忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
4月4日…こうなりゃ4:44に投稿するっきゃねぇ!!
って投稿準備してたら…あれ?評価のゲージが赤くなってる…!?
どういう事だってばよ…
と言うことで投稿です


14話-天才シスター/Disaster

慶鵬女子大学――――

そこに設置されている学食でその大学に通うガールズバンドの面々が集まって少し遅めの昼食を取り始めていた。

 

 

 

 

「日菜?どうかしたの?」

 

「おねーちゃん~、友希那ちゃんのデートの相手が気になるんだよね~」

 

「日菜?昨日言ったことをもう忘れたのかしら?」

 

「そうだよ……昨日千聖ちゃんと紗夜ちゃんに怒られたばっかりだよね…?」

 

「気になりますが、勝手に詮索するのもどうかと…」

 

昼食の話題に上がったのは友希那とユウの関係についてだったが、日菜が迷惑をかけたことを知っている3人は彼女に対して否定的な意見を挙げるも―――

 

「えぇ~…だって、昨日跡をつけてたのに逃げられちゃったんだよ~!!気になるよ!!それに一番迷惑かけてたのはリサちーだから」

 

「あはは……リサちゃんも凄かったもんね…」

 

 

「ほら!!花音ちゃんもこう言ってるし!!私、悪く無くない?」

 

本人としてはそれを気にしてはいなかった。

日菜は自分の事を棚に上げて暴走していたリサに責任を擦り付けようとしていたが、花音はリサの姿を思い出して苦笑いを浮かべながら、リサが迷惑をかけていたことに同意すると日菜はニコニコと笑みを浮かべていた。

 

「日菜、気になる気持ちも分かるし、今井さんがおかしな行動で迷惑をかけたのも事実だけれど、あなたが迷惑をかけていい事にはならないわよ」

 

「おねーちゃん、ひどーい」

 

「でも、友希那ちゃんとデートしてた人についてはもうすぐに分かるもんね~!!」

 

「日菜さん?それはどういう…」

 

「とりあえずポテト食べよ~っと!!」

 

が、すぐに姉である紗夜がバッサリを日菜の意見を切り捨てると、日菜は少しだけつまらなそうな表情を浮かべたがすぐにニコニコした笑みを作って意味深な言葉を口にする。

その言葉の意味について麻弥が聞こうとしたが、日菜はマイペースに昼食代わりのフライドポテトに手を伸ばそうとしたが―――――

 

 

 

 

「あれ?なにこれ?」

 

「腕の袖から何か出てきたよ?」

 

突如として日菜の服の袖口から何かが溢れ出してきた。

日菜は突然のことに驚いていたが、すぐに自身の身体から溢れてきたそれを指で触って確かめ始めていた。

 

「何これ…?砂…?」

 

「砂…?日菜、そんなものをどこでつけてきたのよ?」

 

「しらなーい」

 

彼女の指についたのは砂。

だが、日菜自身もそれがどこで付いたのか全く分からずに首を傾げるが、日菜の異変はそれだけではなかった。

 

「ふえぇ~…!?日菜ちゃん、足元~!!」

 

「足元…?」

 

「うわっ!?日菜さん!?足元どころか椅子も砂まみれじゃないですか!!」

 

「あなた、砂場にでもいったの?」

 

「行ってないよ~!!」

 

日菜は腕だけではなく身体中から砂が溢れ出して周囲に散乱していた状況に彼女達は驚いていたが、そんな出来事を一気に吹き飛ばすような状況が彼女達の元へと迫って来ていた。

 

 

 

 

 

 

 


 

一方その頃――――

バイクに跨ったユウは空を飛ぶバットイマジンと激しいチェイスを繰り広げていた。

 

「ユウ、この場所は紗夜達が通っている大学よ!!」

 

「契約者が大学にいるってこと…?でも、アイツがどこかで暴れる前に…!!」

 

