忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
前回100話だったんか…気が付かんかった…
まぁ、オマケ含めた100話で本編はまだ100話じゃないからセーフ…(震え声…
という事で気を取り直して投稿です


89ー思惑・渦巻く・ランデブー:出発篇

RiNGでのリサからのデートの誘いを受けたユウだったが、彼の姿は週末の駅にあった。

 

 

「はぁ……」

 

思わず溜息を零したユウだった、そもそもとして彼自身はデートと言うものに乗り気ではなかった。

 

「はぁ……待ち合わせまで後30分……」

 

そんな乗り気でないユウの前にリサが来ないこと良いことに再びの溜息を零してしまった。

 

「時間通りに来なかったら帰ればいいか……」

 

ユウは時間までに来なかったら帰るとまでぼやく姿を見ればデートに乗り気でないのは目に見えて明らかであり、それならばリサとのデートなど無視すればよかったのだが、彼が数日前の事を思い出していた。

 


 

数日前―――

ゼロナイナー車内―――

 

 

「うん。姉さんとのデートは断ろう」

 

「えっ…おにーさん?断っちゃうんですか?」

 

「そりゃね?向こうは憶えてないけど、俺からしたら姉だよ?そんな人とデートって言われてもね?そんな相手と一緒じゃ失礼でしょ」

 

 

「ユウ、お茶が入ったぞ」

 

「デネブさんありがとね」

 

ユウはゼロライナーでゆっくりしながら、燈にリサとのデートを断る事を伝えていた。

彼の言うように自身の姉とデートと言われても釈然としないし、そんな相手と出かけても相手に失礼でしかない。

 

そう考えていたユウは断ることを決めたのだが、彼の思惑は一瞬で砕け散った。

 

「ユウ、大変よ」

 

「ゆきちゃん?どうしたの?」

 

「丸山さんがリサとあなたのデートについて周りに喋ったみたいで…」

 

「つまり、もう断れる状況じゃないと…?」

 

「デネブの言う通りよ」

 

 

「おっふ…」

 

このタイミングで最悪の知らせと共に友希那がゼロライナーに駆け込んでくると、その知らせを聞いたユウは変な声を出して頭を抱えてしまった。

 

 

 

周囲に知られてしまった以上は下手に動けない。

最悪の場合、ゼロノスの影響で記憶が消える事もあって逃げてもいいのだが、皆から記憶が消えるまでは身動きが取りにくくなることを考えたユウは下手に断ることが出来なくなってしまった。

 

「姉とデートってなんだよ…」

 

「おにーさん…その…誰かに話を聞いたりとかすれば…」

 

「デートと言って話を聞ける人がいるとでも?」

 

ユウはそう言ってゼロライナーの車内に視線を向けたが―――

 

 

デネブ―――イマジンの為、参考にならない。

友希那―――論外

燈―――デート・恋愛経験なし

 

 

この場にいる3人にデートについて聞くことなど無理であり、完全にどうしようかと頭を抱えていたのだが―――

 

 

 

 

 

 

「ユウ、難しく考えなくてもいいんじゃないかしら?」

 

「ゆきちゃん?」

 

「姉弟で出掛けるくらいに考えればいいのよ」

 

珍しいことに友希那が珍しくまともなことを言ったことにユウは目を丸くしていたが、彼女の言う事も一理ある。

ユウはそうして色々考えて―――

 

「そうだね…そう考えればいいか……」

 

完全に考えるのを諦めた。

 


 

「いや、やっぱりこの考えは無理だろ…。ゆきちゃんから待ち合わせの時間伝えられた時に断れば良かった……」

 

ユウはあの時の結論はやっぱりおかしかったと後悔していた。

待ち合わせの時間を伝えられた時に断ればよかったと再び後悔したが、もう周囲に話が伝わった以上は逃げれないと、何度目かの諦めの表情を浮かべたところでその時はやってきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウさん!!お待たせしました~!!」

 

待ち合わせ時間の5分前と言う時間にユウを呼ぶ声が聞こえると、彼はそのまま声がした方に視線を向けるとリサが慌てた様子でやってくる姿を捉えた。

 

そんな姿を見たユウは何気なく駅前に設置された時計に視線を向けて彼女がやってきた時間を確認していた。

 

「どうも。5分前ですね」

 

「あはは……本当はもっと早く来るつもりだったんですけど……ユウさんは…」

 

「1時間くらい前ですかね?」

 

