忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます!!
これでこの章終わります!!終わりが近づいてきましたね!!
いや、それにしても主人公が可哀そう!!救いがない!!
でも、ゼロノスってそう言うものだから…という事で本編になります!!



146-尽くしても、尽きていく

 

「なっ!?」

 

「あらあら…折角のカードが撃ち抜かれたわね?」

 

生命線とも言えるカードが第三者の手によって撃ち抜かれたことに動揺したユウだったが、そんな彼を他所に撃ち抜かれたカードは粉々に砕け散って跡形の無く砕け散ってしまった。

 

イマジンはカードが無くなったのを見て余裕の声を出しながらいつの間にか拾っていた鎌を両手で構え出し―――

 

「でも、もうサヨナラよ!!」

 

「ちっ…!!」

 

「あら?以外と切り替えが早いのね…。でも、もう両手が塞がって変身出来ないわね」

 

「くそが………!!」

 

その言葉とユウを切り捨てようと突撃していくも、彼は即座に意識を目の前のイマジンに戻して鎌の柄を抑えつけたのは良かったのだが、両手が塞がってはカードも取り出せない。

それ以上に再びカードを取り出した所で同じ様に狙撃が飛んでくるかもしれないと頭を過り動き出せず抑えるだけしか出来ずにいたが―――

 

「あなたがそのままならこうするまでよ…!!」

 

「毒……!!契約者諸共か…!!」

 

「死にはしないわ。むしろ死ぬより苦しむ毒よ!!」

 

ユウに腕を抑えられたイマジンは彼の顔面目掛けて紫の毒霧を噴き出してユウの身体を包み込む。

しかし、彼に毒は効かずイマジンの行動は無駄にしかならないが、狙いはユウではなく毒を撒き散らして周囲の人間を巻き込むこと。

 

そして、この場には特異点の友希那と燈がいる以上は彼女達に毒を吸わせるわけにはいかないと言う覚悟はイマジンからしたら完全に想定外の行動をユウにとらせていた。

 

 

 

 

 

 

「がぁああああああ!!」

 

「自分から手を放して…!?」

 

ユウは抑えていたイマジンの鎌を手放した。

突如として抑えられていた力が無くなった2つの刃は1つはユウの身体の横を通り抜けたが、もう1つはユウの右肩を捉えた。

しかし、抑えつけられた状態から解放された鎌の力では彼の身体を斬り裂くことはなく、肩に刃がめり込んで止まっていた。

 

 

「なっ!?」

 

「これで…両手が開いた……!!」

 

「カード……っ!?」

 

勢いのない刃は自身を斬り裂くことはない事をユウもイマジンも知っていたが、文字通りに自身の身を斬るその行動にイマジンは困惑していた。

 

そして、この意表を突いた行動はユウの両手を自由になると、彼は即座に左腰に装着されたホルダーの中からカードを摘まむとそれを最低限の動きでイマジンに向かって投げつけると、その身体に当たっってそのまま右手で掴み取り――――――

 

「変……身……!!」

 

「ぐっ…!!」

 

―――Charge And Up ―――

 

イマジンを前蹴りで蹴り飛ばすと同時にベルトにカードを装填してゼロノスへと変身したが、そのために払った代償は決して小さくはなかった。

 

 

 

 

「流石に無理したな……」

 

「あら、肩が上がらないみたいね?それで――がふっ!?」

 

「あっ…?なんだって?こっちには、左腕と両足が残ってんだよ……!!」

 

鎌の攻撃を受けてしまったせいで右肩が上がらなくなってしまっていた。

それはこれからの戦いでは明らかな弱点になってしまうが、ゼロノスはイマジンの挑発を無視していきなり懐へと飛び込んで無事な左を腹に叩き込んでからそのまま蹴りの連打を叩き込み、その勢いにイマジンは押され始めていた。

 

 

 

「くっ……!!ここは一度引かせてもらうわ…」

 

「逃がすかよ…!!」

 

仕切り直すために逃げようとしたイマジンは鎌で窓ガラスを斬り裂いて逃げ出そうとしたが、それを見たゼロノスは即座にイマジンに飛び掛かるとそのまま2人で縺れる様にして屋外へと飛び出していた。

 

「離れろ…!!」

 

「誰が離すかよ!!」

 

「このっ…!!」

 

「ぐっ…」

 

イマジンは組み付くゼロノスを強引に引き剥がそうとしたが、力の差があるのか彼を引き剥がせずに地面に倒れていくと、離れないゼロノスに対してイマジンが鎌の柄で殴りつけていくが、それでもゼロノスは離れない。

しかし、ダメージはドンドン蓄積し、完全にジリ貧になってきてしまったゼロノスだったが――――――

 

 

 

 

 

 

「ユウ!!イマジンの気配が―――っ!!また変身して…!!」

 

「デネブ!!」

 

