忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
原典では速攻で倒されたイマジンさん粘りますね~……
まぁ、今回でこの章終わるのですが……
なんでか分からないが1人だけ凄い不憫すぎることになってしまった…
反省しつつも投稿です



119-彼女達のパーティーは……

今井リサは目の前の状況が理解出来なかった。

 

目の前で紗夜が首を切られて苦しそうに藻掻き苦しむ姿にそれを行ったウサギの化け物のような存在がいる光景に思考が止まってこの場から動けなくなってしまった。

 

そんな自分に迫る化け物を前にあこが立ち向かったが一瞬で投げ飛ばされて地面を転がっていく。

その光景に声にならない言葉を漏らしたがもう遅かった。

 

「丁度いい火があるじゃねぇか…」

 

「えっ……?」

 

その言葉と共に自身の身体は宙に投げ飛ばされ、落下する先にあったのは激しく燃え上がるキャンプファイヤーの炎。

落ちた木が崩れて圧し潰されるか、生きたまま炎に焼かれるか多少の違いはあれど待っているのはほぼ確実な死に彼女は恐怖し目を閉じて少しすると身体に何かがぶつかる衝撃が来た。

 

しかし不思議なことにその衝撃はさほど大きくはなく焼ける様な熱もなく、あるのは本来ならばあり得ない身体が浮かび上がるような浮遊感。

訳が分からずリサは目を開けたのだが、そこにあったのは空に跳んでいたバイクとそれを運転していたゼロノスの姿。

 

「へっ……?」

 

「今回は死なせなかった……!!」

 

訳が変わらず声を漏らしてしまったリサだったが、ゼロノスは彼女には理解できない言葉を呟くとそのままリサを抱きかかえながら炎を飛び越えると、そのまま誰もいない地面へと着地していた。

 

「なっ!?」

 

 

 

「大丈夫?」

 

「はい……」

 

「それじゃ、離れてて」

 

 

まさかの状況に驚くイマジンを他所にゼロノスはリサにこの場から離れるように告げてから彼女を放すと、彼はそのままバイクを降りるとベルトのガッシャーをボウガン上に組み上げると、彼はそのままキャンプファイヤーの方に向かってボウガンを構え始めていた。

 

「えっ………」

 

「時間もないから速攻で終わらせる……」

 

炎に対してボウガンを向けるゼロノスに戸惑うリサだったが、彼は迷うことなくその炎目掛けてボウガンを放つと、放たれた矢はそのまま炎の中へと消え――――

 

 

 

 

「ぐっ!?」

 

「えっ……?」

 

 

「命中……」

 

炎の向こうにいたイマジンの身体を正確に撃ち抜いていた。

自分達から見えない位置から苦悶の声が上がって困惑するリサだったが、それをやったゼロノス自身はさも当然かのような反応を示すと、そのまま一気に跳び上がり―――

 

「飛び越えて―――!?」

 

「はっ!!」

 

「ぐあっ!?」

 

 

「これで……!!」

 

「ちぃ!!」

 

炎を飛び越えながら空中でイマジンにボウガンを放つと、放たれた矢は再びイマジンに命中してよろける。

その間にゼロノスは飛んでいる状態のままボウガンからサーベルに組み替えるとそのまま炎を突き抜けて剣をイマジン目掛けて振り下ろしていた。

 

その姿を見たイマジンはすぐには動けずに咄嗟に持っていた鎌で剣を防ごうと構えると、そのまま剣と鎌がぶつかり合った。

これで攻撃を防げたと思ったイマジンだったが――――

 

 

 

「らぁあああ!!」

 

「なっ!?がぁああああああああ!?」

 

渾身の力で振り下ろされた剣を防ぐことが出来ず、鎌は柄の根元から真っ二つに折れてしまい、そのまま剣で身体を深く切り込まれてしまった。

攻撃が直撃した痛みと武器を失うという予想外に襲われたイマジンだったが、その姿を見てもゼロノスは止まらない。

 

「せいっ!!」

 

「ぐっ…!!」

 

「跳んだか…」

 

イマジンの鎌を叩き折った剣をゼロノスは相手の足を払うようにそのまま横薙ぎに振るうと足を捉え、イマジンはそのまま転びそうになるも転ぶより先に跳んでゼロノスから離れた位置に落ちてそのまま地面を転がっていく。

 

