忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます
さてと、後数話で盤外終わるな…よし!!
ここで一気に話を進めよう……
ってなわけで最新話…どうぞ!!


Gast05-6_決戦を告げるファンファーレ

エボルトとの取引を受けてから1週間が経ったが、未だに相手の足取りはつかめずにいた。

 

 

 

 

「紗羽さんのジャーナリストの伝手とか幻さんが政府のあれこれやってもまだ見つからないか」

 

「キルバスの野郎がいるのにあれから1週間も尻尾を掴ませない。俺のクローンと言うことだけはある」

 

「俺はそのキルバスって奴は知らないけど、そんなヤバい奴なのか……ほら、エボルトの料理、とんかつだ」

 

「破滅願望丸出しの奴だからな。あれを1週間も黙らせられるのは神業だな…。おい、これ黒焦げじゃねぇか」

 

「焦げてない。竹炭が練り込まれてる黒いパン粉を使ってるから黒くなってるだけ」

 

「そうか………ん……味も悪くない。それにこの色、宇宙のブラックホールに似てるな。気に入った」

 

「まさかお前、珈琲くそ苦くて不味かったのはブラックホールの黒を再現するためだったりするのか?」

 

「よく分かったな」

 

相手の情報を調べようと幻徳紗羽のコンビがあれこれ駆けずり回ってはいるものの、未だに情報がない。

そんな状況でユウは呑気に研究室の一角に備え付けられたキッチンスペースで料理を作ってから石動惣一に擬態していたエボルトの前に差し出すが、受け取ったエボルトは出された料理を箸で突いて警戒しつつも恐る恐る口にするとその味を気に入っていた。

そんな会話の中で出てきたエボルトの珈琲の不味さの理由が分かった事にユウはゲンナリとしていた。

 

「美味ぇ……!!カシラ、前の世界でこんなうまいもんばっか食ってたんすか!!」

 

「ズルい~!!」

 

「落ち着けって……」

 

「人数多くて待ってたのは分かるけど、青羽の言う通り落ち着いて食えよ2バカ…」

 

「おい!!作ってもらっておいてなんだけど2バカって何だよ!!」

 

「ユウの言う通りだ静かに食え!!勝、聖吉!!」

 

エボルトと同じものを食べていた3羽ガラス―――もとい赤と黄は旧世界でユウの料理を食べていた一海に文句を言いながらも元気よく食べ進めていたのだが、ここで不満の声が跳び込んできた。

 

 

 

 

「ユウ!!俺の分はどうなってんだよ!!」

 

「万丈のはもうとっくに出来てたけど?」

 

「呼べよ!!」

 

「万丈、お前が筋トレに夢中になってて聞いて無かっただけだ。それとお前の分は戦兎がもう食っちまったぞ?」

 

「戦兎ー!!」

 

そんな中で万丈が自分の分がない事に文句を言うが、彼は筋トレに夢中になっていて呼んでも来なかったせいで自身の分は既に戦兎の胃袋の中に収まっていた事を告げられると、彼は彼は自身の飯を奪った張本人の名を叫びながら彼がパソコンと向き合っていた椅子を掴んで揺する始めていた。

 

「お前うるさいよ…ったく、俺の研究室が油臭くなるじゃねぇか」

 

「そう言って万丈の次に食ってるのは戦兎さんですけど?」

 

「研究者は頭使うからカロリー必要なの」

 

「いいから俺の飯返せ~!!」

 

「2人とも変わんねぇな……」

 

男子?達が賑やかに騒いでたが、そんな彼らに離れていた場所では同じ様にユウの食事を待っていた女性陣達が冷たい視線を向けていた。

 

「万丈うるさい」

 

「筋トレして話を聞いてなかった方が悪いじゃない」

 

「えっと…少し分けますから……」

 

「燈ちゃん、万丈にやさしくしないでいいから」

 

 

「燈!!お前、いい奴だな!!美空、聞き逃してたのは悪いかも知んねぇけど俺の分を食うのはないだろ!?…後、それに比べて友希那!!筋肉バカにしてんのか!?」

 

「なんでそうなるのよ……。腹筋は音楽には重要だからバカにしてはいないわ」

 

「バカって言うなら筋肉付けろ!!この音楽バカ!!」

 

「何ですって…?」

 

この場に残っていた女性陣―――友希那と燈、それと美空の3人からの視線を向けられた万丈。

彼は相変らずバカと言う単語に反応してしまったのだが、今回はそれだけでなく友希那の事を”音楽バカ”と言ってしまったことで友希那はそれに反応して万丈を睨みつける。

バカから始まったこの空気に2人の間に緊張が走るが――――

 

 

「万丈は実際バカだろ…中学の勉強ですら怪しいだろ」

 

「ゆきちゃんも英語とかは作詞の関係で多少は出来ますけど、それを抜いたら高校卒業出来た理由が分からないくらいバカですよ」

 

「なんだ。どっちもバカじゃねぇか」

 

 

 

「「うっ……!!」」

 

「とりあえず、万丈は女子と同じチキンカツにするから。あっちの方が脂質少ないから筋肉に良い。ゆきちゃんも後でカラオケに連れてくから落ち着いて」

 

