さてと、物語を動かそう……
やっぱり、この人がいないとビルドが動かないねぇ……
次回急展開になりそうな空気を出しながらも投稿です
ガーディアンの攻撃を受けたダメージと慣れない変身での疲れが重なって意識を失ってしまったユウ。
そんな彼は先ほど寝ていた地面とは違う感覚を感じて目を覚ました。
「ん……?」
「ん……」
だが、目覚めた彼の視界いっぱいに広がるのは
それも今にもキスしてしまいそうな程の超至近距離で互いに目線が合ったことで完全にユウの思考が停止する。
正にサプライズ万丈と言う最悪のサプライズを受けてしまった彼は思わず絶叫してしまった。
「「なぁああああああああああああああああああああ!?」」
「うるさいぞバカ」
ただ、予想外なのはユウだけではなく至近距離にいた万丈までが絶叫して、絶叫の二重奏を響かせてしまったことをツッコまれるが、彼は顔を近づけていたままの状態でそのツッコミに反論し始めていた。
「戦兎、俺じゃねぇ!!コイツが急に目を覚ましたんだよ!!」
「いや、寝てた俺がどうこうできるわけないだろ」
「全くその通りだな。そもそも相手を確認するのにそんなに顔を近づける必要ないでしょ?」
「だけどよ!!てか、お前もいきなり目を覚ますんじゃねぇ!!」
「無理言うなバカ」
万丈はユウの顔の至近距離で叫ばれていることとその声量に流石のユウもイラついてきた。
だが、彼はバカでマトモなことを言って理解されるかも分からない事もあって、ユウは素直に万丈を罵倒したが、その言葉を万丈は聞き逃さなかった。
「バカじゃねぇ!!せめて筋肉付けろ筋肉を!!」
「言われたくないならさっさと離れろバカ筋肉」
「はいはい。いいからそこ退けって」
「……分かったよ」
バカと言われていつも通りの反応を示す万丈だったが、そんなやり取りを見かねた戦兎が彼の首根っこを引っ張って強引に退かしてから、戦兎は近くに置いてあった椅子に座ると―――
「色々と聞きたいことはあるけど……お前、本当に今井ユウか?」
「そうですよ。ファウストの人体実験されて、戦兎さん達の目の前でエボルトの遺伝子ねじ込まれた当時大体1桁年齢の今井ユウですよ~」
「お前が一海の農場で倒れてから2~3時間で一海が俺の研究室まで連れて来て、残ってた弾を抜いた片手間で血液を調べたが、よく分からん細胞とかナノマシンと一緒に万丈と同じエボルトの遺伝子もあったからな。
それもあってグリスに問題なく変身出来たんだろうな」
「流石、天才を自称するだけありますね。この時間でそれだけ調べるとか」
「まぁね~」
ユウは素直に戦兎の事を褒めると、その言葉を素直に受け取る天才物理学者は今のやり取りでユウのことを自身が知っている人物と同じ人間だと理解するが、バカはこの会話に全くついて行けなかった。
「はぁ!?何言ってんだよ!!ユウって言ったらまだ10歳にもなってない位だろ!?
それがなんで新世界になってみんなの記憶戻っても出てこない上に、いきなりでっかくなってんだよ!!」
万丈もユウを知っていたが、彼が知ってるユウはこの新世界が作られる前で一桁年齢程度。
そんな子供が新世界になってから現れた上に自分と見た目がそこまで変わらない年齢にまで成長していることにツッコむのは最もらしい言い分だが、新世界を創造した彼らにとっては粗末な内容だった。
「新世界を創造した俺とエボルトの遺伝子を持ってこの世界に存在してはならない人間の万丈は旧世界の記憶を持ったまま。
そして、エボルトが言うには別の世界の人間のユウは別の並行世界に飛ばされた。違うか?」
「実体験ではその通りです」
「やっぱりな……さて、その理由は?」
「データも何もないので推測になりますが、新世界創造の時に新世界に存在してはならない存在の2人とは違って、旧世界にも存在するはずの無かった俺は新世界創造のタイミングで新世界からも旧世界からも弾き飛ばされて更に別の並行世界に飛ばされた…って感じですかね」
「正解は分からないが、俺の推測と全く同じだ。流石、この天才物理学者の教え子だ」
「どうも……」
「全く分かんねぇ……」
「まぁ、ユウは俺達以上に存在してはいけないから新世界創造時に追放されたってこと」
「でも、まだ信じられ―――「エボルトとの最終決戦行くときに社会の窓全開で行ったのは忘れてないからな?」―――間違いねぇ……本物だ……」
天才を自称する戦兎は新世界創造時にユウに起こったことを推測しており、実際にその通りになっていたことを聞いて満足そうな表情をしていたが、万丈は全く話について行けずに未だに信じられずにいたのだが、彼が旧世界での最醜の状態について指摘されたことで遂に万丈すら彼が自分が知っているユウだと納得する事になったがまだ納得出来てない部分があった。
「でも、なんででっかくなってんだよ!!」
「そりゃ世界が違うんだから流れる時間の速さも違うんだろ?俺達の数か月がユウには数年だったってだけだろ」
「戦兎さん。万丈も納得したことで聞きたいですけど、俺の連れ2人はどうしてます?」