「くそっ!!こんな所まで追いかけてきやがって…!!」

 

「そんなこと言ってもお前を倒すことは変わらない……」

 

地面を転がるイマジンが悪態をつき始めるも、ゼロノスはそれを淡々と聞き流して剣を構える。

武器が無くなり戦う術もないイマジンはこのまま逃げる選択を取ると踏んで相手の様子を伺う。

 

 

 

「お前はどうしようもなくてもこっちはどうにでもなるんだよ!!」

 

そうしている前でイマジンは再び跳ぼうとしていたのだが、それはゼロノスが予想していた逃げとは違い、逃げ遅れた生徒達を襲撃する為に跳ぼうとしているように見えていた。

 

「……ちっ!!」

 

それに気が付いたゼロノスは咄嗟に剣を捨てて、そのままイマジンとの距離を一気に詰めようと駆け出していた。

その冷静さを欠いた動きをゼロノスが見せたのと同時にイマジンは跳んだ。

 

 

 

 

「バカが!!」

 

「なっ!?」

 

だが、逃げるために距離をとる跳び方でもなく、跳んだ先は逃げ遅れた生徒達もいない。

 

「お前の剣を使わせてもらうぞ!!」

 

イマジンが跳んだ先にあったのは、ゼロノスが捨てた剣。

跳んだイマジンはすぐにそれを手に取るとすぐに身体を切り返して、その切っ先を突き刺さんとゼロノスへ向けて一直線に跳んでいくが、そんな単調な動きならゼロノスが避けるのは容易い。

 

しかし、その切っ先はゼロノスの腹部へと突き刺さっていた。

 

「ぐっ……!!」

 

装甲から火花を飛び散らせながら苦悶の声を漏らすゼロノス。

単純な軌道で容易く避けれるそれを避けなかった原因は彼の背後にあった。

 

「おねーちゃん……!!」

 

「――――――」

 

 

 

「避けてたらその死にかけの人間達が楽になったのにな…!!」

 

「ヒナたちを庇って……」

 

「避けたら氷川が死んで、紗夜さんも助からない…やっぱり契約者同様に悪趣味だな…」

 

そこにはイマジンに首を切られて苦しんでいる紗夜と彼女に声をかけて血を止めようと抑えながら姉を守ろうと覆いかぶさる日菜がおり、もしもゼロノスが今の攻撃を避けていたら剣の切っ先は紗夜の首を必死に抑えている日菜を貫いて双子が揃って命を失うことになっていたのが分かったゼロノスは今の攻撃を避けることが出来ず、身体でそのまま受け止めざるを得なかった。

だが、距離が詰まり捨てた武器が近くにあるならば奪い返せばいい。

ゼロノスは自身に突き刺さった剣に手を伸ばそうとしたが―――

 

 

「誰が返すかよ!!」

 

ゼロノスがその手を触れるよりも先にイマジンは後ろに飛び退き、その手は虚しく空を切っていた。

武器を奪われて決定打がない状況では奪い返すことが最優先だが―――

 

「さっきまでの分をしっかり返してやるよ!!避けたら後ろのが死ぬぞ?」

 

「ぐっ!!捕った……!!」

 

「膝をついたな…ならこのまま押し切ってやるよ!!」

 

その言葉と共にイマジンはゼロノスの後ろにいる氷川姉妹を狙って剣を振り下ろす。

ゼロノスはその攻撃を苦悶の声を漏らしながらも、今度は肩で受け止めるが勢いに負けて膝をついてしまった。

それを見たイマジンは今が好機とばかりに幾度となく剣をゼロノスに叩きつけていく。

後ろの氷川姉妹がいるせいで回避も出来ないゼロノスはその攻撃にただ耐えようと構えたのだが―――

 

「がっ!?何が…!?」

 

突如としてイマジンの身体から火花が飛び散り、その衝撃で剣が手元から離れていく。

イマジンはこの状況が理解できなかったが、この状況でこんなことが出来るのはただ1人だけであることをゼロノスは知っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「怪我人を狙うなんて許せん!!」

 

「デネブ……」

 

ゼロノスが顔を向けた先には指の銃口から硝煙を漂わせているデネブの姿。

イマジンが攻撃するタイミングで銃撃して、その攻撃によってイマジンの手から剣を離させると、そのまま剣を撃って2人から離れた位置まで吹き飛ばして見せたのだ。

 