時計を見てから挨拶をしたユウだったが、リサからの質問に何も考えずに素直に答えを返してしまった。

その言葉を聞いたリサは申し訳なさそうな表情を浮かべてしまったが、そんな彼女の表情を見たユウの口からは咄嗟の言葉が零れてしまった。

 

 

 

「いえ、実は楽しみで早く来ちゃっただけなので」

 

「えっ…!?ホントですか!!」

 

ユウが咄嗟に口に出したのは亀から教わった女性の扱いについて教わった時の言葉。

その言葉は完全な嘘なのだがリサはそれを見抜けずに嬉しそうな笑みをユウに向け始めてしまった。

その表情を見たユウは完全に吹っ切れた。

 

「そうですよ…?今日の為に準備してきてくれたんですね?」

 

「えっ?」

 

「髪ですよ。前より少し前髪が短くなってるから美容室に行ったんですね?今日の服装にも合ってると思いますよ」

 

「えへへ…そうですか?時間も勿体ないので行きましょう」

 

「分かりました」

 

リサの僅かな変化を見抜いて褒め始めると、彼女はそれが嬉しくなって顔を紅く染めながら笑みを浮かべると、そのままユウの腕に抱き着くと彼女はそのままユウを引っ張るように歩き始めると、ユウもそれに合わせて歩き始めたのだがリサは若干不満そうな表情を浮かべたのをユウは見逃さなかった。

 

「どうしました?」

 

「リサって呼んでください…」

 

「……」

 

「だって、初めて会った時からちゃんと名前で呼んでもらってないですし……」

 

リサはユウに自身の事を名前で呼ぶようにリクエストしたが、それを聞いたユウは困った表情を浮かべていた。

 

相手が憶えていないとは言っても自身の姉。

 

流石に普段友希那達と話す時の様に”姉さん”と呼ぶわけにもいかないが、そうなればどう呼べばいいのか分からなかった彼はリサの事を呼ばないように今まで誤魔化していたのだが、今回は2人きりという事もあってそれが出来る状況ではない。

 

「今井さん…」

 

「リサ…」

 

「リサ……さん」

 

「リサだよ。それと敬語も無しで」

 

最初に何とか名字で呼ぶが即座にリサに訂正され、さんを付けて呼ぶも再びの訂正と敬語まで無しと指摘されてしまった。

そこまで言われたユウは何度目か分からない諦めの表情を浮かべて―――

 

「リサ…これでいい?」

 

リサの事を敬称も敬語も外して呼んだ。

その言葉を聞いたリサは先ほどの様に満面の笑みを浮かべると、抱き着いていたユウの腕に無意識に力を入れてしまうほどに喜んでいた。

 

「うんっ!!アタシもユウって名前で呼ぶね!!」

 

「分かった…。それで今日はどこに?」

 

「…遊園地!!今日は2人で楽しめるところで一緒の思い出作ろ!!電車で少し移動するよ」

 

リサは満面の笑みを浮かべて今日のデートの目的地を告げると、そのまま駅の中に消えていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、人ごみに紛れて5つの影がユウ達の姿を見つめていた。

 

 

 

 

「リサ、行ったわね…」

 

「はい…リサ姉達行っちゃいました…」

 

「そうだね…」

 

「こんなことして…良いのかな…?」

 

「私達も行くわよ」

 

「ちょっと待ってください」

 

4人がユウ達の姿を追いかけようと彼女達の後ろを追って駅の中へと入ろうとしたのだが、そんな彼女達を後ろで待ったをかけた人物がいた。

 

「何よ……紗夜」

 

「何よじゃありませんよ。湊さん、なんで今井さんのデートを…」

 

「それは私達がRoseliaだからよ」

 

「あの…俺―――じゃなくて、私は違うんですけど…」

 

「デネ―――じゃなくて、高松さん。あなたは今日だけRoseliaよ」

 

待ったをかけたのは紗夜。

そして、ユウ達を影から追いかけていたのは他のRoseliaメンバー達と燈と言う不思議な取り合わせ。

正確に言えば燈の中にはデネブが憑いているため6人いるのだが、それを知っているのは友希那だけで誰も気にしていない。

 

 

「(これでいいのかな…?)」

 

「(燈、俺のワガママですまない…)」

 

「(大丈夫です…)」

 

「(何かあっても俺が何とかするから…)」

 

そもそも、燈としては今回のユウのデートを尾行する気など皆無だったのだが、デネブにどうしても気になると言われてしまい、普段から助けてもらったりしていることもあって彼の要望を聞き入れるべく、デネブを憑かせて一緒に着いてくることを選んでいたのだが、そんなこんなしているうちにユウ達が人混みの中に消えてしまった。