「よし!!なら早く頼んだ!!」

 

「ユウ、早くしてちょうだい」

 

「ちょいちょい!!ユウはこの後俺の手伝いしてもらいたいんですけど~?」

 

「戦兎のせいなんだから諦めろ!!」

 

「そうよ。ユウは私のよ」

 

「あのねぇ……敵に対処するための準備で忙しいの!!人手が欲しいけど、俺の話についてこれるのがユウしかいないから仕方ないでしょ!!」

 

 

 

「モテる男は辛いねぇ~」

 

バカ二人は外野の言葉によって心を抉られてしまってそのまま戦意喪失したが、ユウの言葉を聞いてすぐに復活すると、そこに戦兎も混ざって食事の後のユウの取り合いが始まる光景にエボルトが茶化し始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、この緩い時間は一瞬にして砕け散った。

 

「戦兎~電話鳴ってるぞ~」

 

「紗羽さん?内海さんのとこ行くって言ってたけど……もしも―――」

 

 

 

 

 

『戦兎くん!!さっきガーディアンに襲われたの!!』

 

「えっ!?怪我は!?」

 

『一緒にいた内海さんが変身して倒したから無事だけど……』

 

「分かった…悪いけど内海さんと一緒にこっちに――――――」

 

「ちょっと!!みんな!!テレビ見て!!」

 

戦兎のビルドフォンに紗羽からの電話で伝えられたのはガーディアンに襲われて撃退したという報告。

一同は固まってしまったのだが、これで話は終わらずにテレビには見覚えのある人物が映っていた。

 

 

 

 

 

「見つけた…!!キルバスだ…!!」

 

「コイツが…?」

 

「なんでちゃんと服着てないの……?」

 

「ちゃんと服着なさいよ」

 

「ゆきちゃんも燈ちゃんもそのツッコミはおかしい」

 

『万丈龍我!!エボルト!!一度俺を倒したお前達をこれから完全に滅ぼす!!

手始めにお前の仲間を襲撃し――――――』

 

テレビに映ったのは人間に擬態したキルバス。

始めてみるその姿に友希那と燈が変な所を気にしつつも皆がキルバスへと視線を向けると、その男がカメラを指差して高らかに宣言すると同時にテレビには砂嵐だけが写されていた。

 

 

「中継が切れた……?カメラの破壊されたか?」

 

「戦兎さん、中継そのものが切られた感じですね。それにしても派手な宣戦布告だな……」

 

「それに比べて俺のクローンは陰キャらしい。宣戦布告に顔も出さずにこそこそとしてるみたいだな」

 

「どうすんだよ!!敵がどこにいるか分かんねぇだろ!!」

 

キルバスの宣戦布告に対して言いたい放題言っていた。

しかし、中継が切れたことでこの宣戦布告以外には何も分からなくなってしまった。

 

「万丈、そんなのテレビ局に行けば……いや、移動されたら無駄になっちまうな……」

 

「それなら問題ない。

場所は以前に万丈がキルバスを倒したあの場所に待っていると言ってた。中継の方は政府で中継を止めた。下手に野次馬に来られたら被害が広がるだけだからな」

 

「万丈、お前に入らせてもらうぜ?」

 

「おい!!エボルト!!てめぇ!!」

 

「よっし!!カシラ!!全員で殴り込みに行きましょう!!」

 

ここで幻徳が研究室にやってきて、先ほど切られた中継の続きを口にする。

それを聞いたエボルトは食事をそこそこにスタークの姿に戻ってから万丈の身体の中に自身を潜り込ませ、飯を食べていた赤羽が立ち上がって全員で殴り込みに行くと言うが――――――

 

 

 

 

 

 

「お前ら3人は留守番だ」

 

「「「えぇ~!!」」」

 

「お前ら3人も来ちまったら誰が街の連中とみーたん達を守んだよ。任せたぞ…」

 

やる気満々だった3羽ガラス達は一海の言葉を聞いて一気に崩れ落ちてしまった。

だが、流石3人を率いていた一海。

留守番と言われてテンションが下がった3人に対して美空達を任せてテンションを先ほど以上になるまで一気に戻っていく。

 

「俺はどうしますかね……」

 

そして残されたユウは――――――

 

「今井、これは俺達の世界の問題だ。それに俺達基準だとまだ1桁年齢の子供だ」

 

「ポテトの言う通りだ。そんな奴に俺達の世界を背負せる訳にはいかねぇだろ」

 

「幻さん…カズミン……」

 

 

 

「いくつかのフルボトルと予備のビルドドライバーは渡すが、あくまで自衛のためだからな?お前は一緒に来た2人を守るんだぞ?」

 

「って訳でお前は俺達が帰ってきた時の為にプロテインラーメン用意しとけよ!!」

 

「「「それはいらん!!」」」

 

こうしてユウまでもが留守番することが決まっただが―――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く…しょうがないなぁ……」

 

「ユウ!!どうして来た!!」

 

「プロテインラーメン用意しとけって言ったろ!!」

 

4人を見送ってからしばらく後、最終決戦をしていた筈の場所ではクシャっと笑ったユウが立っていたのだった。

 

 




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