「ちっ!!剣を…!!」

 

「させるかよ!!」

 

「お前!!放せ…!!」

 

状況が分かっていないイマジンは奪った剣を再び取ろうと動こうとしたが、ゼロノスはこのチャンスを逃がさないために咄嗟にイマジンに組み付いて、未だに燃え続けているキャンプファイヤー目掛けて駆け出していき、そのまま燃えたキャンプファイヤーに衝突すると組まれた木が音を炎を撒き散らしながら崩れていく。

 

 

「「ユウ!?」」

 

「えっ!?友希那!?帰ったんじゃ!?」

 

 

 

「熱いぃぃぃ!!」

 

―――Full Charge ―――

 

その光景にデネブと彼に遅れてやってきた友希那が声をあげ、友希那の声を聞いたリサは帰ったはずの彼女がいることに困惑し始めると、炎が落ち着いて崩れた木の下敷きになってゼロノスに踏みつけられていたイマジンの叫びが響かせる中、ゼロノスは武器がないにもかかわらずベルトのボタンと叩いてカードを引き抜いていた。

 

「デネブ!!」

 

「ユウ!?俺も火の中に飛び込むのか!?」

 

「来い!!」

 

「……えぇーい!!」

 

炎の中にいるゼロノスがデネブを呼ぶ。

呼ばれたデネブは火の中に飛び込むことに怯んでいたものの、意を決して火の方へと跳ぶとデネブはデネビックバスターへと姿を変えてゼロノスの手元へと落下していく。

 

「ユウ!!熱い!!」

 

「分かってる…!!すぐ終わる…!!」

 

 

「リサ!!日菜!!伏せなさい!!」

 

バスターになったデネブも炎の熱に声を挙げるが、ゼロノスはその熱に耐えながらバスターのスロットにカードを装填してから踏みつけているイマジンの口にその銃口を押し付ける。

それを見た友希那が叫ぶと、名前を呼ばれた2人は言われるがままにその場に伏せながら目を閉じて―――

 

 

 

 

「最後の晩餐だ…充分味わって死ね……」

 

ゼロノスはそう呟くと同時に引き金を引き、イマジンの口内にゼロ距離でビームを放つ。

放たれたビームはイマジンの口を中心にして頭を首を消し飛ばすと、イマジンの身体がそのまま爆発した。

 

 

「くっ……!!」

 

「きゃあ!!」

 

イマジンの爆発はキャンプファイヤーの炎を全て掻き消し、爆風だけが周囲に広がって爆風が身体を叩かれてリサと日菜が思わず言葉を漏らすと、少しだけ2人は爆風で飛ばされてしまうが、次第にそれも無くなっていくのを感じて2人は顔を上げて目を開いた。

 

 

 

 

 

 

「あれ……?友希那………?」

 

「あれ!?おねーちゃんがいない!?おねーちゃん!!どこ!?」

 

しかし、目の前にあったのは小さなクレーターがあるだけで彼女の目の前には声が聞こえたはずの友希那の姿も、首を切られて倒れていた紗夜の姿もなくなっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

そして、探されていた友希那は羽丘の校門の近くに身を潜めていた。

 

「紗夜……」

 

「ゆきちゃん」

 

「ユウ……紗夜は……?」

 

「病院の送って処理が始まるところまでは見て来たよ。

マトモに呼吸できてなかった時間もそれなりにあったみたいだから、運よく生きてたとしても後遺症が残るのはほぼ確実だろうね……」

 

「…そう。生きてる可能性があるだけでも十分だわ……」

 

「燈ちゃんとデネブさんはゼロライナーに先に入ってるから…ゆきちゃん。帰ろっか…」

 

「そうね。私達も戻りましょう」

 

時間が修復されてなかったことになるのは分かっているが、以前のリサの様に完全に死んでいるのとは違い、紗夜はほぼ死にかけていたもののまだ生きていてそれを無視して帰れずに、無理を言ってユウに彼女の事を頼んで自身は紗夜のことを気にかけていて、隠れて彼の帰りを待っていたのだ。

 

そして、病院に連れて行ったユウからの話を聞いた友希那は生きてる可能性があると聞いただけ安堵の表情を浮かべると、ユウは先にゼロライナーで待っているデネブ達を待たせる訳にもいかないと戻ろうとした。

 

 

 

 

 

 

 

「おい。待てよ」

 