イマジンが逃げる方向にあるのは間違いなく、紗夜達が通う慶鵬女子大学。

友希那はそれをユウに伝えるがユウは場所よりもイマジンを止めることに意識を傾けてスロットルを全開にしてイマジンとの距離を一気に詰めにかかる。

が、イマジンは先に大学の敷地内へと飛び込んでいくと、ユウもその後に続いて大学の敷地内へとバイクのまま飛び込んでいくが―――

 

「喰らえ…!!」

 

「捕まって!!」

 

イマジンはユウが大学に入ったのと同時に彼目掛けて衝撃波を放って攻撃し始めたが、ユウはバイクのハンドルを強引に操作して射線上から退避すると、彼がいた場所から小さな爆発が起こる。

 

 

「くぅ…!!」

 

「ゆきちゃん…面倒な…!!」

 

「まだだ…!!」

 

「くそっ!!ゆきちゃん、もうちょっと頑張って!!」

 

なんとか攻撃を回避したユウだったが、彼の後ろにしがみ付いていた友希那からの苦しそうな声をもらす。

だが、攻撃が飛んでくるこの状況で下手にバイクから降ろすことも出来ないとユウは悪態を付くもイマジンは更に衝撃波での攻撃を続けていくと、ユウは友希那に声をかけて強引にバイクを振り回して攻撃を避けながらバイクを停止させると、今度は避けた地面ではなくその背後にあった校舎から爆発が起こっていた。

 

「下手に良ければ建物に当たる…!!」

 

「避ければ大勢が傷つくぞ!!」

 

「こいつ…!!狙ってやがる…!!」

 

校舎の壁が爆発したのを見たユウはイマジンの攻撃を後ろにいる友希那も巻き込んで受けるか、避けて周囲に被害を出すかの選択を迫られてしまうが、イマジンは更にユウに追い打ちをかけていく。

 

「なら、いいことを教えてやる…はぁ!!」

 

「どこ狙って…!!」

 

突如としてイマジンは校舎の一角を衝撃波で破壊した。

その行動の意味が最初は分からなかったユウだったが、壊れた校舎の中からは予想もしなかった光景が広がっていた。

 

「あれは…!!」

 

「山吹さんに、高松さん…!?何でここに…」

 

「下手に動けば餌として用意したアイツらがどうなっても知らんぞ…!!」

 

崩れた校舎の一角には本来いるはずのない沙綾と燈が倒れこんでいる光景が飛び込んできた。

あの2人を連れ込んだのは間違いなく目の前にいるイマジンで、完全な人質にされたことでユウは完全に選択肢を失ってしまった。

 

「くっ…!!」

 

「死ね…!!」

 

微かに出来たユウの隙、そこを付いたイマジンはユウ目掛けて衝撃波を放っていた。

そして、それを避けることが出来ないと判断したユウはバイクの後ろにいる友希那を守るべく、イマジンから隠すように車体の向きを変えると同時に彼の周囲が爆発した。

 

その光景を見たイマジンは生身ではタダでは済まない攻撃を当てたと思い、勝利を確信した。

 

「やったか…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やってねぇよ…」

 

「なっ…!?」

 

が、その確信はすぐに裏切られて攻撃を受けた爆発の中から攻撃を受けたユウの声が聞こえてきたことに驚いたがその爆発の中からバイクが飛び出してイマジンに体当りを見舞っていた。

 

突然の攻撃にイマジン側が驚いて自身を吹き飛ばしたバイクに視線を送ると、そこにはユウの姿は無かった。

 

 

 

 

「ギリギリ間に合った…」

 

「その姿…ゼロノスか…!!」

 

ユウは衝撃波が当たる直前に変身して、身体で衝撃波を受け止めて後ろにいる友希那の事を守っていた。

 

そして、変身したゼロノスは自身にしがみ付いた友希那を抱えてバイクから飛ぶと、彼女を抱えたままイマジンへと飛び蹴りを食らわせた。

 

