忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます()
今回のお話は当社比で比較的ライトな空気感でお届けします。
遂に揃う問題児
掴め、問題児ナンバーワン!!
という事で投稿です


142-うたげ、あぶなげ

「はぁ……はぁ……!!」

 

初華がユウがいるRiNGを目指して走り、彼女はRiNGの中へと駆け込んでいた。

 

「おにーちゃん!!」

 

 

 

 

「……ん?」

 

「………何あれ?」

 

RiNGに駆け込んで初華が最初に見つけたのは手すりに繋がれた状態の日菜。

しかし、今の彼女はそんなことは些細な事だった。

 

「違う…!!おにーちゃんの所に――――!!…この匂い。祥ちゃんがいる…!!」

 

「匂いとか言ってる…怖っ……」

 

「2階のカフェだ…!!」

 

今の初華の最優先はユウの元へと行くこと。

彼女はユウがどこにいるか探そうとしたが彼女は祥子の匂いを感じ取ると、日菜にドン引きされていた事に構うことなくそのままカフェへと駆け込んでいた。

 

「祥ちゃん!!」

 

「初華!?もう来ましたの!?まだ20分も経って―――「おにーちゃんはどこ!!」……厨房に居ますわ」

 

「私も行く!!」

 

「料理が出来ないあなたが行っても邪魔になるだけだからおやめなさい!!」

 

「祥ちゃん、邪魔しないで……!!」

 

カフェに駆け込んで祥子を呼ぶ初華。

その早すぎる登場に困惑する祥子だったが、彼女の言葉を遮る程の見たことのない気迫に祥子は思わず答えてしまうと、初華は厨房に入ろうとし始めると祥子が腕を掴んで止めようとしたのは良かったのだが―――――――

 

「ちょっと…!?どこにこんな力がありますの!?」

 

「おにーちゃん……!!」

 

「ユウさん、ありがとうございます!!」

 

新聞配達のバイトで鍛えられていた祥子ではアイドル活動をしていた初華を止めることが出来ず、じりじりと引き摺られてしまったがあろうことか厨房からは何かを手にしたにゃむが出てきた事で初華の動きが完全に止まってしまった。

 

「にゃむ……ちゃん……?」

 

「あれ?ウイコもう来たの?」

 

「何……持ってるの?」

 

 

 

「ユウさんが作ったタマゴサンド」

 

「なっ!?」

 

「なんで……にゃむちゃんが……」

 

「レイヤ先輩の世話をしたご褒美ってことで貰ったんだよね~」

 

あろうことか厨房から出てきたにゃむが持っていたのはユウが作ったオムライス。

それを告げられた初華はその驚きの余り固まってしまったが、それと同時ににゃむに対しての嫉妬心が一気に噴き出し始めていたがにゃむはそれを軽く流して警告していた。

 

「それとウイコ、今キッチンに入るのは止めた方が良いかも」

 

「にゃむちゃん、どういう事?」

 

 

 

 

「レイヤ先輩達のライブの打ち上げをここでやることになって、スタッフ含めた関係者も含めて30人くらいの料理をほぼ1人で作ってるから」

 

「えっ?手伝わなきゃ…!!」

 

「止めときなって」

 

「にゃむちゃん…!!なんで…!!」

 

ユウは料理をしている。

それを聞いたにゃむは速攻で初華の事を止めるが、止められた初華がすぐににゃむを睨みだすも、にゃむは初華に正論を叩きつけていた。

 

 

 

 

 

 

「だって、ウイコ料理出来ないでしょ?」

 

「うっ……簡単なのなら出来るよ!!」

 

「初華、あなたが行ってもただの足手纏いですわ」

 

「私とサキコもRoseliaの紗夜さんと一緒に計量とか手伝っただけですぐに終わっちゃったもん。紗夜さんはニコニコしながら揚げ物作ってるけど」

 

「しかも、あの Roseliaの湊友希那さんを顎に使って買物させてるくらいですから、あなたの出番はありませんわ」

 

「もしも無理に行って邪魔したら嫌われるじゃすまないかもね~」

 

「うぅ~~~~!!」

 

「では、私はMorfonicaさんの―――いえ、燈達のライブを見に行きますわ!!そう言う訳で初華はそこで大人しく待っていなさい!!」

 

三角初華は料理が出来ない。

いや、正確に言えば1人暮らしをしていたこともあって最低限の事は出来なくはないのだが、

その程度ではユウの戦場(厨房)ではただの邪魔者でしかない。

 

それを叩きつけられた初華は恨めしそうににゃむを睨むことしか出来なかった。

だが、そんな睨みはにゃむにとっては何も感じることもなく、彼女は貰ったタマゴサンドを頬張り始め、祥子もまた尊敬していたバンドのライブを見るために唸る初華を置いて客席の方へとルンルン気分で向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして数時間が経ち、燈達はライブを終えた―――――――

 

 

「「「うわぁ……!!」」」

 

「打ち上げにしては随分と豪勢ね……」

 

「ルイも驚くとかマジか…!?」

 

 

「これ打ち上げってレベルじゃねぇだろ……」

 

「でらすっごいわ……」

 

「ロック達の言う通りね…」

 

「そうですねチュチュ様!!もう!!レイヤさん~ちゃんと歩いてください!!日菜ちゃんも犬みたいに繋がれて興奮しないでください!!」

 

「めんどくさい……」

 

「パレオちゃん。アレが良いんだよ!!今度一緒にやろうよ!!」

 

ライブに参加していたモニカとRASの面々が目の前に広がっている料理の数々に驚いていたが、その中でMygo!!!!!のそよだけはそれを作ったユウに詰め寄っていた。

 

 

「パパ!!なんで見てくれなかったの!!」

 

「そよりん、チケット取り置きして無かったんだから仕方ないでしょ?」

 