「市ヶ谷さん…!?…ごめんなさい。私達は急いでるからまた明日に――――」

 

あろうことか戻ろうとした2人の前には制服姿の有咲が立ち塞がっていた。

それに驚いた友希那だったが何とか平静を装いながら急いでいると言ってこの場から逃げようとしたのだが―――

 

「友希那先輩はタイムトラベラーで未来に帰るんだからその明日は一生来ないですよね?」

 

「…!?」

 

「後夜祭に出るのは制服が条件なのに私服で学校にいるのとか、さっきのとの会話で未来から過去まで追いかけて来ただの言ってましたからね?」

 

「市ヶ谷さん、凄いね。それだけで分かるなんて」

 

彼女から出た言葉に友希那は目を見開いて驚いていた。

どうして有咲が友希那達が時間を超えてきた事を口にしているのかまるで分からなかったが、有咲は自身の推測を語ったのを聞いたユウは素直に彼女の言葉を肯定するような態度を見せていた。

 

「さっき上着を返しに来たついでに教えてくれよ。あのおたえから出てきた奴とか何なんだよ」

 

「気にしなくていいよ。アイツが倒されたからアイツ関連は全てなかったことになるから」

 

「ユウ、花園さんはどうなってるのかしら…」

 

「牛込さんを食おうとした時にイマジンの武器で首を落としたから大丈夫だよ。イマジン関連で無かったことになるから」

 

「そう……」

 

「おたえがりみを食う…?未来での私達はどうなってんだよ…

でも、おたえがライブに穴開けたのは無かったことにならないだろ。

もしかして、ギスギスしたままでそのまま解散ってことになったり………」

 

「市ヶ谷さん。それを聞いてどうするつもりなのかしら?」

 

「友希那先輩…それは…!!」

 

「未来なんて些細なことで変わっちゃうからね。ここで話を聞いたせいで未来が変わるかもしれない。

結局の所、どうなるかは市ヶ谷さん達次第じゃないかな?」

 

「それもそうですね……」

 

有咲は自分達のバンドがどうなってしまうのか不安で未来から来た2人に話を聞こうとしたのだが、2人の話を聞いて自分達の結末がどうなるかを聞くのを諦めると、その様子を見たユウはゼロライナーを呼び寄せると友希那を抱えて後部車両のデッキに跳び込んだ。

 

有咲は目の前に現れた列車とユウの行動に驚いてしまったが―――

 

「じゃあ、最後に……!!私の目の前にいる友希那先輩は何歳ですか?」

 

「18歳の大学1年生よ」

 

そんな状況で有咲が最後にどうでもいい質問を投げかけると、デッキから身体を乗り出しながら友希那が答えると同時にゼロライナーがゆっくりと走り出していく。

一方で有咲は友希那の答えを聞くとその場で一瞬固まり―――

 

 

 

 

 

 

「はぁ!?1年後!?てか友希那先輩が大学生!?

高校卒業できるか怪しいってリサさんが言ってたあの友希那先輩が現役合格で大学生~!?」

 

「市ヶ谷さん、待ってなさい。一発引っ叩かせて――――」

 

「ゆきちゃん、危ないから~!!」

 

答えを聞いた有咲は友希那が大学生と聞いた事に驚きの声を挙げると、余りにも失礼な言葉に怒りを憶えた友希那をユウが抑えると、ゼロライナーはそのまま虚空へと消えて現代へと戻っていくのだった。

 


 

イマジンの事件が終わって現代へと戻ってきたユウ達の姿はある病室の前にあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「こ……こんにちは……」

 

「市ヶ谷さん。見舞いに来たわよ」

 

「友希那先輩!?それに燈ちゃん!?ちょっと待ってください!!」

 

友希那を先頭にその病室に入っていくと、ベットの上では有咲がだらしなく転がっており、友希那達の姿を見た有咲は慌てた様子で身だしなみを整え始めていた。

それを見た友希那と燈は有咲の事を気にする様子もなく、そのままベットまで歩いて行くとおもむろに有咲の身体のある場所を触り始めていた。

 

 

 

 

 

「ちょっと友希那先輩?なんで私の足をベタベタ触ってるんですか?」

 

「足を怪我したって聞いたので……」

 

「高松さんの言う通りよ」

 