「ぐっ…」

 

「ゆきちゃん、大丈夫?」

 

「えぇ…」

 

「早く終わらせるから…」

 

飛び蹴りを食わらせたゼロノスは抱えていた友希那をその場に下ろすと、そのままイマジンの方へと全速力で駆け出していた。

 

「らぁ!!」

 

「がぁっ!?」

 

「うおぉ…!!だらぁぁぁ!!」

 

「ぐあっ!!」

 

「これも食らっとけ…!!」

 

「がっ!?」

 

駆け出したゼロノスはイマジンの腹部へ向けて真正面からタックルを見舞い、そのまま一気に力任せに押してそのまま建物の壁へと叩きつけてから、両手を組んでハンマーの要領で敵の頭部を殴りつけるとそのまま一度距離を取り直していた。

 

 

「これで一気に決めようか…!!」

 

そう呟きながらゼロノスは腰のゼロガッシャーに手を伸ばそうとしたその瞬間――――――

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとなんの騒ぎ…って、何ですかこれは!?」

 

「ふえぇえええ!?」

 

「…撮影でしょうか?って湊さん!?それにあっちには山吹さんと…高松さん!?どうしてここに!?」

 

 

 

 

 

 

 

「は…?」

 

「今だ…!!」

 

「しまっ!?」

 

最悪のタイミングで紗夜達がこの場所にやって来てしまった。

彼女達は目の前の状況や本来いるはずのない友希那や倒れている沙綾達の存在に驚いていたが、その瞬間にイマジンはやってきた紗夜達へと一気に距離を詰めるが――――

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?止まった!?」

 

 

 

 

 

「あの緑色のが、目的の人物だ…」

 

「えっ!?あの緑のがそうなの!?」

 

「日菜…?どういうこと…?」

 

そして、イマジンは紗夜達に攻撃することなく彼女達の目の前で停止するとその中にいた日菜に顔を向けて語り始めた姿に皆が困惑し始めたが、日菜だけは皆と違ってイマジンの言葉に驚いた表情を浮かべると、ニヤニヤしながら日菜はゼロノスを指差していた。

 

「あの緑色のが友希那ちゃんのデートの相手だよ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「はっ…?」」」」」

 

日菜の突然の言葉にこの場にいた全員が日菜の思考を理解することが出来ずに思わず声を挙げてしまっていたが、その僅かな時間が完全に命とりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「契約成立だ…」

 

「しまった…!!」

 

 

「うわぁぁああ!?日菜さんの中に入って行っちゃいましたよ!?」

 

「どうなってるのぉ~!?」

 

「日菜!!どういう事なの!!」

 

「友希那ちゃんのデートしてた相手を連れてきてってお願いしたんだ~」

 

契約を完了したイマジンは日菜を通して過去に移動してしまった。

余りの事態に困惑する麻弥と花音を他所に、紗夜は日菜に詰め寄っていくも当の本人である日菜はニコニコとした表情を浮かべながら答えるとゼロノスを一瞥し―――

 

 

 

 

 

 

「昨日は普通の格好だったから…特撮撮影のスーツだね!!雰囲気しか分かんなかったから…とりあえず脱がして顔をちゃんと見なきゃ!!」

 

 

「「「「は…?」」」」

 

「日菜!!」

 

「ちっ…!!」

 

何を思ったのか日菜はゼロノスの姿を特撮のスーツだと判断し、それを脱がせようとゼロノスに飛び掛かっていた。

友希那や紗夜達は突然の行動に固まっていたが、ゼロノスはすぐに我に返ると即座に飛び掛かった日菜を躱していた。

 

「避けた…!?」

 

「何考えて…!!」

 

「君の顔を暴くためだよ!!その方がるんっってするし!!」

 

「意味が分からない…!!」

 

「もう!!避けないでよ!!」

 

