忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
不穏な空気は一瞬で壊れるのがこの作品!!
と思ってたんですが、これは…主人公に待ってるのは地獄か…?
という事で本編です!!


97ーマルファンクション

友希那のことで話を聞きに来た――――

 

彼女と一番長くいるはずのRoseliaメンバー達からそう言われても、燈と一緒にいた愛音たちは全く理解できないと言った様子でRoseliaと燈に視線を向けていた。

 

「えっと…そよりん、どういう事…?」

 

「私が知る訳ないでしょ?愛音ちゃんはスマホでも弄ってれば?」

 

 

 

 

「あの…何か心当たりはありませんか?」

 

「ぇっ…その……」

 

「ともり!!友希那さんと仲良いんでしょ?」

 

「……燈をそんな責めるみたいに詰め寄るの辞めてもらっていいですか?」

 

燐子が心配そうな表情で燈に尋ねるが、燈は言葉に詰まってしまう。

そんな彼女を見たあこがいつものような声のトーンで燈に距離を詰めていったのだが、その光景にMygo!!!!!の狂犬もとい、立希があこを強引に引き剥がして止めようとしたのだが―――

 

「こちらとしては責めてるつもりはないのですが?それに今はこちらが話しているので割り込んでこないで貰えますか?」

 

その行動に花咲川の番犬改め、Roseliaの狂犬である紗夜が噛みつき始めたのだが、その程度では立希は退くことはなく、逆に紗夜に睨み始めていた。

 

 

 

 

「そもそも、先輩4人で後輩1人に詰め掛けるって何考えてるんですか?」

 

「こちらとしてもバンドの死活問題になりかねないので。それにあなたには関係ない事だと思いますが?」

 

「それ燈に関係あります?そもそもバンドの為だったら何やっても良いって思ってるんですか?」

 

「私は高松さんに話を聞きたいのですが?」

 

2頭の番犬が今にも一触即発の空気を作り出しており、この場の空気がギスギスし始めていく。

だが、その空気に周囲は今にも手が出るのではないかとも不安になってきていたのだが―――

 

「ちょっと2人とも落ち着きなって~」

 

「「………」」

 

「でも、こっちも見当もつかないんだよね~。確かアタシが1人で遊園地に行ってた後からおかしかったし……」

 

流石に手が出る様な状況になる前にリサが咄嗟に間に入って2人を止めに入っていくも、2人は互いを睨み続けたままの状態から全く動かない。

リサだけでは止まらないというのが周囲に伝わっていくが―――

 

 

 

 

「あっ……」

 

止めに入ったリサの姿を見た燈は思わず言葉を漏らすと共に、彼女は友希那がおかしいと感じた理由を察してしまった。

 

「ん…?アタシがどうかしたの…?」

 

「いえ…その…なんでもない……です……」

 

リサの方も燈の視線に気が付いて声をかけると燈はなんでもないと言って誤魔化していた。

しかし、燈の内心では友希那の異変の原因が心配される状況に何とも言えない気持ちになっていた。

 

 

 

 

 

「(おにーさんと友希那さんの前で2回も死んじゃってるだよね……)」

 

今では時間が修復されて何事も無かったかのように生きてはいるが、友希那もユウも親友が自分の姉が殺された姿を見せられる。

ただの1回でも見せられたら精神が壊れそうになるような状況をあの2人は同じ人間で2度も見せられているが、おそらくそれに加えて――――

 

 

 

 

 

「……(おにーさんとデートしてたのに忘れちゃってた)」

 

「ホントに~?アタシの顔見て何か気が付いたみたいな表情してたじゃ~ん」

 

「……いえ…」

 

ユウはリサとデートをしていたのだが、イマジンを倒して現代に戻った際にそれを忘れられてしまうという辛い現実を突きつけられてしまった。

それを思い出した燈にリサが追及してくるが、彼女はそれを皆に伝えることは出来ない。

 

 

 

 

 

 

この事を憶えているのは自分以外には友希那とユウの2人だけ。

仮にこの事を話したところで信用なんてされる訳もなく良くても夢扱い、酷ければ頭のおかしいと言われてしまっても仕方がない。

 

燈はこのどうしようも無い状況でどうしようかと頭を抱えそうになってしまったのだが――――

 

 

 

 

 

 

「あれ?」

 

「愛音ちゃん。空気読んで」

 

このタイミングで愛音から間抜けな声をあげると周囲からの視線が突き刺さり、そよが彼女を窘めていたのだが、彼女はそれどころではなかった。

 

 

 

「えっと…この写真見てほしいんですけど……」

 

愛音はそう言って自身のスマホを差し出して1枚の写真を見せた。

そこには問題の人物である友希那と共に燈や愛音、そして燐子とあこを加えたメンバーが写った写真を見せてきた。

 

「これは…前に上原さん達と一緒にフォトコンテストの写真を撮った場所ですね。私もドレスを作りに参加したので憶えてます…」

 

