忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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お気に入りが増えていくので頑張ってテンション上げて投稿です。




13話-アイ・ウォント・ユウ(you)

四ツ葉女子大学―――

そこでは友希那が同じバンドの燐子と共の授業を終えていた。

 

「あの…友希那さん…お疲れ様です」

 

「えぇ……。それにしても何で音楽科の授業に英語なんてあるのかしら…」

 

「えっと…あの…」

 

「燐子?」

 

友希那は必修科目が音楽に関係が無いと愚痴るが、燐子は何故か友希那の事を見てオロオロとし始めていく。

そんな彼女の事が気になった友希那だったが、意を決して燐子は2人きりになっていた教室内で思っていたことを口にしていた。

 

「その…友希那さんに聞きたいことが…ありまして…」

 

「聞きたいこと?」

 

「えっと…その…先日、ショッピングモールで…その…男性の方とデートをしていたと聞いたのですが…?」

 

燐子が気になっていたのは先日、友希那がユウとショッピングモールでのデートについて。

彼女なりの勇気を持って真実を確かめようと友希那に真相を聞こうとしたが――――

 

 

 

 

 

 

「デート?何のことかしら?」

 

「えっ?」

 

「燐子?どうしてそんなことを聞くのかしら?」

 

友希那から返ってきた答えに燐子は思わず言葉を漏らしてしまった。

 

燐子は日菜からの写真と言う逃れられない物的証拠がある状況で友希那からそんな答えが返ってきた事が驚きだった。

最初は友希那が嘘をついて誤魔化そうとしているのだとも考えたが、嘘をついている様子は全く感じられない燐子は困惑していたところで友希那からの思わぬカウンターが飛び出した。ことで流れが一気に変わっていった。

 

「えっと…友希那さんが男性と写っている写真が日菜さんから送られてきたのですが…」

 

「日菜、勝手に写真を撮るって何を考えているのかしら…見せてちょうだい」

 

「はい…。始めて見る方でしたので…気になってしまって…」

 

日菜が写真を撮っていたということに友希那は呆れると燐子にその写真を見せるように要求すると、燐子は素直にその要求に従って写真を見せると、友希那は完全に呆れた様な表情を浮かべていた。

 

「ただ買物をしてるだけじゃない?」

 

「買物…ですか?」

 

「そうよ?ユウのスマホを買ったのよ」

 

「その…ユウさん?とはどういった…?」

 

「ユウは私の弟みたいなものよ」

 

友希那から出てきた思わぬ人間関係に燐子は混乱したが、何とか我に返ると燐子は更に友希那を問い質し始めていく。

 

 

 

「えっと…その…スマホ買った以外に何か……?」

 

「そうね。その後にフードコートで食事してから、彼の家に行って手作りの晩御飯を食べただけよ」

 

「えっ…?」

 

「燐子、何かおかしいかしら?」

 

「あの…男性と2人きりで買物して食事してから家で手作りの食事をするのは……その…世間ではデートと言われるんじゃ…?」

 

「デートじゃないわ」

 

「えっ…?」

 

「少なくとも弟との買物をデートとは言わないと思うわ」

 

「えっ…」

 

少なくとも燐子の中では男と2人で買い物に行くのはデートという認識を持っていた。

仮に百歩譲っても買い物だけならばデートではないというのは納得出来なくはないが、そこにフードコートでの食事に極めつけは男の家に行って手作りの食事を取ったという言葉。

 

それに以外にも、写真の相手は燐子の目には友希那よりも年上にしか見えないにもかかわらず友希那は弟分だからデートではないと言い、話を聞く限りでは完全に友希那と写真の男がしたそれはデート以外の何物でもないが友希那は当たり前とでも言わんばかりの様子で否定していく姿に燐子はますます混乱してしまった。

 

「燐子?どうかしたの?」

 

「えっ…あっ…ぁっ…その…」

 

「…?」

 

混乱していた燐子へと混乱の原因が声をかけてくるが、混乱していて上手く答えることが出来ずに答えになってない言葉を漏らす燐子を不思議そうに見つめていた友希那だったが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その直後に先ほどまでの混乱が他愛ないものに思えるほどの出来事に遭遇した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見つけた…」

 

突如として響いてきた謎の声。

友希那と燐子の2人はその声がした方へと視線を向けると――――

 

「っ…!?」

 

「ひっ…!!コウモリ…!!」

 

先日に友希那が見たのとは違うが、コウモリのような怪物が友希那を見据えていた。

怯える燐子の横で友希那は先日のユウの話を思い返して怪物の名前を思い出そうとしていた。

 

 

 

 

「確か…イソジン…だったかしら?」

 

「イマジン…!!バットイマジンだ…!!」

 

