忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます
投稿ですが…おや?
何かおかしい気がしますね…?


Kapitel-3
16話-Hello Alone


 

日菜の余りにも軽率な願望が原因で起こった事件が解決されてから数日経った。

あの事件を覚えているユウと友希那は今――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「リサ姉!!がんばれー!!」

 

「ほら!!友希那!!早く行くよ!!何時まで引っ付いてるの!!」

 

「ユウ……」

 

「ゆきちゃん…」

 

ユウと友希那はリサの手によって引き裂かれそうになっていた。

事の始まりは前日にまで遡る――――――

 


 

「明日は土曜日だから少し遠くまで買物でもしようかな…」

 

「ユウ…」

 

「ゆきちゃん?やりたいって言ってた大学の課題は終わったの?」

 

大学に通う友希那が”集中したい”と言う要望を聞いたユウ。

彼は大学の課題を取り組もうとしている友希那を自身以外は誰も入ってくることのないゼロライナーの客室に案内して、自身は離れた席で彼女が持ってきた音楽雑誌を眺めていた。

そんな時に大学の課題に取り掛かっている友希那が声をかけてきたのに答えて進捗を聞いたが―――

 

 

 

 

 

 

 

「課題?課題じゃなくて作曲よ?」

 

「……」

 

友希那は取り組んでいたのは大学の課題ではなく、作曲。

その言葉に驚いたユウだったが、すぐに我に返って友希那に問いただし始めていた。

 

「ゆきちゃん?」

 

「何かしら?」

 

「大学の課題は?今日は出てたはずだよね?」

 

「どうしてそれをユウが知ってるの…!?」

 

「紗夜さんから連絡が来たんだよ。姉さんと燐子さんに迷惑かけない内に課題をちゃんとやらせてほしいって…」

 

「なっ!?」

 

友希那は確かに大学からの課題が出されていたが、それを彼に伝えてはいない。

そのにもかかわらずユウが友希那の課題について言及してきたことと、その答えを聞いて友希那は驚いたが――――

 

「ちょっと待ちなさい!!なんであなたが紗夜の連絡先を知ってるのよ!?」

 

「紗夜さんの妹が撮った写真を誤魔化すのに、ゆきちゃんの親戚って事で誤魔化したからね?それで身内なら面倒見ろってさ。因みに姉さん以外のゆきちゃんのバンドの人の連絡先は教えてもらったよ?」

 

「課題はやったわよ……ちょっとだけ…」

 

だが、友希那は課題のことよりも”紗夜から連絡が来た”と言う言葉に対しての驚きの方が強く、思わずその事を聞き返すとユウは肩を竦めながらその言葉に答えるも、友希那はその答えには不服そうな表情を浮かべていた。

 

「ユウは私よりも年下なのに…」

 

「会った時はそうだけど、前にも話したけど今の俺は20歳でゆきちゃんよりも年上だよ?」

 

「普通は年齢が越されるなんてありえないわよ」

 

「それはごもっともで…」

 

年下である筈のユウに面倒を見られるということが不服に感じていた友希那。

 

だが、ユウからしたら今の自分は友希那よりも年上で面倒を見るということは特に気にしておらず、友希那からの正論を叩きつけられも平然とした態度で答えていた。

 

それに、友希那は急いで課題を終わらせる必要にも迫られていることをユウは知っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにあこちゃんと燐子さんから聞いたけど…今週の土日は泊まりでMVの撮影をするんでしょ?荷物は送ってあるって聞いたからそれが終われば身一つでいけるんでしょ?」

 

「それは……」

 

「やんなきゃ後で泣きを見るんだから…やるよ。確か英語の課題だよね?」

 

通常の学生ならば土日は休みだが、プロのバンドマンでもある友希那は土日に仕事を入れられており、今回はそれが泊まりで行う仕事であったのだ。

 

音楽が優先だが、そのために学業も行わなければならない。

そう言ってユウは友希那に課題をやるように迫るが、友希那は言い訳を並べて逃げようとしていた。

 

「…ユウ。やると言っても英語が分かるかしら?出来ないのにやれなんて―――」

 

「失礼……ゆきちゃん、そこのスペルが違うよ。後はそこの翻訳も単語だけなら意味が合ってるけど、文章になると意味が変わるからね」

 

「えっ…?」

 