 

「友希那さん、リサ姉行っちゃいましたよ…!!」

 

「あっ大丈夫みたいですよ…中島さんは切符を買うみたいだから」

 

「珍しいですね……切符を買うのは…」

 

 

人混みに消えたユウ達だったが、すぐにユウが切符を買う姿を見つけると意外だと言う表情で紗夜あこ燐子の3人が見つめていた。

 

「紗夜さん。止めようとしてるのに気になって見てるじゃないですか」

 

「それは…っ!!私だって気になりますから……」

 

「……」

 

あこ達がリサ達を観察するのに並んでいた紗夜。

なんだかんだ言いながらも紗夜もリサの事が気になっていて、最初に止めようしていたのが嘘かの様な動きで燐子とあこの2人と並んで2人の事を観察し始めていた中で、友希那だけは別方向に覚悟を決めていた。

 

 

 

 

 

 

 

「リサが不安だけど、ユウは大丈―――いや、たまに常識から外れたところがあるから不安ね……

 

 

 

 

やっぱりこうなったら最後の最後、何があっても邪魔しないと……っ!!」

 

彼女はデートの最後をぶち壊す覚悟をしていたのだが、それは昨日のRoseliaの練習まで遡る―――

 


 

 

 

音楽事務所・スタジオ――――

 

「一旦、休憩にしましょう」

 

「分かりました」

 

事務所のスタジオでバンド練習を行っていたRoselia。

彼女達が休憩し始めたのだが、その中であこが何気なくリサに歩み寄っていた。

 

 

「リサ姉!!今日、すっごい良いよ!!」

 

「えへへ~そうかな~?」

 

「うん!!りんりんもそう思うよね?」

 

「うん…そうだね。あこちゃん」

 

「ここ最近の今井さんは安定感がありますね」

 

「えぇ…そうね」

 

あこはリサの演奏が良かったと褒めていたが、あこが言うようにここ数日で彼女は調子を上げていた。

それが演奏にまで現れていることはバンドとしては大変喜ばしい事なのだが、その理由を考えると友希那は複雑な表情を浮かべずにはいられなかった。

だって、その理由は――――

 

「リサ姉、何かいい事でもあったの?」

 

「ふふ~ん。今週末にデートするんだ~」

 

「友希那さんと…?」

 

リサとユウがデートすることになったから。

先日ユウとも話したが、友希那としてはそれで調子を姉弟で出掛けることについては何も問題に思っていない。

 

むしろ、本来あるべきだったはずの姉弟で過ごす時間を取り戻しているとすら考えれば2人を知る彼女にとっては喜ばしいとすら思っていたのだが、姉であるリサの記憶がなくてデートと本気で思っている姿とリサのデート相手が自分だと思っているあこに対して何とも言えないモヤモヤを感じていた。

 

そんな友希那の想いとは裏腹にリサは満面の笑みを浮かべてあこの質問に答えていた。

 

「友希那じゃないよ?男の人とだよ?」

 

「えぇええええ!?リサ姉がデート!?初耳だよ!?…って、りんりん達は何で驚いてないの!!」

 

「デートに誘った時に一緒にいたから…」

 

「あこだけ知らなかったの!?教えてよ~!!」

 

「宇田川さん、余り言いふらすものでも…いえ、丸山さんが言いふらしたわね…」

 

 

 

「それでリサ姉!!デートってどこに行くの!?」

 

あこはリサが男とデートすると聞いて驚きの声を挙げたが、すぐに彼女は一緒にいた燐子達が驚いていないことに気が付いて自分だけが話を聞かされていなかったことに不満顔を浮かべたあこだったが、すぐに表情が変わってデートでどこに行くのかと詰め寄った。

しかし、あこの言葉を聞いたリサは困ったような表情を浮かべていた。

 

「アタシから誘ったから色々考えてるんだけど悩んでるんだよね~。朝に待ち合わせってのは伝えてるんだけど……」

 

「色々?例えばどんなのがあるんですか…?」

 

リサはデートプランに悩んでいると口に出すと、気になった燐子はリサにプランについて尋ねると、彼女は考えてるプランを口に出し始めた。

 

 

 

 

「アタシも運転免許も取ったからドライブデートとか良いかな~って、海岸線とか夜景の見える場所を2人で交互に運転して―――」

 

「リサ、ユウは運転出来るけれど日本の免許を持ってないわよ?」

 

「えっ?」

 

「そうなると今井さんがずっと運転することになりますね。それに今井さんは運転中に浮かれて事故を起こしそうです」

 

