないって思ってたんですけど…お爺様が後悔してるその姿が小さく見えたんです」
桜は言う。
自分の所業に絶望した臓硯は、今まで見てきたどんな姿よりも小さく見えた。
今までは化け物としか思えなかった臓硯を、人間だと思ったのだ。
化け物の臓硯は家族になんか死んでもなれない、と桜は思っていた。
だが、人間の臓硯ならば。
幼い桜が遠坂から離れ、小さく夢見た家族、と言うものになれるかもしれない、と。
――何という、心の強さ。
『そっか。マスターが言うなら僕は何も言わないよ。』
「じゃあ、お爺様。早くこんな所から出ましょう」
そう言って桜は臓硯に手を差し出した。
桜の手は暖かく、柔らかかった。
『…僕の出番がほぼ皆無……だと!?まさかメインヒロイン:臓硯みたいな内容なのか!?』
地味に主人公もショックを受けていた。
あ、ちなみにメインヒロインが臓硯な訳はありませんのでご安心を。
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何かすみませんでした…
キャラの偽物感がヤバイ!
もうちょっと勉強します…