日菜の思考が全く理解できないゼロノス。

だが、そんな彼に構うことなく日菜は自身の欲望に従って再びゼロノスに迫っていくが、その全てはゼロノスは容易く躱す。

 

何度も飛び掛かる日菜を躱すゼロノス。

日菜としては正体を暴くこと以外に興味がないが、この時間を惜しいゼロノスは―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減にしろ…!!」

 

「う”っ…!?」

 

「日菜…!!」

 

ゼロノスは飛び掛かった日菜の横をすり抜けると、彼女の腹に拳を撃ちこんだ。

 

最大で5t近い威力が出るゼロノスの拳。

それをかなり加減して放ったが、それでもプロボクサー顔負けの衝撃が日菜の腹を突き抜けていき、流石の日菜もその衝撃に耐えきれずにその場に蹲るとそのまま意識を失った。

 

そんな妹の姿を見た紗夜はすぐに心配して駆け寄っていくと、怒りの籠った目でゼロノスを睨みつけていた。

 

「あなた何を考えて…!!」

 

「この状況でよくそんなことが言えるな…!!」

 

「何をっ!!日菜に手をあげる理由があるとでも!!」

 

「周りを見て見ろ…!!」

 

「山吹さん達がいたくらいで……っ!!」

 

怒りをゼロノスにぶつけた紗夜だったが、彼の一喝に驚いたがゼロノスから視線を外すこと無く吠えていた。

だが、ゼロノスは怒りの籠った口調で紗夜に語っていた。

紗夜達ゼロノスとイマジン、そして沙綾達の存在には気が付いていたが他の事はあまり意識しておらず、蹲った状態のままの日菜以外の3人は言われた通りに周囲を見渡した。

 

まず最初に目に入ったのはゼロノスがイマジンを叩きつけて壊れた壁と、そことは別に壊された建物の中で倒れている沙綾達、そして友希那が立っている近くで破壊された地面。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこまでは良かったが、3人の表情は徐々に青くなっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――次に目に入ったのはイマジンの攻撃で破壊された建物と、破壊の余波によるダメージで地面に倒れて呻いている学生。

 

―――そして、最後に破壊された建物の瓦礫の下から溢れて来る赤い液体と、瓦礫の中から飛び出している完全に力を失った腕。

 

それを見た麻弥と花音は嫌悪感を感じて口を押えてその場に蹲ってしまい、紗夜も余りの惨状に嫌悪感を覚えながら何とか意識を保ってゼロノスに顔を向けていた。

 

「これは…」

 

「お前の妹が化け物に”湊友希那と一緒にいた男を探す”って、軽率で身勝手でしょうもない契約をした結果だ!!そのせいであそこで倒れている後輩2人や関係のない人間が傷ついたんだ…」

 

「日菜が……これを……?そんな…」

 

ゼロノスの言葉を聞いた紗夜は日菜の軽率な行動が惨劇を引き起こしたと言う状況を理解してしまい、心が壊れたのか焦点の合わない目でどこか遠くを見つめていた。

そうなってしまった紗夜達を他所にゼロノスは意識を失った日菜にカードをかざして、イマジンが飛んだ時間を確認する。

 

それを終えると紗夜達に背を向けて近くのバイクに跨ると、友希那はバイクに跨るゼロノスの腕を掴んでいた。

 

「ゆきちゃん…」

 

「ユウ…私も行くわ…」

 

「…分かった」

 

友希那はゼロノスについていくと伝えると、彼らの目の前にはゼロライナーが姿を現すと友希那が口部車両の扉から列車に乗り込み、ゼロノスは先頭車両へとバイクごと飛び乗る。

 

意識のない日菜や心が壊れた紗夜、精神崩壊寸前の花音や麻弥はゼロライナーが来たことに意識を向けることすら出来ず、ゼロノスと友希那はそのままこの時間から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何……あれ……?」

 

その光景を見ていたただ1人の存在に気が付かずに―――

 




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