忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
いやーデート回ですねぇ……
あれ?この作品のデートって比較的に事件とか厄介事しか起こらないような……
あっ………こりゃ………
と、爆弾を投下していく本編……どうぞ!!


153-逢瀬、どうして、こうなって……

プラネタリウム行こう――――――

 

その一言で電車に乗って、プラネタリウムが入っているビルの近くまで移動してきたユウと友希那だったが、目的地目前になってユウの横を歩いていた友希那が彼の顔を覗き込みながら彼に声をかけていた。

 

 

 

「でも、意外ね……」

 

「ゆきちゃん?何が?」

 

「ユウがプラネタリウムに行きたいなんて言うと思わなかったわ」

 

「デネブの契約者―――でいいのか?まぁ、その人が星が好きで教わったりしたんだよ。

それにほら、ゼロノスのアルタイルにベガ、それにイマジンのデネブで夏の大三角だよ?気が付かなかった?」

 

 

 

「……………そ…そんなことないわ……」

 

「うん。この反応の遅れ方は知らなかったね」

 

友希那としてはユウがプラネタリウムに行くと言ったことが予想外。

そんな彼女の疑問にユウは何気なく答えたのだが、返事の遅れ方で友希那は彼が言った言葉を理解出来ていなかった事を呆れながらも笑ったが、そうしている間に2人は目的地までやってきたのだが―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?おにーさんに友希那さん……?」

 

「高松さん……?」

 

「燈ちゃんもプラネタリウム見に来たんだね」

 

「えっと……その………はい……」

 

そこにいたのは燈。

彼女もユウ達と同じようにプラネタリウムを見に来ていたのだが、運悪くユウ達と同じ時間。

そして、彼女はユウと友希那でデートをしているという事を知っている。

ある意味で最悪の状況で鉢合わせてしまった事に気が付いた彼女の言葉からは気まずさが溢れ出していたのだが、この後の言葉が彼女を混乱させることになる。

 

 

 

 

 

 

「うん。燈ちゃんも一緒に見よっか」

 

「えっ……?でも…デートなんじゃ……?」

 

あろうことかユウは友希那とのデート中にも関わらず燈も一緒にプラネタリウムに誘う暴挙に燈は完全に困惑していた。

普通に考えればデート中に他の女を誘うなど1000%あり得ないのだが、それが目の前で行われている異常事態だったのだが―――――――

 

 

 

 

 

 

「猫カフェで猫と戯れるゆきちゃんを4時間近く見てるだけだったからね。これはもうデートじゃなくて子守だよ」

 

「……」

 

ユウからしたら友希那とのこれはもはやデートと言うモノとすら認識すら持っておらず、それどころか子守とまで言い切った事に燈へ絶句してしまい、そこまで言われる友希那がいたたまれなくなってしまった。

だが、それと同時にそこまで言われた友希那が怒りだしそうだとも感じた燈は恐る恐る友希那に視線を向け始めるが――――

 

 

 

 

 

「そうね。高松さんは星とか好きで色々知ってそうだからいいと思うわ」

 

「えっ……」

 

「高松さん?どうしたの…?」

 

あろうことか友希那はユウに怒る所か一緒に来ることに同意していたが、これには恋愛に疎い燈でも友希那が余りにもおかしいことを言っていると困惑の言葉を漏らすことしか出来ずにその場で固まってしまった。

 

ユウからしたらもう違うが、友希那からしたら未だにもデートのはずなのに、どうして他の女が一緒になっても何も思わないのか?

 

燈は固まったままその事を必至になって考え始めていたが、固まってる間に事体はどんどん進んでしまっていた。

 

 

「燈ちゃん、ゆきちゃんも3人分の席とったから行こっか」

 

「分かったわ」

 

「……えっ?」

 

ユウはいつの間にか彼女達の元から離れて既にチケットを3枚確保して戻って来ると、そのまま燈が友希那に連れられてプラネタリウムの中に入ってチケットに記された席に着いたのだが―――

 

 

「えっ……?」

 

「燈ちゃんどうしたの?」

 

「楽しみにしてたのね…」

 

 

「えっ……?えぇ……?なんで真ん中……?あっ暗くなって――――」

 

あろうことか燈の席はユウと友希那に挟まれたど真ん中になってしまっていた。

その事に困惑していた燈を他所にプラネタリウム内の照明が落ちて上映が始まってしまい――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……プラネタリウム、初めてだったけれど結構よかったね」

 

「えぇ、映像の星空なのは分かっているのだけれど。それでも圧巻だったわ」

 

「あれ……?もう終わってた……?」

 

気が付けば既にプラネタリウムの上映が終わってしまっていた。

ユウと友希那は燈を挟んで感想を言い合っていたが、燈はもはや隣の2人が気になって上映されていた映像など殆ど頭に入っておらずアワアワしながらも席を立ってプラネタリウムを出た。