ユウは友希那は途中で投げだした英語の課題を手に取るのとほぼ同時に彼女の間違いを複数指摘し始めていた。

突然の指摘に驚いていた友希那にユウはニコニコと笑みを返していたが、その目だけは全く笑っていなかった。

 

「ゆきちゃん、出来ないのに…何だって?」

 

「ごめんなさい…。そもそもなんで分かるのよ……」

 

「オーナーとか駅長とか亀とか色んな人に叩き込まれたからとしか…」

 

「駅長…?亀…?」

 

「いいから…やるよ?」

 

「えぇ…」

 

友希那はユウが勉強した方法が気になったが、そんなことを気にしているのが勿体ないとユウに急かされて課題に取り組んで長い時間をかけて完了させたのだが、友希那はその場で崩れるように寝落ちしてしまっていた。

 

そして、ユウはそれを放置して朝まで寝かせたが――――

 

 

 

 

 

 

「やばっ!!俺も寝てた…!?」

 

「zzz…」

 

「目覚ましセットしてなかったよな…待って…時間は!!」

 

気が付けばユウも友希那と一緒に寝てしまい、それに加えて目覚ましを忘れていたことを思い出すとすぐにポケットに入れている懐中時計を取り出して時間を確認したが、既に状況はクライマックスだった。

 

 

 

 

「ゆきちゃん!!もう時間だから起きて!!家まで迎えが来る6時まで10分くらいしかないから!!」

 

「迎え…?親は昨日の夜から旅行で…zzz…」

 

「寝ぼけてる場合じゃないよ!!シャワーも何も準備出来てないでしょ!?とりあえず!!着替えとかしなきゃ!!」

 

時計の針は出掛ける時刻の10分前を示しており、友希那は大学の課題を終わらせた状態から寝てしまっていた。

流石にこの状態の友希那を外に出すことを躊躇ったが、こんなくだらないことでゼロナイナーで過去に戻ることなどしたくないユウは最低限度以下だろうと出来る限りの身支度を整えさせるべく友希那を揺すって起こそうとしたが――――

 

 

 

 

「んっ…にゃ~んちゃん……zzz…」

 

「ちょっと!!腹に抱きつかないで!!」

 

「zzz…」

 

だが、友希那が目覚めることはなく、それどころか寝ぼけてユウを抱き枕の様に抱き着き始めてしまった。

ユウは引き剥がそうと考えたが、これ以上ここで問答をしても現代で迎えが来ても気が付けないことに気が付いてしまった。

 

「荷物回収して…まずは出ないと…」

 

この状況で最低限をこなすべく、テーブルに広げられた友希那の荷物を回収してからゼロラ

イナーの扉を友希那の部屋まで繫げて友希那を引き摺ってそのまま列車から降りたユウだったが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「友希那さ~ん!!迎え来ましたよ~!!」

 

「宇田川さん、まだ朝早いのですから静かに」

 

 

 

 

「げぇえええ!?この声あこちゃんに紗夜さん!?もう時間になってる!?」

 

現代に戻ったのと同じタイミングで玄関からあこの大きな声がそれを窘める紗夜の声が聞こえくる。

 

その声を聞いたユウは時計を確認すると、針は丁度迎えが来る時間を示していたが、友希那は身支度など全く終わっていない。

だが、迎えがきた以上はどうしようも無いと諦めの境地でユウは友希那を引き摺りながら玄関の扉を開けた。

 

「友希那、やっとき…」

 

「湊さん、おはよう…」

 

「「友希那さん。おはようござい…」」

 

 

 

 

 

 

「「「えっ…?」」」

 

「あはは…おはようございます……」

 

「友希那~!!」

 

玄関が開いたのと同時に4人が友希那への挨拶を口にしようとしたが、出てきた友希那の状態に思わず言葉を詰まらせてしまい、ユウも何とも言えない空気を感じて苦笑いを浮かべる。

 

そして、話は冒頭の時へと繋がっていく――――

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら!!友希那!!早く行くよ!!何時まで引っ付いてるの!!」

 

「リサ姉!!がんばれー!!」

 

「ユウ……zzz…」

 

寝ぼけてユウにしがみ付いた友希那を引き剥がそうとするリサとそれを応援するあこ。

そんな白熱する2人とは対照的に紗夜と燐子が呆れていたが、そんな中で冷静に紗夜はユウに説明を求めていた。

 

