ライダーネタしてるくせに碌に戦わんなこの作品!?
いや、戦うにしても回数制限がある以上は…仕方ないね…うん…
と言うことで投稿です
「ユウさん!!私、そろそろバイトに戻りますね!!」
「戸山さん、バイト頑張ってくださいね。それと立希ちゃんによろしく伝えてください」
「はい!!さーやの分も頑張ります!!」
カフェで休憩していた香澄が早退した沙綾の分も意気込みながらバイトに戻っていく。
その姿を見送ったユウは特にやることも無く、カフェに残って宿題に取り掛かっていた燈と愛音を遠目に眺めていたが――――
「…ユウさん」
「愛音ちゃん?どうしたの?宿題終わったの?」
「まぁ、殆ど終わりましたけど……って!!そうじゃなくて!!さっきまでりっきーの事名字で読んでたのに、なんで今は名前で呼んでるんですか?」
「ここのバイトって訳じゃなかったけど、一応は仕事中だったからね」
「あれ~?でも、沙綾先輩のことは仕事中も名前で呼んでましたよね~?」
「あ~…まぁ…そうだね」
宿題をしていた愛音から振られた他愛ない問いに何気なくその話に答えたユウだったが、そ
の答えを聞いた彼女は更に踏み込んで、沙綾のことは仕事中でも名前で呼んできたことを指摘するとユウはその事に答えると対して苦笑いに変わっていく。
だが、その一方で愛音の表情がニヤニヤとした笑みへと変わっていくと更に踏み込んでいった。
「もしかして…沙綾先輩とはそう言う関係だったり…」
「ないない」
「えぇ~」
「この前、彼女の実家のお店の前で始めて会って、今日で2回目だよ?あり得ないよ」
「………」
愛音は先ほどまで様子で沙綾とユウが恋仲だと勘繰ったが、ユウは表情一つ変えずに彼女の言葉を否定していた。
その答えを聞いた愛音の目から見ても丸分かりな程、必至にアプローチをかけていた沙綾の事を哀れに思ってしまったが、愛音はその答えを聞いて別の人物の姿が頭を過っていた。
「…じゃあ、友希那さんの方ですか!!」
「愛音ちゃんの期待に沿えなくて悪いけど、それもないな」
「うっそだ~!!あんなに一緒にいたのに!!」
「しばらく会ってなかったからね。反動でベタベタしてただけでしょ?」
「いやいや!!いくら何でもアレはやり過ぎですって!!」
「それには同意するよ」
「じゃあ…!!」
「確かにゆきちゃんは他の人達とは違うけど、愛音ちゃんが考えてるような関係じゃないよ?」
友希那の姿が頭に過った愛音はそれを伝えるも、ユウは全く表情を変えることなくそれを否定されてしまい、彼女が思っている様な関係ではないとハッキリと言われてしまった。
確かにユウと友希那は愛音が思っている様な恋愛関係は全くないが、”時間を渡って人知れず戦っている”という誰にも言えない秘密を共有していることを考えれば ユウが言うように友希那は他の人とは違うと言うのは紛う事なき真実だった。
「えぇ~…じゃあ、ユウさんのどんな人が好みなんですか?」
「愛音ちゃん達の年頃だとそう言うのに結び付けたがるのは年頃なのは分かるけど、そろそろ宿題やんないとダメじゃない?」
「あっ~!!逃げた~!!」
「逃げてません。このまま話してると燈ちゃんの集中力が切れちゃうでしょ?」
「ぶ~」
さらに踏み込もうとしてきた愛音だったが、ユウは宿題と燈の事を盾にして話を打ち切ろうとしたが、愛音は頬を膨らませて不満を表すのを無視して盾にした燈と彼女が取り組んでいる宿題に視線を落とし――――
「燈ちゃん。そこの問題、サインとコサインが逆だよ」
「えっ…?」
「どれどれ…?ホントだ…ともりん、本当に間違ってるよ」
「あうっ…」
「あはは…余計だったかな?」
彼は即座に燈が計算を間違えていたのを指摘した。
燈は指摘されたことに戸惑ってしまったが、愛音も一緒にその指摘が正しいことを確認すると、驚いた表情を浮かべていたことにユウは苦笑いを浮かべていた。