このタイミングでイマジンの気配を感じたデネブが駆け足で彼らの前に現れる。

デネブは探していたユウがゼロノスに変身していたことに驚いていたが、それ以上の衝撃が待っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「デネブ!!俺ごと撃て…!!」

 

「「なっ!?」」

 

「離したら逃げられる!!やるしかない!!」

 

「だが……!!」

 

ゼロノスは自身諸共イマジンを撃つように言うと、捕まっていたイマジンとデネブの両方から驚きの声が上がるが、負傷した状態で追いかけるよりも勝算がある方法を選んでいたものの、デネブはそれを躊躇っていたが―――――――

 

「早く!!逃げられたらカードが無駄になる!!」

 

 

 

 

「……分かった……」

 

「なっ!?正気…!?」

 

デネブはゼロノスの言葉を受け入れて両手の銃口をゼロノスとイマジンに向けるが、目の前の光景が信じられないイマジンは驚愕するも、デネブはそのままイマジンに狙いを定めていく。

 

「ユウ!!なるべく当てないようにするが、当たって痛くても文句言わないでくれよ!!」

 

「分かってる…!!」

 

「行くぞ…!!」

 

「やめ――!!」

 

そして、イマジンの静止の声も虚しくデネブは2人に目掛けて砲撃を始め、イマジンとゼロノスの周囲には砲撃によって爆風が広がり、それと同じ様に砲撃しているデネブの不安も大きくなっていく。

 

「ユウ…!!」

 

 

 

「放せ…!!」

 

「まだだ!!まだ止めるな…!!」

 

「……分かった!!」

 

 

「きゃああああ!!」

 

だが、爆風の中から響くゼロノスの声。

デネブはそれ従って爆風の中にいる見えない2人を目掛けて砲撃を続けていくと、その中からはイマジンの絶叫が響くも、爆風の中から音が聞こえなくなったことで彼は完全に砲撃を辞めてその場に立ち尽くしてしまった。

 

そうしている間に爆風が晴れていくが――――――

 

 

 

 

 

「くっ………よくも………」

 

「なっ!?ユウじゃない…!?まさか…俺がユウを……!?」

 

爆風の中から出てきた獲物の鎌が砕けて、足を引き摺っていたイマジン。

デネブは自身の手でユウにトドメを刺してしまったと呆然としてしまったが――――

 

「がっ…!?」

 

 

 

 

「なんだ……なっ…!?アレは……!!まさか…!?」

 

「勝手に……殺すな……!!」

 

呆然としていたデネブだったが、歩いてきていたイマジンが急にその場で転んでしまった。

 

最初は何が何だか分からなかったが、イマジンの足元を見れば連結される前のゼロガッシャーのパーツが転がり、それに足を取られて転んだことを理解したのと同時にゼロノスもその爆風の中から歩き出てきていた。

 

「ユウ!!その腕…!?」

 

「最初からだ…」

 

―――Full Charge ―――

 

爆風の中から出てきたゼロノスだったが、変身前から右肩を負傷していたのと今の攻撃によって右腕は完全に使い物にならなくなり、力なくぶら下がっている状態だったが、ゼロノスはその状態のままベルトのボタンを押し込んでいた。

 

 

 

「来い!!終わらせる…!!」

 

「分かった…!!」

 

その言葉と共にデネブはバスターに変形してユウの腕に収まると、ゼロノスはそのままバスターの銃口を倒れたイマジンの背中に押し付けると、バスターに覆いかぶさるようにしながら銃身を支えていた。

 

「ユウ…!!」

 

「腕が動かないだけだから…!!」

 

心配するデネブを他所にゼロノスは動く左手でバスターのスロットにカードを装填して左手でグリップを握りしめ――――

 

 

 

 

 

 

 

「地獄で先に待ってろ。後でさっき撃ってきたネガ野郎も地獄に送ってやる」

 

「なっ―――」

 

その言葉と共にゼロノスはバスターをゼロ距離でイマジンに放つと、イマジンは断末魔を挙げる間もなくその胴体に風穴を開けるとその身体を爆発させて消滅し、爆風が消えたそこに立っていたのはゼロノスとバスターから元に戻ったデネブの姿だけだった。

 

 

 

「終わった……」

 

「ユウ」

 

「何?」

 

「色々と言いたいことはあるが……俺の使い方荒くないか?殆ど相手との距離がない状態で撃ってるが?」

 

「言う事それか……。まぁ、確実に倒すなら距離がない所で撃った方が確実だし…それに逃げる相手抑えてるって面もあるから…」

 

デネブは戻って早々に自身の使い方が荒いと苦言を呈していたが、ゼロノスはそれらしい理由を伝えてデネブを丸め込んでからベルトを外して変身を解除した。

 

「いてぇ……」

 

「ユウ!?その肩!!どうしたんだ!!」

 

「さっきのイマジンにやられた。帰ってから飯食って寝れば数日で治る」

 

「だったら早くゼロライナーに帰ろう…!!」

 

「駄目だ、ゆきちゃん達の事を確認してからだよ……。RiNGの中にいる」

 

