忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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Chao~

うーん
一気に話を進んできたな……
という事で今回のラスボス開示!!
これ今までの特別編の中で一番ヤベー!!相手な気がしますが…投稿です


Gast05-5_不公平過ぎるトランザクション

響いてきたその声に一気に研究室の空気が緊迫した物へと変わっていく。

それは状況が分らない友希那や燈ですら肌で緊迫感を感じていると、その乱入者の名を戦兎が叫んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「エボルトォ!!」

 

「よぉ、久しぶりだな戦兎!!」

 

「ユウ、怪我人はみーたん達と下がってろ」

 

「下がるにしても最低限の戦力がいるでしょ…万丈、スクラッシュ寄越せ」

 

「ちっ…壊すなよ」

 

「……何?」

 

戦兎達の緊迫感を他所にエボルトは戦兎達との再会に軽い口調で答えていたが、男性陣は即座に自身のベルトを構えていた。

エボルトは出てきたユウの名前に不思議がると、万丈からスクラッシュドライバーとゼリーを渡されたユウの姿を観察すると、エボルトの中でその言葉と自身の記憶が繋がって嬉しそうな声を挙げていた。

 

「お前!!ユウだな!!あんなに小さかった子供が随分とデカくなったな!!それにそっちのお嬢さん方はユウのお友達か?」

 

「2人には手出しさせないけどな……」

 

「10歳にもなってないガキがネビュラガスはおろか俺様の細胞―――いや、身体に入れて変質したブラッド族の遺伝子に耐えきったユウ。

お前のことは結構気に入ってるんだ。その連れならすぐには手を出さねぇよ」

 

「そう言えば、…エボルト、なんでスタークの姿をしてるんだ……?」

 

 

 

 

「そこはどうでもいいだろ!!てめぇ!!何しに来やがった!!」

 

「この星を破壊にしに来た」

 

「てめぇ…!!」

 

ユウの成長を嬉しがるエボルトだったが、彼は怪人態でもドライバーを使って変身するエボルでもなく、ブラッドスタークの姿をしていたことに対してユウは疑問を感じていたが、そんな空気の中で万丈がエボルトに吼える。

 

その言葉を聞いたエボルトは軽い空気から一気に真剣さを増して星を壊しに来たと口にすると全員が即座にドライバーを装着して戦闘に入ろうとしたのだが――――

 

 

 

 

 

「って言いたかったが……今回は全く別の目的だ」

 

「別の目的だと……?」

 

「単刀直入で話をするが、今回はお前たちの手を借りに来た」

 

「なんだと……?どういう事だ?」

 

「戦兎、お前達にも関係がある上に特大でヤバい内容だ。

と言うよりユウ、お前は既に巻き込まれてるし、次はおそらく万丈だ」

 

「俺が…?どういう事?」

 

「次は俺って…エボルト。お前、ふざけてんじゃねぇだろうな?」

 

「万丈、俺様もふざける時と真面目な時の分別は付く。ユウ、話を聞くかはこれを見てから判断しろ」

 

エボルトは急に先ほどのような軽いノリに戻って星の破壊とは全く別の目的でこの星にやってきたと口にすると、その言葉の真意が分からなくなっていく一同に対してエボルトが口にした内容に全員が疑問を感じた所にユウは既に巻き込まれているという爆弾を投下したことで万丈はブレずに疑いの言葉を口にしたタイミングでエボルトは何かをユウに向かって投げるが、それと受け取ったユウはその受け取ったものの正体を見て唖然とせずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

「エボルボトルにエボルトリガー………!?」

 

「それもトリガーに至っては起動してない状態だと…?どういう事だ?」

 

「そうなった経緯も大真面目に話そう。聞く気になったか?」

 

「戦兎さん、聞くべきだと思いますよ」

 

「あぁ……聞くだけ聞いてやる……」

 

ユウに投げられたものの正体はエボルトがドライバーで変身するときに使うエボルボトルと完全体になるために必須のエボルトリガー。

エボルトにとっては最重要とも呼べるアイテムを渡されたことで警戒しながらも話を聞く事を選ぶとエボルトはここに来ることになった出来事を放し始めていく。

 

 

 

