忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます
ここから怒涛の作品の謎回収篇…やっと色々と話の説明が出来ます…!!

感想で「主人公がこの時間から消えたからこそ、本来のバンドリの時間軸に入れた」って言われましたが
その通りだよ…!!
という事で前置きは置いておいて本編どうぞ!!


167-ペルソナの向こう側

 

「ユウ!?あなた…!?なんでここに…!?」

 

友希那の怒りで暴走を始めたその瞬間、彼女達の目の前にユウが現れて詩船に伸ばされた腕を止める。

いきなりの状況に驚く友希那だったが、ユウは何気なく彼女の腕を放してそのまま彼女の横まで歩いていた。

 

「燈ちゃんもいたんだね」

 

「おにーさん…なんでここに?」

 

「さっき別の客室で起きた。……イマジン倒して過去に戻ろうとしてた所までは憶えてるよ」

 

 

 

「やっと起きたか……化け物のくせしてどれだけ寝坊するんだい」

 

「起きて早々なのに口が悪い婆さんだ……」

 

「年寄り扱いするんじゃないよ!!」

 

この状況で燈が率直に疑問を口にすると、ユウは平然とした様子でその問いに答えるが、そのやり取りを見た詩船の言葉にユウは軽く返していた状況で友希那は歩いてきたユウに掴みかかっていた。

 

「ユウ!!あなた大丈夫なの!?怪我は…!?」

 

「今揺すられるのがダメージになってるから止めて」

 

「こっちはどれだけ心配したと……ってなんでシャツを着てないのよ!?」

 

「起きた時は包帯巻かれた状態でとりあえずジャケットだけ羽織って―――うっ…!!ゆきちゃん?恥ずかしいからって怪我人をいきなり突き飛ばすのはナシじゃない?」

 

友希那は今のユウの姿を見てしまった恥ずかしさに彼を思わず突き飛ばしてしまったが、ユウは平然と友希那に小言を入れてから詩船に視線を向けていた。

 

「なんでデンライナーに乗ってるのか気になる所はあるけど…まずは怪我のこととか礼をした方が―――」

 

「はっ……!!私は礼の為にしたわけじゃない。むしろくたばってもらった方が都合が良かったし、化け物にそんな行儀正しくされると気持ち悪い」

 

「オーナー………!!」

 

 

 

「ゆきちゃん。ストップ」

 

「ユウ!!あなた、あなたを化け物って言われて何とも思わないの?」

 

「まぁ、人間って素直に言えるような身体じゃないから俺は人の形をしたナニカだよ。

それに胸に穴空いた状態で生きてるのは化け物言われても仕方ないでしょ?」

 

 

「あなた…!!なんでそんな事言うのよ…!!」

 

「おにーさん……友希那さんの言うとおりですよ……」

 

ユウは自身の事を助けたに対して礼を言おうとしたが、詩船はそんな彼に対して余りにもひどい言葉で答える。

そんな詩船の姿に友希那は一気に怒りを憶えて再び詩船に詰め寄ろうとしたが、再びユウに静止されると今度は彼に文句を言い始めるも、ユウからしたら詩船の言葉は何一つ間違ってないと言い始めたことに友希那だけでなく燈ですら文句を言い始めていく。

 

「ゆきちゃんも燈ちゃんも……俺がイマジンとか人間以外の連中と過ごしてた事は知ってるでしょ?」

 

「それはユウから聞いたわ!!でも―――!!」

 

「今更、俺が人間だの何だのって気にしてないんだよ。それに燈ちゃんにも俺は俺だって、言われたからね」

 

「おにーさん……」

 

 

 

 

「はっ……!!化け物が今更、お涙頂戴の感動話かい?」

 

「お婆ちゃん、空気読めない……デネブ、パフェおかわり」

 

「一言多いよ。それに空気読めてないのは楽奈もだろ…」

 

怒る2人にユウは今までの事を話しながら宥めると、それを聞いた友希那達は怒りをなんとか収めるも、詩船はつまらなそうな表情で悪態を口にしたせいでその空気が悪くなっていく状況には楽奈すらも苦言を呈するも、空気を読まずにデネブにパフェのおかわりを要求している楽奈には詩船も思わず苦言を返さずにはいられない。

 

ギスギスした空気が再び流れていくが―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……おい。ババア」

 

「あっ?」

 

「ちょっとユウ…!?」

 

「流石にそれは……」

 

ユウはあろうことかこんなギスギスしている状況下で詩船の事を”ババア”と呼び出した。

その言葉に詩船は不満を隠すこともせずにユウを睨みだし、彼女に怒りを向けていた友希那や燈ですら流石に不味いとユウを止めようとしていたのだが――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………アンタ、無理しすぎだろ」

 

「「えっ……?」」

 

「何だって?」

 

その後に続いた彼の言葉によってギスギスしたこの場の空気が一瞬にして吹き飛び、ユウの言葉の意味を全く理解できない友希那と燈に詩船ですら困惑し始めていた。

 

