忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
リサ姉絡みでやり過ぎてカロリー消費しすぎました。
という事で本編から逃げます



Kapitel-Gast03
Gast03-1_Start Your?


ある日のゼロライナー・客室――――

 

「おにーさん…、宿題で分からないところが…」

 

「燈か」

 

「あれ?デネブさん…何してるの?」

 

燈は宿題の分からないところを聞きにユウがいるゼロライナーへとやってきた。

だが、肝心のユウがおらずそこにいたのはテーブルに向かって何か作業をしていたデネブだけだった。

思わず何をしているのか尋ねると彼は楽しそうに手に持っていたモノを彼女に見せつけていた。

 

「ユウの冬用のセーターを編んでるんだ!!」

 

「冬…?早いんじゃ……」

 

「準備するのに早いに越したことはないからな!!」

 

「そうかな…?」

 

 

「ユウ、ちょっと……あら?ユウがいないじゃない?」

 

「友希那も来たのか…」

 

デネブは何故かセーターを編んでいたことに燈は困惑していた所に混乱の種―――もとい、友希那もゼロライナーに顔を出していた。

 

「練習終わってから寝るまで暇だったから。高松さんは宿題?」

 

「はい……おにーさんに聞こうと思って…」

 

「そう…」

 

しかも理由は単なる暇つぶしと言う燈とは雲泥の差であり、燈の方も高校の宿題を卒業生である友希那に一切質問しようとしない事にはもはや誰もツッコみを入れることは無かった。

 

「ユウは出かけてるのかしら?」

 

「いや…ゼロライナーの点検をするって言って操縦席にいるぞ?……そういえば数時間は戻ってきてないな…」

 

「私が様子を見て来るわ」

 

「私も……」

 

「なら、飲み物も一緒に持って行ってくれ。俺も商店街で晩御飯の買い物をしてくるから…」

 

「分かったわ」

 

デネブが言うにはゼロライナーのメンテナンスで操縦席に籠っているらしく、何時間もこちらに戻ってきていない。

それを心配したデネブは友希那と燈に飲み物を差し入れるように頼まれるとそれを快諾すると、買物に出かけたデネブを見送ってから友希那と燈の2人で操縦席の方までやってきた。

 

操縦席には床には工具が散乱しており、前にあるパネルの下の壁を外して身体をねじ込んでいるユウの姿を見つけて声をかけた。

 

「ユウ」

 

「あれ?ゆきちゃん?」

 

「私もいます…」

 

「燈ちゃんも…どうしたの?今、手が離せないんだよね」

 

2人の声にユウが答えたが、彼は彼女の顔を見れる状況ではなく声だけを返していた。

そんな彼に対して彼女は何気なく彼にここに来た理由を告げていた。

 

 

 

「デネブが様子を見てくるように言ったから見に来たの。それと飲み物の差し入れよ」

 

「ごめん。こっから、結構慎重に作業しないといけないところだから…」

 

「なら、隅に置いておく出るわね。あったかいお茶だから冷める前に飲みなさい」

 

慎重を要する作業に入る。

そう言われた友希那は彼の邪魔をしないように差し入れの飲み物を隅に置こうと歩き出したのだが――――

 

 

 

 

「あっ……」

 

 

 

友希那は足元に転がっていた工具の存在に気が付かずに、それを踏んでバランスを崩してしまい持っていたお茶が宙を舞う。

 

「「あっ………」」

 

情けない声を挙げて宙に舞うお茶を見つめていた友希那。

そのお茶の落下地点は作業をしていたユウの足に直撃してしまった。

 

 

「あっつ!?……って、やっべ!?手元狂った!!」

 

彼は今慎重に作業をしなければいけない場面。

そんなタイミングで熱いお茶がかかった事に驚いてしまい、盛大に手元を狂わせてしまうと彼が作業をしていた場所を中心に火花が飛び散り出し―――

 

 

「おにーさん…列車が…動いてます…!!」

 

「どうなってるのよ…!!」

 

運転を止めていたゼロライナーが突如として動き出していく。

完全に想定外の状況でパニックだが、ユウは内部を覗き込んでいた状態から外に這い出そうとしたが―――

 

 

「これっ…!!変な路線に入って―――――!!」

 

ユウがそう叫んだのと同時に強い衝撃がゼロライナーを襲い、そうして3人はその衝撃でそのまま意識を飛ばしてしまい――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……?」

 

彼は意識を取り戻した時には完全な暗闇の中にいた。

この状況を不思議に思った彼だったが、まずは自身の状況を確認することから始めていた。

 

頭が地面―――という下になってひっくり返っている様な感覚。

背中と後頭部に感じる椅子の座面のようなモノと顔面には何か妙な感触を感じ取っていた。

 

「はぁ……」

 

とりあえずはケガはなさそうだと安堵の息を漏らしたのだが――――

 

「ひゃん!?」

 

「…ゆきちゃん?どうしたの…?」

 

「ユウ、喋らないで!!」

 

彼が息を漏らしたタイミングで小さな悲鳴が聞こえてきたが、この声の主は間違いなく友希那のもの。

思わずユウは彼女に理由を尋ねようとしたのだが、友希那は答えではなく喋ることを止めるように口にしていたが、彼にはその理由がまるで分からなかった。

 

