忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます。
最終章で大暴れ楽奈が始まったとおもったら、友希那さんも学校飛び出して……
バンドリちゃんだと寝坊で学校サボったのとは正反対ですね()
という事を思いつつも投稿です


164-招く猫

 

「はぁ……はぁ……!!」

 

燈からの電話を受けて大学を飛び出した友希那。

彼女はいち早く羽丘に辿り着くべく、下校し始める生徒達の流れに逆らうように彼女らしくもなく道を走っていた。

 

「はぁ……はぁ……!!う゛ぅ゛…!!」

 

 

 

「えっ?湊さん?何して……?」

 

「蘭、あれだろ?あこの迎えとかじゃないか?」

 

「ともちん、それならリサさん達もいないとおかしいんじゃ~」

 

「それにしても、なんで友希那先輩はあんなに急いで…」

 

「それは聞けば分かるよ!!お~い!!友希那さ~ん!!…って無視!?」

 

だが、普段の運動不足が祟って脇腹が激しく痛み出していくが、それでも彼女は走るのを止めず、彼女は端も外聞もなく脇腹を抑えて情けない姿を晒しながらも目的地である羽丘まで辿り着いていた。

 

 

 

 

 

「はぁ……!!はぁ……!!う゛……!!」

 

「友希那さん……っ!?」

 

「まっ………待たせたわね………」

 

友希那は今にも死にそうな表情で息をしている姿が周囲の視線を集める中、丁度そのタイミングで校舎を出て校門を出ようとした燈と鉢合わせると、死にそうになっている友希那が何とか取り繕おうとしている姿に燈は言葉を失っていた。

 

 

そんな何とも言えない空気になった2人だったが、このタイミングで更に状況をややこしくしてくれる人物達がやって来てしまった。

 

 

「ちょっとともりん!!一緒に帰ろ~ってあれ?Roseliaの友希那さん……!?」

 

「あれ?友希那さんだ!!なんで羽丘に来てるんですか?一緒に練習行きましょ~!!」

 

 

「あ……あのちゃん」

 

「ぐぇ……ぁ……あこ……」

 

このタイミングで同じタイミングで愛音とあこが校舎から出てくると、2人の姿を見つけて物凄い勢いで駆け寄ってくる。

普段だったら特に気にすることはないのだが、今日はそう言う訳にもいかなかった。

 

「あのちゃん……」

 

「ぁ……あこ……今日は用事が………練習は休むわ……」

 

「「えっ…?」」

 

 

「今日はその…予定があって……」

 

「あはは…予定があるなら仕方ないか~」

 

「私も………」

 

「えぇ~~!?友希那さんが練習を休む!?どういう事ですか!?友希那さんが練習休んじゃうほどの予定って何なんですか!?」

 

友希那達はやってきたあこ達に答えたが、その答えを聞いて断られるとは思っていなかった2人だったが、愛音の方は冷静に受け止めようとした。

一方であこはあの友希那がバンドの練習を休むと言ったことが信じられずにその理由を問いただし始めると、先ほど以上に周囲の視線を集めていたが――――――

 

 

 

 

 

「ともり……」

 

「えっ?楽奈ちゃん?ともりんの予定って楽奈ちゃんとだったんだ……」

 

「ゆきなもいた……」

 

「えっ?友希那さん!!どういう事ですか!?」

 

周囲の視線を全く気にする様子もなく楽奈が何食わぬ顔で燈達の元にやってきた。

 

燈と楽奈で予定があるなら同じバンドという事でまだ納得は出来るが、友希那と楽奈の関係がまるで分からないあこは思わず友希那に問い詰め始めたせいで事体は更にややこしくなる。

 

傍から見れば友希那と楽奈の関係などバンドをやってる顔見知り程度の関係でしかありえないし、実際に友希那としてもその程度の認識でしかないモノの、楽奈から色々と話を聞かなければいけない。

だが、周囲にその事を説明することが一切出来ない友希那はあこの問い掛けを無視して、楽奈に視線を向けてた。

 

「要さん……あなたには色々と聞かなければいけないことが……あるのだけれど?」

 

「楽奈ちゃん……」

 

「……うん」

 

 

「友希那さん!!練習にいかないと紗夜さんに怒られますよ~!!」

 