リサは自身のデートプランとしてドライブデートについて語った。

 

確かにユウは運転は出来るが、免許がない以上は公道を走ることは出来ない。

この時点で破綻していたのだが、そこに紗夜からの追撃が入って完全にこの案が撃沈したが、この程度でリサは怯まない。

 

「後はショッピングモールで映画と買い物してからディナーを…」

 

「リサ姉、映画って2時間くらいだよ?朝に集まって映画見て…それから晩御飯までずっと買い物するの?」

 

「それに買物で荷物が増えると動きにくくなってしまうんじゃ…?」

 

「うぅ……って、みんなダメ出しするけど、デートなんてしたことないでしょ!!」

 

次の案は映画からのショッピングデートを案にあげるも、この案は余りにも詰めが甘くてあこと燐子に速攻で切り捨てられてしまった。

連続でダメ出しを受けた事でリサは落ち込んだものの、ここにいる全員がデートをしたことが無いと反論したことで何とも言えない空気になっていったが、ここで予想外の一手が飛び出した。

 

 

「リサ姉!!でも、2人で何かするっていいと思―――そうだ!!遊園地なんてどう?」

 

「遊園地?子供っぽくないかな?」

 

「あこはそのゆうさん?って人がどんな人か分かんないけど、遊園地なら2人で一緒の事が出来るからそれで話をすればいいんだよ!!」

 

「あこちゃんの言う通りかも…遊園地ならではの話題もあると思いますし、アトラクションの感想とか共有で話のネタも出来るんじゃ…」

 

「アトラクションの待ち時間が気になりますが、乗るまでの時間に次のモノを決めたり出来るならアリかもしれませんね…。それに今井さんの案より数倍マシです」

 

「遊園地かぁ…確かにアトラクション乗って、パレードとかでロマンチックな空気に………遊園地デート良いかも…!!近くのところでいいかな~」

 

完全な不意打ちであこの口からデートプランが飛び出した。

しかも、リサの案とは違って多少の不安点はあるものの先ほどまでとは違い燐子と紗夜からの反応がいいのもあってリサはその案に流されて遊園地と言う微笑ましい着地点に落ち着いた。

 

 

そこまでは良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今回のデートで良い雰囲気になれば―――Cまで行っちゃうかも…!!」

 

「「「C…?」」」

 

突如としてリサが変なことを言い始める。

その意味が分からなかった友希那、紗夜、あこの3人は首を傾げてしまったが―――――

 

「っ!?」

 

「りんりん?どうしたの?」

 

「白金さん、今井さんの言ってた言葉の意味は一体…」

 

「えっと…その…あの…」

 

燐子だけがその言葉の意味を理解し、驚いた表情を浮かべながら顔を真っ赤に染めていく。

その様子に気が付いて言葉の意味を燐子に尋ねるが、答えを返せずに燐子がオロオロとし始めていく。

そんな中でリサの暴走は止まらない。

 

「あ~…最近だとHIJKとも言うんだよね~。Iはあるから…Hを……きゃー!!」

 

「クネクネして気持ち悪いわね……」

 

「りんりん?リサ姉の言ってる意味ってなに?」

 

「えっと……あの!!練習!!…そろそろ練習に戻らないと…!!」

 

「……それもそうね」

 

リサが突如として身悶えしながらも再び理解不能の言葉を口に出す。

流石にその動きに気色悪さを感じた友希那が思ったことをそのまま口に出すが、その言葉はリサには全く届くことは無かった。

そんな中であこからも言葉の意味を聞かれた燐子は練習を口実に2人からの追及から逃げた。

 

そして、練習が終わって家に戻った友希那はリサが言った言葉の意味をスマホで調べて―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ…?」

 

余りの内容に思わず卒倒してしまった。

調べた結果はそこまで問題は―――いや、そう言った経験のない友希那にとっては過激なものだったが、それ以上に問題なのはその内容を(リサ)(ユウ)にやろうとしていると言うこと。

 

そして、それを知った友希那は覚悟した。

例え嫌われたとしても最後の一線だけは意地でも越えさせないという事を―――

 

 

 

 




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オマケーデスカウント(9章開始まで
1章
そよ・立希・睦
2章
なし
3章
愛音・七深
4章

5章
なし(あこの髪)
6章
立希姉・つぐみ
7章
ましろ(+レイヤの生活力・そよの尊厳・にゃむの部屋)
8章
瑠唯・透子・レイヤ・有咲・薫・つくし・モカ・マスキング
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