「分かった…」

 

変身を解除したユウの負傷にデネブは先ほど小言を言ったことなと吹っ飛んでしまったかのように慌て始めてしまったが、ユウからしたらすぐに治る怪我と言って宥めると彼女達がいるRiNGの中へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

「ユウ!!」

 

「おにーさん…!!」

 

「友希那、燈も…!!」

 

「2人とも無事だったんだね」

 

そうしてRiNGの扉をくぐったユウとデネブだったが、彼らの元に友希那と燈の2人が大慌てで駆け寄ってくる。

ユウはその光景を見て安堵していたのだが、友希那と燈の2人はユウの右肩の大怪我を前に完全に血の気が引いていた。

 

「ぇ……おにーさん……?」

 

「ユウ、その怪我…!!」

 

「ゆきちゃん。燈ちゃん。怪我は大丈夫だよ」

 

「そんな訳ないでしょ!!」

 

「ぁ……ゅ……友希那さん……落ち着いて……」

 

 

 

「これも少しすれば治るから…」

 

「そう言う問題じゃないでしょ!!そんな大怪我をして心配されないと思っているの…!!」

 

困惑してしまった2人に大怪我をしているユウ本人が落ち着かせようと声をかけるも、流石の友希那もそんな彼に声を挙げてしまうも、ユウはそんな彼女に対して何事もないかのように笑みを向けていた。

 

しかし、すぐに治るかどうかと言うのは友希那にとってはそう言う問題ではない。

 

自身ではどうしようもないという事は分かってはいるのだが、最近になってはいつも戦う前から大怪我を負っている事を本人が何とも思っていないという事が一番の問題だと伝えようとしたが―――

 

 

 

 

「…俺がやってるのはそう言うことだよ」

 

「っ……!!」

 

ユウはそれを素直に受け入れていると言われてしまった友希那は唇を噛み締めることしか出来なかったが、その最中で彼らを中心にして時間が修復されて、痕跡は彼の肩に残った大怪我を残して全てが何事も無かったかのようになっていた。

 

その瞬間、周囲にいた人間はユウの大怪我を見てギョッとした表情を浮かべて彼らから距離を取り始めていく。

 

 

 

「友希那先輩~!!そろそろ打ち上げ終わり―――って何やこれ!?」

 

「うわぁあああ!?物凄い怪我してます!?」

 

「ちょっと!!ロックもパレオも何騒いで―――って何よあれ!?」

 

 

 

「チュチュちゃんは戻ったんだね」

 

「ユウ……。あなた人の心配をしてる場合じゃ…」

 

時間が修復された事で友希那と一緒にいるユウの大怪我を見つけたロック達を筆頭にRASの面々がカフェから顔を出すと同時に騒ぎ始めてしまう。

そんな中でユウはチュチュの心配をしていたことに友希那は不満を覚えてしまったが、騒ぎはこれで終わらない。

 

「ともり~ん、もう終わるから戻って―――うえぇ!?」

 

「愛音、煩い。何騒いで―――は?」

 

「ちょっと~みんなして何を騒いで…は?何あれ?動画の撮影?」

 

 

「えっ?燈ちゃんと一緒にいる人…凄い怪我してるけど…どこかであったことあるような……?」

 

「私も……見たことある気がする……」

 

「そよも初華も知り合いですの?」

 

「「気のせいかも……」」

 

 

「2人とも早く戻りな?」

 

「ぉ……おにーさんも……」

 

MyGO!!!!!とムジカの面々も燈と一緒にいるユウのことに驚いているが、幸いなことに初華とそよからユウの記憶は完全に消えている様子にユウが内心で安堵していると、燈が彼の左手を引いて2階のカフェまで上がっていくが――――――

 

「あれ?湊さんと一緒にいるの…誰だっけ?見たことあるような無いような……」

 

「レイ!?お前なんであれ見てだらけてられるんだよ!?」

 

 

 

「う~ん……どこかで見たことあるような……出かかってるんだけど誰だっけ……?」

 

「さーや?手をお腹から下に動かすジェスチャーだと、お尻から出てくるように見えるよ?」

 

 

「おデブちゃんだ!!久しぶり~!!」

 

「湊さんの知り合いみたいですが…あの怪我している方は……?」

 

「あっちの人はおねーちゃんも知らないの?でも、なんだろ……?あの人見てるとお尻が…ムラムラする!!あっ!!おデブちゃん!!飴ちょうだい!!」

 

戻ったカフェの中にはユウのことを完全に覚えている人間は誰もいなくなっていた。

それを悟った友希那と燈は悲しそうな表情をユウに向けていたがすぐに2人とデネブは絡まれてしまったが、ユウはそれを遠巻きに見つめてから懐に戻していたカードケースを片手で取り出し――――――

 

 

 

 

 

 

 

「残り…2体」

 

そう呟きながら彼はカードケースに入った2枚(・・)のカードに視線を向けるのだった。




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