「いやいや、生徒会の仕事中に階段から足を踏み外して捻っただけで、検査入院で明後日に退院……てか、普通ケガしたって場所をベタベタ触らんでしょ…」

 

「それはそう」

 

 

 

「あんた誰だ?」

 

「この2人の知り合いですよ。市ヶ谷さん、これ見舞いの品のクッキーです」

 

「これは…ご丁寧にどうも…」

 

友希那と燈はイマジンによって切断されてしまったはずの有咲の足を触って、ちゃんと彼女に足があることを確認して安心していたのだが、怪我人である有咲からのもっとものツッコミを入れられてしまった。

そんな有咲のツッコミをユウが肯定したが、有咲はユウの姿を見て怪訝な表情を向けるが、ユウは笑みを浮かべながら簡単に自己紹介をしながら見舞いの品であるクッキーを手渡して挨拶していた。

それによって病室は比較的落ち着いた空気になっていたのだが―――

 

 

 

 

「有咲~!!お祖母ちゃんから頼まれて下着持ってきたよ~!!」

 

「香澄~!!おまっ!!静かにしろ!!てか、それが入れてあるであろう袋を振り回すな~!!」

 

「友希那さんに燈ちゃん!!それに―――」

 

ここで香澄が有咲の家から持ってきた下着が入れてきた袋を振り回しながら病室にダイナミックにエントリー。

香澄の慎みの無い行動に有咲が声を挙げるが、香澄はそれを聞き流して友希那と燈の姿を見て笑みを浮かべると、先ほどの有咲と同じ様にユウの姿に疑問を覚えたのだが――――

 

 

 

「あっ……」

 

「あぁああああああああ!?」

 

「「「あっ……」」」

 

このタイミングで香澄が振り回していた袋が破けて、その中に入っていた有咲の下着が病室内を舞った状況に有咲が絶叫し、友希那達は完全に想定外だった状況に唖然とした声を挙げてしまったのだが、不幸はこれで終わらない。

 

 

 

「「「わっ!?」」」

 

「なっ!?」

 

「あ~!!有咲の下着が~!!友希那さん達の顔に~!!」

 

「香澄~!!」

 

香澄が振り回した袋から飛び出した下着はユウ達3人の顔にそれぞれ直撃させていた。

それだけでも有咲にとって恥ずかしい状況なのだが――――――

 

 

「パンツが顔に………有咲さん、こんなスケスケなの穿いて…おっ……大人だ…………」

 

「市ヶ谷さんのブラ、燐子ほどじゃないにしても大きいわね……」

 

「こらこら。燈ちゃんはパンツ広げちゃダメだよ。それにゆきちゃんはサイズをまじまじと見ないの。失礼だよ?」

 

「お前も平然と私の下着を拾って畳んでんじゃねぇ!!」

 

それ以上に恥ずかしいのは燈と友希那が有咲の下着を広げてサイズやデザインを見て感想を漏らし、この中の唯一の男であるユウが平然とした態度で落ちた下着を拾って綺麗に畳んでいるという状況が恥ずかしさを加速させていく。

 

 

 

「有咲ちゃん、お見舞いに……えっ……なんで有咲ちゃんの病室で男の人がパンツ畳んでどるの?」

 

「お楽しみ…?」

 

「りみ!?方言出てる!?っておたえ、そんなんじゃねぇ!!」

 

「……」

 

 

そこにりみとたえと言う起爆剤も投下されて収拾がつかなくなっていく。

ユウとしてはここでたえがイマジンと契約していた時のような精神状態になっていないかちゃんと確認しておきたかったのだが―――――――

 

「有咲~。お見舞いに来たよ~。あっ!!ユウさん!!こんにちは!!」

 

 

 

「えっ…沙綾ちゃん……?」

 

「なんで?」

 

「山吹さんがユウのこと憶えて……」

 

「……?ユウさん達の反応がよく分かんないですけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウさん?どうして有咲の下着を持ってるんですか?」

 

「「「じ……事故で…」」」

 

ここで沙綾まで病室に入ってきた。

それだけなら問題ないのだが、彼女は特異点ではないはずなのにユウのことを憶えていた事にユウ達3人は困惑していたのだが、ユウが有咲の下着を手にしている姿に対してドスの効いた声を出した沙綾の前ではユウ達は下手に出ることしか出来ずにいたのだった。





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8章
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10章
なし
11章
香澄・たえ(主人公による)・(有咲の両足)
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