そろそろ別の小説も投稿しようかな…
「慎二………」
祖父である臓硯に呼ばれた慎二は身体を微かに震わせた。
この祖父は、化け物だ。
少なくとも数百年以上生き、生にしがみつくおぞましい生き物である事を理解している。
最近、妙に好好爺になっているがそれでも今までを見てきた慎二が何処か疑ってしまうのは当たり前だろう。
「慎二、聖杯戦争に出たいか?」
一瞬、馬鹿にしてるのかと思った。
出たいに決まってる、と。
出たいに決まってるじゃないか、と叫びそうになったがそれをどうにか抑える。
だが、慎二にはサーヴァントを召喚する為の令呪もなければ維持する為の魔力もない。
聖杯戦争に出る、出ない以前に最低限必要なステータスがまずないのだ。
「慎二が出たい、と望むなら令呪をくれてやろうではないか」
「………は?」
何を言っているんだコイツは。
「聞こえなかったのか?令呪をやる、と言ったんじゃ」
慎二は考える。
この祖父が、何の見返りもなく令呪を渡す訳はない。
つまり…
「まさか……」
「そう、そのまさかよ」
ニヤリ、と臓硯は笑った。
「エロ同人誌みたいに僕の体を《自主規制》するつもりか!」
「何故そうなる!?」
あれ?違ったのか?
てっきりこの小説百合やらホモルートに行くと思ったんだけどな。
「《自主規制》して《自主規制》した後に《自主規制》をするつもりだったんじゃ……」
「だから何故そうなるんじゃ!そもそも儂にはユスティーツァが…」
話が反れてきた。
真面目に考えるとしよう。
令呪を渡す、と言うからには何か見返りを求める事はほぼ間違いない。
だが、その見返りがわからない。
何か取り返しのつかないものだったら…
いや、昔から魔術に憧れてきたんだ。
その手がかりとなるものが目の前にある。
手を伸ばすのはいつ?
――今でしょ!!
「……令呪をくれ。僕は聖杯戦争に参加する」
「よかろう」
臓硯が取り出したのは、海賊の旗のようなタトゥーだ。
それを慎二の身体にペタリ、とくっつける。
「その令呪の媒介となっておるタトゥーには吸収の属性があってのう……魔力を流し込んだ分吸収し蓄積する事が出来るんじゃ。その蓄積された分の魔力ならお前でも魔術を使用する事は出来ようて」
つまり、コップに入った水の分使用出来るが一度空になったらまたコップに水を入れ直さなければならない、というようなものか。
「ああ………」
これで、魔術への道が開ける。
劣等感を持ち続けた魔術、魔術師への第一歩。
僕たちの冒険はまだまだこれからだ!
□□□
『ふーん♪ふふーん♪』
夜、闇夜を駆ける姿が一つ。
やがて、とある場所にたどり着いた所でよいしょ、と背中に背負っていた棒を下ろした。
肩を軽く回し、辺りを見回す。
ソラが今いるのは、桜や慎二が通う穂群原学園の屋上だった。
万が一、学校に何か起きないようにキャスターが造った避雷針を思わせる魔術道具を設置しに来たのだ。
学校に何か魔術がかけられたら、避雷針にその魔術が一点集束されてその魔力は間桐の蟲たちに供給される…と言ったシステムだ。
『えーっと………』
キャスターの言う一番良い所に避雷針を立たせる。
え、学校にモロバレ?
そこは特製幻覚魔術がかかっているので高レベルの魔術師でもバレないぞ☆
まぁ、多少魔力の流れに歪みが出るのは隠しきれないだろうが。
設置し終わったので、帰ろうとすると感じるのは視線。
いつも魔物からの奇襲やらに備える身であるソラやバンエルティアの皆なら、簡単に気付く程度の視線だ。
『よし………』
剣を構える。
そして――
『魔神剣ッ!!』
その視線向けて斬撃を放った。
ただし、地を這うような斬撃ではなく空中を突き進む斬撃――蒼破刃に近い攻撃だ。
魔神剣を放った瞬間、斬撃の周囲に相反する属性を二つ放つ事で反発させ合い、魔神剣をコーティングしている、と言った感じだ。
まぁ、予想通り簡単に避けられたが。
屋上の高台に誰かが着地した。
夜だから全身が影で黒く見え、身体にピッタリとしたタイツ…
その姿はまさに…!
『コナンの犯人……?』
「!?」
・
受験って大変だね…
(゜。゜|||)