忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
さてと、前回はRiNGでお茶会をする予定になっていたリサ姉達に主人公が拉致されましたね…
あれ、RiNGってことはアルバイトしてるあの人も…
こうなれば修羅場をするしかねぇ!!
ってことで投稿です


88ーLove is blind

ライブハウスRiNG。

ここでは様々なガールズバンドの面々が練習に励み、ライブを行うライブハウス。

そして、ここに併設されているカフェテリアでは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ、私の横に来なさい」

 

「ユウさん、アタシの横に座りましょう!!」

 

「ほら、大学生で6人できたんですからユウさんは余っちゃうのでこっちのカウンターにどうぞ!!」

 

そこではRoseliaの2人とバイト中の沙綾がユウの取り合いが勃発してしまった。

その光景を前にしたユウは酷くめんどくさそうな表情を浮かべて3人に視線を向けていた。

 

「だるっ……」

 

「あの……中島さんの事について話してるのに……」

 

「白金さん、あなたが同じ立場だったらどうです?」

 

「ごめんなさい…」

 

 

 

「あの……」

 

「瀬田さん?どうしました?」

 

「私の隣で良ければどうだろうか…?」

 

「「「……!?」」」

 

「ふぇ!?」

 

「薫は火種を増やすのを止めなさい」

 

面倒だと言うのが言葉に出てしまったユウだったが、彼の背中を小さく引っ張った薫がしおらしい表情を浮かべながらユウを誘う。

その言葉を聞いてユウの取り合いをしていた3人は薫に対して物凄い速さで顔を向け始めるという恐怖を駆り立てる様な動きを見せていたが、ユウの地獄はこれで終わらない。

 

 

 

「ゆーくん!!やっほー!!」

 

「ひっ…!!」

 

「あっ、千聖さん達じゃないですか!!」

 

「こんにちは…」

 

 

 

「うわっ…出た…」

 

あろうことかこのタイミングで紗夜達も同じ大学の面々でRiNGのカフェまでやって来てしまい、早々に日菜に絡まれた上に紗夜はユウの姿を見てカタカタ震え始める。

その光景を見て嫌な予感が過るユウだったが、その予想が完全に当たってしまった。

 

「ゆーくん。こっちおいでよ!!一緒にお茶しよ!!」

 

「ちょっとヒナ!?何言ってるの!?」

 

 

「ひっ…日菜…?何を…」

 

「おねーちゃんの為だよ!!昨日言ったこともう忘れちゃったの?」

 

「うぐっ…!!」

 

日菜は即座にユウを誘い出し始めたことにリサが声を挙げるが、日菜としては昨日の紗夜の言葉を聞いたがゆえに荒療治なのだが、紗夜にその心構えは無く狼狽えはじめて震えが増していく中で、最後の刺客がカフェに姿を現した。

 

「あれ…?友希那さん達だ…」

 

「ユウさん達だ。こんにちは~」

 

「こんにちは」

 

「どうも…」

 

 

 

「ヤバい悪寒がしてきた……」

 

「ちょっとユウさん?どこ行くの?」

 

「えっと…ねぇ―――今井さん、放してもらえると…」

 

「いや」

 

最後の最後でMygo!!!!!の4人がカフェテリアに顔を出したことで、ユウはその中にいたそよの姿に自身の中で警戒心が最大まで高まると隠れてその場を逃げ出そうとしたのだが、リサに気が付かれてしまい逃げるに逃げれない状況に追い込まれた最悪のタイミングで最大級の爆弾を投下した

 

 

 

 

 

 

「あれ?こんな所で何してるの?パパ」

 

 

 

「「「「パっ……パパぁ!?」」」」

 

 

「ユウさん!!子持ちだったの!?」

 

そよが言ったその一言。

だが、その一言は初めて聞いたリサ、紗夜、彩の3人の表情を崩壊させるには十分すぎるほどの破壊力を秘めており、この言葉を聞いたリサは思わずユウに掴みかかっていた。

 

「ちょっと落ち着いて…」

 

「パパに乱暴するのやめてください。パパも離れて…!!」

 

「アタシは今、ユウさんと話してるの!!」

 

「ちょっとそよちゃん!?2人とも俺の身体引っ張るのやめてくれる?」

 

リサがユウに掴みかかった姿を見たそよは2人を引き剥がそうとし始めると、2人が両腕を掴んでそれぞれの方向へと引っ張り始める。

高校生と大学生で男を取り合う構図になっていたが、その取り合いが2人だけでは終わらなかった。

 

