忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
ガルパでリサ姉が引けねぇ…!!
あの特訓前のエプロン付けたリサ姉が欲しすぎるが……ぐぬぬ……!!
欲しいけど、年末年始が怖くて石を買うか悩ましい…!!
現実逃避しつつ投稿です


110-そくおちスイッチ

山吹沙綾は恋愛の経験がない。沙綾は、女子高生である。

 

実家のパン屋を手伝い、バイトとバンドで暮らしてきた。

けれども恋愛に対しては人並みの興味はあった。

 

そんなある日――――――

 

 

 

 

 

 

「あっ…あの…!!」

 

「はい?」

 

「えっと…この店から出てきたみたいだけど、この店ってもう開いてるの?」

 

実家のパン屋を出て学校へ向かおうとした彼女はユウと出会った。

 

「もしも―――『ユウ!!あなた、なんで昨日の夜の電話に出ないのよ!!』ちょっと!!いきなり叫ばないでよ…ゆきちゃん」

 

「えっ…」

 

そんなユウが沙綾の目の前で友希那と電話をしていたことに驚いて固まってしまってしまう場面もあったが――――

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?なんか顔も赤いけど…体調悪い?」

 

そんな状況でユウは沙綾の顔を覗き込むようにしながら心配するように言葉をかけられた。

 

ユウが沙綾にしたのはただそれだけだったのだが、バイトや実家の手伝いで男性と接する機会が多少はあったが男性との経験はそれだけ。

そんな恋愛経験が皆無の沙綾にとってはそれが劇薬だった。

 

 

「えっと…!!その…!!大丈夫です!!」

 

超至近距離から放たれるユウのイケメンビームによって沙綾は即座にK.O.されてしまい、その顔が真っ赤に染めながら声を上ずらせてしまった。

 

恥ずかしさやら何やらが入り混じってテンパってしまった彼女はユウと友希那が幼馴染という事しか分かなかったのだが、それからもRiNGのカフェテリアなどでユウと顔を会わせていく。

 

気が付けば燈と仲良くなっていたり、周囲から好かれるような状況にモヤモヤしたこともあったが、会うたびに料理に勉学に加えて手先の器用さや運動に至るまでなんでも高水準でこなしてくハイスペックな面を見せられ、沙綾もそんなユウの姿に魅せられていた。

 

そして、午後から蔵でのバンド練習をする前に実家の手伝いとして店の前を掃除しようとした沙綾の目の前にユウが燈と並んで現れたのだが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この人とお外でお医者さんごっこした……」

 

 

荷物の様に引き摺られていたたえが意味不明なことを口走った。

 

 

たえとユウが野外でお医者さんごっこをした。

 

沙綾からしたら何とも羨ま……怪しからん状況を聞かされた沙綾の頭の中では色んな破廉恥な情景が思い起こされていく。

 

思い浮かべた時間はほんの一瞬だが、沙綾の頭の中では夥しいほどの妄想が駆け巡り――――――

 

 

 

「あ゛ぁ゛?」

 

――――沙綾は激怒した。

 

 


 

 

 

 

「あ゛ぁ゛?」

 

「ひっ…!?」

 

「沙綾ちゃん…?」

 

沙綾からは想像も出来ないようなドスの効いた声に思わず燈が小さな悲鳴を挙げてユウの後ろへと隠れ、ユウもその思わぬ豹変ぶりに困惑し始めていると、たえを睨みつけていた沙綾の目がジョジョにしてゴミを見る様な視線へと変わっていく中でたえが言っていた言葉の意味を追求し始めていた。

 

「で……?なんなんですか?そのお医者さんごっこって?」

 

 

 

「いきなり足とか腕とかいろいろ触られた……」

 

「はっ…?」

 

「ちょっと言い方ぁ!?」

 

「はっ…?」

 