「ひっ…!!」

 

友希那は名前を思い出したも間違った名前を口にすると、即座にイマジン側から怒鳴り声でツッコまれて、その声に燐子は小さな悲鳴を上げると同時にイマジンが動き出して即座に友希那を捕まえていた。

 

「っ!!放しなさい!!」

 

「そんな訳ないだろ…!!契約の目的はお前だ…!!」

 

イマジンから抜け出そうとする友希那だったが、彼女の力でイマジンから抜け出せる訳もなく、友希那を掴めたイマジンは教室の窓をぶち破ってそのまま教室から飛び出してしまった。

 

 

 

 

「えっ…あっ…あっ…」

 

その中で1人だけ教室に残された燐子は目の前の状況について行けず、謎の声を挙げるとそのまま意識を手ばしてしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燐子が気絶した頃――――

友希那を捕まえたイマジンは地上から数十メートルの高さを飛んでいた。

 

「この…!!放しなさい!!」

 

「黙ってろ!!叩き落すぞ!!餌のクセに…!!」

 

「餌…?」

 

そして、バットイマジンに捕まった友希那は捕まった状態で彼女なりに抵抗するも、全く効果は見られなかったが、その中で”餌”なる単語を聞き取っていた。

 

餌と言われて思い浮かぶのは動物への食事だが、今回のその単語の意味はそうではない。

 

 

 

 

 

「誰かを誘ってる…?」

 

「ちっ…!!勘が良い女だ…!!」

 

「折角なら呼んであげるわ…」

 

友希那の考えが当たっていたらしく、それを聞いたイマジンは考えを見通されたことに苛立ちを隠すことなく言葉を返したが、今の友希那は自身を餌にして誰を誘っているのかは容易に想像がつき―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ!!」

 

イマジンに捕まってた友希那は今の自分が出せる最大の音量で、相手の目的の人物の名を呼んだ。

だが、その声量は至近距離にいたイマジンにもダメージが入っていた。

 

「うるさいんだよ…!!」

 

「あっ…」

 

その声量に耐えられなかったのかイマジンは友希那の事を手放すと、彼女の身体は地面に向かって真っ逆さまに落ちていく。

友希那の体感としては高さは50m程度、地面にぶつかるまでの時間はおよそ3秒程度のわずかな時間しかない彼女はそっと目を閉じたが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ…!!」

 

「大丈夫?」

 

「ユウ…!!」

 

その3秒よりも早く友希那の身体には衝撃が伝わり、その直後に聞こえてきた声に友希那は目を開いて相手の名を呼んだ。

 

「嫌な予感がしたからかっ飛ばしたけど…正解だった」

 

「バイク?運転席にあった…」

 

「そうだよ…それで、あれが今回の奴か…」

 

「来たか…!!なら…!!」

 

ユウは友希那を抱えた状態で器用にバイクを停めて上空にいるイマジンを視界に捉える。

だが、イマジン側もユウの存在を認識すると、イマジンは地上付近まで降りてきたが、すぐにユウに対して背を向けて一目散に飛んで逃げてしまった。

 

「逃げる…!?ゆきちゃん…悪いけど…」

 

「ユウ…」

 

「飛ばすから、これ被って後ろでしっかり捕まってて…!!」

 

「えぇ…」

 

友希那は抱えられた状態から地面に降りると、ユウから受け取ったヘルメットをかぶってからバイクの後ろの回ってユウの背中にしがみ付くと同時にユウはフルスロットルで飛んでいるイマジンを追いかけていく。

 

「それで、ゆきちゃんはなんで狙われたの?」

 

「違うわ。襲われたけど本当の狙いはユウよ」

 

「どういう事?」

 

「私の事を餌って言ってたのよ!!」

 

「なるほど…理由は分からんけど…。狙いはわかった!!それでアイツはどこ向かってると思う?」

 

友希那の言葉から相手の標的が自身だと分かったユウだったが、相手は逃げている先が全く見当もつかない。

藁にもすがる思いでユウは後ろの友希那に声をかけて相手の目的地を聞いてみたが、友希那はその方向に何があるかは知っていた。

 

 

 

 

 

「あの方向…慶鵬って大学の方よ!!」

 

「大学…?何がどうなってんのか分かんないけど、行くしかない…!!本当にしっかり捕まっててよ!!」

 

「えぇ…!!」

 

イマジンが飛んでる方向にあるのは付近にあって、友希那が通っていないもう一つ大学。

ユウは相手の目的が一切分からないが、現れたイマジンを倒すべく友希那に対する負担の一切を気にすることなく、生身の自分が制御出来る限界速度で目の前の相手を追い掛け回すのだった。

 





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