「ゆーくんこっちおいでよ~!!」

 

「バカ氷川!!足なんて掴むな!!」

 

 

「その…こっちで…どうだろうか…?」

 

「ユウさんはこっちのカウンターにどうぞ!!」

 

「それに沙綾ちゃんも背中押さないで!?瀬田さんも沙綾ちゃんが押してるのもあってこのままだと服が破けますから!!」

 

リサとそよが始めたユウ争奪戦に薫、沙綾、日菜の3人も参戦し始めた事で状況は混沌とかしてきたが―――

 

 

 

「おぉ~モテモテだ~」

 

「あのちゃん…そういうのじゃ…」

 

「あほくさ…」

 

 

「これ、止めなくていいんですかね?」

 

「麻弥ちゃんの言う通りだよね…?危ないよね…」

 

「麻弥ちゃんも彩ちゃんも無視しなさい。バカは死んでも治らないって言うでしょ?」

 

 

 

「友希那さんは参加しないんですね…」

 

「なんだかんだ言っても、ユウは私の所に帰ってくるもの…ところで紗夜?どういう事かしら?」

 

「いえ…日菜が勝手に……」

 

 

ユウは勉強も運動も家事も殆ど完璧で見た目もリサに似ていて悪くない。

 

それに加えて一部の面々しか知らないが、免許こそないもののバイクや車も乗り回せ、アクセサリー作成や服飾も出来る上に、麻弥と一緒に機材のメンテナンスをこなせるほどには工学に明るいというとてつもないハイスペック。

しいて言うならば歴史の勉強と球技が苦手で、時折見せる度が過ぎた悪ノリと常識外れの行動を見せること、そして、天然の女誑しと言う点を除けば超がつくほどには優良物件である。

 

そんな彼を取り合うこと自体はある意味では納得できる部分はあれど、公衆の面前で堂々とそれを行うリサ達に外野は完全に呆れ果てていた。

 

だが、そんな事をお構いなしと言った様子でユウを取り合う彼女達だったのだが――――

 

 

 

 

「あの~…ユウさんは誰が一緒が良いのか聞いた方が……」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

「花音…!!良く言ったわ!!」

 

花音が呟いたその一言で取り合いをしていた彼女達は完全に動きを止めた。

それが好機と言わんばかりにユウは彼女達から逃れると、そのままリサ達から距離をとって花音の元まで移動して見せた。

 

「松原さん、ありがとうございます」

 

「えっ…いえ…」

 

「……それで、中島さんは両隣は誰が良いんですか?」

 

「えっと…そうですね……」

 

花音に感謝の言葉を伝えたユウだったが、この状況をいつまでも続かせる訳にもいかない

と考えた千聖がユウに答えを急かす。

千聖の言葉を受けてユウは少し考えるような素振りをし始めたが―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずは松原さん…」

 

「ふえぇえええ!?」

 

「…後は燈ちゃんか白金さん、大和さんか白鷺さんの誰か…ですかね?」

 

「「「「「えっ……」」」」」

 

「「「「はっ?」」」」

 

 

そして開口一番に花音の名前を挙げると、名前を呼ばれた花音が驚きの声を挙げ、その後に続いて人の名前を挙げられた人とユウの取り合いをしていた4人が困惑の声を挙げた。

当然ユウの判断基準が分からない彼女達はどういう理由か考え始めずにはいられなかった。

 

「どういうこと…」

 

「彩ちゃん、あれですよ!!ほら、千聖さん以外おっぱいがおっきい―――ひっ!?」

 

「愛音ちゃん?」

 

「千聖さん、嘘です!!冗談ですから~!!それにそれだったらりっきー入ってないのがおかしいですから!!」

 

「おい…」

 

そんな中で愛音が完全に変な方向に誤解し始めていたが、千聖と立希の2人に睨まれて愛音は咄嗟に誤魔化した。

しかし、その言葉が出たせいでユウに疑惑の視線が向けら始めたが、彼はそんなことは微塵も考えておらず、出てきた答えは極めて単純明快なものだった。

 

 

 

 

 

 

「カフェぐらい静かに過ごさせてくれ…」

 

「「「「あぁ~……」」」」

 

「ユウさん!!私はなんでダメなんですか!!」

 

「沙綾ちゃんはバイトして…」

 

カフェぐらい静かに過ごしたい。

そう呟いた彼の言葉を聞いて彼に名前を挙げられずにいた大半の人達は完全に納得した。

 

