忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
あの…なんでこんなにお気に入り増えてるの…コワイ…
こうなったら…曇らせるしかねぇ!!
って思いで初投稿です。


15話-届く距離/届かない声

 

友希那とユウの2人が時の狭間に逃げた頃―――

リサが突撃した店の奥のスペースを借り受けて、紗夜が2人へと説教を始めていた。

 

 

 

 

 

「日菜も今井さんもあなた何をしているのか分かってるんですか?」

 

「おねーちゃん!!友希那ちゃんがデートしてるんだよ!!こんなのついていくに決まってるでしょ!!」

 

「そうだよ紗夜!!友希那がデートしてるんだよ!!」

 

「…気にならないと言ったら嘘になりますが、湊さんにだってプライベートはあるんですよ?」

 

「おねーちゃんだって気になってるじゃん!!なら後つけるでしょ!!」

 

「でも、勝手に尾行するなんて論外よ。それに、今井さんは飛び出して何をするつもりだったんですか?」

 

「それは相手捕まえてからどうやって騙したかを拷も…じゃなくて…甚振る…じゃなかった…可愛がってあげないとだめでしょ!!」

 

「今井さん、言い直そうとしてるが全て一緒じゃないですか!!」

 

「それよりも!!おねーちゃん!!なんで蘭ちゃん達は怒らないの!!ついてきたのは一緒でしょ!!」

 

「それに美竹さん達はある程度理性的に行動が出来てたから、あっちは白鷺さんに任せたわよ」

 

「も~!!ずるーい!!」

 

愉快犯の日菜に完全に暴走しているリサに説教をする紗夜が、完全にそれが右から左へと聞き流されていくどころか日菜に至っては説教が不満で意見するもバッサリと切り捨てられたことで不満が表情に現れていく。

 

だが、そんな日菜の変化を紗夜は見逃しはしなかった。

 

「日菜?あなた、反省する気はあるのかしら?」

 

「反省?それは…」

 

紗夜の圧を感じた日菜はその場限りの誤魔化しでなんとかやり過ごそうと考えて言い訳しようとし考えたその瞬間――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんなのする訳がないだろう」

 

日菜の言葉を遮るかのように謎の言葉が響くと、時を超えてきたバットイマジンが日菜の中から姿を現した。

 

「過去……1日も経ってないじゃないか…!?だが、…暴れるには時間は関係ない…!!」

 

 

 

 

「えっ……ぐっ…!!」

 

イマジンはたまたま目に入った時計に表示されていた日時を目にし、1日も経っていないことの少しだけ驚いた空気を出すと、手始めに近くにいたリサの首を掴み上げると彼女の口から苦悶の声が漏れ出していた。

 

「今井さん…!!」

 

「盾代わりにさせてもらおう…!!」

 

リサを捕まえたイマジンはそのまま衝撃波を放って壁を破壊すると、そのままモールの中へ向かっていくと、破壊したその先は店の前の通路に繋がり、そこにいた千聖や蘭達を捉えていた。

 

「なっ!?何よあれ!!リサちゃん!?」

 

「ちさ…にげ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

「死ねぇえええ!!」

 

千聖達は突如として壁が破壊されたことと、そこからイマジンの登場したこと、そしてその腕にはリサが捉えられていたことの驚いたのも束の間、イマジンは衝撃波を放とうとしたが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「させるか…っ!!」

 

「ちっ…!!もう来たのか…!!ゼロノス…!!」

 

イマジンと千聖達に間に突如としてどこからか投げられた大剣が突き刺さる。

その剣を見たイマジンは即座に自身を追いかけて来たゼロノスの存在に気が付くと、吹き抜けになっていた上のフロアからゼロノスがイマジンと千聖達の間に割って入っていた。

 

「これが目に入らないか?」

 

「人質…卑怯な手を使いやがって…!!」

 

 

 

 

「何あれ…コスプレ!?」

 

