この作品は主人公がマジで碌な目にあってませんね
ちょっと前までは人に振り回されてる様なホンワカ空気がどうしてこうなった……
腕の中で好きな人が死ぬって溶原性細胞のお人形遊びかな…?
と考えながら投稿です
「今井さんにあの人も……何がどうなって……!?」
「あの人……こっ……怖い………」
「うぅ…リサ姉……!!」
目の前でリサが息絶えてユウが銃に撃たれていたのにも関わらず怒りをむき出しにしながら相手に歩み寄っていく。
この状況に困惑してそれぞれの反応を示していた紗夜達の目の前でユウはゼロノスへと変身したが、その光景に友希那と燈は首を傾げていた。
「緑色…?いつもと一緒みたい…」
ベルトの音声が違っていたのにも関わらず、ユウが変身したのはいつも彼が変身するアルタイルフォームになったことに事情を知る友希那達も最初は戸惑ったが、そんな彼女達を他所にゼロノスはイマジンとの距離を一瞬で詰めて―――
「…」
「ぐっ…!?こいつ…」
その顔面に拳を叩きこんだ。
2人は無言でゼロノスが素手で格闘をしたことが気になりはしたが、次の瞬間にはゼロノスの身体に異変が起こっていた。
「おにーさんの色が剥がれ落ちてる…」
イマジンを殴りつけた際にゼロノスの鮮やかな緑色の装甲が僅かに剥がれ落ち、その下からは赤錆色の装甲が覗くが、その事を一切気にすることも無くゼロノスはイマジンを襲いかかる。
「ぐっ…!!がぁ!?」
「……」
顎、喉、鳩尾、関節。
変身前に放った”殺す”と言う言葉の通り、おおよそ人体ならば急所とも言える様な箇所を拳や蹴りで的確に撃ち抜いていくのに伴ってゼロノスの装甲の緑が剥げ落ちて赤錆がドンドンと広がっていく。
その剥がれる姿はまるで――――――
「ユウの心が壊れていくみたい………」
彼の心が壊れていくのが形になっているようにすら感じてしまうのだった。
「ぐっ…!!舐めるな…!!」
だが、イマジンも一方的にやられる訳ではなく、武器にしていた銃で反撃していくが―――
「なっ!?止まらな―――がふっ!?」
「お前は殺すと言っただろ……」
ゼロノスの装甲が剥がれ落ちるだけで攻撃は一切止まらず、反撃の拳が顔面を捉えて吹き飛ばし――――
「おにーさんが錆びちゃった………」
ゼロノスの身体から鮮やかな緑が一切消え、完全な赤錆色―――ゼロノス・ゼロフォームへと姿を変えていた。
「錆びて強くなるのかよ……!!」
だが、傍から見たら色が落ちた様にしか見えないゼロノスの事をイマジンはその姿を見て完全に侮って吼えたが―――
「喚くな…」
「がぎゃ…!!」
吼えた声も虚しく一瞬でゼロノスはイマジンの頭を掴んで地面に全力で叩きつけられて、獲物の銃を取りこぼして日の落ちた空を仰ぐと、そんなイマジンにゼロノスが即座に馬乗りになると左腕で首を絞め上げて動きを封じ―――
「何を……」
「その汚い口を開くな…」
「がっ!?」
「おま―――」
「口を開くなって言っただろ…」
「ぎゃ!?ぐっ…!!あぁああ!?」
イマジンが言葉を発しようとしたその瞬間にゼロノスが顔面に拳を叩きこんで黙らせ、そこからイマジンが言葉を口に出す前にゼロノスが拳を叩き込み続けて、イマジンは苦悶の言葉しか漏らせない。
「ひっ……!!なんで……撃たれてたのに…………!!」
「ぁ…ぁぁ……」
「氷川さん……」
「ユウ……」
悪役の見た目をしたイマジンに対してヒーロー然とした見た目をしたゼロノスが圧倒していた。
しかし、やっていることは一方的に嬲る姿はまさに完全に悪役のモノなのだが、それ以上の恐怖に感じていたのは、変身者であるユウは変身する前に銃で身体中を撃たれている状態でその行動をしているという信じがたい事実。
紗夜は恐怖のあまりその場にへたり込むと彼女を中心に染みと独特に匂いが広がり始め、彼女の横ではリサの亡骸を見てあこがうめき声を挙げる戦いとは別の地獄の様な光景が繰り広げられていたが、目の前では未だにゼロノスがイマジンを一方的に蹂躙し続けていた。
「ユウ…!!そんな相手を痛めつける様なのは行けない!!」
「黙れデネブ!!」
「こうなったら無理にでも止めるしか…」
「待ちなさいデネブ」
「友希那、何故止めるんだ?アレは酷過ぎる…!!」
流石に見ていられなくなったデネブがゼロノスに止めるように声を挙げるも一蹴されてしまった。
口で言っても分からないならば強引にでも止めないといけないと思い立ったデネブだったが、
彼が動き出す前に言葉で静止させると、その事に反論したが友希那はデネブにハッキリと言葉で伝えていた。
「今のユウは酷いけれど……自分の目の前で姉を殺されてるのよ…」
「それはそうだが………」
「ぐげっ!?…ぎゃ…!!あぎぃ…!!」
「………とっとと死ね」
「ダメだ…!!これでは……」
友希那の言葉にデネブは言葉を詰まらせる。
確かに目の前で姉を殺されたことに怒りを覚えるなと言う方が難しく、彼が怒りをイマジンにぶつけるのは仕方のない部分はあるだろう。