「あこも憶えてるよ!!」

 

燐子とあこの2人はその写真を見てその時のことを思い出していた。

あの時は友希那の発言が原因でみんなで集まって燈用のドレスを作って人気の式場まで予約して撮影を行って、愛音が見せたのはコンテスト用の撮影が終わった後に皆での集合写真。

彼女は燐子とあこの反応を見てから写真の1点を指差していた。

 

「それで、ココ見てほしいんですけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この男の人誰ですか?」

 

「式場のスタッフとかじゃない?」

 

「…っ!!」

 

「高松さん?どうかしたんですか?」

 

愛音は指差したのは写真に写っていたユウの姿。

彼の姿を見て誰か忘れていた愛音と写真の彼をスタッフと誤認したリサの姿を見た燈は息を呑んでしまったが、その反応を紗夜に見つかってしまうと燈は愛音に話しかけていた。

 

「えっと…その…私のドレス作ったのはあのちゃんと…燐子さんと……誰がいた…?」

 

「後いたのは友希那さんと…あれ?後誰か居たような…誰だっけ?」

 

「そう言えば…あの時の高松さんと湊さんが指輪をつけてましたが…あれはどうしたんでしたっけ……?」

 

 

 

 

「おデブだよ!!ほら!!友希那さんの知り合いでご飯作ってくれてた!!」

 

「あこちゃん?友希那さんが連れて来るよりも前に指輪はあったような…」

 

「そう言われると…どうでしたっけ?」

 

「おデブ以外に誰か居たような居なかったような…あれ?」

 

燈はユウのことを直接言わずにあの時に一緒に作業をした人数を確認していたが、出てきたのはデネブのことだけでユウのことは欠片も話題に出てこない。

かろうじてあこだけは誰かが居たような記憶が微かに憶えていただけでユウのことは一切出てこない事に燈はショックを憶えていたのだが、彼女にとってさらに衝撃的なのはここからだった。

 

「後…こんな動画も出てきたんですけど……」

 

「「「動画…?」」」

 

「音は聞いてないですけど…ちょっと自分だけで見るのが怖くて…」

 

愛音は先ほどの写真から別の動画に切り替えるとスマホの音量を上げてから、問題の動画を再生し始めていた。

 

 

 

 

『パパ~!!』

 

「妙に媚び売ってるような……この声…そよ?」

 

「何これ……」

 

「今、湊さんと高松さんも映ったわ…」

 

愛音のスマホから聞こえてきたのは媚びを売っているように聞こえるそよの声と、動画に見切れていた友希那と燈の姿。

 

それだけでも衝撃的だったのだが、愛音達には更なる衝撃が待ち受けていた。

 

 

 

 

『えへへ~!!私、パパの膝の上~!!』

 

「ちょっと!!何よこれ!!」

 

「そよ、うるさい」

 

 

「そよりんのパパ…!?」

 

「待ってください。父親と言うには若すぎるのでは…?」

 

再生された動画に写されたのはそよが男性の膝の上に座って寄り掛かる姿。

そんなものを見せられたそよは声を荒げたが、燈以外の面々は完全にキャラが違っているそよの姿に目を丸くしていたのだが、動画にはまだ続きがあった

 

 

『そよちゃん…おにーさん、困ってるから…離れた方が…』

 

『それに高校生なんだからそれは近すぎるんじゃないかしら?世間から見られたら恥ずかしいわよ?』

 

『パパだから恥ずかしくないです!!』

 

続いて再生された動画では、そよがパパと呼んでいた人物から離れるように友希那と燈の2人から窘められるが、それを拒絶してより一層寄り掛かるように密着していくそよの姿が映し出されていた。

周囲は完全の動画の続きが気になったのだが――――

 

 

 

 

「ちょっとそよりん!?」

 

「いやぁああああああああああああああああああ!!」

 

「私のスマホが~!!」

 

この動画に耐え切れなくなったそよが愛音のスマホを強奪すると、それを破壊しようと力いっぱい床に叩きつけると、愛音のスマホは画面が割れて動画の音も流れることすらなく完全に沈黙してしまった。

 

「あちゃ~…スマホが……」

 

「今井さんの気持ちも分かりますが…あんなのを見せられた側の方にも同情しますが―――」

 

周囲の面々はスマホを壊された愛音と、あんな醜態をバンド仲間に見せられたそよの2人に同情していたのだが、紗夜は再び違和感に気が付いた。

 

 

 

 

「高松さん。あなたあの動画見ても何も反応してなかったのはどういう事かしら?」

 

「えっ……」

 

彼女からしたらもう慣れた光景であの動画について特に反応を示していなかったのだが、あんなものを見て平然としているのは明らかにおかしい。

 

それが紗夜には違和感を感じさせるには十分であり燈を問い詰めていくが、彼女は動画のあることが気になっていた。

 

