忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます
前話のともりんのメンタルぶっ壊れてない?
カッチカチやん……
これ、この子がいなかったら主人公か友希那がメンタルぶっ壊れてそう…
えっ?主人公はもう部壊れてる?
それはそう……
ってことで、今回は人がぶっ倒れたところから…最新話どうぞ



108-急転直下のFlow

 

「あれ………?あの人……」

 

「…っ!!大丈夫ですか!!女の子だけど、ちょっと体触りますよ」

 

ユウと燈が音が聞こえた駆けつけたその場所には人が1人倒れていた。

燈の方は倒れていた人物を見て驚きの表情を浮かべていた一方で、ユウは急いで倒れていた人物の元へと駆け寄っていくと、ユウは倒れていた人物に声をかけながら容易く仰向けへと体勢を入れ替えた。

 

「…それにしては目立った外傷はないな。頭も特に打ってなさそうだけど…。声も出してないって……もしかしてこっち関係か……?」

 

「おにーさん…?」

 

「デネブさんは周囲見てきて、匂いとかはしないけど、もしかしたらイマジンがいるかもしれないから」

 

「分かった!!」

 

仰向けに体勢を変えたユウはすぐに倒れていた人物の身体を確認し始めていくも目立った外傷はないのだが、全く声すら出さない彼女の姿にユウはイマジン関連の何かがあったのかとすら考え始めると、デネブを自身の身体の中から実体化してもらうとそのまま周囲にいるかもしれないイマジンを探してもらうことにしていた。

 

「ジャージってことは、運動中に転んだんだろうけど 一応確認しておくか……ん?筋肉痛とかでもなさそうだな……ちょっと脈拍計りますね」

 

デネブは周辺のイマジンを探すように言われると、ユウは抱えている子の服装から運動中だったことを考えて、一番怪しそうな必要な足周りを軽く確認するも何の異常も感じられない。

ユウはその状態を不思議に思いながらも倒れていた少女の事を確認するためにその腕をとって更に状況を確認し始めていくが―――

 

「おにーさん…大丈夫なんですか……?」

 

「うん。

少し脈が速いけど、運動してた直後を考えれば正常範囲内だし、体温も正常で異常な発汗も無いよ。

特に痛がる様子もないのが気になるけど…状況不明すぎるから緊急搬送したほうがいいな。あっ…スマホ持ってきてないや…燈ちゃん、悪いけどスマホを―――」

 

ユウが彼女を調べていると燈が心配そうな表情を向けてきたものの、ユウが軽く調べてみても特に問題らしい問題が見当たらず疑問が増すばかり。

 

原因が不明で倒れている状況を考えれば、本格的に救急搬送をすることを考え始めたのだが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぐぅ~~~~

 

 

 

 

 

「「へっ……?」」

 

この緊張した空気の中、突如として鳴り響いた音にユウ達は困惑してしまった。

その緊張感のない音はユウから出た音でもなければ、燈から出た音でもない。

 

そうなれば残された音の出所はただ一つ。

 

「まさか……」

 

「もしかして、倒れてた原因って……」

 

 

 

 

 

 

「お腹……空いた……」

 

「「……」」

 

この音の出所はユウが今抱えている人物―――より正確に言えば抱えていた彼女の腹。

そして、倒れていた彼女がここで初めてその重たい口を開いたが、出てきた言葉にユウと燈が絶句してしまった。

 

怪我や病気、イマジンの襲撃すら考えていたのだが、実際は単純にお腹が空いて倒れただけと言う何ともしょうもない理由。

それを聞いたユウは一気にバカらしくなってしまったユウは――――

 

「ていっ」

 

「ぁ~……」

 

 

 

「おにーさん!?なんで投げて…!?」

 

「紛らわしい…。心配して本当に損した」

 

抱えていた彼女を何のためらいもなく道の端っこへと投げ捨てた。

その行動に燈は驚いていたが、ユウとしては何ともバカバカしい理由で倒れた彼女に対してかなり冷たかった。

 

「そこまでしなくても……」

 

「今のこのやり取りだけで俺の中の好感度が楽譜回収しに行った時の氷川と同レベルまで下がった」

 

「そこまで……!?」

 

「よし、燈ちゃん。この変な人置いてどっか行こうか?ご飯でも食べに行く?」

 

あの比較的温厚なユウがこの一瞬で”一時期の日菜”と同じレベルまで好感度が下がったと口にしたことと、そんな彼女を放置してどこかに出かけようと誘い始めた事に燈は驚きを隠せなかった。