確かにユウの取り合いをしていた彼女達と一緒になれば薫以外は喧しくなるのは確定的に明らか。

それならばこちらに絡んでこない人間で固めて静かにしていた方が良いとユウは考えていたのだが、この答えに納得しないないのは友希那だった。

 

「ユウ?なんで私の名前がないのかしら?」

 

「ゆきちゃんがいるとお世話しなきゃダメでしょ…」

 

「なっ!?」

 

友希那は大人しい側に自身が入っていないことを不満だった彼女だったが、世話をするされると言うレベルで話されたのが不満だったもののRoseliaの3人はその事を全く言い返すこともなく、ユウから言われた一言で友希那が撃沈。

こうして、ユウを巻き込んでのRiNGでのお茶会が始まってしまうのだった。

 


 

カフェに着いてから色々あったけど、アタシ達はヒナや後輩達にユウさんも加わって賑やかなお茶会が始まったのだが―――

 

「ゆーくん。なんか話してよ~」

 

「黙れ氷川。周りの迷惑を考えろ」

 

「ゆーくん、冷たーい」

 

「はぁ……」

 

「放置プレーって奴?なんかいいかも…」

 

席が離れているヒナがユウさんに絡みだしたけど何事もないかのように受け流す。

あのヒナを受け流す姿はカッコかったけど、ヒナの残念過ぎる姿を見てモヤモヤしたけど、アタシが感じたモヤモヤは更に増していく。

 

 

「ユウさん、お待たせしました~。珈琲と私からのサービスのケーキです」

 

「ケーキのお金は払うよ。それとサービスとかいいから、ちゃんとお仕事しないとダメだよ?」

 

「は~い。それで…これ、私が作ったんですけどどうですか?」

 

「…色々と改善出来る部分は多いけど、メニューの値段からすれば妥当かな?改善点は後で紙にでも書いておくよ」

 

「ありがとうございます!!」

 

「どういたしまして……後、ゆきちゃん?鼻の頭にケーキのクリームついてるよ」

 

店員である沙綾がユウさんに色目を使い始め、自身が作ったケーキを食べさせて感想を貰っていた。

改善点を教えてもらうって次に繫げる策士ぶりにモヤってしたけど、ケーキの味を真剣に確かめる姿はカッコよかったな~。

 

「ユウさん、ちょっといいですか?ここが分かんなくて…」

 

「あぁ、数学ね?図形のこの点から補助線を引いてやれば―――」

 

「あっ!!そっか!!これでこの式が使えるんだ!!ありがとうございます!!」

 

「パパ、ちょっとこれ合ってるかな?自信なくて……」

 

「ちょっと貸して?…あちゃ~…この翻訳は間違ってるね。直接聞いたことを伝える時は主語から始まって―――」

 

「そうだったんだ!!」

 

後輩組への勉強の教え方も凄いスマートで教えられた側もすんなりと理解して、また勉強に戻っていくが、その勉強を教えるために考える仕草もアタシの心がキュンキュンさせられてしまう。

 

「はぁ~……」

 

やっぱこうやって何をやってもカッコいいって思うのは惚れた弱みってやつなんだろうけど、沙綾とヒナがユウさんに擦り寄るのにモヤモヤするのは独占欲みたいなのがあるんだなと、アタシは思わずため息を零してしまったのだが―――

 

そんな中で問題が起こった。

 

「松原さん。ほっぺにクリームついてますよ」

 

「ふぇ…?嘘…どこ?」

 

「広がっちゃうので、動かないでくださいね」

 

ユウさんは隣に座った花音の頬にケーキのクリームがついたことに気が付いてその事を伝えたけど、花音は場所が分からずにあたふたしながらテーブルに置かれた紙ナプキンで頬を拭こうとしたが上手く拭けない。

そんな姿を見たユウさんは自身の指でそのクリームを掬い上げて―――

 

 

 

 

 

あろうことかそのままクリームを自身の口に運んでいた。

 

「「「「えっ!?」」」」

 

「ふえぇええ!?」

 

その行動に一同が驚きの声を挙げるが、当の本人は何食わぬ顔で声を挙げるこちらを不思議そうに見つめていた。

 

なんで!?普通はそうはならないでしょ!?って思っても、目の前で現実としてそれが起こったことに困惑していたアタシだったが、それだけでは終わらない。

 

「あっ…松原さん、今ので化粧が落ちちゃったみたいですね?」

 

「「「「「えぇ!?」」」」」

 

「ふぇ…!?」

 

「凄く薄い化粧だったのに…よく気が付いたわね…」

 

「花音さん、化粧道具は?」

 