「愛音、そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!」

 

「…っ!?」

 

「そんなことより…あれ、上から降ってきたぞ!?」

 

「巴、ここ1階だよ!?どこから落ちてきたの!?」

 

 

 

「日菜立ちなさい!!っ!?これは一体何がどうなって…?」

 

ゼロノスはイマジンの手中にいるリサの存在に気が付いて苦々しい声を漏らす。

 

だが、そんな2人を他所に外野の面々は目の前の出来事が信じられずにいたがリサ以外の皆が集まってしまった光景にイマジンの悪辣な笑みを浮かべた様な感覚に襲われた。

 

「纏まったなら…まとめて――――――」

 

 

 

 

 

「美竹さん!!逃げなさい!!」

 

「っ!!」

 

 

 

 

「止まった…!!今なら…!!」

 

「くっ!!」

 

「ちっ!!やりにくいな…!!」

 

固まっていた蘭達を攻撃しようとしていたイマジンだったが、その攻撃は蘭達にとっては馴染みのある声に意識を削がれたことで、攻撃が蘭達の横を通り過ぎて向かいにあった店舗内部を爆発。

 

その音を合図にゼロノスは投げた剣を回収し、リサを傷つけないように注意しながらイマジンへと仕掛けて彼女達から離れるように誘導しながら戦っていく姿に蘭達は戸惑う事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

「ふえぇ~…」

 

「何…あれ…?それにあの声…湊さん!?どこから…!?」

 

目の前の出来事に戸惑う蘭達を他所に、その爆発音はモール中に響き渡って蘭達以外の人間は爆発によってパニックを起こして我先に逃げ出し始めていくが、何名かは突如として聞こえた声の主である友希那を探すために周囲を見回し始め、モカがすぐに彼女を見つけ出していた。

 

 

 

 

「蘭~、3階のとこ~」

 

「えっ!?なんで湊さんがあんなとこに…!?」

 

「どうなってる訳~!?さっきお店に入ってから出てきてないのに!!」

 

「いいから早く逃げなさい!!」

 

「私は……湊さんと今井さんが…」

 

蘭達の目には店に入ってから外に出てきていない友希那が3階から叫んでいたという状況が信じられなかったが、そんな彼女達を無視して友希那は階下の蘭達に叫ぶも、紗夜はその場にいた上にいる友希那と捕まっているリサの事もあったせいで逃げようとはしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「紗夜ちゃん、友希那ちゃんの言う通りよ!!」

 

「白鷺さん…!!あなたは湊さん達を見捨てろと言うんですか!!」

 

「人を助けるのは美徳だけれど、自分の方が危ない状況なのよ!!人のことより自分を優先しなさい!!向こうが逃げれてこっちが逃げられなかったら、元も子もないわよ!!」

 

「っ…!!」

 

「この程度も言い返せないなら自分を優先しなさい!!友希那ちゃん達は心配だけれど、先に逃げるわよ!!それと勝手な行動をしないように紗夜ちゃん達を抑えておいてくれるかしら?」

 

が、その中で千聖だけは友希那に言った通りに逃げることを勧めたも、紗夜はその選択を選んだ千聖を睨みつけて吼える。

 

その声と含まれていた怒気に皆が怯んでしまったがこの程度では芸能界を生き延びてきた千聖には通用せず、噛みついてきた紗夜を正論で殴り返して黙らせてから、何時飛び出すか分からない氷川姉妹を皆で抑えながら彼女達はショッピングモールから逃げ出していく。

 

 

 

 

 


 

蘭達から離れて戦いをしていたゼロノスはイマジンを相手に攻撃を繰り出していたが――――

 

「ほら!!」

 

「ちっ…!!」

 

攻撃を当てようと剣を振ろうとしても、その度に捕まっているリサを盾にされてしまい、攻撃を止めると反撃を受けてしまうせいで攻撃が思うように出来ない状況に歯がみするゼロノスだったが、一方のイマジンの態度は余裕しかなかった。