「事の発端は俺が惑星間を移動してた時だ。宇宙で力を蓄えていた時にいきなり目の前に現れて戦闘になったんだ」

 

「宇宙でお前とだと?」

 

「あぁ。少し面倒な相手だったが力を蓄えていた俺からしたら特に問題になるような相手じゃなかったんだが、油断してた隙に別の奴まで乱入された結果、蓄えてた力の粗方を奪われちまったんだ。お陰でドライバーもこの通りだ」

 

「…かなり損傷してるな」

 

「それがどうして俺やユウに繋がんだよ」

 

宇宙でエボルト相手に戦闘を繰り広げて力を奪った相手がいる。

それだけでもかなりの大事だが、それ以上に厄介なのはエボルトと戦ったのは最低でも2人もいて、エボルドライバーすら損傷させるような相手だという事だが――――

 

「その内の1人がワームホールみたいなものを作って、その中にはユウ、お前がいた。最初はユウだとは分からなかったが、アイツの思い通りになるのが気に食わなかった俺はワームホールに力をぶつけて消そうとしたが―――」

 

「その攻撃でユウと近くにいた2人は巻き込まれてこの世界に飛んできた。

目的はエボルトと同じブラッド族の遺伝子を持っていた別次元のユウから力を奪うことで、今度はエボルトと同じ遺伝子を持つ万丈が狙われると……

 

そうなると、エボルトがここにいるのは力を奪ったやつらがこの地球にやってきてて、奪われた力を取り戻すためって訳か」

 

「正解だ。流石戦兎だな」

 

「だが、何のためにエボルトの力を?」

 

 

「そこでお前達の関係あるって言った理由になるが、敵の1人は…キルバスだ」

 

「「「「っ!?」」」」

 

「アイツは万丈にやられて復讐する気満々だ。そうなればお前達も無関係って訳にもいかないって訳だ」

 

今のエボルトの話で戦兎が一番に答えにたどり着いた。

エボルト同じ遺伝子を持つユウが狙われて、それを阻止した結果この世界に飛ばされて、その相手は地球にやって来て万丈を狙う可能性が高い。

そして、その相手の1人は以前に万丈が倒したキルバス。

その相手は”パンドラボックスでビッグバンを起こして宇宙と心中する”事を目的としていた

相手であり、地球も破壊されるとなれば戦兎達も無関係ではないことを嫌でも理解させられた。

 

「……要するに力を失ったお前の代わりにキルバスを倒せってことか?」

 

「万丈、それもあるが厄介なのはもう1人の相手の方だ。そいつを始末してくれ」

 

このタイミングで戦兎達にも関りがあるという事を明確にしてエボルトは自分の代わりに自身をハメた相手を始末することを戦兎達に頼んでいた。

しかし、戦兎達からしたら自分達が住んでいる地球が破壊される可能性がある以上は何としてでも阻止しなければいけない案件であり、そこにエボルトの復讐の片棒を担ぐことになってしまうにしても災厄に巻き込まれた以上は立ち上がるしかなかったのだが――――

 

「もちろんタダでとは言わない。取引だ」

 

「取引だと…」

 

「どういう事だ…ごらぁ……」

 

「万丈も猿渡も落ち着けよ…」

 

あろうことかエボルトは無償でもやらざるを得ない相手に取引と言う形を持ちかける。

本来ならばそんな事をする必要がないエボルトの言葉に万丈たちが噛みついてくるが、その言葉を聞き流してエボルトは自身が持ちかける取引の内容を口にした。

 

「奴らを始末したならユウ達を元の世界に返すために協力してやってもいい」

 

「俺達か……。俺だけなら蹴ってもいいけど」

 

「ちょっと…」

 

「それは……」

 

「美空さんも紗羽さんも分かってますって……俺はどうでもいいけど、ゆきちゃんと燈ちゃんは返してあげないと……」

 

 

「だとしても、ユウ達が帰る方法なんてあるのかよ!!」

 

「信用ならんな。そんな方法がある訳がない」

 

取引はこの世界に迷い込んだユウ達の帰還の手伝い。

その話を聞いたユウは本人だけならばこの胡散臭い取引を蹴っても良かったのだが、巻き込まれた友希那達がいる以上はその取引について真剣に考えないといけなくなってしまい、他の面々もユウ達が面倒ごとに巻き込まれているのを解決しようと真剣に悩んでくれる善人揃っていてこの取引について考えざるを得なかった。

