忘却の唄・消えかけのアルタイル   作:ツナ缶マン

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おはよーございます

いやーオーナーが犯人だったとはー(棒
でも、何か様子が……

細かいことは置いておいて…本編です……!!


168-そして、彼は全てを知った

オーナーが嘘をついている。

ユウが放ったその言葉は室内の空気は一気に怪訝なモノへと変わっていく。

 

「ぉ……おにーさん……?」

 

「ユウ……?本当にそうなのか…?だが……」

 

「ちょっとだけ思う所があるんだよね」

 

「おもしれー……」

 

 

 

 

「ユウ、あなた何を言ってるのよ?どう考えたらそんな考えになるのよ?」

 

「……湊の言うとおりだ」

 

 

 

友希那達は詩船が今までのユウに向けていた態度を見るに、詩船には思う所があると口々に言うと、本人ですらその言葉に同意してユウを怪訝な目を向けていたが、そんな視線を気にすることもなくユウは詩船に視線を返すと彼は思ったことをそのまま口にし始めた。

 

「まず俺の情報を完全に消したことだけど、俺をこの時間から消すだけならそこまで労力を使う必要はないだろ?

俺は当時3歳の子供だ。別の時間に置き去りにするなり、それこそ時の砂漠に放置すれば楽だったのに何でそうしなかった?」

 

「はっ…!!後で面倒になるから最初に手間をかけたんだ」

 

「面倒なのはアンタじゃなくて俺の―――ん…?殆ど一緒にいなかったから今更家族は違うか……まぁ、俺を生んだ人達であってアンタじゃないだろ?」

 

「アンタの存在がいたことがバレる可能性を消すために必要な手間だ」

 

「俺がちょっと調べたら、戸籍の登録ミスって誤って登録される事例はあった。

俺の情報をババア達が消したのがバレる方こそ大問題になる事を考えれば、アンタらが処理しないで役所が登録ミスったって事にして責任を被せればいい」

 

「……それは無関係の人間に面倒をかけちまうだろ?」

 

「何言ってんだ?俺が責任被せろって言った役所の人間は無関係かもしれないけど、俺を生んだ人間は関係者だろ?」

 

「時間の云々については関係ないだろ。だから私達がやったんだ」

 

「いや、アンタからしたらどっちも赤の他人だろ?面倒を被ってまでそれをする表立った理由はない」

 

最初にユウが指摘したのは自身の記録を消した詩船達の行動。

 

ユウをこの時間から消すだけなら詩船達が労力をかける必要など皆無で、それこそ目的を果たす為だけならば別の時間なり時の砂漠になり捨てるだけで当時子供だったユウはすぐに存在を消せたにも関わらず彼女達はそれをしなかった。

 

「……ちっ。面倒なバケモンだね。最初から殺しておけば………」

 

 

 

「…なるほど。ようやく確信したわ」

 

「ユウ?何が分かったの?」

 

「ぉ……?」

 

その事に詩船は言い訳染みた理由を並べるが、ユウが不自然な点をツッコむと詩船は徐々に答えられなくなって悪態と曇っていく表情を返した。

そんあ姿を見たユウは遂にある確信を得たが、横で話を聞いていた友希那達は完全に話について行けなかったが―――――――

 

「ババア。アンタ―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺を殺すつもりなんてなかっただろ?」

 

「「えっ……?」」

 

詩船は幼いユウをこの時間から連れ去り、今まで口汚い言葉でユウの死を望んでいた。

その言動は友希那達も目の前でハッキリと目撃していたのだが、ユウはあろうことか全くの正反対の言葉を吐いたこの言葉で再び室内の空気を困惑へと染めていく。

 

「ユウ!?何を言ってるのよ!!オーナーはあなたから家族を奪った!!そしてあなたが死ぬことを望んでたって自分で言ってたのよ!!」

 

「化け物は湊よりもバカなのかい?何を根拠にそんな事を――――――」

 

困惑に染まる室内だったが、友希那が我に返って詩船の行動を怒りを爆発させながらユウに語り、詩船もユウの言葉に呆れた様な表情を浮かべながら根拠がないと口にしたが、ユウはその根拠になるモノがあり、詩船の言葉に答える様にユウは懐からあるものと取り出して机にそっと置いていた。

 

「ババア。だったらこれはなんて説明するんだ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「懐中時計……?おにーさんの…?」

 

