ギャグも無ければシリアスもない今回は比較的穏やかですね~
まぁ、こっから一気に転げ落ちていくのは確定なのですが……
という事で本編です
Roseliaの面々が友希那の事について話をした翌日。
そんな事があったことなど露とも知らない友希那の周りには明らかに不自然なことが起こっていた。
「友希那~。学校一緒に行こ~」
「リサ…?1限は入ってないって前に言ってなかったかしら?」
「いいから~」
朝起きて早々、1限の授業がないリサが友希那と共に大学に登校し――――
「燐子?なんでこっちをチラチラ見てるのかしら?
「いえ……一緒の授業ですから……」
「……?」
同じ授業を受けている燐子が隣からチラチラと観察するような視線を向けられ―――
「友希那さん…一緒にお昼ご飯はどうですか?」
「友希那~!!食堂でお昼一緒に食べよ~!!」
「………えぇ」
授業が終わって昼休みにはリサと燐子の2人から捕まって一緒に昼食をとり始めていた。
「今日の練習の後さ。みんなでご飯食べに行かない?」
「私はいいですけど……。友希那さんはどうしますか?」
「えぇ……少し考えされてもらえるかしら?」
「「………」」
「何かしら?」
「ん~なんでもないよ~」
そうして雑談をしながら食事をとり始めた彼女達だったが、不意に出た誘いの言葉を友希那が了承しなかった事で2人の視線が友希那に刺さると、その理由を尋ねたがリサがそれをはぐらかすしてから食事を再開していくが、食事をとり終えた友希那がおもむろに席を立つと2人の視線が再び彼女に突き刺さっていた。
「友希那?どこ行くの?」
「……ちょっとお手洗いに」
「アタシも行く~。すぐ食べるから待ってて!!」
「私も………すぐ食べますから……」
「………えぇ」
いくら鈍い友希那と言えども何かがあると思い始めたが、トイレに行くと言って立ち上がれば、食事中だったリサと燐子が着いてくると言い始めたことでその疑惑は確信に変わる。
しかし、それが分かったところで着いてくる2人の目的が分からない以上は友希那がどうこうする事も出来ない。
そして、急いで食事を終えた2人は友希那がトイレまで行くと本当に着いて来てしまい、そんな2人を不審に思いながらも彼女はトイレの個室に滑り込んでいくと、そのままスマホを取り出していた。
「……連絡を入れておきましょう」
リサと燐子の行動がおかしくなっている。
そう感じた彼女はユウと燈の2人にこの事を伝えようとスマホでチャットを送ると、すぐに返ってきた1つの返信に視線を向けてチア。
「……高松さんも?…千早さん達だけじゃなくて朝日さんにあこまで……?ユウなら何か―――」
友希那に返信を返したのは燈。
彼女に至っては同級生である愛音や祥子だけではなく、ロックやあこにまで張りつかれてると返って来るが、友希那にはどうしてそうなっているのかまるで分からない。
しかし、ユウならば何か状況を察することが出来るかもしれないと思っていたのだが――――――
「友希那~!!まだ~?」
「リサ…?もう出るわ……」
リサが個室の外から声をかけてきたせいでこれ以上待つのも難しいと使ったフリをするためだけに水だけ流してからリサ達の元へと戻っていく。
そうして、彼女は授業の後に控えるバンドの練習が終わるまでバンドメンバーが離れることはなかった。
一方その頃、羽丘女子学園。
「また………?」
「ともりーん?どうしたの?これからRiNGでしょ?」
「あのちゃん……あそこ……」
羽丘では愛音と2人で昇降口に向かっていた燈だったが、彼女は休み時間と同じように愛音とは別の視線を感じると、流石にこれ以上無視が出来なかったのか声をかけてきた愛音に思わず視線が感じる方向を指差すと、愛音もその方向に視線を向けていた。
「お昼も見てたけど…?」
「あ~……RASのロックさん?気にしないでいいよ?」
「………」
「ほら、RiNG行かなきゃ」
そこにはロックが影から燈達に視線を向けていたが、愛音はそれを軽く流していたが燈はそれが気になって仕方がなかったものの、練習があると言って彼女に連れられてそのまま校門へと向かっていった。
「燈!!」
「立希ちゃん…!?なんで……?ここ羽丘…」