「中島さん…でしたか?湊さんの遠緑の親戚とは聞いてますが、距離がおかしくないですか?それにどうしてそんなことに…?」

 

「いたたっ…昨日の夕方からやってた大学の課題が終わったらそのまま寝ちゃてて寝ぼけて…痛いから…」

 

「あの…大丈夫ですか…?」

 

「痛いだけなんで。あっ、燐子さん。大学から出てた英語の課題なんですけど、ゆきちゃんが終わらせたみたいなので、一応になるけど見てもらってもいいですか?」

 

「えっ…はい…私もまだ終わってないですが…」

 

 

「ちょっと!!ただ引っ付かれてるだけじゃなくて、友希那引き剥がすの手伝って!!」

 

「リサ…うるさいわね…」

 

ユウはこの空気の中で質問に答えながら、同じ大学の燐子に友希那の課題の確認を依頼すると、リサの方が友希那を引き剥がせずに声を挙げると、このタイミングで友希那はついに目覚め、目覚めて力が弱まったところでリサが渾身に力で友希那を引き剥がした。

 

 

 

 

 

「この感じ…友希那!!撮影なのにシャワーも着替えもしないで寝たよね!!」

 

「課題やってたせいよ…ユウ。助けて…」

 

「うん。それは無理だから」

 

「なっ…!?」

 

友希那を引き剥がしたリサだったが、その際に着替えもシャワーも浴びてないことに気がついて怒り出す。

その怒りを間近で感じた友希那は涙目になりながらユウに助けを求めてるがユウはその助けを拒まれて友希那の表情は絶望に染まりはじめていた。

 

「友希那!!色々話はあるから!!」

 

「お仕事頑張ってね?」

 

「薄情者…っ!!」

 

 

 

 

「友希那さんの親族と言うよりは、今井さんの親族と言われた方が納得出来ますね…」

 

「そうですね。髪の色やクセ、目も今井さんと同じですからね」

 

「…あはは」

 

怒り心頭のリサは友希那をズルズルと引き摺るとそのまま車の中に彼女を押し込んだ。

その光景を呆れた様子で見ていた燐子と紗夜は今のやり取りを見て思ったことを口にするも、その言葉は無自覚にユウを傷つけるが、それを誤魔化すようにユウは乾いた笑いで誤魔化し始めた。

 

「…ゆうさん?」

 

「あこちゃん、どうしたの?」

 

「もしかして、リサ姉の事が嫌いなの?」

 

「………嫌いじゃないよ?でも、ちょっと苦手…かな?それに嫌いって言うなら紗夜さんの妹の方が嫌いだね」

 

「そっか!!」

 

この笑いを見たあこはユウがリサを嫌いだと何を勘違いしたが、その指摘にユウは驚きを隠せなかった。

 

相手に記憶が無くても、ユウにとってはリサは姉で嫌いとは微塵も思っていない。

だが、彼の頭には先日の事件での一幕が頭をよぎって言葉を漏らすと、あこはそれを信じたようでそれ以上の追及が止まり、5人が乗った車は紗夜の運転でこの街を出発した。

 

 

「行ったか…二度寝しよ…」

 

それを見届けたユウは友希那からの肉体的なダメージと紗夜達から受けた精神的ダメージ、そして寝不足の状態から回復するために即座にゼロライナーに戻って二度寝を始めるのだった。

 





誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。

オマケ-主人公からの好感度(3章開始時点・好感度順
友希那→特異点。全部覚えてるからお姉さんぶりたいんだろうけど空回ってる。全く…しょうがないなぁゆきちゃんは
リサ→血の繋がった姉。大切な人だけど、忘れられるのはやっぱりキツイよ…
紗夜・燐子→ゆきちゃんと比べると、二人ともしっかりしてて大人だよね
あこ→真っ当に育ってれば同い年…?嘘でしょ?言動がどう見ても中学生だよ…

モール尾行参加組→気になるからって尾行はやり過ぎじゃない?
祥子→少し調べたから分かったけど、家庭関係で友達を離れたんだね?辛いのは分かるけど、イマジンとの契約はダメだよ?
―――越えられないライン―――
日菜→出来ることなら2度と関わりたくない。天才だか何だか知らないけど、自分勝手が過ぎるだろ……
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