身体を触られた。と言うたえの供述を聞いた沙綾は声を零さずにはいられなかった。

傍から聞いたらユウがたえの身体をいきなり触ってハラスメントをしているように聞こえない。

しかも、ユウの反応を見る限りではその言葉に心当たりがあるように見えたことで沙綾はたえに向けていたその視線をユウに向け始める。

 

「ちょっと待って!!俺は燈ちゃんと一緒にいた時に倒れた音が聞こえたから―――」

 

「それで倒れてたおたえにエッチなことを…?」

 

「する訳ないでしょ!!」

 

「なら何をしてたんですか…?」

 

「倒れたまま動かなかったから脈拍計ったり、足のケガを確認しただけ!!ね?燈ちゃん!!」

 

 

「えっと…多分そうです……その…難しく分かんなかったですけど…」

 

「はぁ…?意味わかんないんだけど……?」

 

「ひっ……!!」

 

ユウが経緯を説明してから一緒にいた燈に同意を求めるが、燈は応急処置などの知識はなく曖昧な答えを返す。

話を聞いた沙綾からすれば、ユウがやった行動についても意味が分からないが、それ以上にケガも何もないたえが倒れたという事が全く理解できずに燈を睨むと、睨まれてしまい小さく悲鳴を零してユウの後ろに隠れてしまう。

 

完全に説明に困ってしまったユウだったが――――――――

 

 

 

 

 

 

 

ぐぅ~~~~

 

 

 

 

「へっ……?おたえ…?」

 

このどうしようもない空気の中でたえの腹から鳴り響いた。

普通ならばあり得ないが彼女ならばあり得るのでは無いか?という疑念が生まれ、それで沙綾は一気に我に返ってたえに視線を向けると――――――

 

 

「お腹……空いた……」

 

「はっ……?」

 

「パン…ちょうだい……」

 

「………」

 

たえは沙綾に空腹を訴えてパンを要求し始めた。

その光景に沙綾は絶句したが、彼女は必至に頭を働かせて今の状況を理解しようし始め、ある程度理解した沙綾は………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おたえはその辺の草でも食べてれば?」

 

「えっ……」

 

 

 

「うわっ…ゲートだったらファントム生まれそうなくらい絶望してる……」

 

「ふぁん…?おにーさんがまた分かんないこと言ってる……」

 

再びゴミを見る様な視線をたえに向けながら彼女からは想像も出来ないほどの厳しい言葉をたえに言い放つと、完全に想定外だったのかたえの表情は一瞬で絶望に染まっていく。

 

その光景を見たユウは昔あったことを思い出してしまったが、その言葉の意味がまるで分からない燈は沙綾の圧に怯えながらプルプルと震えながらしがみ付いていたユウの顔を見上げていたが、彼女の目の前で絶望に染まった表情のたえに妙に同情してしまった。

 

「あの……流石に厳しいんじゃ……」

 

 

「燈ちゃん?馬鹿を治す薬はないよ?人騒がせなバカは憶えるためにもちゃんと痛い目見ないと……」

 

「ユウさんの言う通りだよ。いくら同じバンドの仲間だからって甘やかす理由にはならないからね」

 

「えっ……あっ……はい………」

 

たえを擁護しようとした燈だったが、ユウと沙綾の意見を聞いてそれ以上の反論が出来ずに沈黙する、そんな何とも言えない状況になってしまったが沙綾が一気に話を進めていく。

 

「そうだ!!ユウさん、この後予定ありますか?」

 

「えっ?燈ちゃんの宿題とか見る約束もあるくらいだけど……どうしたの?」

 

「午後からやる私達のバンド練習、見に来ませんか?」

 

「いや、他の人もいるよね?勝手に誘ったら不味いでしょ?それにバンド以外の人がスタジオに入っていいのか分かんないし…」

 

沙綾はバンドの練習の見学にユウを誘ったのだが、ユウはそれを至極真っ当な理由で断った。

だが、今の沙綾はその程度で退くようなメンタルは持ち合わせていなかった。

 

