忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
前回ですが…凛々子さん……
スクリュードライバー(あなたに心を奪われた)”とか”モーニンググローリーフィズ(あなたと明日を迎えたい)”とか大人ですね()
これ…ナンパされたのは主人公の方では…作者は訝しんだ…
ということで、主人公ナンパ道中盤戦…投稿です。


144-隣の花は赤い。だが、彼の赤は―――

香澄達の元を離れたユウ。

彼が次に狙いを定めたのは――――

 

 

 

 

 

 

 

 

「紗夜さん、桐ヶ谷さん、お疲れ様です」

 

「どっ……どうも……」

 

「あっ!!どーもです!!」

 

「ライブお疲れさまでした。料理はどうですか?」

 

透子達Morfonicaだった。

彼女達には紗夜も一緒にいたのだが、ユウとしては以前に契約したことがある彼女はそこまで気にしてはいなかった。

 

「えっと……美味しいです……」

 

「つーちゃんもレシピが気になる~とか食材か調理方法が特別なのかも~って 唸ってましたよ~。」

 

「ちょっとななみちゃん!!」

 

「レシピも大したものじゃないですし、食材もスーパーで買える物だけですよ。紗夜さんに手伝ってもらってるので特別な調理法もないですよ」

 

 

「そうとは思えませんでしたが……」

 

「ルイ!!そんなカッコつけて言ってるけど、さっきまで普段からはあり得ない位バクバク食べてたじゃん!!」

 

料理の感想は軒並み好評で掴みは上々。

だが、彼女達の話題について踏み込もうにも透子、瑠唯、つくしの情報が少しある程度で他の2人についてはそれほどよく知らず、踏み込もうにも踏み込めなかったのだが――――――

 

「それにしても、あの友希那さんにこんな凄い人がいるなんて知りませんでしたよ!!」

 

「同感です。私も始めて知りましたが、これほどの料理をほぼ一人で…」

 

「桐ヶ谷さんも紗夜さんも、この位は普通でそれほど凄くはないですよ」

 

コミュ力の高い透子から歩み寄ってきたことで話の話題が出てきたが、ユウのこの返しはバッドコミュニケーションだった。

 

 

 

 

「これが……普通……?」

 

「このレベルが……普通……?」

 

「紗夜先輩もしろちゃん?どうしたの?」

 

「あはは……それなりの数をこなせば出来るようになりますよ」

 

「それなり……?因みにどのくらい何ですか……?」

 

「ランドセル背負う前の年から大体15年くらいですかね……。ケガで死にかけてる時を除いてほぼ毎日作ってましたよ」

 

「じゅ……15年………そんなに……」

 

「それほどまでの時間を……」

 

ユウが何気なく言った言葉に自分に自信がないましろと、日菜の性癖に付き合わされて精神的に若干不安定になっている紗夜が余りにもレベルの高すぎる普通に頭を抱えて震えだす。

 

だが、膨大な時間を費やしてると聞いた一同は彼の普通のラインが高すぎる理由に納得がいったのだが、別の気になる言葉が飛び出していた。

 

「ちょっと待って……!?死にかけてるって何……!?」

 

「倉田さん、気にしないでください。年1行事みたいなものですから」

 

「因みに~どんなことがあったか聞いてもいいですか~?」

 

 

「嘘臭いわね……それに広町さんもそれを聞くのはどうなのかしら?」

 

年に1度は死にかけると言う現実離れした言葉に瑠唯が呆れていたが、ユウとしてはある意味では当たり前になってしまったそれに対して特に思う事もなく、七深からの質問に平然と答え始めていた。

 

「刀傷と銃創は当然として、爆弾とかに毒ですかね?

変わったのでは街にいたほぼ全員を相手に捕まったら死亡のリアル鬼ごっこから逃げ切ったりとか、自分達の発明品の実験に何回か失敗して起こった爆発に巻き込まれたりとか?」

 

「軽く………?自分達の発明……?」

 

「ましろちゃん、落ち着いて?そう言う冗談だよ…」

 

「冗談ではないんですけどね」

 

「うわっ…文武両道って奴ですね!!」

 

「まぁ、物理学者とか医者に色々教わってましたし、言語も10以上は読み書きは問題ないですよ」

 

 

 

「あのもしかしてですけど~そういうケガの痕とかあるんですか?」

 

「七深ナイス!!あたしも気になってたんですよね~。紗夜さんも気になりますよね?」

 

「桐ヶ谷さん…私は人の傷跡を気になったりしませんが?」

 

 

 

 

 

「はぁ…桐ヶ谷さんと広町さんこっち来て…」

 

「「はーい」」

 

ケガに興味を持った透子と七深はそれを確かめようと手を挙げると、ユウは少しだけ離れて以前にリサに刺されて残っていた痕を軽く見せていた。

 

「おぉ……!!ほんとうにありますね~。映画で見たのと同じですね~」

 

「うおっ!?ってこれが最近のですか!?」

 

「そうですよ。まぁ、痛みもないですし、傷も塞がってますけど…」

 

 

 

 

「なんで人の傷口を見てあんなにはしゃげるのかしら?」

 

ケガを見て透子と七深は彼の言葉が真実だと理解するも、そのテンションの上がり方に瑠唯が飽きれ始めていた。

そんな状況でユウは2人から次に狙うのを瑠唯に変えていた。

 

「そういえば、八潮さん。バイオリン見せてもらえますか?」

 

