忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
さてと、そろそろ〆に入りますか…
と言いながらこれは地獄の入り口になってるような気がする……

さてと、どうここから纏めよう…
なんとかな~れ~って思いと共に三時のおやつ感覚で投稿です


115-悪夢に向かって跳ぶ

出自不明の砂。

沙綾の言葉を聞いたユウ達は一瞬でこの状況について検討がついてしまった。

 

「ユウ…」

 

「砂なんて言ったら間違いない…イマジンだ……。問題はどういう契約をしてるか…」

 

「あの……なんで2人だけで分かり合ってるんですか…?」

 

「沙綾ちゃん!!アイツの予定って分かる!?」

 

「えっ…?アイツっておたえの…?なんでいきなり…?」

 

「じゃあ!!他の人達のも…!!」

 

たえはイマジンと契約をした。

しかし、契約の内容が分からないとユウは考え始めたが、そんな2人だけが分かり合っている様な状況が面白くないのか沙綾は不満そうな表情を浮かべて呟いていたが、ユウはそんなことを気にすることもなく沙綾にたえの予定を聞き出そうとしたのだが状況が全く分からない沙綾は困惑するが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見~つけた!!」

 

「イマジ―――!!」

 

「沙綾ちゃんっ!!」

 

「きゃ!!」

 

3人とは別の声が彼らの上空から響くと、彼らの頭上から黒い影が迫る。

すぐに顔を上げたユウはその影から標的にしていた沙綾の腕を引いて庇った事で彼女は無傷だったのだが、ユウの腕は迫ってきたイマジンが持っていたは深々と斬られてそこから激しく出血を始めていた。

 

「ユウさん!?腕が…!!」

 

「……表面が切れたくらいだから問題ないよ」

 

 

「ちっ!!外れたか…!!」

 

沙綾はユウの腕が切れたことに驚いていると、ユウはそんな沙綾に苦い表情を浮かべている

一方で襲撃を失敗したイマジンは手にした鎌から血を滴らせながら、襲撃を妨害をしたユウに対して舌打ちをする音が響く。

そして、ユウ達は今回のイマジンの姿を初めて捉えた。

 

 

 

 

 

 

 

「ウサギね…食った直後で良くもまぁこう出来るもんだよ…」

 

「花園さんらしいわね」

 

「おい…!!邪魔すんなよ!!そいつで2人目(・・・)なんだよ!!」

 

「2人目……つまりは、もう1人殺されてしまってるという事ね……」

 

目の前に現れたイマジン―――ラビットイマジンは沙綾を指差して2人目と言った。

つまりはもう1人は犠牲になっているという事であり、ユウはすぐにこのイマジンを倒そうと懐に手を伸ばそうとしたのだが、出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「ユウさん!!早く逃げましょう!!」

 

「沙綾ちゃん、放してくれる?」

 

「ダメですよ!!私以上にケガしてるんですから!!」

 

「山吹さん、ユウの腕から離れなさい!!」

 

ユウがベルトを取り出そうとしたのだが、彼の腕にしがみ付いていた沙綾が逃げようと腕を引く。

その光景に友希那が声を挙げるが沙綾は全くその言葉は届かない。

必至に逃げるようにユウの腕を引き、ユウの方は沙綾を引き剥がそうとするも彼女は腕から全く離れない。

ユウの状況が最悪なものになっていたが―――

 

 

 

 

「ちっ…!!邪魔くさい!!そいつは後回しだ…!!」

 

「おいっ!!待て!!」

 

「ダメ!!」

 

ユウにしがみ付いている沙綾の姿に面倒臭さを感じたイマジンがその場から跳んで離脱していく。

それを追いかけようとしたユウだったが、沙綾がケガしている方の腕を引いて彼を止めてしまった結果、すぐにイマジンの姿は彼らの視界から消えて行ってしまった。

 

 

「ユウ…!!」

 

「ゆきちゃん、俺は問題ないよ」

 

「そう……」

 

友希那は腕を斬られたユウを心配するが、彼は問題ないと笑みを浮かべて答える。

その表情に友希那は複雑な表情を浮かべていると、ユウは沙綾へと視線を向けるとその顔はドンドンと冷たい物へと変わっていく。

 

 

「沙綾ちゃん、俺が放してって言ったのに何で腕にしがみ付いてたの?」

 

「だって、ユウさんがケガして…!!」

 

「問題ないって言ったよね?」

 

「でも…!!」

 

 

「ユウ、山吹さんを詰めるのはそこまでにしなさい」

 

「ゆきちゃん」

 

「普通は目の前で自分を庇って怪我をされたら心配するに決まってるわよ」

 

「……それもそうだね」

 

ユウは淡々と沙綾がした行動について詰め始めていた。

もしもあの時に彼女が言われた通りに離れていれば、ユウはゼロノスに変身して戦闘を始められていたのだが、沙綾はユウと友希那の言葉に従わずにユウにしがみ付いていたせいで彼が変身することも出来ずにイマジンを取り逃がす羽目になってしまった。

 

それを考えると彼が沙綾に向ける目はドンドンとキツイものへと変わっていくが、その状況を見かねた友希那が彼に待ったをかける。

ユウは友希那の言葉を聞いて彼女の方に視線を向けると真っ当過ぎる正論を叩きつけられたことで彼はこの場でこれ以上沙綾を追求することを辞めた。

 