だが、それでも殺意だけで相手を一方的に殴り続けることには賛同できないデネブはゼロノスを止めようと駆け出そうとしたが――――
「死―――ちっ……鞭…」
「なっ!?2体目だと…!?」
「似てるけど……女の人みたい……」
「コイツだけは殺す……」
「ごふっ!!」
「この…っ!!」
「…ユウ!!」
イマジンを殴りつけていたゼロノスの右腕に謎の鞭が巻き付き、似た見た目をしたイマジン―――雌型のスネールイマジンが姿を現した。
動きを封じられた事に腹を立てたゼロノスだったが、首を押さえつけていた左で下に組み敷いた雄のイマジンの顔面を殴り続ける。
その姿を見た雌のイマジンは中まであろうイマジンを助けようとゼロノスに体当りを仕掛けようとしたが、デネブが咄嗟に銃撃で牽制をしたもののその銃撃を受けながらもイマジンは止まることはなくゼロノスと衝突した。
「助かった…!!」
「何やってるのよ…」
「…ちっ」
雌のイマジン体当りで雄のイマジンに馬乗りの状態になっていたゼロノスは弾き飛ばされて地面を転がると、殴られ続けたイマジンは助けを借りて立ち上がって雌雄のスネールイマジンが並び、雄のイマジンは手放してしまっていた銃を拾い挙げる。
「あばよ…!!」
「ぐぅ…!!」
「デネブさん…っ!?」
「燈、大丈夫だ……!!」
「不味いわ…あこの方に……」
銃を拾った雄のイマジンはその銃口をゼロノスではなく友希那達へ向けるとそのまま発砲した。
だが、その銃弾は彼女達に当たることはなく、咄嗟に割って入ったデネブの身体に直撃した。
その事を心配した燈に言葉を返したデネブだったが、そんな事をしている間に2人のイマジンはあこの方へと駆け出して、その身体を通して過去へと飛んで行ってしまった。
「えっ…あこちゃんの中に…大丈夫…」
「燐子、退きなさい」
「えっ…?あこちゃんに何を……っ!?文字が…」
「これは……!?」
イマジン2体があこの身体の中へと消えた事に困惑し始めた燐子を他所に、友希那はあこの元へと歩み寄って彼女の頭にチケットを翳すとそこにはある日時が浮かび上がっていく。
その光景に困惑しっぱなしの燐子だったが、友希那もあこに翳したチケットに浮かび上がった日付を見て驚かずにはいられなかった。
「友希那、どうしたんだ?」
「デネブ……いえ、あこの時間に憶えがあっただけよ…」
「それは…何時なんだ?」
あこを通して2体のイマジンが過去の時間。
それは――――――
「あことリサがRoseliaに入った日よ……」
友希那と紗夜があことリサの2人をRoselia入りのオーディションをしたその日だったのだから。
だが、驚いてばかりもいられない。
これから過去に飛んでイマジンを倒さなければ行けず、デネブがこの場にゼロライナーを呼び出すと、虚空からレールが伸びてゼロライナーが姿を現した。
「列車…?これは……一体何がどうなって……!?」
「ユウ!!イマジンを追いかけよう!!」
「分かってる……」
「あの…友希那さんっ…!!」
「燐子…」
突然のゼロライナーの出現に驚く燐子を他所に、イマジンを追いかけると告げたデネブの言葉にユウはそっけなく返すとそのままゼロライナーに乗り込んでいく。
ゼロノスに続いて燈とデネブ、そして友希那も乗り込んで扉が閉まる直前で燐子が友希那の腕を掴んでゼロライナーから引き摺り下ろす様に腕を掴んでいた。
「これは一体何なんですか!!…何がどうなってるのか説明を……」
燐子は事情を知っているであろう友希那に説明を求めた。
確かに異常な状況でも取り乱していない彼女を見れば事情を知っていて、その事を聞き出そうとすることは何も不思議ではないが、仮に友希那がここで真実を話したとしても到底理解されるような内容ではないし、それにイマジンが倒されれば時間が修復されて彼女からこの記憶は消える。
例え記憶が消えるとしても彼女に事情を話すために友希那がこの時間に残っても良かったのだが、今の彼女はあこから過去に飛んだイマジンの行く先を示したチケットを持っており、これを使わなければイマジンを追いかけることが出来ない。
それを理解した彼女は―――
「燐子、あなたには関係ないわ……」
「えっ……っ!!何を言って…」
腕を掴んだ燐子に突き放すような言葉をぶつけていた。
そんな言葉を燐子は呆然とした表情を浮かべたが一瞬にして彼女らしからぬ怒気を含んだ表情を浮かべていたが、そのせいか分からないが友希那の腕を掴んでいた力が僅かに緩む。
それを感じた友希那は――――
「…ごめんなさい」
「えっ……?」
燐子の身体を突き飛ばす。
突然の状況に燐子は自身の身体を支え切れずに友希那の腕を放してその場に尻もちをついてしまう。
だが、その僅かな時間でゼロライナーは動き出し、友希那は開いたままの扉から燐子を一瞥するとそのまま扉を閉めると、彼女達を載せた列車は燐子の目の前で再び虚空に消えていくのだった。
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