そんな燈の様子を無視してユウは自身で投げ捨てた少女の存在を完全に無視を決め込んで、この現実から目を逸らそうと燈とどこかに出かけようと提案し始めるが、そんな様子のユウを見た燈はオロオロとし始めてしまう。

 

 

 

 

 

「ごはん………」

 

「おにーさん…唸ってますけど……」

 

「どうかしたの?どこか行きたいとこあるの?」

 

そんな状況で倒れた少女は呻くような声で食事を要求し始めると、燈はユウに視線を向けるが完全に少女の存在を完全に無視して完全に話をしないようにしていたが、この行動には流石に燈もツッコまざるを得なかった。

 

 

 

「おにーさん?無視したら可哀そうじゃ…」

 

「燈ちゃん?この人がお腹が空いて倒れるのは完全に自業自得だよ」

 

「えっ……?でも……」

 

無視は可哀そうだと当たり前の常識をぶつけるも、ユウはそれを自業自得と言って完全に切り捨てた。

その言葉を聞いた燈は普段は温厚なユウがそこまで冷たくしていたことに驚いた表情を浮かべていると、ユウはそんな燈の表情を見て淡々とその理由を話し始めていた。

 

「身体や服の状態を見れば体験談として分かるけど、虐待とか貧乏とか戦争中でご飯を食べれない。なんて環境じゃないでしょ?」

 

「それは……えっと…朝ご飯を食べる前に走ってた……とか………?」

 

「燈ちゃん?それだと完全に自業自得だからね?余計に助ける気にならないよ…?」

 

 

 

「食べ…忘れた………」

 

 

 

 

「燈ちゃん?」

 

「……ごめんなさい」

 

「うん。燈ちゃんは全く悪くないからね?」

 

ユウは倒れている人の身なりや触診で体に触れた状態から食事がとれないような環境にいないことは分かっていた。

そんな人物が空腹で倒れるなど、今までのユウがしてきた人生経験からしたら完全な自業自得以外の何物でもないと助けない理由を語ったが、何とか燈が彼女を擁護しようとした。

しかし、その擁護は擁護になっておらず、その上そのもしかしての状況を言い当ててしまったことで燈は完全に倒れている少女を擁護することが出来ずにユウに謝罪してしまった。

 

そんな燈をユウが宥めていると、彼の頭の中には似たような事をしそうな人物の姿が過ってしまった。

 

 

 

 

 

「全く、和奏さんでももっとマトモだよ……」

 

 

 

 

「レイ…?なんで…?」

 

 

 

 

「和奏さんの名前に反応した…?もしかして…燈ちゃんの知り合い?」

 

「えっと…香澄さんのバンドでギターやってる…確か…花園たえ……さん?……」

 

「戸山さんの……?」

 

ユウは思わず家政夫をしていた時に見たレイヤの事と比較してしまったが、彼がレイヤの名前を出すとその言葉に反応したことで、彼女もまたバンド関連の人間だと察して燈のこの倒れている人物の事を聞くと、ちゃんと名前が返ってきた。

 

倒れていた人物の名前は花園たえ。

レイヤの幼馴染であり、香澄のバンドのギター。

 

そんな人物が空腹で倒れているという状況に首を傾げたくなるが、燈は不安そうな表情を浮かべてながら彼の顔を覗き込んでいた。

 

「おにーさん…その……」

 

「はぁ…燈ちゃんの知り合いなら仕方ない……。戸山さんのバンドだと沙綾ちゃんも一緒だったな…沙綾ちゃんのパン屋にでも捨てておくか……」

 

「捨てるって…」

 

ユウは燈が何を言うかを察していた。

間違いなくこの倒れている彼女を助けるように燈は言うだろうと考えたユウはその意思を尊重して倒れていた彼女を運ぼうとする。

しかし、先ほど抱えていたのとは打って変わって、ユウはたえの首根っこを掴んでそのまま引き摺るような状態になっていた。

 

「あの……流石にこれは……」

 

「燈ちゃん、バカやって空腹で倒れたバカに優しくする必要なんて無いよ」

 

 

 

 

「バカって2回も言った……」

 

ぐぅ~~~~~~~~―――

 

 

「黙ってろ腹ペコバカ…。燈ちゃん行こっか…」

 

「はい……」

 

ユウはたえの事をバカとハッキリと言いきると、そのまま腹の虫が鳴るのをBGMにしながら彼女を引き摺って燈と並んで、たえと同じバンドのメンバーである沙綾の実家であるやまぶきベーカリーへと向かっていくのだった。

 

 




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