 

「どうした?ゼロノス!!焦ってるのか?」

 

「くっ…!!」

 

「勝てないからって人を盾にしやがって…!!」

 

「卑怯だとでもいうか?卑怯なのは嫌いか?」

 

「卑怯なのはその通りだろ…!!」

 

「ほら?早くしないとこの白塗り女が死んでしまうぞ!!」

 

自身の事を卑怯だと言ってのけた上に人質になっているリサのことでイマジンはゼロノスを煽り始める。

 

しかも人質になっているのは、相手の記憶からは消えていて、お菓子の材料の小麦粉やら牛乳やらのせいで顔がグチャグチャになっていても、彼からしたら実の姉。

そんな冷静さを欠くには十分すぎる状況でも、必至に頭を働かせて状況を打開しようと動き出していた。

 

 

 

「おらぁ!!」

 

「無駄なんだよ!!」

 

ゼロノスは剣を振るうために真っすぐイマジンに突っ込んでいくが、イマジンはその軌道上にリサを引っ張ってくることでゼロノスの攻撃を目の前で止めさせようとした。

 

そしてイマジンの読み通りに剣が止めたゼロノスだったが、ゼロノス自身が止まることはなかった。

 

「らぁ!!」

 

「がっ!?」

 

剣を止めたゼロノスはそのまま一気に体制を下げてスライディングでイマジンを抜けていき、すれ違いざまにリサに当たらないようにイマジンの足を切り裂いて見せると、今度はゼロノスの方が余裕そうな態度を見せていた。

 

「脚…っ!!卑怯な…」

 

「卑怯?戦いに卑怯も何もないだろっ!!」

 

「俺は卑怯もラッキョウも大好きだが…自分に卑怯なことされるのが許せないんだよ!!」

 

「契約者と一緒で身勝手過ぎるだろ…!!」

 

 

 

「あんなバカ契約者と一緒にするな!!俺はあんな頭空っぽじゃない…!!」

 

「ちっ…!!イマジンの方がまともに見える…!!」

 

イマジンの身勝手な言動にゼロノスは契約者である日菜の事を思い出して悪態をつくが、その言葉は敵にも刺さってしまいイマジンが激昂しながら腕を振るって格闘戦を仕掛けてきた。

 

ゼロノスは契約者の方が日菜とイマジンを比較して舌打ちをしながらも、格闘を捌いていくが未だに捕まっているリサのせいで攻撃が当てられないフラストレーションで悪態が零れる。

 

「喰らえっ!!」

 

「ぐっ…!!」

 

そのタイミングでイマジンはゼロノスへと衝撃波と飛ばして強引に距離を開けて仕切り直そうとすると、ゼロノスも何かを考え付いたのか手に持っている剣――――ゼロガッシャーを組み替えてボウガンへと形を変えていた。

 

「それを撃つのか?当たるぞ?」

 

「どうかな…!!」

 

ゼロノスはボウガンでイマジンの顔を狙うが、すぐにイマジンは身体を屈めながら盾にしているリサを持ち上げてガードを固めると、ゼロノスはイマジンに直接当てない様に敵の周囲へと攻撃を散らせていく。

 

 

 

「これならそっちが動けば当たるぞ?」

 

「だが、攻撃が出来ないことには変わりがない!!」

 

ボウガンを乱射するゼロノスだが、リサと言う盾が相手にある以上は攻撃が直撃してこない。

しかし、イマジンの方もリサの盾にしていることもあってゼロノスの姿が見えず、下手に動けば先ほどの様に脚を狙われることを考えてしまいイマジンも動けない。

 

 

 

 

 

―――だが、それがゼロノスの狙いだった。

 

「脚が止まったな…!!」

 

「だが、お前が撃ち続ける限りはこのままだ!!……それとも女諸共撃つか?」

 