 

 

 

 

「ユウ、お茶にしましょう。高松さんも一緒に」

 

「そうだね下のカフェでいいよね」

 

「えっ……?はっ……はい……」

 

「それだったら先に下に行っててもらえるかしら?ちょっと買いたいものがあるんだけど……」

 

「えっ?買物なら一緒に―――」

 

「高松さんと行くから大丈夫よ。いいから先に行っててちょうだい」

 

気が付けば友希那は燈も一緒にお茶をする流れになっており、燈は困惑したが断り切れずにその提案を受け入れてしまったことで、デートはいつの間にかなし崩し的に終了して3人でお茶をすることになっており、燈はそのまま友希那に連れていかれてしまったのだった。

 

 

そして、そんな彼女達の背中をユウは少しだけ見てからすぐに振り返って歩き出していく。

下のカフェに先に行こうとしたが、傍から見たら買物を待たない冷たい対応にすら見えていたのだが―――

 

 

 

 

「ありゃ、買い物じゃなくてトイレだな……」

 

ユウは友希那が買物ではないことを察して、空気を読んで彼女に言われた通りにそのままビルの下へと降りてカフェに行こうとしたのだが、ユウはここで小さな事件に巻き込まれてしまった。

 

 

 

「あっ財布が落ちてる……」

 

彼がカフェに向かおうとしたのだが、その目の前に誰かが落とした財布が転がっていた。

周囲は誰もそれに気が付いている様子はなく、拾おうともしていない光景を見たユウは何気なくそれを拾いあげていた。

 

「女のモノ財布だな…とりあえず受付みたいなのがあったはずだからそこに届けておくか……。っと、ゆきちゃんに連絡しておくか…」

 

そして、それを拾ったユウは親切心で財布を拾って受付に落とし物として届けようと思いついて、別れた友希那に連絡を入れてからそのまま受付へ移動していた。

 

「すいません。財布を拾ったので届けに来たのですが―――」

 

ユウはそのまま受付で財布を預けるために声をかけると、引き渡しの為に拾った状況などの話を聞かれたが、そのままスルスルと話が進んでいく。

 

「すいません。一応この場で財布の中身を確認しても?もしかしたら持ち主とすれ違ったら伝えることも出来ると思いますし、それに受け渡した前後で財布の中に入れてた現金等が無くなってると言われると困るので――――――」

 

そして、それを預けようとした彼だったが、自身の潔白を証明しようとこの場で中身を確認したいと申し出ると、受付はすんなりとそれを受け入れて財布の中のモノを確認し始めたのだが―――――

 

「えっ………?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すいません!!ここに財布の落とし物って…あっ!!それです!!」

 

「嘘……だろ………?」

 

 

「もしかしてあなたが拾ってくれたんですか?」

 

「あっ……はい……。えっと……現金とかなくなってたりは……」

 

「大丈夫でした。現金もカード類も全部あったんで」

 

ユウはその中に入っていたモノを見て驚愕の表情を浮かべると、タイミングが良いのか悪いのかその持ち主が受付に現れてしまった。

その状況にユウが固まってしまい、目の前ではその人物に受付から財布が引き渡される光景が繰り広げられるのを見ていたが、ユウに財布の持ち主が声をかけてくると彼は困惑しながらもその言葉に答えてしまった。

 

「では、俺はこれで……っ…!!」

 

「待ってください。お礼くらいさせてください」

 

ユウはこの場に居たら不味いと思いそのまま彼女から離れようとしたのだが、残念なことにユウがこの場を離れる前にその右腕を掴まれてお礼をすると言われたのだが、ユウは右腕―――正確には先日負傷した右肩に痛みが走って動きを止めてしまい、すぐにそれを誤魔化しながら相手に話を断ろうとしていた。

 

 

 

 

「えっと…そう言うのが欲しくてしたわけじゃないので…」

 

「お茶くらい奢りますから」

 

「本当に大丈夫ですから……今は別行動してる連れもいるので……」

 

「少しだけなので大丈夫ですよ」

 

相手はユウに礼がしたい一方で、ユウは相手から逃げたい。

思いが完全にすれ違ってしまってややこしくなっていたこの状況でユウが連れの存在を口にするも相手はそれでも退く気はない。

ここまで来たらさっさと礼を貰って別れた方が良いのかもしれないが、そうもいかない事情があった。

 

「あっ、財布の中見たなら名前知ってるかもしれないですけど自己紹介したほうが良いかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アタシ、今井リサっていいます」

 

何故なら、拾った財布の持ち主は自身の姉。

そして、ユウが一緒に行動している友希那と自身を引き離そうとしている張本人だったのだから。




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