忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーごぜぇます
何とか投稿出来ました。
とりあえずそろそろムジカ―――もとい、初祥篇が終わりそうだけど、めっちゃ振り回されてる…

これで良いのか?と疑問に思いながら投稿です


130-Ad bellum prohibendum

 

花咲川の前で繰り広げられた地獄のような抗争に一応の決着が着いて惨状だけが残されていた。

 

「あはは………友希那。襲われそうになったのを撃たれてまで助けてもらったうえに、あそこまで怒ってもらえるって……友希那は愛されてるね~……」

 

そんな中でリサは先ほどのユウの行動に対して何とも言えない複雑な表情を浮かべながら友希那に声をかけていた。

リサからしたら危険を顧みず友希那を助けたように考えていたが、友希那はユウが怒った原因はリサに銃を向けられて撃たれたことだと言うのを知っていた。

 

しかし、真実を告げても信じてもらえない事を分かっている彼女はリサの言葉に何とも言えない表情で言葉を返すと、何とも言えない空気になってしまっていた。

 

「違うわよ……」

 

そんな2人の目の前では弦巻の人間が今回ケガした人間達を一纏めにしてこの場から連れ出して行くのをみながら複雑は表情を浮かべながら友希那が何とか言葉を絞り出していた。

 

 

 

「いや、俺は行かなくていいんで……」

 

そして、2人の話題になっていたユウはかなりの重傷を追っているはずにも関わらず、ユウは病院に行くことを拒否していたが、流石にこれには声が上がった。

 

「ユウさん!!ちゃんと病院行ってください!!頭大丈夫なんですか!?」

 

「沙綾ちゃん…?言いたいことは分かるけど、その言い方だと語弊招くから言い方考えようか?」

 

「でも……その……病院に行かないと……」

 

「三角さん、大丈夫だよ。一昔前ならもっと酷いのを生身で受けてたから平気だよ」

 

「んな訳あるか!!ただ単に病院嫌いなだけだろ!?」

 

「市ヶ谷さん、朝からツッコミに疲れない?」

 

「アンタのせいだっての!!」

 

沙綾達を始めとした面々はユウが平然としている状況に声を挙げていたのだが、ユウとしては今も自身から流れている自身の血―――もとい細胞と言う危険物が病院と言うデリケートな場所に及ぼす被害の可能性を考えると行ける訳もない。

だが、周囲にはそれを伝えられずただ単に病院を嫌がっているようにしか見えないとツッコまれるのを聞き流していた。

 

「ユウ……病院で診てもらうのは任せるけれど…お腹は大丈夫なの?」

 

「そうですわ!!昨日の襲撃の時は貫通したから大丈夫って言ってましたけれど……」

 

「えっ昨日!?昨日って何!?アタシ達を別れた後に何があったの!?」

 

その中で友希那は彼のケガを心配して声をかけるも、祥子の失言に驚くリサのせいで周囲が完全に困惑し始めるが――――――

 

「うん。大丈夫だよ。身体に残った弾は―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほら。もう自分で抉り出したから」

 

「「「「「ひっ!?」」」」」

 

「あれ…?」

 

 

「おにーさん……あの……えっと……」

 

「ユウ……あなた少しは考えなさいよ……」

 

「初華、大丈夫ですか?」

 

「うっ……うん……昨日の見てなかったら倒れてた……」

 

「みんな。悪いけど、弦巻さんの家の人達が車に乗れってさ」

 

彼が放った衝撃的過ぎる一言と共に血まみれの弾丸を見せつけると、この場にいた多くの面々が余りの衝撃と恐怖に簡単に意識を手放してしまったが、彼の事情を知っている友希那と燈の2人が何とも言えない表情を浮かべ、昨日の襲撃時に一緒にいた初華と祥子は恐怖を感じながら互いに支え合いつつ何とか意識を繋ぎ止めていた。

そんな中でユウが苦々しい表情を浮かべながら、自身の後ろに停まっている車を指差しながら友希那達に声をかけると、すぐに彼女達は弦巻の家の黒服達に完全に包囲されてしまうと、彼女達とユウは言われるがままにその車に乗り込んでいくと車が静かに走り出していく。

 

 

 

「……さてと。俺達を連れ出したのは、どうしてこうなったか知りたい。って事でいいんですかね?」

 

「「………」」

 

「黙ってるってことは肯定してると捉えても………いや、黙ってると言うことは俺の考えが違うんですかね?」

 

「「えっ……?」」

 

走り出した車の中でユウは運転席と助手席にいる黒服に顔を向けながら声をかけるも、黒服達は無言を貫く。

その態度は実質的な肯定だと受け取ることも出来たが、ユウはあえてそれとは逆のことを口にすると、普段とは違う言動に友希那達は不思議そうに彼を見つめていた。

 

「……殆ど無理やり乗せられたようなものですが、この車はどちらに向かっているのでしょうか?」

 

「「………」」

 

黒服が無言を貫くこの状況で祥子があえて目的地を聞こうとしたが、それにも2人が答える様子は全くない。

普段の祥子ならそんな態度を取られてもある程度は耐えられたが、初華が狙われていることを知っていた彼女はそれに耐えられなかった。

 

「……まさか、あなた達も私の―――いえ、豊川の人間と同じように初華の事を狙って……!!」

 

「「……!!」」

 

 

 

「あ~あ……やっちゃったよ……」

 

「えっ……祥ちゃんが……?何を?」

 

「おにーさん?あの…どういう事ですか……?」

 

「ユウ、三角さんが狙われてるのは事実じゃない」

 