「バイオリンですか?構いませんが……」

 

ユウは瑠唯のバイオリンを見てみたいと言うと、彼女は少しだけ離れた場所に置いていた自分のバイオリンのケースを手に取って戻ると、それをユウの目の前で開けて見せると彼は触ることなく見始めるが――――――

 

「八潮さん、上のナットが削れてきてますね」

 

「先週、確認した時にはそんなことは無かったはず……」

 

「いえ、この5弦と3弦の所が削れてますよ?他に比べて溝が深くなってます。これだと演奏に若干の違和感が出るのでは?」

 

「………っ!?演奏に若干の違和感を覚えたのはこれが原因だったのね………ですが、これによく気が付きましたね?」

 

「師匠が本物の天才だったモノで…ありがとうございました」

 

「いえ…」

 

持ち主ですら気が付いていない程のバイオリンの細かな損傷を指摘して瑠唯の意識を引くことに成功し、それと同時にイマジンの気配が今まで以上に強くなっていたが、それと同時に別の視線もユウは感じ取っていた。

 

「倉田さん?どうしました?俺、何かしちゃいました……?」

 

「いえ……その…………なんでも出来て凄いなって……。私なんて、何やっても全然ダメダメで……」

 

「なんでもなんて出来ませんよ?俺、音楽とか全然出来ませんよ」

 

「でも…こんな料理が出来るし、運動も勉強も出来て……それに比べたら私なんて……」

 

 

「確かにましろちゃんの言うように、色々出来て凄いですよ!!」

 

「真偽は不明な部分も多いけれど…出来ることが多いというのは良いことだと思います」

 

ユウが感じたイマジンとは別の視線の正体はましろ。

彼女はユウを見て落ち込んだと思ったら、声をかけられたことでおどおどし始めてしまう。

それを見たユウは困ったような表情を浮かべてしまったが、ましろは自分への自信の無さからの卑屈な言葉を並べると、つくしや瑠唯までもがユウの疑いながらも彼女の言葉に賛成していたが―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺としてはみんなの方が羨ましいですけどね?学校とかバンドとか…何気ない日常を友達と楽しく過ごせてるじゃないですか?」

 

「「「「えっ…?」」」」

 

「いやいや、確かにバンドとか楽しいですけど!!学校での思い出とか誰にでもありましよね!?」

 

色々出来て羨ましがられていたユウだったが、彼からすれば羨ましいのは彼女達の方で、色んなスキルがあるよりも、何気ない日常を誰かと過ごせているという事の方が羨ましいとすら感じていた。

その事を透子にツッコまれるが、ユウはとんでもない重いブローを繰り出していた。

 

 

「俺って学校に通えてた期間って1年も無いんですよ。

それも通えてたって言っても、ちゃんとした編入じゃないので本当の意味では学校に通えてた時間ってないんですよね」

 

「はぁ…?アニメか何かですか?」

 

「桐ヶ谷さん残念ですが現実ですよ。

で、自分が死なないために料理とか勉強ってのは、正しく生きるために血反吐を吐きながら死に物狂いで覚えた結果です。

まぁ、隣の花は赤いって奴ですよ。俺の赤は血反吐の赤ですが―――」

 

 

 

 

「義務教育を知らないのかしら?親の責任と言うのが――――――」

 

「紗夜さん、両親はおろか血の繋がった家族とは3歳の時に別れて会えませんでしたから」

 

「「「「「……」」」」」

 

ユウは透子のツッコミに重すぎるブローを叩きこむと彼女達は呆気に取られてしまった。

だが、紗夜思わず彼の家族についてモノ申そうとしたものの、彼女が言葉を言い切る前に自身の家族について語ったせい彼女達の空気が完全に凍り付いてしまった。

 

 

「……失礼しました。何も考えずに失礼なことを……」

 

「紗夜さん、俺は気にしてませんよ?ほら、二葉ちゃん」

 

「へっ……?」

 

「もっと食べないと桐ヶ谷さんや八潮さんみたいにおっきくなれないぞ?沢山食べなさい」

 

「えっ……?ちょっと何やってるんですか!?さっきまで食べてたのに!!今更こんなに食べられませんよ!?」

 

「はっはっは……!!それじゃ、俺は他の人達にも料理の感想とか聞いてきますから失礼しますね」

 

ユウの地雷を踏んだと思った紗夜は即座に彼に謝罪したが、当の本人はそこまで気にしている様な素振りはない。

それどころか何故か近くに残っていた料理をつくしの皿に山盛りで盛りつけ始め、盛られたつくしは流石に食べきれないと声を挙げたが、ユウはその言葉を軽く聞き流してから他の人と話してくると言って彼女達から離れようとしていた。

 

 

 

 

 

「ちょっと!?待ってくださ~い!!失礼しないでください!!料理多すぎますよ~!!少し食べて行ってくださいよ!!」

 

「食べきれなかったらタッパーとかで持って帰って食べなさい」

 

その際につくしは食べきれないと声を挙げたのだが、ユウは彼女の言葉を聞き入れることなく、先ほどまでにないほどに軽く流しながら彼女達の元を離れていってしまった。

 

 

「二葉ちゃん達の中に契約者はいない。これでもう検討は付いた……」

 

なぜなら、イマジンの気配が先ほどとは変わっていない以上、彼女達は白。

イマジンを見つけるのが最優先の今、彼女達に構う時間はもうないのだから――――

 

 





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