「私達の練習場所は有咲の家なので!!」

 

「待って?人の家に勝手に誘うのは不味いよね?」

 

「大丈夫です!!香澄も勝手にロックとかましろを連れ込んでるので!!」

 

「何やってんだ……」

 

彼女達のバンドの練習場所は有咲の蔵。

人様の家に勝手に誘う時点でかなり問題行動なのだが、前例がある以上は誘う分には何ら問題ないと言ってゴリ押しを始める沙綾は胸を張った姿にユウは呆れ始めてしまったが、そこに沙綾は更に攻め立てた。

 

「だったら、私達の勉強も見てくださいよ!!受験生なので!!」

 

「う~ん……燈ちゃん、どうしよっか……?」

 

「えっと……私は大丈夫です……」

 

「なら、お邪魔しようかな?」

 

受験生の勉強を見てほしいと言われたユウは燈に相談し、彼女もそれを了承したことでその誘いを受けることを告げると、沙綾はそれを聞いて先ほどの怒りが嘘の様な満面の笑みをユウに向けた。

 

「分かりました!!後1人2人なら連れてきても大丈夫ですから!!」

 

「それだったら、燈ちゃんの宿題取って来たらまたここに来ればいいかな?」

 

「はい!!練習は13時からでここから30分もかからないくらいなので!!」

 

「分かった。…クッキーくらい焼いていくね?」

 

「ありがとうございます!!あっ、おたえは店の脇にでも捨てておいていいので!!また後で!!」

 

沙綾達のバンド練習を見学することになったユウは、言われた通りにたえを店の脇に捨てると燈と2人で店の前から離れていく。

 

それを見送った沙綾はたえの存在を無視するように彼女は店の前を掃除を済ませると、彼女を置いて店の中へと戻っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ……お腹空いて動けない………」

 

その一方でユウに捨てられてしまったたえ。

彼女は空腹で完全に動けなくなってしまったのだが、そこに追い打ちをかけるように商店街の至る所から漂ってくる食べ物の匂いに襲われて絶望していた。

 

「あっ!!おたえだ!!何やってるの?」

 

「はっ……はぐみ……お腹空いた……」

 

「えぇ~!?じゃあ、これ上げる!!うちで期間限定で売る予定のメンチカツだよ!!」

 

そんなタイミングで商店街で暮らすはぐみがたえを見つけると、その空腹を訴えた姿を見て自身が持っていたメンチカツを差し出すとたえはそれを一瞬で食べ終えてしまった。

 

「おっ……おいしい……!!」

 

「良かった~!!まだあるから食べていいよ~!!」

 

メンチカツのおいしさに感動していたたえ。

それを見たはぐみはまだ持っていたメンチカツの残りを差し出すと、それを見たたえはそのメンチカツを受け取ると貪るように食べ始める。

 

「おいしい………!!」

 

「良かった~!!それにしてもおたえは好きだもんね!!」

 

「うん!!お肉は好きだよ!!……ごちそうさま!!」

 

「美味しそうに食べてたね~!!」

 

「そう言えば、はぐみのうちでメンチカツはもう売ってたよね?何が違うの?」

 

一心不乱にメンチカツを食べていたたえは最後の1つを食べ終えると、嬉しそうな表情をはぐみに向けたたえ。

はぐみもたえにニコニコとした笑みを浮かべていたのだが、はぐみの実家の肉屋では既にメンチカツは売られている。

それなのにどうしてメンチカツが期間限定なのか分からずに思わずたえは疑問をすんなりと口にしたが―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「このお肉はウサギさんのお肉だよ~。おたえの好きなウサギとお肉の組み合わせだね!!」

 

「………えっ」

 

純粋な笑みを浮かべて肉の正体を告げたはぐみ。

たえはその言葉を聞いた途端に目の前が真っ暗になってしまったのだった。




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