「俺の事でゆきちゃんや燈ちゃんに対して必至に悪人みたいに振舞ってるけど…全然出来てないよ」

 

「それって……ワザとお兄さんに酷いことを言ってるってこと……?」

 

「ユウ、それに何の意味があるのよ?」

 

「湊の言うとおりだ。アンタ、何を言って―――」

 

友希那や燈の前で詩船がユウのことに対して露骨に態度を見せていたが、それを全て演技だとユウは指摘していた。

だが、友希那の言うように詩船がそんな事をする意味が分からないし、詩船も友希那の言った言葉を肯定してユウに見下した様な視線を向け始めるが、ユウにはある意味で確信があった。

 

「アンタがゆきちゃん達に俺の事を話してたのは扉越しに聞いてた。アンタが俺をこの時間から連れ去った張本人って言ったところからだけどな………」

 

「………盗み聞きとは教育がなってないね」

 

「礼儀作法の教育は碌に受けてないんでね……」

「だったら、アンタも理解出来るだろ?時間の流れを守るためにガキのアンタを犠牲にしたことんは悪いとは思ってないよ」

 

「俺だって自分の大事な人か無関係な誰か選べ…ってなれば少しは考えるかもしれないから別にそこについては何も言わない」

 

「アンタ何が言いたいんだい?」

 

「でもな。アンタが俺をこの時間から連れ去った…にしてはおかしなとこがあるんだよ」

 

「おかしなところ………?ユウ、何が問題なのよ…?」

 

ユウは詩船が自身をこの時間から消し去った張本人だという事を聞いていた。

それを聞いても詩船はまだ露悪的に振舞うが、ユウはそれを演技だと完全に見抜いていて更に話を進めるが、彼は自身の状況でおかしな点があると指摘するが友希那達はそれに首を傾げると彼はそのおかしい点を指摘していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が生まれたことに関する情報が完全に消えてること」

 

「おにーさん……?」

 

「弦巻さんの家の人も調べてたけど出なかったでしょ?まぁ、偽名使ってたから俺に行きつかなかったってだけかもしれないけど」

 

「カードを使うとみんなの記憶から消えるのだからおかしいことはないんじゃないかしら?」

 

この時間にユウが生まれたことに関する一切の情報が消されていた。

 

友希那の言うようにゼロノスのカードを使えば特異点など過去改変の影響を受けない存在を除いた皆の記憶から消えていく。

だからユウのことに関するものが何も残っていないことは何もおかしいことはないと思っていたのだが、その認識が間違いだった。

 

「ゆきちゃんの言うようにゼロノスのカードは記憶からは消える。でも、記憶しか消えないんだよ」

 

「……?どういう事?」

 

「あっ………あのちゃんのビデオと写真……」

 

友希那の言うように記憶から消えるという事をユウは肯定していたが、ユウの言う言葉の意味の違いを彼女は全く理解出来てはいなかった。

だが、そんな友希那に対して燈の方はユウの言葉を聞いて以前にあった愛音のスマホに残っていた写真と動画の事を思い出していたところでユウが答えを出した。

 

「そうだよ。動画とか写真とかのモノは残るんだよ……………他には、役所に出してるはずの書類とかもね」

 

「……っ!!それならおにーさんが生まれた記録が残ってる…!!」

 

「でも、リサの家でそんな事が問題になってたのなんて覚えてないわ」

 

「当然、俺の記録を全て消した存在がいる。それにババアが噛んでるんだろ」

 

ゼロノスのカードで消費されるのが記憶だけならば、写真や動画での記録が残るなら生まれた時の書類が残っている。

そう指摘したユウの言葉で友希那はやっと彼の言いたいことを理解したが、彼女の記憶ではそんなことで問題になったリサの家族を見た記憶がないし、そんな話も聞いたことがない彼女は疑っていたが、ユウはその事に詩船が絡んでいるという事を指摘していたが―――

 

 

 

 

 

「混乱を避けるために手を回したが、私だけじゃない。それと文句を言いながらだったけど、デンライナーのウラタロスも人間に憑いて書類の改竄と処分しただけだ」

 

「っ!?デンライナーのイマジンは元々お人よしだったけど、ウラタロスの事もあったから勉強だのトレーニングだって言って色々世話を焼いてくれた訳だ……」

 

「私としてはお前を別の時間に放置するだけして、死ぬのを待てば何も問題はなかったんだけどね……」

 

そこには詩船だけではなくユウのよく知るイマジン達も事態に加担していた事をあっさりと暴露した事でユウは一瞬驚いたが、あのイマジン達の性格を考えれば自身に良くしてくれたことも納得がいった。

ユウの存在が完全に消えたタネが割れて周囲はモヤモヤしていたが、ユウ自身はその事に納得している姿に詩船が悪態をついたことで話が終わると思っていたのだが―――

 

 

 

 

 

 

 

「ババア、まだ詰まんない嘘つくね」

 

ユウは詩船がまだ隠していることを見抜いたのだった。





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