「いえ…その…ごめんなさい…」
「あっ…!!いや、その間違ったのは仕方ないから…!!次から気をつければいいんだから」
「はい…」
燈が落ち込んでいくのをユウが咄嗟にフォローすると、燈は再び課題に向かい合っていく。
そんな姿を微笑ましく見ていた所で一緒に宿題をしていた愛音がユウに話しかけていた。
「ユウさんって頭いいんですね!!」
「う~ん…分かんないけど、先生が良かっただけだよ」
「そうなんですね~。あっ…この問題分かんないんですけど、分かります?」
愛音はサラッと間違いを指摘したことでユウが頭が良いと褒めるが、ユウ自身にはそんなつもりは全くなく控えめな反応を返すと、今度は愛音が分からない問題があると言って問題を見せてきたが――――
「日本史……か……」
「どうしたんですか?」
「あのちゃん…あれ…?お兄さん…どうしたんですか…?」
愛音が見せてきた内容は日本史の問題。
燈はその問題の答えは分かっているようだが、それに対してユウは苦い表情を浮かべていた。
それに気が付いた燈はその事を口にすると、ユウはその理由を語っていた。
「いや、この問題なら分かるけど…全体的に…日本史…というか歴史系はちょっと苦手なんだよね」
「そうなんですね…」
「へぇ~…意外ですね。暗記系が苦手…あれ?数学の公式が覚えてたりしてたから暗記が苦手なわけじゃない…?」
「いや、教科書に載ってる歴史って実際にあった事と比べると大分美化されてるし―――
それに歴史ってコロコロ変わるからね…」
「「……?」」
意外なことにユウとしては学校で習う歴史は大の苦手である。
自身としては歴史についてはそこらへんにいる学生など比にはならないほどの知識は蓄えているし、時の運行を守る活動で幼い頃から様々な時代を渡り歩いていたユウは教科書に書いてある殆どの時代を自分自身で体験していた。
しかし、教科書に書かれていることとは美化されたり簡略化された内容が殆どで実際の歴史とは違っていることも多い上に、大筋の歴史は一緒だとしても歴史上の出来事が数年単位でズレたり、細々とした歴史が変わることなど日常茶飯事で、細かい部分の改変された歴史全てを把握することなど出来る訳もない。
そんなこともあり、ユウは”歴史には詳しいが、学校で習う歴史が出来ない”と言うアンバランスすぎる存在になってしまったのだが、そんなことを口にしても彼女達にはその言葉の意味を理解することなど出来ず、首を傾げるが歴史の年号以外の問題はとてつもなく強かったのだ。
「織田信長なんて酷いよ?戦よりも惚れたオランダ人の商人の娘を優先する陽気な人*1だったり、人の手によってつくられたホムンクルス*2だったり…
後は、イエヤスなんて凄かったよ。普通の会話に英語が混じって*3―――」
「あの…それ何かのドラマとかの話ですか?」
「違う時間軸の歴史の話…かな…」
「何か言いました?」
「いや…なんでもないよ。日も傾いて来たから、2人の宿題が終わったら家の近くまで送るよ」
「あっ…ありがとうございます…」
ユウは自身が体験してきた一部を口にするも、それを聞いた愛音に苦笑いを返されたユウは小声で呟くも、愛音に耳に入らない。
そんな様子に釣られるように苦笑いを浮かべると、すぐに気持ちを切り替えて2人に宿題をするように促し始めると、2人とも素直に再び宿題へと取り掛かっていく。
そして、日が傾いてきたのを理由に2人を送ることを提案したユウだが、それはユウにとっては単なる言い訳に過ぎなかった。
燈と愛音―――――
赤鬼よりも鈍い自身の感覚と”足元の僅かな砂”と言う確かな物証が訴えかけるのだ。
2人のどちらかがイマジンと既に接触しているということを―――
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