「スゲー汚れてたからシャワー浴びさせてから美空と紗羽さんの2人に連れられて服買いに行ってる。一海はその荷物持ち。幻さんも仕事切り上げてこっちに向かってて、因みに3バカは畑荒らしたせいでお留守番だ」
「「ただいま~……」」
「言ってるそばから帰って来たな」
「幻さんも一緒か」
「まって、ヒゲの髭が無いんだけど……!?」
そうしてユウが最低限知りたかったことを確認すると同時に戦兎の研究室の扉が開くと、そこから美空達に連れられた友希那達が研究室へとやって来ていた。
「ユウ…!!起きたのね」
「おにーさん…怪我は?」
「あぁ、こんなの肉食えばすぐ塞がるよ」
「ユウ、それも詳しく教えろよ」
「戦兎さん?目が怖いんだけど」
「一旦離れろって」
研究室に戻ってきた友希那達は目覚めたユウに駆け寄ったが、ユウが声をかけて安心させるとその言葉を聞いた戦兎は血走った眼をユウに向け始めると今度は万丈が戦兎の首根っこを掴んで強引に距離を取らせる。
そんな中でユウのことを話でしか聞いていなかった幻徳が、本当に自身が知っているユウだと納得しておらず怪訝そうな表情をユウに向けていた。
「ポテト、こいつが本当にあの子供だった今井か?」
「さっきも言っただろヒゲ。俺の野菜食わせる約束の事を言ったから間違いねぇ」
「幻さん…。クソダサい私服じゃない上に髭剃ったら完全に没個性じゃん」
「「「「「ぷっ…!!」」」」」
「………」
「なんなのよ…この人たち……」
一海の言葉を未だに疑っていた幻徳だったが、ユウからの火の玉ストレートの暴言に周囲が噴き出す中で真正面に受けて撃沈する。
そんな光景に友希那が呆気に取られていたが、ユウは少し考えてから一言で彼らの説明をし始めた。
「
「「「「ちょっと待て!!」」」」
ユウは一言で戦兎達の事を説明したが、その説明に一海と美空以外の全員が一斉にツッコミを入れていた。
「俺のマッドが納得しかねるんだけど?どう考えても天才でしょ?」
「戦兎君は自分の発明品試そうと武器を人に向ける時点で間違ってないけど、ユウ君?もっと言い方あるでしょ~?」
「紗羽さんも難波チルドレンだったから間違ってないだろ……後!!俺のバカって言うなら筋肉付けろ!!それと俺は殺しも脱走もしてねぇ!!」
「待て。俺のどこが変態だ。それと万丈、殺人は無実でも刑務所から脱走したのは事実だろ」
「いやいや幻さんもなんだかんだ言って放送事故レベルのクソダサいし服着てたじゃん」
「別にどれも間違ってないでしょ」
「そうだよね~みーたん?」
自分の説明に納得いかない面々がユウに食って掛かる一方で、自分の説明に納得している美空と一海の2人は食って掛かる面々に呆れていたのだが、その余裕そうな一海に一斉にその方向が向いていた。
「ポテト!!お前、なに呑気にしてるんだ」
「一海。お前ドルオタのクセに推しと付き合ってるとかダメに決まってんだろ?」
「私がネットアイドルしてたの旧世界でだし、こっちじゃアイドルなんてやってないし」
「美空、そうだとしても10歳差は犯罪だろ」
「うるせぇ龍我!!俺とみーたんは純愛なんだよ!!それを言ったらヒゲ!!おめーも紗羽さんと朝までホテルで語り合っただろうが!!」
「俺達は大人同士だからいいんだよ!!」
「なんだと!!」
「あ~あ……収拾着かなくなってるし……」
「カズミン。お前、ドルオタと推しが付き合うのは妄想の中だけってめっちゃ語ってたくせに……」
ユウの紹介から一気にヒートアップして言い争う一同だったが、そんな中で完全に蚊帳の外になってしまった美空は収拾がつかなくなってしまった現状に頭を抱え始めてしまった。
その光景を作った張本人は言い争いの輪からするりと抜け出して、友希那達の元へと移動していた。
「おにーさん……これどうしたら……」
「アレはほっといていいよ」
「子供のユウが料理し終わる頃には終わってたし……」
「1桁年齢の子供が料理してる目の前でずっと下らない言い争いしてましたね~」
「ユウ…?そんな小さい時から料理を……?」
ユウは目の前の言い争いを眺めて感傷に浸っていたが、友希那は彼が一桁の年齢の頃から料理をしていると言う言葉に彼はニコニコとした笑みを向けていた。
「まぁね…美空さん、材料とかあります?」
「戦兎の研究室にそんなのある訳ないでしょ…。だけど食材は買ってきた。今日はパスタの気分」
「だったらスグ用意しますね」
ユウは美空のリクエストを聞きながら、彼女から買い物袋を受け取りながら中身を確認し始める。
材料には問題はない。
これならば作り終えた頃には騒ぎも収まって皆が腹を空かせるだろうと呑気に考えていたが―――――
「悪いが、食事の準備より先に俺の話を聞いてほしいんだが?」
「なっ!?」
「Ciao~」
その空気は一瞬にして粉砕されてしまったのだった。
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