しかし、そんな都合よく異世界に繋がるようなものは用意出来る訳が――――

 

「万丈、幻さん。エニグマだ」

 

「そうだ。葛城巧が別の世界に行った事もあるし、エニグマのデータ自体は戦兎が持っている。融合させる訳じゃなく人が行き来させるだけなら戦兎ならすぐに小型化再現できるはずだ。だろ?」

 

「出来る出来ないで言えば出来る。だが、問題が無いわけじゃない。

稼働させるためのエネルギーをどうするか?それに並行世界と繋がったとしてもユウ達がいた世界につながる保証はないし、エボルトが裏切る可能性もあるだろ」

 

 

あった。

それは以前に並行世界融合装置として世界を破滅寸前に追い込んだ悪魔の装置エニグマ。

アレを簡略化して人が行き来できる程度の物へと改善できるとエボルトは踏んでおり、実際に戦兎ならばそれを用意することは出来るが、これを作った後にエボルトが裏切ることも考えなければいけないが、そこは取引―――――――

 

「なら、それを起動させるためのエネルギーは俺がなんとかしよう。裏切らないための担保は俺がユウに渡したボトルとエボルトリガーだ」

 

「「「なっ!?」」」

 

エボルトはあろうことか完全に復活するために必要になるエボルトリガーを担保にすると言うとその言葉に大半の面々が、彼の本気度に驚愕していたが、それでも政治と言う魔窟で戦っている幻徳の目は鋭かった。

 

 

 

「エボルドライバーは内海のものがある。それを奪えば―――」

 

「鋭いな。

だが、アレは人間用にデチューンしてある。

ボトルの使用についてはともかくエボルトリガーの負荷に耐えられない。それに内海のドライバーを使ったとしてもお前達全員を相手にしたらこっちの被害がデカ過ぎる」

 

「戦兎。アレを使ったところでそんな都合よく元居た世界に帰れるのか?」

 

「安定して行けるのはエグゼイドの所だろうな……それ以外は……」

 

「戦兎さん。エニグマで俺が元居た世界に繋がらなくても、俺達はエグゼイドの世界に行ければ変える方法はあるから大丈夫です」

 

「「「……」」」

 

「戦兎さん。判断は任せます。装置を作るにしても主導するなら戦兎さんしかいない」

 

 

 

 

 

 

「………いいだろう。エボルト相手に思う所はあるが、地球を破壊される相手を放置する訳にもいかない」

 

「そうこなくっちゃ!!大丈夫だ。俺がその装置を使って別の世界に行くことはしねぇ。戦兎達と会えなくなるからな!!さて、何時までのいつもの姿に戻るか…」

 

 

 

 

「お父さんの姿はやめるし」

 

「案外気に入ってんだよ。ユウ、オマケだ」

 

「エボルドライバーまで渡すか…」

 

「この姿と一緒でお前のこともお気に入りだからな…」

 

長い会話を経てしぶしぶながらもエボルトとの取引に応じることを決めた戦兎。

その言葉を聞いたエボルトは上機嫌で立ち上がるとスタークの姿から以前に擬態していた美空の父である石動惣一の姿になるとそのままユウの元へと歩み寄ると壊れた状態のエボルドライバーすらユウに渡してその肩を軽く叩いていた。

 

 

 

 

 

 

 

「ハザードレベル5.2……大分成長したな。俺と融合出来るレベルだが、お前の身体の中に変なのが多すぎる。

試しに乗っ取ろうとしたが凄い勢いで反撃されたぞ?」

 

「エボルト言ったそばから何やってんだよ……で、今回の相手だけど。俺はそのキルバスってのは知らないから色々聞きたいけど、もう1人いるんでしょ?どんな奴?」

 

エボルトはユウのハザードレベルを計って言葉を漏らしたのをユウは軽く流しつつ今回の敵の正体を尋ねるとその質問に研究室の空気は張りつめていく。

 

「今回の相手はキルバスともう1人。

俺が一番消したい相手。それは――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

並行世界から来た俺だ」

 

そんな空気の中でエボルトはおもむろにその相手を告げたのだった。





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