「あこ。悪いけれど、今日はこっちが最優先なの」

 

友希那の言葉に楽奈が頷く。

友希那と燈の2人はこれで色々と話が聞けると目的が果たせそうだと思ったが、あこは練習の為に友希那を連れて行こうとしたものの、友希那が音楽ではない用事を優先する事に驚きを隠せない。

 

「えっ?なにそれ?楽奈ちゃん。私も一緒に行っていい?」

 

「あこも!!」

 

 

 

「あのん達はダメ」

 

「えぇ~!!ともり~ん!!ともりんからも楽奈ちゃん説得してよ~」

 

「友希那さん!!」

 

「えっと……ごめんね?」

 

「ダメよ」

 

そんな中で愛音は友希那達に着いて行く事を提案し、あこもそれに便乗し始める。

だが、楽奈がそれを即座に拒否されたものの、すぐに2人は友希那達に許可を取ろうと視線を移したが返ってきたのは楽奈と同じ拒否の言葉。

 

 

「……そこまで言うなら一緒に行くのは諦めますよ~」

 

「ちょっとあのん!!なんで諦めちゃうの!?」

 

「あこさんも落ち着いてくださいよ~」

 

 

 

「じゃ」

 

そして、その態度を見た愛音は諦めの言葉を口にするとあこがそれに噛みつくと、愛音はそんなあこを羽交い絞めにして抑え始めると、楽奈は友希那と燈の2人を連れてこの場所から離れていく。

 

3人の小さくなっていく背中を見ていた愛音は、ギリギリ見えなくなるかどうかと言ったタイミングであこを放してその腕を取っていた。

 

「……あこさん。行きますよ!!」

 

「えっ?あのん……?どういうこと?」

 

 

「一緒に着いて行くのがダメなら、後ろを着いて行ってこっそり話を聞けばいいんですよ!!」

 

「ちょっと!!どういうこと!?」

 

「私とあこさんは練習前にお出かけをする。それで、たまたま3人と行先が一緒になっちゃって近くで話が聞こえちゃった。ってことにするんですよ!!」

 

「っ!!そうだよ!!それだよ!!さっすがあのん!!」

 

愛音が言った諦めの言葉は嘘で、彼女の狙いは3人の後をつけて話の内容を盗み聞きすること。

これならば一緒には行ってないし、話もたまたま聞こえただけ。

 

若干苦しい言い訳ではあるが、あこ達からすればそんな事は全く気にしておらず、その目的を伝えられたあこは先ほどまでの不満そうな顔から一転してキラキラした視線を愛音に向け始める。

 

「それじゃ行こ!!」

 

「はい!!行きましょう!!」

 

そして、目的を同じくした愛音とあこの2人で友希那達3人を尾行し始める。

2人は尾行していることが気が付かれている様子は無いと思っていたのだが、前を行く3人は何一つ会話らしい会話をしている様子はない。

 

 

「友希那さん達……なんで何もしゃべってないの……?」

 

「きっと人に聞かれたらダメな話なんですよ!!」

 

「あの3人で……?まさか、ともり達のバンドを事務所に誘うとか…!!」

 

「えぇ~!!そんな~!!もう私達が目をつけられちゃったんですか~」

 

何も会話がないのをいいことに愛音とあこの2人で友希那達が話そうとしている内容を妄想し始めていた。

当然だが2人が会話の内容についての真実に辿り着ける訳もなく最初から迷走していた。

 

仮にあこが言っている内容についてならば愛音をのけ者にするはずがないし、楽奈から燈に話があると持ちかけていること自体がおかしいのだが、褒められて調子に乗った愛音はそんな簡単なことにすら気が付けていない。

 

「喫茶店の中入った!!」

 

「なんか妙に店の中が明るいような……?よし!!あこさん!!行きましょう!!」

 

そんな調子で尾行を続けたあこ達だったが、彼女達3人が店の扉を開けて中に入っていく姿を見ると、彼女達も追いかけるようにして店の扉を開けたのだが――――

 

 

 

 

 

 

「あれ…?ともりん達が入ったみたいに明るくない……?」

 

「あれ……?お客さんが誰もいない?」

 

あこ達が入った店の中には友希那達はおろかあこ達以外の客は誰一人としていなかった。

 

 

 




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