忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
いやー!!ギスギス展開になってきました…
でも、こういう時でもふとしたギャグ描写をぶち込んでぶち壊していきます!!
という事で最新話です…

ホントこの主人公不憫すぎるな…


98ー暴走ツインローズ

「はぁ…。面倒なことになった…愛音ちゃんが動画を残してたとは……」

 

ゼロライナーから外に出たユウは1人でボヤいていた。

原因は愛音が残していた動画で、そこにはそよが彼を父親と勘違いしてキャラ崩壊レベルで甘えている姿が残されていた。

 

以前に動画は止めるように言ってたものの、それを無視して愛音はしっかりと動画として記録しており、その記憶が全員から消えたタイミングで見つけたことで大騒動に発展してしまった。

 

「どうするかな…」

 

 

 

 

「あ~~~!!居た~~~!!」

 

「へっ…?」

 

その事を燈から報告を受けたユウはどうしようかと考えていたが、気分転換も兼ねて街に繰り出していたのだが、突如としてユウの背後から声が響いてくると、彼はその言葉と聞き覚えのある声に反応して振り返ると、その視線の先にいたのは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…?姉さんに紗夜さん……?あぁ…ゆきちゃんが変とか言ってたからそれか……」

 

そこにいたのはリサと紗夜の2人組で、指差しているリサが声を挙げた張本人だというのは状況的には理解出来た。

しかし、リサはユウの記憶を全て失くしているのにも関わらず声を挙げたことが不思議だと思ったのだが、ユウは燈から友希那の事も聞いていて彼女達の状況を察することは出来たのだが、予想外のこれから始まった。

 

 

 

 

 

「待てっ!!」

 

「はぁ!?」

 

 

 

「ちょっと今井さん!?」

 

声を挙げたリサは途端に鬼のような形相を浮かべてユウに向かって駆け出すと、その腕に掴みかかってきた。

 

流石のユウもその表情には一瞬だけだとは言えども驚きを隠せなかったが、ユウは捕まえようとするリサを最低限の身のこなしで簡単に回避する。

 

「アンタが友希那を…よくも友希那を…!!」

 

「ちょっと落ち着いて…」

 

「アンタが友希那をキズモノにしたから…!!」

 

「とんでもない妄想だ…!!完全に言いがかりじゃないか…!!」

 

「うるさい!!」

 

ユウはリサを宥めようとしていたが、彼女にその言葉は届かず怒りをむき出しにして彼に掴みかかっていく。

 

このまま躱し続けるだけならば彼にとっては全く問題にならないが、流石に周囲の目が集まっていくことはリサにとっても間違いなく良いことではないと考えたユウは―――

 

 

 

「…抑えるか」

 

「いい加減に捕まれ…!!」

 

気が進まないが、リサをこれ以上暴れさせる訳にもいかないためとりあえず動きを抑えることを決めると目の前ではユウ目掛けてリサの右腕が伸びていた。

 

 

 

 

「…失礼」

 

「なっ!?」

 

すぐにユウは前のめりになっていたリサに声をかけると同時に伸ばされた彼女の右腕を掴むと身体の内側に少しだけ強めに引く。

前のめりと言う不安定な体勢から予想外の力が加わったことでリサの身体は見事に180度身体が回転してそのままバランスを崩してそのまま尻もちをつきそうになるが――――

 

 

「きゃ!!あれ…?」

 

「ごめんなさい。大丈夫ですか?とりあえず落ち着いてください」

 

「えっ…?えぇ!?」

 

ユウは尻もちをつきそうになったリサをすぐに抱きかかえると心配して声をかけていた。

この状況を前にしてリサは自身のイメージとは完全にかけ離れた紳士的な言葉かけに軽くパニックになっていたのだがとりあえずは動きが止まり事体は収まった。

 

そう思っていたのだが――――――

 

「湊さんだけでは飽き足らず今井さんまで…!?」

 

「あれ…?紗夜さん……?」

 

「しかも公衆の面前で…」

 

「ちょっと待って…?これ…もしかしなくても……」

 

「破廉恥です!!不潔です!!最低です!!」

 

「どこをどう見たらそうなる!?」

 

リサを抱えたユウの姿を見てそれを静観していた紗夜がプルプルと震えだしていた。

その姿にユウは嫌なものを感じてしまったが声をかけずにはいられず、思わず声をかけたが

彼の言葉は彼女の耳には入っていないようで最悪の状況が頭をよぎるが、それは当たってしまった。

思わずツッコんだユウだったが、自身の言葉と共に我に返っていた。

 

 

「あー…地面に転ばないよう抱きかかえてるからかぁ……」

 

「今井さんに手は出させません!!」

 

「うおっ!?待て待て!!」

 

「問答無用!!」

 

あろうことか今度は紗夜がユウに対して学校の教材が入ったカバンを振りかぶっていた

その動きはリサよりも格段に鋭かったが、ユウはリサを抱えた状態のままそれを避けていた。のだが、紗夜は避けたユウに対して再びカバンを振り抜いたが、ユウはそれをかろうじて躱すと思わず声を挙げていた。

 

「紗夜さん!!リサ………さんに当たったらどうするんですか!!」

 

「なら避けなければいいじゃない!!」

 

「無茶苦茶だ!?こうなったら一旦逃げるしかない…!!」

 