祥子は車内とは言えども初華が狙われているという事を口走ってしまい、その失態を見たユウは祥子の言動に呆れてしまったが、狙われている当の本人は失態をしでかした事すら分かっておらず、更には友希那も失態を重ねてしまって完全に手遅れになってしまった事にユウは頭を抱えてしまっていた。

 

「あのねぇ……三角さんが狙われてたなんて、誰も口にしてなかったの」

 

「ですが、状況的には殆どバレていたのでは?」

 

「仮に状況的にそれで間違いないかもしれないって思われても、相手はまだ調べる時間が必要だった。

でも、豊川さんとゆきちゃんのその発言がダメだったの」

 

「ユウ、ハッキリ言ってくれないと分からないわ」

 

 

 

 

「もう手遅れだからぶっちゃけるけど、この人達は自分の所のお嬢様がただの勘違いに巻き込まれて、襲ってきた相手が豊川さんの家の人達ってことを知っちゃったんだよ」

 

「あっ………」

 

「初華ちゃん?どうしたの……?」

 

「弦巻さんが三角さんを狙った豊川さんの家の襲撃に巻き込まれた。

幸いケガがなかったけど、それでも弦巻さんの家が―――もう面倒だから家名で言うけど、弦巻が豊川に報復戦争を起こす理由が出来ちゃったの」

 

「「あっ………」」

 

ユウがこのタイミングで今の状況を説明するとここでようやく状況を理解したのか、狙われている初華と自身の大失態を知った友希那と祥子の顔がみるみる青く染まっていく。

 

確かに今まで犯人の存在について知っているのはユウ達だけで、調べるにしても犯人の特定までは多少の時間があったのだが、犯人の正体とその目的まで口走ってしまった事でそれを理由に弦巻は豊川に報復することに正当性を持たせることが出来るようになってしまった。

だが、それを知ったところで後の祭りでしかなかった。

 

「この車には豊川の令嬢とその実家から狙われてる標的がいるからやり様はいくらでもあるよ」

 

「おにーさん、それってどういう……?」

 

「例えば報復として豊川さんを殺したり、強k―――あ~~~……まぁ、酷いことをしたりして報復することも出来るし、もしくは三角さんを殺した後にその首を手土産にして豊川に恩を売る。

まぁ、汚いやり方をパッと考えてもこれだけあるんだよ……」

 

ユウはサラッとこの後に祥子と初華が直面するかもしれない惨状を口にする。

それを聞いた祥子達は自分に起こるかもしれないそれを想像して真っ青になった顔のままガタガタと震えだしていく姿にユウは少しだけやり過ぎたとも感じたが、すぐにその考えを振り切って再び黒服に視線を向けていく。

 

「で、どうします?因みに目の前で殺されるのを見たくないし、一緒に俺達も口封じで殺すなら言うなら全力で抵抗しますけど?」

 

 

「……襲撃の目的は不明でしたが、襲撃者の素性については豊川の家に関係するものだというのは調べが付いていました」

 

「……お嬢様が巻き込まれた以上は様々な報復も検討されます。可能性はゼロではないとだけ」

 

「それするつもりなら実力行使で黙らせるだけですけど」

 

「それは最悪の場合でしょうが、その前段階で実力行使が視野―――いえ、ほぼ決定になるでしょう」

 

そして、ユウは黒服に最後通告のような口調で言葉を投げると、遂に黒服達が話し始めていた。

言葉を信じるならば弦巻は既に襲撃者が豊川の関係者だという事を掴んでいて、実力行使になるのが殆ど決定路線になると告げられるが、その周りくどい言い方にユウはあえて過激な表現を返すことにした。

 

「つまり、弦巻が豊川に対して戦争をおっぱじめると?」

 

「はい」

 

「戦争……」

 

「抗争って言ったほうが良いかもね。でも確実に死人は出るだろうね」

 

「「「……」」」

 

「……それを止める方法はありませんの?」

 

ユウが言った言葉に否定しない黒服と、無関係の死人が出ると聞いた車内の空気はドンドン悪くなっていく。

戦争、死人と言う日常なら聞かないような言葉と共に頭の中では最悪のシナリオが思い浮かんでいくが、その最悪を回避しなければならないと祥子が震えるが――――――

 

 

 

 

 

 

「襲撃の指示者を突き出すか、トップである豊川さんのお爺さんに正式に謝罪させることかな?

それも弦巻が本格的に宣戦布告なり報復をする前にこれをやる必要があるけど、やっても可能性は絶望的かな…?」

 

そこにクモの糸の様に細い可能性がユウから示された。

しかし、殆ど成功する見込みないと肩を竦めてしまったが――――――

 

「でしたら、私が止めますわ……。すいませんが、この車を豊川の屋敷まで向かってもらえますか?そうしたらお爺様―――いえ、総帥を説得します。これ以上血を流させる訳にはまいりません」

 

「向こうも襲撃が失敗したのを知ってる状況で弦巻の車で屋敷に乗り込む?これ殆どカチコミじゃん……」

 

「カチコミ……?どういう意味ですの?」

 

「襲撃するみたいな意味だよ」

 

 

 

「そうですか。では、しっかり私と初華を守ってくださいな?因みに目の前で殺されるのを見たくないとおっしゃってたでしょう?」

 

「そう言ったけど…………一応、我、怪我人ぞ?」

 

これ以上の犠牲を出したくないと祥子の覚悟は既に決まっており、彼女がドライバーである黒服に豊川の屋敷に向かうように伝えると、その言葉に従って車は進路を変えて弦巻の屋敷から豊川の屋敷へと進路を変えていく。

傍から見たらただのカチコミにしか見えない状況になったが、祥子からの無常過ぎる言葉にユウはボヤくことしか出来なかった。




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