完全に足が止まって膠着状態に陥った2人でイマジンの言うように仕掛けているのはゼロノス側。

 

攻撃を止めるか、リサ諸共イマジンを撃つか―――

 

確かに今の状態で状況が変わるとしたらイマジンの言う事が正しい。

 

だが、ゼロノスの選択はそれ以外の第3の選択肢だった。

 

「ここだ…っ!!」

 

「何?どこを狙って…?」

 

イマジンの方へとボウガンを撃っていたゼロノスだったが、その内の1発がイマジンのいない明後日の方向へと飛んでいく。

 

その行動の意味が理解できないイマジンだったが、その瞬間周囲から大音量の音が流れ始めていた。

 

 

「火災報知機の非常ベル…うるさいだろ?」

 

「無駄な足掻きを…!!」

 

ゼロノスが狙ったのは火災報知器。

それが破壊されたせいでモール中に大音量の警報音が鳴り響き始めるが、この状況でそれをやる意味が見いだせないイマジンは今までと同じようにリサを盾にしたままの状態を維持したが―――

 

 

 

「がぁっ!?」

 

突如、背後から謎の衝撃がイマジンを襲う。

その際にイマジンは前に吹き飛ばされてしまい、リサから手が離れてしまった。

咄嗟にイマジンは再びリサを捕まえようと手を伸ばしたが――――

 

 

 

「貰った…!!」

 

「ぐがっ!?」

 

ゼロノスが無防備になったイマジンの腕と腹にボウガンを撃ち込む。

その衝撃によってイマジンは僅かに後ろに吹き飛ばされると、その隙にゼロノスは前に飛び出すと、飛んできたリサを抱きかかえるようにして受け止めた。

 

「ごほっ…!!げほっ…!!」

 

「……」

 

 

「バイク…!?」

 

後ろからとはいえども首を絞められていたこともあって、頭に血が回らず上手く動けなくなっていたリサ。

 

その中でイマジンは自身を後ろから襲った正体を見ながら地面に倒れると、リサをその場に下ろしてから彼女を守るようにゼロノスは前に出ながら吹き飛ばされたイマジンを撃ち続けて一方的にダメージを与えてく。

 

「こんなとこで…!!」

 

「決める…!!」

 

 

―――Full Charge―――

 

ダメージが溜まるイマジン。

その姿を見たゼロノスは勝負を決めるべく、ベルトからカードを引き抜いてスロットにカードを挿入してイマジンを狙う。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――だが、イマジンにはまだ希望が見えていた。

 

「まだ上にいた女がいる…!!」

 

「……お前にゆきちゃんを触らせるかよ」

 

リサを狙えないイマジンは先ほど3階から声を挙げていた友希那を人質にすべく、3階目掛けて真っすぐに飛んでいく。

 

しかし、ゼロノスはその場から動くことなく恐ろしく冷静に狙いを定めて引き金を引き、ボウガンからは複数の矢が放たれるとその全てがイマジンの身体を貫いた。

 

 

 

 

 

 

 

「なっ!?何故?」

 

「焦ったな…。真っすぐ飛んでたから狙いやすかったぞ…」

 

自身が撃たれたことに戸惑うイマジン。

だが、撃った側のゼロノスは冷静な態度でその疑問に答えていた。

 

 

イマジンは友希那を人質にしようと焦っていたが、そのせいで単調な動きになっていた事―――

それに加えてリサの次に友希那を狙おうとしたことで、ゼロノスの怒りが一周回って返って冷静さを取り戻した事―――

 

その2つがイマジンの明確な敗因となったのだ。

 

 

 

 

「なん…だぁあああああああ!!」

 

 

全身を貫かれたイマジンは最後の言葉を言い切ることなく空中で爆発。

その衝撃は周囲の店舗に並んでいた商品が吹き飛ばして、モールの通路上に様々なものが舞い上がっていく。

 

 

 