「なんで?」

 

「ひゃん!!なんでって…!!あなた今の状態が分かってないの!?」

 

「うん。真っ暗で何にも見えない」

 

「っ…!!」

 

流石のユウでも光源が0のこの状況では周囲を見ることは出来ない。

その言葉を聞いた友希那は言葉を詰まらせると、ユウの顔面に密着していた何かがモジモジと動き出す。

その感触と友希那の言葉が繋がらずに頭の中では疑問符が尽きないユウだったが、友希那はその問いに答えていた。

 

「それは……ユウが…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ユウの顔が私のスカートの中のお尻に密着してるからよ…!!」

 

「……」

 

ユウの顔面に感じているそれは友希那の尻。

それを聞いてユウは完全に絶句した。

 

ゼロライナーで作業をしていたはずだったのに、何がどうなったら友希那に文字通り尻に敷かれる状況になるのかがまるで分からない。

 

必要以上に喋ることはしない方が賢明なのだが、ユウはそれを気にしてはいなかった。

 

「ゆきちゃん…」

 

「だから喋らないでって…」

 

「それは無理だから…で、動ける?」

 

「……真っ暗で見えないから無理よ。スマホは家の部屋に置いたままだったから…ユウはどうなのよ?」

 

「俺もゼロライナーに置きっぱなしだから持ってないよ。それで燈ちゃんは…?」

 

ユウは友希那の事を完全に諦めて次の話を進めていくが、動くように頼むが真っ暗で手元にスマホも無くて無暗に動けないと言われてしまうと、次の話は一緒にいた燈のことだったが―――

 

 

 

 

「大丈夫です…」

 

「良かった…」

 

「スマホは?」

 

「私も家に置きっぱなしで…」

 

燈の声はユウは上下が逆転している状態で右側から聞こえてきた。

距離的にもすぐ隣にいる様に感じたユウは彼女に話を聞くことにした。

 

「それで、燈ちゃんはどういう状況?」

 

「よく分かんないですけど…椅子?に座って…なんだろう?手で触った感じは…車?みたいで…ドアが開かないです…」

 

 

「車……ゆきちゃん?もしかしてだけど、目の前にハンドルとかない?」

 

「……あったわ。丸いのがなんかあるけれど……クラクションもならないわね…」

 

「……とりあえず、ゆきちゃん。頑張って後ろの座席に移動して?」

 

友希那はユウの息を我慢しながら言われた通りに手を前に突き出すと、そこには丸いハンドルのようなものがあることを見つけて、その中心にあるであろうクラクションを押してみたが残念なことに音の1つも出ない。

 

それを聞いたユウは友希那に後部座席に移動するように言ったのだが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ、後ろに席がないわ…」

 

友希那が言うには後部座席がないらしく、おそらくスポーツ系の車なのだろうとユウは呑気に推測していたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんなんだね?君たちは?」

 

「「ひぃ…!?」」

 

そんなタイミングで友希那達ではない第三者の声が響き渡った。

いきなりの声に友希那と燈が小さく悲鳴を挙げて震えていたが、ユウはその声に聞き覚えがあり、その声の主に話しかけていた。

 

 

 

「早々で悪いんだけど、車のドアを開けてくれません?」

 

「私としては君達には話を聞かなければいけないのだがね?」

 

ユウが落ち着いた声で話しかけると声の主は警戒するような声色になったが、ユウはそれどころではなかった。

 

「悪いことは言わないから開けてください。早くしないと……」

 

「早くしないとどうなると言うのかね?」

 

「恐怖で震えてる1人の女子がですね?その……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

尻を敷いている俺の顔面と運転席のシートに恐怖の失禁をする事態になりますが…?」

 

「……流石の私もそれは辛い…分かった」

 

「後で憶えてなさい………降りたわ」

 

ユウの脅し文句に負けたのか運転席側のドアが開き、友希那は恨み節を吐きながら空いたであろうドアを手探りで降りてその事を口にする。

その言葉を聞いたユウは運転席で身体を捻って綺麗に運転席に収まるように体勢を入れ替えてる。

 

「2人とも、今から起こることに驚くかもしれないけど、落ち着いてね?」

 

「おにーさん…?」

 

「どういうこと?」

 

ユウは暗闇の中で友希那と燈に声をかけるが、2人はその意味が全く分からない。

だが、暗いことで恐怖心を煽られてしまっている2人を他所にユウは淡々と話を続けていた。

 

「あなたと色々と話すのはいいけど……まずは……

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりですね。ベルトさん…いや、クリム・スタインベルトって言ったほうが良いかな?」

 

「私の名前を知っているとは…君は何者かね?」

 

「「ひっ!?」」

 

 

 

 

 

「変身した剛と生身で殴り合って大怪我させられた異世界人」

 

「…ユウか!!」

 

「うん。色々あってこの世界に来ちゃった……」

 

ユウがそう語りかけると突如として暗闇に光が走って赤い顔が空中に浮かび上がってユウに言葉を返すが、その光景に女子二人が驚きの声を挙げていたが、ユウはそんな2人を他所にその赤い顔に自身の事を答える。

 

そして、その答えを聞いて紅い顔―――ベルトさんがユウの事を認識するのと同時に、友希那達は自分達が別の世界に来てしまったという事を聞かされてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 




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