「花音のカバン…あった、このポーチ、最低限の化粧品しかないのね…。花音早く直して―――」

 

「ちょっと失礼…」

 

「ちょっと…!!」

 

ユウさんはあろうことか花音のメイクが崩れたことを指摘してみせた。

 

驚くのは千聖以外の誰もユウさんが指摘するまで花音が化粧をしていたことに気がついてなくて、崩れたことを指摘した花音の顔を覗き込んで崩れた化粧を見て始めて気づくレベルだったのに気が付いた。

そんな事に驚いていたが、千聖が花音のカバンから取り出した化粧道具を渡そうとしたが、ユウさんがそれを取りあげるとそのまま化粧ポーチをひったくってポーチを開けたその瞬間―――

 

 

 

 

 

「終わりましたよ」

 

「ふぇ?」

 

「こちらで確認を」

 

花音の化粧はアタシ達が気が付かなかったのと同じ状態に戻っていた。

まさに一瞬の神業に完全に固まっていた中でユウさんが自分のスマホを取り出して内側のカメラを使って花音の顔を写したが、花音は驚いた表情を浮かべていた。

 

「元通りになってる…」

 

「一時期はプロの手ほどきを受けたこともあるので、メイクは得意なんですよ?」

 

「す…凄いですね…」

 

「松原さんなら…こんなのもどうですか?」

 

あの一瞬で元通りのメイクに戻すなんて神業を見せられた千聖が軽く引いていた。

あんなものを見せられて驚かない方がおかしいのだが、ユウさんはその千聖の言葉を聞いて更に一瞬で腕が動くと花音のメイクが少しだけ変わった。

 

「いかがでしょうか?お姫様?」

 

 

 

 

「ふえぇえええ!?」

 

「っ!?…薄かったメイクなのに少しだけ手を加えただけでその…高級感?と言うかお姫様みたいな感じがしますね…」

 

「大和さんが言うようなのを意識しましたが…その顔なら問題なさそうですね。これ以上やるとヘアメイクも変えないと合わなくなるので…」

 

「流石にヘアメイクは道具も無いものね…」

 

「白鷺さんの言う通りです。お姫様、こちらはお返しいたしますね」

 

ユウさんはまた一瞬で花音のメイクを変えてみせた。

 

さっきまではうっすらでアタシすら気が付かない程だった薄いメイクが、今の花音からはお姫様と言うか高級感の溢れるそれに驚かずにはいられなかった。

その姿を見た麻弥の口から言葉が漏れるがユウさんはヘアメイクまで出来る様な口ぶりだが、ここでは出来ないと言いながら花音に化粧道具を差し出して笑みを浮かべていた

 

そして、そのタイミングでヒナの悪ノリが始まってしまった。

 

「ゆーくん!!もっと見たい~!!」

 

「氷川、お前メイク道具なんてないだろ」

 

「リサちー貸して~!!」

 

「人の道具を使おうと思うな」

 

「だったらリサちーにやってよ!!」

 

「えっ…?」

 

「本人が良いって言わないのにするかバカ」

 

ヒナがユウさんにアタシのメイクをするように言っていた。

突然のことにアタシは声を漏らしたが、ユウさんの方が本人の許可がないと言ってそれを断っていた。

 

確かに興味はあるけど、言うのは恥ずかしい。

でも、何とかしてユウさんを誘おうと頭を動かしたアタシは―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウさん!!アタシと週末、デートしてください!!」

 

「「「「「「えぇ!?」」」」」」

 

「はい?」

 

「えっと…その…ちが―――」

 

とんでもない事を口走っていた。

なんで、メイクの事を頼もうとしたのに何歩も踏む越えてデートに誘う言葉が口から出てきたんだろう。

確かにデートはしたいけど、今誘うタイミングじゃない。

完全にパニックになってしまったアタシだったが、幸運はアタシに舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

「えっ!?今、はいって言った!?言ったよね!!」

 

「丸山さん、今の”はい”は肯定の意味じゃなくて―――」

 

彩がユウさんがOKを出したと口にした。

その後でユウさんが何かを言っていたが、今のは間違いなくデートをOKしたのに違いない。

そう考えたアタシは一気に舞い上がってしまった。

 

 

「えへへ……じゃあ、今週末デートしましょう!!待ち合わせはまた連絡しますから~!!」

 

「えっ!?ちょ!!まっ!?」

 

アタシはこうしてユウさんとの週末デートの約束を取り付けることに成功すると、嬉しさと恥ずかしさが入り混ってしまい、そのままRiNGを飛び出してしまったのだった。

 




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