紗夜の無茶苦茶すぎる暴論にユウは逃げることを決めると転ばないように抱きかかえていたリサを放そうとしたが、彼女はユウから離れることはなかった。

 

「話を聞かせて!!」

 

「それはいいけど、紗夜さんがヤバい!!」

 

「もう今井さんを篭絡して…!!まさか催眠術や洗脳の類のモノを…!!」

 

「話すにしても…!!とりあえず一緒に逃げますよ!!」

 

「えっ!?」

 

リサは絶好のタイミングだと思ってユウの首に腕を回して逃げないようにしていたのだが、状況的にはそれは最悪で自分は下手な避け方をすれば紗夜の攻撃がリサに当たってしまうと判断したユウは即座にリサを連れての逃亡に思考を切り替えて動き出していた。

 

「もう一度失礼しますね!!」

 

「きゃ!?」

 

「なっ!?」

 

「えっ!?…お姫様だっこ…///」

 

「逃がしませんよ!!」

 

ユウはリサの背中と足に腕を通して抱きかかえるとそのまま紗夜からそれなりの速度で走って逃走を始めたが、紗夜はユウのその行動を見て即座にその背中を追いかけていた。

街中で女性一人を抱えて別の女性と追いかけっこと言うトンデモナイ状況が幕を開けてしまった。

 

「紗夜さん、意外と足速いな…!!」

 

「ちょっと恥ずかしいから下ろして!!」

 

「それをしたら紗夜さんは間違いなく俺をボコボコにしそうなんで却下!!」

 

逃げるユウの腕の中でリサは下ろすように喚くが、彼はその要望を即座に却下して紗夜からの逃走を続けていた。

戦い慣れている彼としては紗夜に殴られる程度ではそこまでダメージは無いのだが、それでも殴られるのは嫌だと言ってそのまま逃げ続ける。

 

 

「全力で逃げても良いけど、流石に説明が面倒―――あそこは工事現場…休工中!!よし!!捕まってて!!」

 

「…!!逃がしません!!」

 

ユウとしては全力で走っても良いが、それは色々とリサに説明するのも面倒だと考えていたが、そのタイミングでユウは作業が止まっている工事現場を見つけると即座にそこへと飛び込むと、その後を紗夜が追いかけて中に入ったのだが

 

「きゃああああ!!」

 

「えっ…!?」

 

紗夜がそこで見たのはユウに全力でしがみ付くリサと、背中に回していた腕だけを使って軽やかに足場を駆けあがっていくユウの姿。

そして―――

 

「ほいよっと!!」

 

「きゃああああああああ!!」

 

 

 

 

「なぁあああ!?」

 

ある程度の高さまで登ったユウは平然とした表情で足場から跳び、そのまま工事現場を囲っていた仮囲いを飛び越えて建物の僅かな隙間へと飛び降りていく。

その完全に人間離れした動きに紗夜は唖然とした表情を浮かべたままその場に立ち尽くしてしまうのだった。

 

 

 

 

「ライブハウス"dub"…?まぁ、ここでいいか…」

 

「はぁ~…何あれ……」

 

一方、紗夜を振り切ったユウは少しだけその場から離れた場所にあった場所に辿り着くと、その場でリサを下ろしたが、余りにも常識外れの動きを体験したリサは完全にへばってしまっていたが、ユウはそれを無視してそのまま彼女が知りたがっていたであろうことを伝えることにした。

 

 

「えっと、気になってることを言いますけど。俺は湊友希那さんとは知り合いですけど、特に男女間のあれこれと言ったものは一切ありません」

 

「えっ…でも、友希那は変だったし…」

 

「いつものことでは?」

 

「あれ…?でも、友希那ってどこか抜けてるって言うか周りと違う空気あるし…そうかも…?でも違うような…あれ?」

 

ユウの説明に納得いかないと言った表情を浮かべていたが、ユウの反論を聞くとその言葉が間違っていない様に聞こえてしまったリサは思わず頭を抱えてしまった。

 

最近の友希那はどこか変だったと思っていたが、言われてみれば元から普通の女子とは違った部分が多かった。

それを口にされたことでリサは完全に自分の考えに自信が無くなっていくが、それでも別の気になることはあった。

 

「じゃあ、燈のバンドの子にパパって呼ばれてたのは何?」

 

「……人違いでは?そもそも俺が子持ちに見えますか?」

 

「……そう言ういかがわしいことを……」

 

「クッソ失礼だな…」

 

次にツッコんだのはそよがユウのことを”パパ”と呼んでいたことについて。

 

説明するのは簡単だが、そよ自身にも周囲にもその記憶が一切残っていない事を説明してもそれを正しいと証明することは出来なくて、子持ちに見えないと見た目をユウがアピールしたものの、リサはとんでもない反論をぶつけてきたことにユウの口からは思わず悪態が零れてしまった。

だが、誰も憶えていない以上は本当を説明も無駄になると諦めたのだが―――

 

 

 

 

 

「あっ!!リサちーにゆーくん!!やっほー!!」

 

「あれ?リサさんに中島さん……?こんな所で何してるんですか?」

 

「えっ…?和奏さんに氷川…?どういう事……?」

 

このタイミングでレイヤと日菜が2人の前に現れてユウの名前を呼んでいた。

その事でユウの頭は今の状況が完全に理解できずに言葉を漏らしてしまうのだった。

 

 





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