「それにパパと呼ばれていたあの男性ですが、先ほど写真に写っていた男性と一緒の人物でした」

 

「…それにあの男の人、リサ姉に似てたかも…!!」

 

「えぇ~?そう?」

 

 

 

「っ…!!」

 

紗夜は動画に映ったユウの存在と写真に写っていたユウが同一人物だと言い切り、あこはユウのことをリサに似ていると声を挙げていた。

その言葉に燈は言葉を詰まらせてしまい、彼に不運が襲うのではないかとビクビクし始めていた。

 

 

「もしかして…!!」

 

「りんりん、何か分かったの!?」

 

そして、燐子は何かを察していた。

そんな反応を見たあこは嬉々とした表情を彼女に向けると、燐子は彼女らしくもないが自信満々にその胸を張って自分の推測を口にし始めた。

 

 

 

 

 

 

「友希那さんは…今井さんとその男性の人を重ねてるんです!!」

 

「「「「なっ…なんだって~~~~!?」」」」

 

「えっ……」

燐子の自信満々の言葉に周囲は驚きの声を挙げたが、事情を知っている燈は余りにも見当違いな言葉に戸惑いの言葉が漏れてしまった。

しかし、その言葉は誰の耳にも入っておらず燐子の迷推理が展開されていく。

 

「きっと、あの男の人が気になって、それで似ている今井さんに意識が向いてしまっているんです!!」

 

「異性との…恋愛関係という事でしょうか…?」

 

「いやいやいや!!流石に友希那にそれはないって!!」

 

「でも、リサ姉!!友希那さんも大学生だよ!!」

 

 

 

「……」

 

燐子の迷推理は完全に的外れ―――とも言えなかった。

 

 

 

 

リサが最初に言っていた友希那に異変を感じ始めたタイミングはリサとユウがデートをして時で、イマジンを倒す為に変身をした代償でデートをしていたことを目の前で忘れられるのを見せられた。

 

確かにリサの弟という事もあって彼を意識しているが、そうではなく彼女が彼に罪悪感を感じていたのだ。

 

 

原因は友希那が言った言葉でそれを聞いてユウは現代でリサの元に向かったのだが、待っていたのは全てを忘れたリサの姿。

 

あの時、友希那がその言葉を言わなければユウはリサの元に戻らずそのまま別れていたかもしれないのだが、彼女が待っているなどと言ってしまったことでユウに意図せず辛い現実を叩きつけてしまったことを後悔している事を理解したからこそ燐子の言葉が全て間違いと言い切れずにモヤモヤしたのだが―――

 

 

 

 

「友希那さんはきっと……あの人と…その……しちゃったんです……」

 

「白金さん?湊さんがその人と何をしたって言ったんですか?」

 

 

 

「えっと…友希那さんは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大人の階段を登っちゃったんです!!」

 

「……」

 

燐子はここで大きく事実とは異なる言葉を口にすると、事実を知っている燈は完全に間違っている言葉を聞いて固まった。

全然違うからとりあえずは大丈夫なのかとも燈は一瞬だけ考えたのだが、周囲はそうは思っていなかった。

 

 

 

 

 

 

「ゆっ……友希那が……ががが………」

 

「うわぁああ!?リサ姉!?」

 

「ちょっと今井さん!!しっかりしてください!!」

 

 

「あれは無い!!愛音ちゃんが私をからかう為に作った…AIとかで作った動画よ……」

 

「そよ。愛音ならやるかもしれないけど、そんな高等なモノを使えるわけないだろ?きっと、あの男は催眠術とか使えてそよを操ったんだ…!!」

 

あり得ない妄想を現実だと思ってしまったリサは、それに耐え切れず身体を震わせながらそのまま床に倒れるとそんな彼女にRoseliaの面々が囲い始める。

 

その一方ではあり得ない動画を見せられたそよが動画を受け入れられずにガタガタと震えながら愛音が作った偽物だと自分に言い聞かせる横で、パニックになっている立希が愛音を貶しながらも擁護するというとんでもない事をし始めていた。

 

 

完全に収拾がつかなくなってしまったこの状況。

ある意味ではこれはチャンスだと思った燈はすぐに荷物を手に取ると―――

 

「あのちゃん、私帰るね…?」

 

「うん…私も帰ってスマホ新しいの買わなきゃ……」

 

愛音と共に素早くRiNGから出てから別れて家に帰る。

そして、家に帰った燈は今の状況を伝えるべく、自室の扉とゼロライナーを繫げてユウに先ほどまであったことを報告するのだった。

 




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オマケーデスカウント(10章開始まで
1章
そよ・立希・睦
2章
なし
3章
愛音・七深
4章

5章
なし(あこの髪)
6章
立希姉・つぐみ
7章
ましろ(+レイヤの生活力・そよの尊厳・にゃむの部屋)
8章
瑠唯・透子・レイヤ・有咲・薫・つくし・モカ・マスキング
9章
リサ×2(現在・過去)
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