「とりあえずは推測が合ってるか確認したいな…。ゆきちゃん、あの腹ペコ以外の戸山さんのバンドメンバーに連絡は―――」

 

「ユウ、スマホが鳴ってるわよ」

 

ユウはとりあえずは状況を確認しようと友希那に沙綾とたえの2人と同じバンドメンバー達に連絡をとるように頼もうとしたのだが、それをする前にユウのスマホからの電話の着信音が響いたことで止められてしまい、ユウはそのままスマホを手に取って電話に出た。

 

「もしもし?」

 

『もしもし…おにーさん……』

 

「燈ちゃん?」

 

「高松さんから…?」

 

『あっ…友希那さんも一緒なんですね……』

 

「それでどうしたの?今日ってバンドの練習だったんじゃ…?」

 

『えっと……もう終わることになって……』

 

電話の相手は燈。

ユウは電話がかかってきたことで、先ほど言っていたイマジンの言葉を思い出す。

 

「もしかして……戸山さんに何かあったんだね?」

 

『えっ……!?なんで…』

 

「ちょっとこっちでその犯人と遭遇したから」

 

『そうだったんですね…。今、RiNGで……その……香澄さんが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心臓が抜き取られた状態で見つかって……』

 

「戸山さんが……心臓抜かれて死んだってこと?」

 

『はい……』

 

「っ!!」

 

燈から告げられたのは香澄が死んだと言う余りにも衝撃的な一言と共に、ユウの中では燈の話と沙綾から聞いた話と今回の襲撃で全てが繋がった。

 

「燈ちゃん…悪いんだけど、デネブを呼んで市ヶ谷さんの家に――――――いや、牛込さんを探して?次に狙われるのは市ヶ谷さんか牛込さんのどっちかだから」

 

『分かりました…』

 

「急いで」

 

ユウはすぐに燈にデネブを呼ぶように頼むと、ユウも即座に動き出そうとした。

 

「ゆきちゃん、俺達も牛込さんを探すよ」

 

「でも、牛込さんはどこにいるのかしら……」

 

「家が一番ありそうだね。場所知らないけど…ゆきちゃん、どこにいるか連絡して聞いてもらえる?」

 

「えぇ……」

 

 

「ちょっと!!2人で何でそんな…!!」

 

ユウも最初にりみの事を確保しようと考えてから友希那に連絡するように頼むと、彼女はそれを了承してりみへと連絡を入れ始める。

しかし、そんな中で状況が理解出来ない沙綾だけがユウの腕を掴んで事情を聞こうとし始めるが――――

 

 

「沙綾ちゃん、ちょっと黙ってて?」

 

「っ!?」

 

「ユウ……やり過ぎじゃないかしら?」

 

ユウからの冷徹過ぎる一言で彼女の身体が崩れ落ちて地面に力なく座り込んでしまった。

 

襲われた直後でこの仕打ちはあんまりだと友希那から苦言が呈されたもののユウはそれを気にしておらず友希那にだけ聞こえるように彼女の耳元で囁き始めていた。

 

 

 

 

 

「酷い言い方するなら命の優先度の差だよ」

 

「…っ!?あなた…!!」

 

「特異点のゆきちゃんと燈ちゃんが最優先。で、その可能性があるのは牛込さんとあのバカの2人だけだからね」

 

「そんな言い方……!!」

 

あろうことかユウは命を守る優先度と言い始めた。

流石の友希那もその言葉に怒りを憶えて彼に食ってかかったが、ユウはそんな友希那に力のない笑みを向けていた。

 

「自分でも倫理的に最悪の事を言ってる自覚はあるよ。

目の前で人が死ぬことに何とも思わない訳じゃないし、俺だって人が死なないならそれが一番いいと思うよ」

 

「……なら!!」

 

ユウとて目の前で人が死ぬことに対して何も感じないわけではないし、そもそもとして人が死ぬことが無いのが一番いいと理解して、自身が最低なことを言っている事を自覚していた。

それならば沙綾に対する態度は良くないと友希那が詰めようとしたが――――

 

 

 

 

 

「でも、それを大事にし過ぎた結果、特異点をイマジンが殺してその時間にいる殆どの人間を殺すことになってしまう方がよっぽど不味いから」

 

「……っ!!」

 

だが、ユウから出てきた言葉を聞いた彼女は言葉を失ってしまった。

 

本来ならば誰も死なないことに越したことはないとユウも考えているが、理想を求め過ぎて結果的に大勢を犠牲にする最悪を防ぐために彼は自分の思いを殺してでも皆を守る方向へと思考を向けている。

 

それが分かった友希那はそれ以上ユウのことに口を出すことが出来なくなってしまった。

そんな彼女にユウは優しく頭を撫で始めていた。

 

「大丈夫だよ。俺、頑張るから……」

 

「ユウ……」

 

「ほら、スマホ鳴ってるよ?」

 

「牛込さんからね。っ!?彼女、病院にいるみたいね……」

 

「都合がいいな…俺達も行こう」

 

そんな言葉と共に力のない笑みを浮かべられた友希那はりみからの連絡を受け取ると、ユウと友希那は力なくへたり込んでいる沙綾を引き摺って、りみがいると言う病院まで向かっていくのだった。

 

 




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