その光景を見つめたゼロノスは足元に下ろしたリサに視線を向けていた。

 

「……」

 

「かっ…なっ…」

 

リサはゼロノスのボウガンと先ほどの爆発を見て恐怖を覚えていた。

だが、イマジンに捕まっていた際に首を絞められていたせいで上手く身体が動かせない状況から回復しておらず、声を挙げることも逃げることも出来ない。

正にこの世の終わりと言った思いが溢れ始めたリサだったが――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「ぇ…」

 

ゼロノスはボウガンを手放し、そして先ほどの爆発で吹き飛ばされてきた布切れでグチャグチャになっていたリサの顔を拭い始めていた。

その行動をリサが理解できずに困惑するが、ゼロノスは無言で顔を拭って顔についていた物を全て落とし、その顔を見つめていた。

 

「……」

 

「ぁ…」

 

リサは自身を見つめるゼロノスに何かを感じたのか声を出そうとしたが、声がうまく出せずに変な声が漏らすと、ゼロノスは立ち上がってイマジンを吹き飛ばしたバイクに跨ると一度上を見上げて友希那の姿を確認していた。

 

 

「ぁ………ぅ…」

 

「……」

 

リサの呻くような声を背中で聞きながら、無言のゼロノスはそのままバイクを走らせて、エスカレーターを昇ってリサの前から去っていく。

 

 

 

 

 

 

――――そして、時間が修復されたことで、リサを始めとした殆ど(・・)の人間の記憶からこの出来事の記憶が消えてなくなっていた。

 


 

変身を解除したユウと友希那。

2人は現代の時間へと戻るゼロライナーにいた。

 

「……」

 

「ユウ…」

 

「ゆきちゃん…」

 

だが、ユウは何か落ち込んだ様子で客室の隅に座っていた。

そんな姿を見かねた友希那は声をかけるが、ユウはポツポツと話を始めていた。

 

「姉さんを助けたけどさ…。正直、あんな姉さんを助けるのはキツかった…」

 

「…そこ?」

 

ユウはお菓子の材料でグチャグチャになっていたリサを助けたが、あの状態だったことが釈然としていないと愚痴をこぼすと、友希那は余りにも予想外の言葉に呆れそうになっていたが――――

 

「あんな近くにいて、声をかけようと思ったけど…

 

 

 

 

 

 

 

”忘れられる”ってことを考えたら、声をかけることが出来なかった……」

 

「……」

 

「頭では分かってたけど…かなりキツイや…」

 

その後に続いた重すぎる言葉に友希那は完全に言葉を失ってしまった。

 

 

 

ゼロノスへの変身で現代に戻っても、友希那以外からユウの記憶は消え――――

過去に渡ったイマジンを倒して時間が修復され、先ほどの時間は無かったことになって記憶に残らない―――――

 

 

頭ではどうなるか想像が出来てはいたし、前にイマジンを倒した時にリサから忘れられたこともあった。

 

だが、今回は自身が直接助けたこともあって、実の姉から叩きつけられるそれは想像を絶するほどの破壊力をもってユウに襲い掛かっていた。

 

友希那はこれに対して何を言えばいいのか分からない。

だから彼女は素直に思っていることをそのまま伝えることにした

 

 

 

 

「ユウ、私はちゃんと覚えてるわ。あなたがリサを助けたこと…」

 

「ゆきちゃん…うん…」

 

「少し疲れたでしょ?珈琲でも入れてくるわ…」

 

「出来るの…?」

 

「当然よ…。私はユウよりお姉さんなのだから」

 

友希那は客室を出てから調理スペースに向かい、慣れない手つきで珈琲を入れる。

そして、ユウの元へと持って行ってそれを手渡したが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…甘っ!?何これ!?」

 

「あっ…」

 

だが、友希那は失敗を犯してしまった。

自分が飲む時と同じ様に尋常ではない量の砂糖をユウに渡した珈琲へとぶち込むという大失敗を―――





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