「りっきーお疲れ~」
「愛音……!!」
「いやいや、私何もしてないよね?」
「とりあえずRiNGにそよちゃん達が…」
校門を出た燈達だったが、そこに学校が終わったばかりの立希が猛ダッシュで駆け寄って着ていた。
そんな光景に燈は驚いていたが、彼女が来ることを知っていたのか愛音は軽い言葉をかけるも、走ってきた立希は愛音を睨みつけるとそのまま睨み合っていた。
まるで意味が分からないこの状況だったが、練習に行くと言った燈の一言でその睨み合いも一瞬で終わって3人でRiNGへと向かっていくのだが―――
「燈、今日の学校どうだった?」
「燈、学校で疲れてない?」
「燈、今日は愛音に変なことされなかった?」
「りっきー、気持ち悪いよ?」
「はぁ?」
その道中で立希が燈に学校でのことを聞いてくるが、その質問を聞いていた愛音は立希の言葉選びに”気持ち悪い”と感想を漏らすと再び立希が睨みだす。
「学校なら私も一緒だったから、ともりんがどうだったか教えてあげようか~?」
「はぁ?私は燈の口から聞きたいんだけど?」
「ちょっと2人とも……落ち着いて……」
「ふんっ……燈がそこまで言うなら……」
「いや~。それにしてもりっきーと一緒にRiNG行くのは新鮮だね~」
「愛音、煩い」
「えぇ~」
再びヒートアップする2人だったが燈の一言を聞いて立希が退いていたが、それに対して愛音は軽いノリで立希がこの場にいることに違和感を感じると零すと再び愛音を睨むが、すぐに睨むのを辞めて燈の横に陣取りはじめた。
それに呆れていた愛音だったが―――
「あっ……」
「燈?どうしたの?」
「えっと…電話が………おにーさんからだ……」
「燈、貸して!!」
「ちょっと立希ちゃん……?なんで切っちゃったの?」
このタイミングで燈のスマホにユウから電話がかかってきた。
だが、燈がその事を口にしたことで空気は一変し、立希が燈からスマホを取りあげてるとそのまま通話を切ってしまった。
突然の行動に燈も戸惑ってしまったが、立希はそのままスマホを操作を続けてから燈にスマホを返したのだが、燈は立希が何をしたのか気になっていた。
「立希ちゃん?何したの…?」
「……あの男の連絡先消した」
「えっ……?な……なんで……?」
あろうことか立希は燈のスマホからユウの連絡先を完全に消してしまうというまさかの行動に燈は困惑して彼女の顔を覗き込んだが、立希の表情からは悪気と言うものが一切感じられなかった。
そんな彼女は燈に真面目な顔を向けてその行動の理由を説明した。
「だって、アイツ絶対にまともじゃないでしょ」
「えっ?立希ちゃん……?」
「やり方が強引過ぎると思うけど、りっきーの言う事は分かるかな~」
「あのちゃんまで……?」
立希の理由を聞いて唖然とした燈だったが、あろうことかそんな立希の行動に愛音ですら同意してしまった事に燈は驚きを隠せなかったのだが、ここで愛音は燈に正論で殴りつけていた。
「ともりん、あの人、普通の人じゃないよね?」
「えっ……それは……」
「普通なら大怪我して病院行かないのはヤバい事してる人だよ」
「それにあんな怪我なんて普通に生活してたら出来ないでしょ」
「………」
ユウが普通の人間ではない。
彼女達が言ったその言葉に偽りはなく、記憶が消えている愛音達からすればRiNGに大怪我をしながら現れたユウは危険人物以外の何物でもない。
しかし、事情を知っている燈からすれば普通の人間ではない理由もあの怪我の意味も全て知っていて、彼女達とは捉え方が全く違う。
だが、それを説明したところで2人には絶対に理解してもらえないという事も分かってしまった燈は彼を擁護する言葉が一切出てこなかった。
「燈がそんな危ない人間と関わるなんてダメ!!」
「りっきーのは極端すぎるけど……。少し距離を置いた方がいいと思うよ?」
「………」
「まぁ、RiNG行こ?そよりんも楽奈ちゃんも待ってるだろうし!!」
愛音と立希の善意からの行動と真実を知る燈の気持ち。
それは互いに交わることもなく、モヤモヤとした気持ちのまま燈は愛音達に連れられてRiNGへと向かっていくのだった。
誤字があったら報告お願いします。
感想評価は気分次第でお願いします。