「愛音の言う通りだな…」

 

「あれ……楽奈ちゃんは……?」

 

「ともりん、楽奈ちゃんはなんかさっさと帰っちゃったよ?」

 

「あいつ……」

 

そよはユウがライブを見に来なかったことを怒っていたのだが、愛音からのチケットが無いという正論で叩き伏せられると不満顔を浮かべてむくれてしまっていたが、カフェの片隅にはライブとは関係無い面々が集まっていた。

 

「おにーちゃん……カッコよかった……」

 

「ウイコ、厨房を覗き込んでた時かなりキモかったよ」

 

 

 

「ここに私達が居てもいいのでしょうか……?」

 

「私はレイヤ先輩の世話で居てって言われてるから~」

 

「買い出しさせられた私と手伝ってた紗夜もいるし…」

 

「豊川さん達が増えても問題ないよ。少し多めに作ったからね」

 

若干一名―――初華だけはユウが料理をしていた姿を思い出して妙にうっとりしていたが、そんな彼女を無視して買い出しさせられていた友希那が加わっていたことでかなりの大所帯になっていたが、ユウ達はそれでも問題ないと笑って見せた。

しかし、彼には気がかりなことがあった。

 

「俺にはそよちゃん、初華ちゃんに和奏さんと問題児三銃士が揃ってるのが不安でしかないよ」

 

「ユウ君!!私を忘れてるよ!!」

 

「黙れ」

 

「あふん///私も数えて4人揃って三銃士だよ」

 

「氷川、お前を人間扱いしてない」

 

「あんっ///」

 

 

 

 

「……香澄、早く、乾杯の音頭とって」

 

「さーや、分かった!!じゃあ……乾杯!!」

 

「「「「「「かんぱ~い!!」」」」」」

 

ユウは問題児が揃い踏みしているこの状況に不安しか感じていなかったが、それを察したのか沙綾が香澄に乾杯の音頭を取るように伝えると、香澄は理由がよく分からないままに乾杯の掛け声をかけたことによってライブの打ち上げが始まっていた。

 

「この唐揚げ…おいしい……!!」

 

「そうだね!!ましろちゃん!!」

 

「いや、フライドポテトもイケてるって!!」

 

「桐ヶ谷さん、それは紗夜が作ったのよ?」

 

「紗夜さんが…これはレアですね~」

 

「……とは言っても、殆ど中島さんが用意して頂いたのを揚げていただけですが……」

 

「それだけとは言えども十分なのでは?」

 

「おねーちゃん!!これ美味しいよ!!」

 

「そうですか……それは嬉しいですね」

 

料理を手伝っていた紗夜はモニカに囲まれて褒められたことと、メンタルを削ってきた張本人である日菜からの純粋な賞賛によって削り取られた自己肯定感がみるみる回復し始め―――

 

「ペパロニにソーセージのアメリカンピザね…」

 

「チュチュ、こっちはチーズマシマシのイタリアンピザだぞ?」

 

「ん~!!ん~~~!!」

 

「ロック何やってるのよ…そんなコメディみたいにチーズ伸ばしてるんじゃないわよ…」

 

「可愛いな……」

 

 

 

「レイヤさん!!チーズ伸びちゃって服に垂れちゃいますよ!!」

 

「こういう時は、思いっきり口に押し込むとが正解ばい!!」

 

「あっ!!にゃむちさん!!いつもメイク動画は参考にさせてもらってます~!!」

 

「どうも~。パレオだっけ?レイヤ先輩の世話大変じゃない?」

 

「そうですね~大変ですけど、お風呂入らないの以外は大したことないですよ~」

 

「分かる…!!」

 

 

「中島さんの味がする…」

 

RASの方もユウが作ったピザでてんやわんやの大騒ぎをし始め、その中でもレイヤの世話と言う共通点でいきなりパレオとにゃむが意気投合し始めると言う珍妙な光景が繰り広げられていた。

 

そして、一番厄介なのは―――

 

 

「おい、そよの奴どこ行った?」

 

「初華もいませんわ」

 

「そよちゃんも初華ちゃんもあっちに……」

 

 

 

 

 

「おにーちゃん、あーんしてあげるね?」

 

「ダメ!!私がパパに食べさせてあげるの!!」

 

「2人とも、離れてくれると嬉しいかな?まだ最後に出すデザートが出せてないし…」

 

「「やだ!!」」

 

「そよりん達……何やってるの……」

 

そよと初華の2人がユウを挟んで彼を取り合い始めていた。

ユウも2人に挟まれながらも離れる様に言うものの即座に拒否されてしまった事で困り顔を浮かべてしまっていたが――――――

 

「初華、邪魔してはいけませんわ。行きますわよ」

 

「はいはい。そよりん、邪魔になるからあっち行こうね~」

 

 

「祥ちゃん……!!」

 

「愛音ちゃん!!邪魔しないで!!」

 

 

 

「おにーさん…デザートって……?」

 

「…………あぁ、メインが重たいからさっぱり目にフルーツポンチを用意したよ」

 

「おにーさん……?どうかしたんですか……」

 

そんな光景に呆れていた愛音と祥子は2人をユウから引き剥がし、文句を言われながらもユウの元から離れていく。

そんな2人と入れ替わるように燈がユウの元へとやってくると用意したデザートを尋ねたのだが、燈はユウの反応が妙に遅れていたことに対して違和感を覚えてしまい思わず訪ねるとユウは――――――

 

 

 

 

 

 

「ゆきちゃんにも伝えて。

デネブさんとは違うイマジンの匂いがする……この状況をどこかで見てるのかもしれない」

 

「えっ……?」

 

彼女にだけ聞こえるように告げたが、その内容は彼女を驚愕させるには十分すぎるものだった。




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