「そう言えばそんなの持ってたわね?スマホばっかり見てたから最近使ってるの見てなかったけれど」

 

「スマホで解決するから持ってるだけで使ってなかったけど…。これは子供の頃の俺がこの時間から連れ出された時に持ってた唯一のものなんだよ」

 

「「えっ!?」」

 

「………っ!?……その時計がなんだってんだい?私はそんなの知らないね……」

 

 

「んっ……これ……」

 

「楽奈ちゃん……?」

 

「これ、見たことある……」

 

ユウが懐から出したのはボロボロの懐中時計。

友希那達はそれが彼の持ち物であることは知っていたが、それが彼がこの時間から消えた時に持っていた唯一の持ち物であったという事は知らずに驚きの表情を浮かべていた。

そんな彼女達に対して詩船はそれを見て一瞬驚いた表情を浮かべたものの、そんなものは知らないとハッキリとユウに対して宣言するも、楽奈は珍しくユウが取り出した懐中時計に興味を示した。

珍しい状況に燈は思わず楽奈に尋ねるが返ってきた言葉に燈は驚かされてしまった。

そんな燈を他所に楽奈はいつも通りの表情のままにそれについて答えていた。

 

 

「おばあちゃんの昔の写真で見た……」

 

「オーナーの昔の写真?要さん、何の写真だったのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「バンドがメジャーデビューした記念で作った……?とか書いててでみんな同じの持ってた」

 

「「「「っ!?」」」」

 

「……楽奈。デタラメ言うんじゃないよ。私のだって証拠がない」

 

楽奈はユウが出した時計を見たのは詩船の古い写真の中。

それもバンドのメジャーデビューで作った記念品だとい言っていた事の友希那達は衝撃を受ける。

普通に考えれば懐中時計など子供のユウが持っている訳もないし、それが記念品ともなれば持っている誰かが渡さなければ手に入れられる訳がない。

そして、それを渡せる可能性が一番大きいのは彼をこの時間から連れ去った詩船のみだと誰もが考えていると、楽奈はその時計を取って裏を見つめていた。

 

「裏に名前、書いてある」

 

「楽奈ちゃん?ボロボロで読めないんだけど……?」

 

「そうだね。俺が最初に持ってたときからボロボロだったけど、この前の戦いでまたボロボロになって更に見えなくなってね…」

 

「…i…Sc…?…i…n?断片じゃ何も―――」

 

裏に刻まれた文字があれど、それはユウが小さかった頃から既に禿げて読み取れなかった上にこれまでの戦闘で更に刻まれた文字が削られて更に読み取れなくなってしまっていた。

流石に数文字のアルファベットからでは解読することは不可能だったのだが、楽奈だけは違っていた。

 

 

 

 

 

 

「ミラキュラスカーレット……シセン………」

 

「「えっ…?」」

 

「なにそれ?」

 

「バンドとおばあちゃんの名前」

 

「じゃあ……おにーさんが言ってたことが……本当……?」

 

 

 

 

「でも、ユウ?今はそうじゃないわ」

 

「ゆきちゃんも考えれば分かるでしょ?俺を殺すならイマジンとの戦闘で瀕死の俺を助ける必要ないよ。

まぁ、ゆきちゃん達がいたからゼロライナーをデンライナーで牽引して助けたのかもしれないけど、俺がこのデンライナーで目覚めたの状況証拠と、今の俺には不器用に包帯まで巻いてある事だよ。俺もデネブさんもこれよりもっとうまく巻く」

 

楽奈が読み上げたのは彼女の祖母である詩船が組んでいたバンドの名前とそこでのステージネーム。

そんなバンド名とステージネームが被ることはあるかもしれないが、そこに楽奈の言葉と時計と言う物的証拠を見せられてはユウが言ったことが真実味を帯び始めていき、そこから更に瀕死のユウに巻かれていた不器用な包帯と言う物的証拠とデンライナーで目覚めた状況証拠が完全にダメ押しになっていた。

 

「はぁ……降参だ。全く…」

 

「口調悪く色々と言ってたけど、無理してますってのが滲み出てんだよ」

 

「「えっ……?」」

 

「何がどうなっているの……?」

 

ここまで証拠を並べられた詩船は諦めたのか両手を挙げるジェスチャーをし始めた。

それが意味するのはユウに対する冷たい言動は全て偽りだったという事だけだった。




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